クラウドPBXや電話システムについてIT・通信のプロが解りやすく解説|voice

ビジネスフォンやクラウドPBXを電話・通信のプロがわかりやすく解説!

\ クラウドPBX資料 /

無料ダウンロード

フリーワード検索

2023.06.22

コンタクトセンター / コールセンター /

コールセンター運営の5つのポイント丨オペレーターやSVの育成方法も解説|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターは顧客サービスや問い合わせ対応の重要な拠点となるため、円滑で効率的な運営が求められます。一方で、業務フローやマネジメント体制の最適化ができておらず、期待通りの効果を出せていないセンターもあるでしょう。

コールセンターの円滑な運用には、組織と人材の両方を適切にマネジメントし、強化していくことが重要です。

この記事では、コールセンターを運営する上での重要ポイントや、オペレーター、SV、マネージャーのそれぞれに求められる人物像やスキルなどについて解説します。コールセンターの成果をはかるための主要なKPIについても紹介するので、顧客対応部門の担当者の方はぜひ参考にしてください。

サムネイル画像

コールセンター運営のポイント5つ

コールセンターの円滑で効率的な運営には、適切なゴール設定や正確な現状把握など、さまざまな要素が必要不可欠です。高品質な顧客サービスや効率的な業務遂行を実現するための5つのポイントについて解説します。

ゴール(KPI・KGI)設定

コールセンターの円滑で効率的な運営には、適切なゴール設定が重要です。ゴールを設定しなければ、現状維持でよいのか、あるいは何か改善するべきなのかがわからないためです。

コールセンターの業務目標の設定やパフォーマンス評価には、KPI(Key Performance Indicator)とKGI(Key Goal Indicator)が用いられます。KPIとKGIはどちらも特定の目標や業績評価のために使用される指標で、以下のような違いがあります。

KPI

組織や業務の実際のパフォーマンスや成果を測定するための指標。主に業績評価や改善のための具体的な目標を設定する際に使用される。

KGI

組織や業務の全体的な目標の達成度を測定するための指標。主に戦略的な目標や長期的な目標を評価するために使用される。

日々のオペレーターの仕事ぶりやコールセンターの稼働状況を評価するためには、KPIを用います。KPIにはさまざまな種類があり、この記事の後半では特に重要な4つのKPIについて解説しています。

KPIとKGIのち外についてはこちらの記事でも詳しく解説しているので、ぜひあわせて参考にしてください。

正確な現状把握

正確な現状把握をもって、設定した業務目標と現状とのギャップを確認することで、改善すべきことややるべきことが見えてきます。

データ分析やレポートを通じて、コールセンターのパフォーマンスや課題を把握しましょう。また、顧客の問い合わせ内容や頻度、オペレーターの業務負荷やストレスなどのデータとして測定しにくい情報も、改善策の策定やよりよいリソース配分の判断材料として活用できるでしょう。

特にオペレーターの業務負荷やストレスは、負担が大きくなるとオペレーターの離職につながるため、慎重に確認することが重要です。オペレーター一人ひとりとの面談などを通して不満や要望を聞き、働きやすい職場環境の構築に努めましょう。

マネジメント(組織)体制

オペレーターの応対品質は、コールセンター全体のパフォーマンスを左右する重要な要素です。そして、オペレーターが自信を持って業務に取り組める環境を作るためには、チームリーダーやSV(スーパーバイザー)による適正なマネジメントが欠かせません。

チームリーダーやSVは的確な指導とサポートを提供し、オペレーターのパフォーマンス向上やモチベーションの維持に努めましょう。新人研修の実施やマニュアル整備などを行い、新人オペレーターでも安心して顧客対応にあたれるようにすることも、マネジメント側の役割です。

SVやマネージャーの詳しい役割や求められるスキルなどについては、この記事の後半で解説しています。

業務プロセス設計

トークスクリプトや応対フロー、システムなどを活用した問い合わせの適切な振り分け、日次や月次での報告事項など、細かい業務のやり方を定めます。

特にオペレーターのストレスになりやすいクレーム対応は「マニュアル対応で解決しない場合はリーダーやSVに引き渡す」といったエスカレーションのルールを定めておくとよいでしょう。

業務プロセスが明確になっていることで、オペレーター、SV、マネージャーなどそれぞれのポジションの人が、自分の役割や業務範囲をより意識して業務に取り掛かれます。「これは私の仕事ではないと思った」といった勘違いやミスを防げ、コールセンターの安定運用につながるでしょう。

オペレーターの教育と定着

オペレーター教育は、応対品質の向上や均一化に欠かせない一方で、過度に厳しい教育や干渉はオペレーターのストレスの元となり、結果として離職率が増える原因となります。

初期研修や上司との面談の機会の設定に加えて、報酬体系の整備やキャリアパスの提示などを行い、オペレーターが自らのスキル向上に自発的に取り組める環境を整えましょう。

【ポジション別】求められる人物像と育成方法

コールセンターにはオペレーター、SV(スーパーバイザー)、マネージャーなどさまざまなポジションがあり、それぞれ異なる人物像とスキルが求められます。各ポジションに応じて適切な人材育成方法を実施することが、コールセンターの効果的かつ円滑な運営には欠かせません。

ここからは、オペレーター、SV、マネージャーの3つのポジションについて、求められる人物像やスキル、さらに育成方法について解説します。

オペレーター

コールセンターの最前線で顧客と直接接触する役割を担うオペレーター。

丁寧で正しい日本語力や相手の話を正確に理解する力といった基本のコミュニケーションスキルに加えて、共感力忍耐力も求められます。商品やサービスに関する知識や、トラブルやクレームも冷静に対応する問題解決力も必要です。

オペレーターのスキルや知識を向上させる方法としては、新人オペレーター向けの研修や中堅向けのスキルアップ研修などがあります。実践的なシミュレーションやロールプレイは、問題解決力やコミュニケーションスキルの強化に有効です。

実際のやり取りを聞いた上での個別のフィードバックやオペレーターへの個人面談など、オペレーターのモチベーションを向上させ、スキルアップを促す取り組みも実施しましょう。

SV(スーパーバイザー)

SV(スーパーバイザー)は、オペレーターを束ねる立場として、マネジメントやマネージャーとの仲介役としての役目を担っています。一般的に、SV一人につき10~20人程度のオペレーターを担当します。

コールセンターの職場環境や応対品質はSVの働きに左右されると言っても過言ではありません。そのような重要な役割を担うSVには、オペレーターに適切に指示を与え、さらに各オペレーターの働きや強み・弱みをよく観察し、適切に助言やサポートを行うマネジメントスキルが必須です。

また、コールが集中している時間帯など、高いストレス環境や困難な状況下でも冷静に対応し、問題解決に取り組む能力も求められます。

オペレーターからのキャリアアップとしてSVを目指す人も多いですが、SVとオペレーターとでは、伸ばすべきスキルも異なります。SVの育成には、チームマネジメントやコーチングスキルの向上を目指すリーダーシップトレーニングの実施が有効です。

SVの採用・育成については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせて参考にしてください。

マネージャー

マネージャーは、SVよりもさらに広い視点でコールセンター全体を管理し、目標達成に向けて戦略を立案することが役目です。

SVの上位職にあたるマネージャーは、SVのマネジメントやコールセンター全体の管理を担当し、センター全体の品質向上や生産性、収益性の向上を目指します。

マネージャーに求められるスキルとしては、目標や方針をメンバーに共有し、部下をまとめ上げるリーダーシップや、予算や収支の管理、リソースの適正配置を行うマネジメントスキルが求められます。

社内の関連部署や外部の業務委託先などとの調整など、交渉力が必要になるシーンもあるでしょう。

マネージャーの育成方法としては、SVと同じく部下を束ねるマネージャーとしてのリーダーシップ能力を高めるための研修や、センター全体のマネジメントや戦略的思考スキルを高めるトレーニングプログラムを実施するとよいでしょう。

マネージャーの詳細の仕事内容や求められるスキルについては、こちらの記事で解説しています。

コールセンター運用で特に重要なKPI

コールセンターのパフォーマンスを評価するKPIにはさまざまありますが、この記事ではその中でも特に重要な4つのKPIについて解説します。

なお、KPIは単体での評価に加え、他の指標やデータとの関連性も踏まえて評価することも重要です。あるKPIの数値が改善する一方で、別のKPIの数値が悪化する可能性もあるため、センターの運営担当者は常に広い視点で評価するようにしましょう。

応答率

応答率とは、コールセンターが受けたすべての着信コールに対して、どれくらいの割合でオペレーターが迅速に応答したかを示す指標です。応答率はコールセンターの効率性と効果性を示します。

応答率は以下の式で計算します。

応答率(%) = (応答されたコール数 ÷ 受信したコール数) × 100

例えば、1,000件の着信コールがあり、そのうち900件がオペレーターによって応答された場合、応答率は(900 ÷ 1,000) × 100 = 90%です。

応答率が高ければ高いほど、より多くの問い合わせや注文に応対できている「電話が繋がりやすい」状態です。反対に応答率が低い場合は電話が繋がらないために、相手が途中で諦めて電話を切ってしまっている可能性が高いです。

こちらの記事では、応答率の適正な数値や、応答率を下げる主な要因などについて詳しく解説しています。

平均処理時間(AHT)

平均処理時間とは、オペレーターが1件のコールにかけた平均時間を示す指標です。応答から終了までの総時間を考慮し、オペレーターの生産性やコールセンターの効率性を評価します。

平均処理時間は以下の式で計算します。

平均処理時間 = (全てのコールの処理時間の合計 ÷ 処理されたコール数)

例えば、500件のコールが処理され、その合計処理時間が1,500分(25時間)である場合、平均処理時間は1,500 ÷ 500 = 3分です。

平均処理時間は、コールセンターの生産性や効率性を測るための重要な指標です。短い平均処理時間は、より多くのコールを処理し、効率的な顧客サービスの提供ができていることを示します。一方で、平均処理時間が長い場合、顧客の待ち時間が増え、顧客満足度や応答率に悪影響を与えている可能性があります。

平均処理時間(AHT)については、こちらの記事で詳しく解説しています。

一次解決率

一次解決率とは、顧客の問題や要求を最初のコールで解決できた割合を示す指標です。顧客が最初に問い合わせた問題を、複数回のコールや転送なしで解決できるかどうかを評価します。

一次解決率は以下の式で計算します。

一次解決率(%) = (一度のコールで解決した問題数 ÷ 総問い合わせ数) × 100

例えば、1,000件の問い合わせがあり、そのうち800件が最初のコールで解決した場合、一次解決率は(800 ÷ 1,000) × 100 = 80%です。

疑問解消やトラブル解決のために複数回のやり取りが発生することは、顧客にとってはもちろん、コールセンターにとっても望ましくありません。一次解決率を改善し、顧客の問題を迅速かつ正確に解決することで、コスト削減やカスタマーエクスペリエンスの向上が期待できます。

一次解決率については、こちらの記事で詳しく解説しています。

稼働率

稼働率とは、オペレーターが実際に業務に従事している時間の割合を示す指標です。稼働率は、オペレーターの生産性とリソースの効率的な利用を評価するために用いられます。

稼働率は以下の式で計算します。

稼働率(%) = (実働時間 ÷ 常駐時間) × 100

実働時間はオペレーターが業務に従事していた時間、常駐時間はオペレーターがコールセンターに常駐していた時間を指します。例えば、あるオペレーターの実働時間が4時間、常駐時間が5時間の場合、稼働率は(4 ÷ 5) × 100 = 80%です。

稼働率の上昇は、オペレーターの有効活用やコスト効率の向上につながる一方で、過剰な稼働率はオペレーターの負担やミスの増加につながるため、適切な目標設定が重要です。

稼働率についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

コールセンターやコンタクトセンターの円滑な運用には、適切なゴール設定や人材育成、組織体制の強化などが重要です。センターの目的や目標にあわせたKPIで、定期的にパフォーマンスや業務体制を評価しましょう。


プロフィール写真

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

注目記事Recommend Post

  • パナソニックのおすすめ新品・中古ビジネスフォン丨ビジネスフォン図鑑

  • オムニチャネル・コンタクトセンターシステム|SNS

  • リモートワーク社員との通信手段はクラウドPBXがおすすめな5つの理由