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2021.05.11

コンタクトセンター / 応答率 /

コールセンターの応答率とは?計算式・目安・向上方法を解説|トラムシステム

コールセンター・コンタクトセンターの品質や生産性向上に不可欠なKPI指標である「応答率」。どのように応答率を評価すれば良いのか、応答率を向上させるためには何をすれば良いのかを知っておくことが重要です。

この記事では、応答率の計算式や目標値の目安、応答率改善のポイントについて詳しく解説します。

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コールセンターの応答率とは

コールセンターで使われる応答率とは、お客様からの入電のうちオペレーターが実際に対応できた件数の割合です。顧客満足度に直結する品質指標であり、コールセンター管理者が注意すべき指標の一つです。

応答率が高ければ高いほど、お客様からの問い合わせや注文に多く応対できており「電話が繋がりやすい」状態です。逆に応答率が低い場合は電話が繋がらなかったり、お客様が電話を諦めて切ってしまっていたりと、お客様の不満・ストレスは大きいといえます。

応答率の計算方法

応答率は単位時間あたりにオペレーターが応対した件数を入電数で割ることで算出できます。具体的な計算式は以下のとおりです。

応答率(%)=応対した件数(件)÷入電件数(件)×100

例えば、1時間に10件の入電があるコールセンターで7件に対応出来ていれば、70%の応答率と計算できます。

1時間あたりの応答率や、日次・週次など単位時間を変えて算出することで、リアルタイムの応対状況を把握し、大まかなトレンドを管理することが可能です。

サービスレベルとの違い

応答率と同じような品質指標に「サービスレベル」があります。サービスレベルとは、一定の時間内に対応・処理できた割合を示す指標です。

コールセンターの場合は「〇秒以内に応対できた件数の割合」を算出し、パフォーマンスを計測する指標として活用しています。

サービスレベルと応答率の違いは、応対開始するまでに制限があるかどうかです。

例えば、サービスレベルを「20秒以内に80%に応対」目標設定とすると、待ち時間の長いコールセンターではサービスレベルが未達となります。一方、20秒を超えていても応答できていれば応答率にはカウントされるため、応答率は基準をクリアできます。

なお、応答率・サービスレベルとあれこれ管理指標に手を出すのは禁物です。センター管理者としては、まずどの時間帯でも取りこぼしなく電話が取れることを求められています。

30分や1時間あたりなど細かい単位で応答率を管理し、目標達成に向けて改善を進めるようにしましょう。そして、十分に応答率の改善が見られた後で「お客様を待たせないように」とサービスレベルの改善に取り組むことが重要です。

適正な応答率の目安とは

応答率はただ算出するだけでは不十分です。応答率の見方を理解することで、コールセンターの状態を正しく把握し改善に繋げることができます。

ここからはコールセンター管理者が知っておきたい応答率の評価方法について詳しく解説します。

目標値は業務によって異なる

コールセンターは緊急性の高い業務から、一般的な問い合わせまで幅広い内容を扱います。そのため、応答率の目標として設定する数値は業務特性に合わせることが重要です。

一般的な問い合わせや注文・処理受付などを行うコールセンターでは、応答率の目標値を90%程度に設定していることが多いです。応答率が高ければ高いほど良いサービスを提供できていると判断できますが、高い応答率を維持するためにはコストがかかります。

コストとサービス品質を天秤にかけて、ちょうど良いバランスで応答率を設定しましょう。

一方で、盗難・紛失の受付や事故対応など緊急性の高い応対が必要なコールセンターでは、電話の繋がりにくいことがトラブルに繋がる恐れがあります。そのため、一般的なコールセンターよりも高めの95~97%程度の応答率を設定していることが多いです。

コールセンターの役割や業務内容、顧客ニーズ、予算感などを総合的に判断して、適切な目標設定をするようにしましょう。

90%以上が理想の状態

多くのコールセンターで90%程度を目標値と掲げています。入電数が増える一部の時間帯で取りこぼしが発生するものの、全体的に見ると高い応答率をキープできている状態です。

センター管理者はオペレーターの増員や教育、コールセンターシステムの導入、応答率を始めとする各種指標の監視など、さまざまな対策を実施することで応答率の維持・改善活動を続けましょう。

なお、応答率だけを強制してしまうと、オペレーターによっては応対がおざなりになってしまうこともあります。早口で話していたり、重要な説明を省略していたりと、応対品質に課題が出てしまう点に注意が必要です。いくつかの品質指標を組み合わせて正しくセンター状態を把握できるようにしましょう。

90~80%で支障が出始める

ピークタイム以外の時間帯でも取りこぼしが多くなり、電話が繋がらないとクレームが出始めます。入電を捌くオペレーターの数が不足しているのか、各オペレーターのスキル不足によるものなのかを見極め、適切な対処が必要です。

なお、人件費や設備費などコールセンターにかかる費用を最低限まで引き下げたい場合は、サービス品質として80~90%がギリギリ許容できる数値です。これ以上応答率が下がらないように注意しつつ、並行して業務効率や生産性の向上などコスト削減にも取り組みましょう。

70%~でオペレーターのストレスが増加

深夜などの一部の時間帯を除き常に電話が鳴りやまず、お客様の待ち時間も長時間化している状態です。休憩も取れず、クレームも多くなりますので、オペレーターのストレスは増加します。

オペレーターのストレスは応対品質に影響したり、欠勤や離職に繋がったりする可能性もあり、最優先で対応すべき課題です。オペレーターの増員や生産性を高める施策の実施など、速やかな対応が求められています。

70%以下は業務が回っていない状況

コールセンターの応答率は、70%を下回ると応対業務が機能していない状態に陥ります立ち上げたばかりのコールセンターや、1件当たりの応対時間が長い業務の場合も70%以下になることもありますが、至急対応が必要なレベルです。電話が繋がるまでに10分以上待たされることも多く、顧客満足度の低下を引き起こします。

さらに、70%以下の応答率が続くとオペレーターへの負荷は大きく、士気も低下します。電話が繋がった後もクレーム対応からスタートするので、SVや管理者の二次対応が頻発し本来の管理者業務に手が回りません。生産性もどんどん低下していってしまうので、直ちにオペレーターの増員を実行しましょう。
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応答率向上の4つのポイント

応答率改善に取り組むセンター管理者は「なぜ自社センターの応答率が低いのか」を突き止め、適切な対応を実施することが重要です。応答率を下げる主な4つの要因と対応策(改善策)を解説します。

人手不足の改善

オペレーターの人数が足りていないことによって応答率が低下するケースはよくあります。

コールセンターのコスト削減に取り組む際、オペレーターやSVなどの人件費はよく削減の検討対象に入ります。実際にコールセンター費用の3分の2を占めるため、まずは人件費圧縮に取り掛かることも多いでしょう。しかし、十分な検討をせずに人件費を削減してしまうと、応答率の低下から応対品質や顧客満足度に影響を与えます。

コスト削減を検討する際は自社センターのコスト構造を正しく分析した上で、運用方法の見直しや業務効率化などで無駄なコストを削減していくようにしましょう。

オペレーターのスキルアップ

オペレーターのスキル不足は、応対の長時間を招き、結果として応答率の低下につながります。入社したばかりの新人オペレーターや新商品・サービスの発売後などによく見られます。

改善策として、まずはオペレーター全体の問題なのか、特定のオペレーターによるものなのかを明らかにしましょう。多くのオペレーターに共通している課題であれば集合研修やトレーニングの実施、特定のオペレーターのみの課題はOJTやロールプレイングなどで応対スキルを強化します。

また、コールセンターはアルバイトやパートタイマー、派遣社員などの人材が多く流動的です。常に応対スキルが一定品質をキープできるように、適切な採用基準を設ける、現在のオペレーターが長期間働ける環境を整備するなどの対策も検討しましょう。

入電数の削減

新商品・サービスが発売されたケースや、テレビや雑誌、SNSなどで取り上げられたケースでは入電数の急増により応答率は低下します。一時的にセンターの稼働が高まり応答率は悪化しますが、時が経つにつれて徐々に落ち着いていくことが多いです。

あらかじめ急増することが分かっていれば臨時でオペレーターを増員しておくなどの対策が可能です。センター管理者は日頃から営業部やマーケティング部・開発部など関連部署と連携し、入電ピークに備えましょう。

一時的な要因ではなく日常的に入電数が多い場合には、FAQやマニュアルの強化、チャットボット導入などにより、問い合わせの数を根本的に減らす取り組みが必要になります。特にFAQは顧客による問題・疑問の自己解決の促進に効果的です。問い合わせの多い質問を集計し、随時FAQへの反映を行いましょう。

AHT(平均処理時間)の改善

AHT(平均処理時間)とは1通話あたりの平均対応時間です。コールセンターの業務内容や扱っている商品・サービス、オペレーターのスキルなどによってAHTは変化しますが、センター全体で極端にAHTが長いケースや一部のオペレーターでAHTが長いケースは注意しましょう。

AHTが長くなってしまう要因は以下が挙げられます。

・入電に対する回答が分からない、見つからない
・要点を絞って会話できない、丁寧に話過ぎるなど応対に時間がかかる
・顧客応対後の後処理に時間がかかる

それぞれの要因によって効果的な対策方法は異なります。社内FAQやコールフローの整備、通話録音を使ったトレーニング、適切なコールセンターシステムの導入など、要因に合わせた対策を実施するようにしましょう。

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コールセンターの応対率管理のポイント

応答率はコールセンターの業務効率や生産性を測る重要な品質指標であり、闇雲に算出・管理していては宝の持ち腐れです。センター管理者は応答率を十分に理解し、適切に管理・活用できるようにしましょう。

ここからはコールセンターの応答率管理について特に気を付けるべきポイントを解説します。

時間帯・曜日別の応答率

週次や月次など大きな単位で応答率を算出すると大まかなトレンドは掴めますが、日々の稼働状況は見えづらく課題を発見できなくなります。そのため日次や1~数時間ごとの応答率を管理することも大切です。

時間帯による変化や曜日による変化、月末・月初の変化など、応答率が変わる要因を把握出来れば、オペレーターのシフト調整などで全体の応答率を下げることなく対処できます。

とはいっても、手作業で細かな単位で応答率を集計するのは大変。センター管理者やオペレーターの負荷も増大します。業務管理コストの削減を目的に応答率の自動算出・分析システムを導入するのも良いでしょう。

適性なWFM(Work Force Management)

WFM(Work Force Management)とは、特定の業務量をこなすために必要な人員構成を算出するための管理手法です。応答率を高めたいばかりにオペレーターを多く配置してしまえば、入電がなく暇にしてしまうオペレターが増えてしまいます。

余計な人件費がかかるので、コスト増は避けられません。センター管理者は業務量に応じて必要最低限の人員配置をすることで応対品質とコストのバランスを取ることが重要です。

WFMでは過去の実績やトレンドを元に将来の入電数を予測し、必要なスキルを持つオペレーターが過不足なく配置できるように管理します。応答率や稼働率の向上やコスト削減はもちろん、満足度や応対品質の向上にも効果があるでしょう。

excelなどでも管理は可能ですが、ファイル管理の煩雑さや業務負荷などからシステムツールを導入する企業も増えています。近年ではクラウド型WFMサービスの登場により初期導入コストが抑えられ、さらに手軽に利用が可能です。メリットの大きいツールなので、自社センターの規模や予算感に応じて導入を検討してみましょう。

まとめ

応対品質や顧客満足度を維持・向上させるために重要な「応答率」は、正しく管理運用することが大切です。センター管理者はこの記事の内容を参考に応答率を有効活用し、業務改善に繋げてください。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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