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コールセンターの稼働率を適正に管理!目安や関連KPIも解説|トラムシステム

コールセンター・コンタクトセンターの生産性を示す指標である「稼働率」は、正しく活用することで、業務改善や人件費コストの削減、顧客満足度の向上につながります。

この記事では、稼働率の概要や目安値、管理方法について詳しく解説します。センター運営に悩む管理者の方には、業務効率を最大化するための大きなヒントとなる内容です。ぜひご参考ください。

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稼働率とは

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稼働率とは、勤務時間のうち、顧客対応にかけられる時間の割合のことです。具体的には、オペレーターの給与支払い対象となる業務時間から、休憩や研修、全体共有ミーティングなどの時間を除き、実際に顧客対応業務にあたった時間の割合を算出します。

稼働率は、コンタクトセンターやコールセンターの生産能力を把握するために重要な指標です。センター管理者は稼働率を適切に算出・管理することによって、業務改善や生産性向上、顧客満足度の向上・維持に役立てることができます。

稼働率の算出方法

稼働率の算出方法は、以下の計算式で算出します。

稼働率=顧客対応時間÷勤務時間

顧客対応時間とは、次のような顧客応対に直接関連する時間を合計した時間を指します。

・顧客との通話、メール、チャット応対時間
・保留時間
・後処理時間
・待機時間

勤務時間とは、給与支払い対象となる業務時間のことです。業務時間に当たらない昼休みなどの休憩時間などは、勤務時間に含みません。

業務時間中にミーティングや研修を行う場合、顧客対応時間が短くなるので、稼働率は低下します。トレーニングが必要な新人が多い現場では稼働率が低かったり、逆にベテランの多い現場では稼働率が高かったりと、センターの状況に応じて稼働率が変化する点に留意しましょう。

稼働率の目安

コールセンターの国際的品質保証規格(COPC CX規格)では、「月平均の稼働率が86%」を指標値と定義しています。日本のコールセンターでも、COPC CX規格の指標値に準じて稼働率目標を80~85%設定していることが多く、次のような目安で見るのが一般的です。

・70%未満:人員配置見直しライン
・80~85%:適正ライン
・85~90%:注意ライン
・90%以上:危険ライン

ただし、前述したオペレーターのスキルはもちろん、季節、月末月初・曜日などのトレンドによって稼働率は変化します。管理ツールやシステムを使って稼働率を定期的にチェックし、大きく目標値から外れるようであれば何らかの対策を検討することが大切です。

高すぎる・低すぎる稼働率の問題

稼働率は高すぎても、低すぎても問題があり、適切なラインを遵守することが重要です。

稼働率が高すぎる場合、業務量に対してオペレーター人数が不足している状態を表しています。

高い稼働率が続く場合、オペレーターの疲労・ストレスの蓄積から離職者の増加や顧客対応品質の低下が起こりかねません。ただし業務難易度が低い、またはベテランオペレーターが多い場合は一般的な指標に比べると稼働率は高くなる傾向があります。

低すぎる場合は、オペレーターが多すぎるか正しく勤怠管理ができていない(オペレーターがさぼっている、ステータスの登録ミスをしているなど)状態と判断し、シフトの見直しや勤怠管理の徹底が必要です。なお、入電の少ない深夜帯や休日は稼働率が低くなる傾向があります。

稼働率に関連するKPI

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ここからは、稼働率に関連するKPIである「応答率」と「占有率」を解説します。どちらも稼働率と同じように、コールセンターやコンタクトセンターの生産性を見るための有効な指標です。稼働率と組み合わせて分析に使用することで、より実態を把握できるためぜひ参考にしてください。

応答率

応答率とは、電話のつながりやすさを計るための指です。入電した件数のうちオペレーターが実際に対応した件数を算出します。応答率はサービスレベル(基準内応答率、あらかじめ定義した応答時間内に応答できた件数の割合)と組み合わせて利用することが一般的です。

応答率が高いほどオペレーターが多くの入電に対応できているので、電話がつながりやすいと判断できます。逆に応答率が低い場合は、なかなか電話がつながらなかったり、顧客が諦めて電話を切ってしまったりと、顧客満足度は低い状態です。

応答率は盗難・事故受け付けなど緊急性の高い業務の場合は97%以上、それ以外の場合は90%以上が一般的な指標値です。応答率が指標値を下回る場合はオペレーターの増員やシフトの組み換えを検討しましょう。

占有率

占有率とは、オペレーターが顧客対応可能な時間のうち、実際に顧客対応にあたっていた時間を計る指標です。

稼働率と似ていますが、占有率は研修やミーティングなどを除いた業務時間のうち、待機(入電待ち)時間以外の顧客対応時間(通話時間、保留時間、後処理時間)がどの程度あるのかを表します。つまり、稼働率と占有率は待機時間を入れるかどうかが相違点です。

占有率が高すぎると待機時間の遊び(余剰時間)がなくなります。局所的な入電数増加を取りこぼしてしまったり、オペレーターが疲労・ストレスを感じる要因になったりと品質低下を招くので注意が必要です。逆に占有率が低すぎる場合は、入電に対してオペレーターが多すぎる状態でありシフトの見直しが必要と判断できます。

適正な稼働率マネジメントのためには

稼働率を上手く取り入れてセンター運営を最適化するためには、どのような点に気を付ければいいのでしょうか。ここからは適切な稼働率管理するために重要な4つのポイントを紹介します。

適正なステータス管理

正しく稼働率を算出するためには、オペレーターの状態(ステータス)を正確に把握・収集することが必要です。ステータスの代表例としては、次のようなものがあげられます。

・通話中
・後処理中
・保留中
・離席中
・休憩中

どのステータスを管理する場合もあらかじめセンター内のルールを決め、オペレーターに入力を徹底するように呼び掛けることが大切です。

管理するステータスは細かく定義しすぎると入力が煩雑になったり、正しく入力できなかったりとトラブルを生みます。ステータスを細かく把握することが目的ではなく、稼働率を適切に算出することが目的なので、センターの実態に合わせてステータスの定義は工夫しましょう。

非生産時間の活用

稼働率を算出することで見えてくる「非生産時間」を上手く活用できるかどうかも、大切なポイントです。新商品や新サービスの発売に伴う研修や応対品質の向上を目的としたトレーニングなど、顧客応対以外の時間が十分にとれるようにオペレーターの業務時間を上手く調整しましょう。

センター全体での稼働率を適切に管理するため、入電数やオペレーターの要員数に合わせて非生産時間の時間帯を工夫することも大切です。具体的には入電数の多い午前中ではなく、午後や夕方に研修スケジュールを設定するなどの工夫をします。

オペレーターの人数調整

オペレーターの過不足はセンター全体の生産性悪化や顧客満足度低下に直結する課題です。稼働率の指標値と比較して、高すぎる・低すぎるといった課題がある場合はオペレーターの人数調整に取り掛かります。

人数調整とは、1ヶ月・1日・1時間などの平均入電数を元に、将来の業務量(入電数)を予測し、予測結果に基づく最適なオペレーター配置を構成することです。この時、WFM(ワークフォースマネジメントシステム)などのツールを利用すると、効率的に算出できるので併せて導入を検討するのも良いでしょう。

オペレーターのケア

慢性的に高い稼働率が続いている場合、オペレーターのストレスや疲労蓄積に直結します。また業務時間のほとんどを顧客応対時間が占める状態では、教育や情報共有に十分な時間を確保できているとはいえません。

特にオペレーターのストレスや疲労は、体調不良や離職に直結する大きな課題となります。センター管理者は、オペレーターのストレス軽減のため次のような対策を積極的に行いましょう。

・研修制度やフォロー体制の充実
・適切な評価制度の整備
・柔軟な働き方への対応

オペレーターのケアについてはこちらの記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

まとめ

稼働率はコールセンター・コンタクトセンターの生産性を計る重要な指標です。センター管理者は定期的に稼働率を算出・チェックし、指標値と大幅に乖離する場合は原因究明と是正対策をとりましょう。また、稼働率と関連する応答率や占有率といったKPI指標を組み合わせて分析することもセンター全体の生産性向上には有効な対策です。ぜひ積極的に実践してみてください。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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