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ビジネスフォンとは丨導入・設定方法や家庭用電話機との違いを解説|トラムシステム

ビジネスフォンは家庭用電話機とは異なり、企業が業務を遂行するために必要な機能を豊富に搭載しています。家庭用電話機と比較しながらビジネスフォンの導入メリットや機能、仕組みや導入方法について詳しく解説します。

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ビジネスフォンとは

ビジネスフォンとは、顧客や業者などと通話する外線電話と企業内の担当者同士で通話する内線電話を制御し、回線を共有したり、同時利用ができるように工夫されている電話機のことです。

ビジネスフォンは家庭用電話機とは異なり、複数人での同時利用が予め想定されています。そのため、家庭用電話機では提供されていない機能の提供や高い負荷にも耐えられる高い性能が求められます。また、ビジネスフォンはビジネスフォンだけで利用することはできず、外線電話と内線電話を制御する主装置と実際に通話を行う電話端末で構成されているのも特徴です。

家庭用電話機との違い

家庭用電話機では1つの電話回線に対し、1台の電話機を用意して使用するのが一般的です。一方、ビジネスフォンでは主装置と多数の電話端末を接続することで複数の担当者が利用できるようになっており、ビジネスフォンによっては数百台の電話端末を接続することも可能です。

本来であれば担当者の数だけ電話回線の契約をする必要がありますが、主装置で電話を制御することで必要最小限の電話回線で利用できるようにしています。ビジネスフォンには、ビジネスの現場での利用を想定し以下のような機能が搭載されています。

(1)内線通話
内線通話は企業内の担当者同士で通話できる機能です。遠く離れた拠点で働いている担当者がいた場合でも、内線通話を利用することで簡単に通話することができ、またオフィス間の通話となるため通話料も発生しません。

(2)保留転送
かかってきた電話を社内の違う電話機に転送できる機能です。かかってきた電話の担当者が不在だった場合に、違う担当者へ転送することができるため、電話をかけた相手に再度電話をしてもらう手間を煩わせることなく処理することができます。

ビジネスフォンの仕組み

ビジネスフォンは家庭用電話機とは異なり、電話回線の引き込み口と本体を接続するだけで動くものではありません。まず、電話回線の引込口と主装置を接続します。(主装置の役割についてはこの後で解説しています)その後主装置とローゼットと呼ばれる小型の機器を接続し、モジュラーケーブルを介して各内線電話機と接続します。ローゼットには主装置からの配線を各内線電話機に分岐する役割があります。

つまり、ビジネスフォンは「電話回線の引込口 → 主装置 → ローゼット → モジュラーケーブル → ビジネスフォン」といくつかの機器やケーブルを通して設置する必要があります。

外部からかかってきた電話は、まず一度に集約され、そこから各端末に着信が振り分けられます。例えば、代表番号への着信は受付に設置してある電話機に振り分ける、といった設定は主装置で行います。

主装置の役割

主装置は、構内交換機(PBX:Private Branch eXchange)とも呼ばれ、ビジネスフォンにおいては外線や内線の電話交換機の役割を担い、外線と内線を社内で共有することを可能にしています。それ以外には、限られた電話回線を効率的に運用することで通信コストを抑えたり、電話帳の番号データを記録したりといった役割があります。

例えば、外線から直接特定の担当者を呼び出すことができるダイヤルイン機能、担当者が不在なときに自動的に転送する不在転送機能、指定回数呼び出しても応答がなければ事前に設定した担当者に転送する機能など、電話を使った業務運営に欠かせない機能を提供しています。

また、電話機能以外にもファクシミリ(FAX)やコンピューターと接続することで企業内ネットワークを構成することも可能です。

ビジネスフォンのメリット

ビジネスフォンを導入するメリットは、以下の通りです。

(1)通信コストを削減できる
家庭用電話機では誰かが電話を使っていると他の電話を取ることができませんが、ビジネスフォンでは主装置によって電話を制御することにより、複数の電話番号を1つの電話機で受けることが可能になります。上述した通り、家庭用電話機では電話機ごとに電話回線の契約が必要になりますが、ビジネスフォンでは電話を適切にコントロールすることで契約数以上の台数の電話機を同時に利用できます。

また、ビジネスフォンには家庭用電話機には搭載されていない内線機能があります。
内線機能を使うことで拠点が違っても社員間の電話は通話料無料で電話をかけることができるため、通話料の削減も可能です。クラウドPBXなどを導入することで、スマートフォンを内線化することもでき、さらなる削減効果が期待できます。

(2)業務効率が向上できる
ビジネスフォンを使うことで1つのシステムで同時通話をすることが可能です。同じ電話番号に複数の方から電話があったとしても、ビジネスフォンで適切に振り分けることで何度電話してもつながらないといった状況を回避することで顧客満足度の向上が期待でき、折返し作業にかかる時間を削減できるようになります。

電話制御以外にもビジネスフォンには様々な機能が搭載されています。
例えば、リモートコールバック機能を使って外出先からスマートフォンを使って会社の電話番号を発番として電話をすることで応答率を上げることや、通話モニター機能で従業員と顧客の会話内容をモニタして社員の教育をするといったことも可能です。

(3)セキュリティが強化できる
例えば、FAXの宛先を間違えて重要な文章を第三者に送ってしまった場合、個人情報や重要情報の漏洩により深刻な信用問題に発展してしまうリスクがあります。これに対して、ビジネスフォンによってはFAXの誤送信を防ぐための防止機能を搭載しているものもあり、企業の情報セキュリティ対策の強化が図れます。

また、近年多いサイバー攻撃に対してもビジネスフォンで不正アクセスを防止したり、不審者からの電話を受け手につながないなどの機能も搭載している製品も発売されており、ビジネスフォンを使って情報セキュリティリスクを減らすことが可能になっています。

ビジネスフォンの導入方法

ビジネスフォンの導入方法としては、購入、リース、レンタルがあります。また、機器の購入以外には導入・設置工事が必要になるため、機器や各種工事内容を理解してビジネスフォン導入にかかるコストや期間を算出しておくと良いでしょう。

導入形態

ビジネスフォンの導入方法は、購入、リース、レンタルの3パターンがあります。

(1)購入
ビジネスフォンを現金で一括購入する方法です。購入のメリットは、後述するリースやレンタルに比べて支払総額が小さくなることです。
現金で一括購入することで、リースやレンタルを利用する際に発生する各種手数料の支払いが不要になるため、長期的に最もコストを抑えることが可能です。

一方で、ビジネスフォンは高額な商品となることから、一時的に多額のキャッシュアウトが発生します。起業や開業したての企業など、手持ちの資金が少ない場合には大きなリスクとなります。また、資産として管理する必要があるため、減価償却や固定資産などの手間も増えることになります。

(2)リース
リースとは、リース会社が顧客が希望する機器を購入し、顧客向けに長期間貸出する取引をすることです。一定期間利用することを条件として、初期費用を支払わずに月額費用としてリース料を支払うことでビジネスフォンを利用できます。

購入のような一時的に多額のキャッシュアウトがなく利用ができ、リース料は全額経費として計上が可能です。減価償却や固定資産などの処理も不要になります。その一方で、リース料には機器本体の代金に加え、リース会社への手数料が含まれるため、長期的に見ると購入するよりも支払総額が割高になります。

また、リース期間中に不要になっても原則中途解約ができないため、予め将来の利用を見越した性能を保有するビジネスフォンの購入が不可欠です。

(3)レンタル
レンタルとは、レンタル会社が管理している機器を貸出する取引のことです。リースでは顧客が希望する機器をリース会社が新規購入し貸し出すのに対し、レンタルではレンタル会社がすでに保有する機器を貸し出す点に違いがあります。また、リースとは異なり途中解約も可能です。

なお、レンタルでは途中解約されるリスクがあることから、リース料よりもレンタル料の方が高く設定されており、支払総額がリースに比べてさらに割高になります。

これらの3つの導入方法に加え、新品もしくは中古のどちらを選択するかも検討します。

新品を選択するメリットとしては、最新のテクノロジーが組み込まれており、故障リスクが少なく、メーカーの保証も万全であるところです。一方、中古に比べると新品の方がコストが割高になってしまいます。

中古を選択するメリットとしては、新品のビジネスフォンに比べて4〜5分の1程度の価格で購入できます。発売されてから時間が経っているため、使い方や機能に関する情報も探しやすいのも特徴です。その一方で、機種によっては最新の機能が搭載されていない、交換が起きやすく交換部品が製造中止になっている、メーカー保証が受けられないなどのデメリットがあります。

どちらも一長一短がありますが、ビジネスフォンはそもそも故障しにくい機器であり、また中古であっても着信・発信・転送などの標準機能には変わりがないため、機能性やコスト、デザイン性などを考慮して決定すると良いでしょう。

コスト

ビジネスフォン導入にかかるコストは以下の通りです。

(1)主装置
主装置は3つのクラスに分類されており、接続できる電話端末の台数と収容可能な電話回線数が決まっています。そのため、購入対象の主装置がどのクラスに分類されているのかによってコストが変わってくるので注意しておきましょう。一般的な主装置の価格相場は約20万円〜/台となっています。

なお、高額な商品になるため、2〜3割引程度が割引されることが多い傾向にあることも留意しておき、価格交渉を行いながら適正な価格まで価格を調整していきます。また、接続するためのケーブルなどの費用も必要になるため忘れないようにしましょう。

(2)電話端末
主装置のクラスによって接続できる電話端末の数が決まりますが、メーカーや機種にもよりますが、電話端末1台の価格相場は、約2〜4万円/台となっています。あくまで1台あたりの価格相場となりますので、実際の利用者分だけ購入することになるため、例えば10人利用するのであれば、約20〜40万円となります。

(3)各種工事(電話回線工事、設置工事)
ビジネスフォンは家庭用電話機のようにケーブルを接続するだけで利用することはできません。電話回線をオフィスに引き込む電話回線工事とビジネスフォンの設置工事が必ず必要になります。

電話回線工事は、新規で回線を引くのか、既にある回線を利用するのかでコストが異なってくるため、NTTへ直接問い合わせて確認するか、もしくはビジネスフォンの代理店に問い合わせをして確認しておきましょう。一般的には、1回線あたり約1万円〜が相場となっています。

設置工事については、オフィス内の配線工事、主装置や電話端末の搬入設置工事、データ設定で分けられます。
オフィス内の配線工事はケーブル1mあたり約500〜700円、主装置の搬入設置は約1.5万円/台、電話端末の搬入設置工事は約1万円/台、データ設定は約0.3万円/台が相場となっています。

なお、設置工事には上記費用に加えて作業を行うエンジニアの人件費も必要になってきます。約1万円/人が相場になりますが、大規模なビジネスフォンの導入となった場合にはエンジニアが多数必要になるため、こちらも注意しておきましょう。

ビジネスフォンの利用には設定が必要

これまでの解説の通り、ビジネスフォンでは外線と内線の回線交換を制御する役割の他、日々の業務をサポートする多彩な機能が搭載されており、それらを使いこなすためには細かいデータ設定が必要です。このデータ設定には、メーカーや機種によって細かく操作方法がわかれており、説明書を読んだだけでは必要な機能をすべて有効化することは容易ではありません。

また、メーカーによっては細かい設定方法は取扱業者にしか公開されているケースもあるため、ビジネスフォンの工事には専門の業者に依頼するのが一般的です。

まとめ

ビジネスフォンは、家庭用電話機とは異なり、ビジネス用途に即した多彩な機能や高い性能を有しています。使いこなすことでビジネスを円滑に回す支援をしてくれる一方で、導入には高額なコストと用途に合わせた適切な設定が必要です。導入の流れやコストを把握し、スムーズに導入ができるようにしましょう。



WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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