コールセンターシステムの機能解説|利用者・オペレータ・管理者向けの機能を解説

コールセンターには利用者とその対応をするオペレータ、そして管理者が存在します。コールセンターの登場人物ごとに必要となる機能を定義し、それがどの様にシステム化されているか解説していきます。

【利用者向け機能】

―電話番号・電話回線
―PBX/ACD
ーIVR

【オペレータ向け機能】

―応対履歴管理機能
―CTI(ComputerTelephonyIntegration)機能
―FAQ機能
―電話機、ソフトフォン機能
―通話録音再生機能
―音声認識テキスト機能

【管理者向け機能】

―KPIレポート機能
―オペレータ管理機能
ー通話録音再生機能
―音声認識テキスト機能
―QM(QualityManagement)機能
―WFM(WorkForceManagement)機能
―テキストマイニング機能

利用者向け機能

利用者からコールセンターが電話を受ける為には、電話番号・電話回線がまず必要になります。

0120番号や03番号などコールセンターの番号がホームページなどに記載されていますので、その番号に利用者は架電をしますが、家庭の電話回線のように1回線では不足します。同じ番号に同時に複数の利用者が架電してくることを想定して、INS1500などの同時に複数のチャネルを提供可能な回線を契約しますが、コールセンター管理者は何チャネル程度の回線が必要となるかを検討することになります。(INS1500 1本で23チャネル)

なお、INS1500デジタル通信網を使っておりますが、2024年に終了することがNTTから発表されており、ゆくゆくは電話回線も光ファイバーによるIP網に移行しなければなりません。

PBX(Private Branch eXchange)

用意された電話回線は、企業のPBXつまり電話交換機を通じて、コールセンターの電話機に繋ぐことで、電話を受けることができるようになります。

ACD(AuomaticCallDistribution)

PBX機能だけですとお客様の電話がランダムに入ってきて、必要な方に取り次ぐ、いわゆるオフィス電話までの実現範囲となりますので、ACDが必須となります。ACD機能は、電話を受付けるオペレータひとりひとりに業務スキルの定義を行い、新人オペレータを優先的に電話着信させたり、電話を受けない待ち時間の長いオペレータを優先的に繋ぐなどのコントロールが実現できるようになります。

コールセンターでは、問合せ・会員登録・発注など目的に応じて業務を分けていることが一般的ですから、業務スキルに応じて、アサイン可能なオペレータ数が異なるわけです。

オペレータ数が少ない業務あてに、利用者が電話をすると “待ち”状態になり、ガイダンスを聞きながらオペレータの空きを待つことになります。

銀行や郵便局の窓口を思い浮かべて頂ければ分かり易いと思います。銀行のように、あなたは何番目に繋がりますというアナウンスを流してくれる高度なシステムもあります。

IVR(Interactive Voice Response)システム

利用者は、自分の聞きたいこと・依頼したいことを受付ける窓口を選ぶ必要がありますが、その機能がIVR(Interactive Voice Response)システムです。

“問合せの方は1を”“会員登録の方は2を”といったガイダンス後に該当の番号をプッシュ入力すると、ACD機能により、そのスキルを保有しているオペレータに電話が着信するという仕組みです。

IVRシステムは企業の基幹システムと接続させることにより、セルフサービスを実現することも可能です。コンサートのチケット予約や郵便の再配達をする際に、皆さん一度は使ったことがあるのではないでしょうか?

オペレータを介さずに音声ガイダンスに沿って番号を入力するだけで、目的の処理を完了させることができます。セルフサービスがあれば、24時間365日いつでもサービスの利用が可能となります。

オペレータ向け機能

ACD機能によってお客様からのお電話が振分けられてきたオペレータは電話を受ける際に3つのシステム機能を使うことが多くなっています。

CRMソフトウエア

お客様からの問合せ・依頼内容を記録し、どの様な回答をしたのか記録しておくことで、同じお客様から問合せがあった時の確認をしたり、その場で回答が出来ない場合に別の部門にその回答依頼をする為に途中までの応対結果を記録したりします。

お客様名・電話理由・問合せ依頼内容・回答・別部門への依頼事項などが一般的に記録されます。

1件1件の応対履歴の確認だけではなく、どの様な問合せ・依頼が多いのかをマクロ的に統計、分析する様なコールリーズンレポート機能、お客様の声分析(VoiceOfCustomer)を行う為の機能がシステムとして提供されています。

CTI(ComputerTelephonyIntegration)

既にお取引のあるお客様からのお電話が着信した際に、着信電話番号と上記のCRMソフトウエアの顧客情報に登録されている電話番号が合致することにより、どのお客様からの電話で着信したのかを、CRMソフトウエアにて確認します(ポップアップ機能)オペレータはお客様の確認を短時間に行うことができ、迅速にお客様への回答を実現することが可能です。

FAQ(FrequentAskedQuestion)機能

お客様からの問合せ依頼事項について、回答できるベテランオペレータには必要がありませんが、新人オペレータの場合には、質問内容を調べるだけで相当の時間を要してしまいます。

そこで、よくある質問及び回答をFAQとして用意しておくことで、その調査時間を短縮することを目的としています。この機能はEXCEL等の簡易的な仕組みで実現しているコールセンターも多いと思いますが、Google検索の様にお客様からの質問を入力するとその回答候補が一覧表示される様な、FAQシステムを導入するコールセンターが増えてきています。上記のCRMソフトウエアにFAQ機能が付属されていることが大半となってきたからです。

尚、FAQ機能についてはコールセンター内部での利用にとどまらず、企業の公開ホームページにも “FAQ” “よくある問合せ”などで利用されており、ホームページをご覧になったお客様からの問合せの多い質問事項とその回答をセットで掲載していることが一般的になっています。コールセンター内での内部FAQとの対比として、外部FAQと呼ばれます。

内部FAQと外部FAQの内容は同じで無ければ一貫性が無く、トラブルの元になりますので、FAQシステムの中には内部FAQ,外部FAQを共通利用できる優れた機能が用意されているシステムもあります。

最新テクノロジーを活用したコールセンターでは、音声認識システムを導入していることがあります。音声認識システムを活用することにより、お客様とオペレータ自身の通話内容がリアルタイムにテキスト化され、オペレータ画面に表示されます。この仕組みを使って、応対の履歴を手入力せずに音声認識テキストを履歴として残す様なシステムも開発されています。

管理者向け機能

管理者向けの機能としてはお客様からの入電を円滑に取り扱い、お客様に満足して頂けるサービス提供する為のPDCAサイクルを支援するシステム機能が必要となります。

Planning(計画)

自身が管理しているコールセンターにどのくらいのお客様から電話があり、それに対応する為の各スキルのオペレータの人数はどのくらい必要となるのか? といったことを計画業務としては考えます。この業務をWFM(WorkForceManagement)と言います。WFM業務もシステム化可能で、実際に導入している企業も年々増えています。

WFM業務は過去の入電数を時間別・スキル別に分析し、次週・次月にお客様からのお電話はどの程度の電話が入電するのかを予測する業務と、その予想した入電量に対して、各スキルのオペレータを何人くらい配置しなければならないかのアサイン人数の算出業務が主な対象です。これらの業務について、統計学・機械学習のテクノロジーを使って、WFMシステムが開発されています。ただ、お客様の入電は過去の統計からは予測しにくい要因もある為、予測精度を高める為の工夫には苦労することも分かってきています。

Do (実行)

WFMにて予測した入電予測に準じて、オペレータ人数の必要数を算出し、そのアサインが行われた場合でも当日の入電がどうなるのか?お客様を長時間お待たせすることが無いか?を管理する必要があります。そこで管理者は、以下の様な方法で当日の入電を量と質から確認しなければなりません。。

【入電量の当日管理】
・待ち呼の発生状況(何人くらいどのくらいの時間をお待たせしているか)
・各オペレータの状態確認(各自が今何をしているか)
・オペレータスキルの付け替え処理

【入電質の当日管理】
・通話モニター(通話内容のモニタリング)
・通話録音再生

入電量を確認する機能は、PBX/ACDシステムに備わっていることが一般的です。待ち呼数・平均通話時間・平均後処理時間などのKPI数値をモニターに表示する様な実装が行われています。

各オペレータの状態確認を行う為には、座席管理システムという名前で、オペレータの座席が画面に表示され各自は通話中なのか、空き状態なのか離席しているのか、などの確認ができる機能が提供されていることが一般的になっています。

先のご説明の通り、オペレータには業務スキルが定義されていますので、例えば、今日は入会受付のお電話が多く、待ち呼数も多くなっている場合には、他の業務担当オペレータを入会受付業務に充てる様な運用が考えられますが、スキルの付け替えをリアルタイムに行う為の機能についてもPBX/ACDのシステムの一部として提供されることが一般的です。

一方で入電の質の管理を行う為の機能も重要です。あまりにも通話が長いオペレータがいた場合には、お客様からのクレームを受けている可能性がありますね。管理者は、その様な電話に対してサポートする必要があります。その通話をモニタリングして、オペレータに対応方法を指示したり、自分に電話を代わる様に指示することもあり得ます。これはPBXシステムに備わっています。

クレームを受けた場合、管理者からお客様に折り返しの電話をする様なことも考えられますが、その場合にはオペレータとお客様がどの様な会話をしていたのか確認をしたいのですが、これについては

通話録音システムが必要です。全通話が録音されていれば、それを再生確認可能です。

尚、オペレータ向け機能の中でご紹介した音声認識システムを活用することで、管理者は通話録音の代わりにテキストメッセージで、通話内容を確認・検索できますので、短時間で通話内容を把握することが可能となります。

See  (評価・レビュー)

入電の量、入電の質共に当日の管理だけではなく、先日・前週・前月の結果を統計的にレポートしたり、分析したりする必要があります。以下の様な分析を行うことが一般的です。

【入電量のレポート分析】
①業務別のKPI実績(平均待ち時間、平均通話時間、平均後処理時間など)
②オペレータ別のKPI実績(応対件数、平均通話時間、平均後処理時間など)
③コールリーズン分析(電話を架けてきた目的分析)
④VOC(VoiceOfCustomer)分析

①②については、PBX/ACDシステムのKPIのレポートを活用して分析を行うことが一般的です。 一方で③については、CRMシステムの一機能として提供されていることが多いと思われます。①②③を纏めてレポート又は分析する為には、少々高度な機能が必要で、Excelのマクロ機能や分析ツールを使って実現する管理者が多いと思われます。

④については、一般的にはテキストマイニングツールという仕組みを使ってVOC担当者が作業することが多いようです。CRMシステムの履歴をこのツールにかけることにより、どんな話題が多いのか、どの様な属性のお客様か、時期やイベントとの関連性など複数の観点から分析を行うことにより、自社の製品・サービス部門へのフィードバックを行うことが多いようです。

【入電質のレポート分析】
④オペレータQM(QualityManagement)分析
⑤一次解決率など

④については各オペレータの通話録音再生システムを管理者が聞き起こし、通話内容に対する良い点、悪い点を評点したり、改善点をフィードバックしたりする業務をQMと称しますが、通話録音を聞き起こすには時間が掛かります。 例えば、30分の通話を聞き起こすには1時間以上を要します。繰り返し、聞き起こしたり、メモを残したりする時間がかかるからです。

QMできる量には限界があり、対象となるオペレータや対象となる通話期間も限定的です。

その為、QM機能をシステム化する為には、先の音声認識システムが必須となります。通話内容をテキスト化した上で、言ってはいけない禁止ワードが含まれていないか、“お電話ありがとうございます”などの導入・終了時の定型語の漏れがないか、通話時間が極端に長くないか?など、システム的な判断が可能な評点を行っています。

一方で⑤についてはCRMシステムにて実現していることが一般的です。

Action(改善実行)

KPIレポートの分析結果、オペレータ毎のQM分析結果を踏まえて、改善施策の検討、実行をすることになります。

例えば、KPIレポートにて、待ち時間が長いことが明確になった場合には、オペレータ増員・業務再配置などの検討や通話時間を短縮する為にトークスクリプトを用意するなど、システム機能ではなく、業務上での改善策が行われます。

さいごに

コールセンターシステムを中心に登場人物ごとに必要となる機能を掲載しました。使いやすいコールセンターシステムは、自社のコールセンターのあるべき業務・業務プロセスを理解し、システム設計を行う必要があります。

各システム機能を理解した担当者が中心となって実業務での利用イメージを以って、コールセンターを設計してください。

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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。