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内線電話の仕組みとオフィスの電話回線丨主な機能・スマホ内線化の方法も解説|トラムシステム

企業、役所、ホテルなどの施設で一般的に使われている内線電話ですが、実際にどのような仕組みで繋がっているのかは知らない、という人も多いでしょう。この記事では、ビジネスフォンやクラウドPBXの内線電話の仕組みや、オフィスで使われている電話回線の種類について解説します。

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オフィスの内線電話とは

内線とは「内線電話」の略称で、ある組織内専用の電話ネットワークです。「ビジネスフォン」や「私設電話」「キーテレホン」と呼ばれることもあります。

会社の専用線やPBX(構内交換機)を使用する仕組みになっている内線電話は、外線電話のように公衆電話網を使用しないため電話料金がかかりません。そのため、企業内での従業員同士のコミュニケーションや、ホテルなどで客室とフロントとの電話などに活用されています。

内線電話の特徴・メリット

ビジネスシーンに欠かせない内線電話には、次のような特徴・メリットがあります。

1.通話料金がかからない
内線電話の一番の特徴は、通話料金がかからないことです。開発部門から営業部門に電話をかけたり、東京事業所と大阪事業所の社員が電話で話したりと、オフィス内での通話であれば無料で可能です。

2.電話機ごとに電話番号(内線番号)が割り振られる
一般的な家庭電話機は1つの回線につき、電話番号は1つです。一方、内線電話では、電話機ごとに電話番号を割り振ることができます。これにより、ある電話機で受信した外線を他の電話機に転送することができるのです。

例えば、会社の代表番号にかかってきた外線を営業部のAさんが受け取り、それをコンサル部のBさんに保留・転送できるのも、電話機同士が内線で繋がっているから実現されています。

内線電話の基本の使い方

内線電話の基本の使い方は、家庭用電話機やスマートフォンと同じ。例えば内線番号が「1234」の人に電話をかけたい場合には、受話器を上げて「1234」を入力し、発信するだけです。

内線には、他にも業務で便利な様々な便利が搭載されています。詳細な機能についてはこの記事の後半で紹介しています。

内線電話の歴史

日本初の内線電話は1868年、日本を近代化へと導いたトーマス・グラバーにより設置されました。グラバーは、長崎市にあるグラバー邸から自身の別荘へと海底ケーブルを引くことで、私設電話を開通させました。

現在、内線電話は主に企業が利用していますが、企業が私設電話を利用し始めたのは1886年、足尾銅山が私設電話を引いた時からです。

1902年には公的な加入電話と私設電話を繋ぐことが可能となり、内線ネットワークの幅は広がりました。当時、内線を相手方へつなぐ作業は「電話交換手」と呼ばれる人が手動で行っていました。

1950年代に内線からの外線発信の自動化が始まり、1980年代にはデジタル化が進み、内線は多機能化していきました。

内線電話の仕組み

内線電話の仕組みの画像

内線電話は、上の図のようにPBX(構内交換機)をオフィスに設置し、PBXと各フロアの電話機を回線で繋ぐことで、内線や外線が行える仕組みになっています。

このように、PBXは内線・外線の切り替えを行う役割を持っており、内線電話網の構築にはPBXの設置が不可欠です。

ビジネスフォンとは

ビジネスフォンとは、複数の外線と内線を共有できる仕組みを持つ電話機のことです。企業などでの業務利用を想定し、内線、外線、保留、転送などの様々な機能が搭載されています。

ビジネスフォンは主装置と呼ばれるPBX(構内交換機)とセットで使うことで、初めて機能を発揮します。上に紹介している図では、中央にあるPBXが主装置、右にある電話機がビジネスフォンです。

PBX(構内交換機)とは

内線電話網の構築に欠かせないPBX(構内交換機)は、電話回線と電話機を中継する形で設置されており、内線や外線を制御する役割を持っています。

PBX内部にはCPU、電源ユニット、内線・外線ユニット、多機能ユニットなどが収容されており、接続できる電話機の数や利用できる機能は、PBXの性能によって異なります

PBX・ビジネスフォンが不要なクラウドPBXとは

従来、主装置やPBXはオフィスの構内に物理的な装置を設置する必要がありました。そのため、経年劣化や災害による故障は免れず、また配線の関係でオフィスのレイアウトに制限が出るなどの問題もありました。

これらの問題を解決する仕組みとして、近年普及が拡大しているのがクラウドPBXです。

クラウドPBXとは、PBXをクラウド上に設置し、インターネットを通じてアクセスすることで外線・内線などの電話機能を利用するサービスです。クラウド上にあるPBXの構築・運用・管理はベンダーが行うため、利用者は初期構築費用やメンテナンス費用を削減することができます。

それ以外にも次のような様々なメリットがあります。

・物理的な機器をオフィスに設置する必要がないため、破損や故障の心配がいらない
・専用アプリを通じてスマートフォンを内線化できる
・インターネット回線さえあればすぐに利用ができる(電話回線工事が不要)
・セキュリティ対策をベンダーに任せられる

クラウドPBXについてはこちらの記事でも詳しく紹介しているので、ぜひ合わせてご確認ください。

トラムシステム株式会社
トラムシステム株式会社では高い技術力で全メーカーの商品を取扱っています。ご予算・ご要望に応じて、新品から中古品、特殊機能を備えた機種まで御社に最適なビジネスフォン・電話交換機をご提案します。

内線の主な機能

内線にはただ電話をかけるだけでなく、業務に使える様々な便利機能が搭載されています。今回は、主な機能について紹介しましょう。

内線ワンタッチ発信

ボタン一つで電話機能を使用できる機能。

ファンクションボタンへよくかける電話番号や特番を事前に登録しておくことにより、ワンタッチで内線の電話機能を使用できます。電話番号だけではなく、フッキング信号やポーズなどの機能も登録可能です。

内線一覧表示

内線に関する番号の一覧表示機能。内線機能電話にはモニターが付いているものが一般的であるため、そこに内線番号や相手方の名前、他の機能などが表示されます。

オフフック

電話を通話可能状態にするだけで内線発信ができる機能。電話機本体の受話器を上げることなく内線発信ができます。

ページング接続

構内放送を行う機能。店舗や広いフロア内などの構内で「〇〇さん、〇番にお電話です」といった放送を電話から流し、離れたフロアにいる従業員などを呼び出すことが可能です。

なお、ページング機能を使った構内放送を行うためには、事前に放送用のアンプやスピーカーといった放送用設備が必要です。

電話会議

複数の電話を同時に繋ぎ電話で会議ができる機能。

基本的に電話は2人が音声のやり取りを行うものですが、内線の電話会議システムでは3人以上の電話を繋ぐことによって離れた場所でも簡単にその場で会議を行うことができます。

保留転送

かかってきた電話を他の外線番号へ転送する機能。

かけてきた相手が望む担当者がその場にいない状態の際に、相手に転送することを伝えた上で保留ボタンを押し、担当者内線番号へ電話をかけることで電話を転送し取り次ぐことができます。

自動音声応答

指定の電話番号へ着信があった際に自動で音声を流す機能。「IVR」とも呼ばれ、多くのコールセンターで利用されています。

事前に電話を受け付ける電話番号を登録し、その番号へ電話がかかってきたら音声ガイダンスなどを流す機能です。「〇〇に御用の方は〇番を押してください」といった音声が流れます。

録音

通話の内容を録音する機能。通話している音声を録音します。

録音していた会話を後から聞き直し、業務の確認や改善へと繋げます。「この通話は録音しています」といった事前の確認を行っているとクレームがクールダウンしやすいという傾向もあります。

スマートフォンで内線がかけられる仕組み

内線電話は必ずしもビジネスフォン・電話機のみを使用する必要はなく、スマートフォンを内線化して外出先で使用することも可能です。

実際に、従業員の私用端末や会社支給端末の内線化を行っている企業は増加傾向にあり、場所にとらわれない自由なコミュニケーションを実現しています。

スマホ内線化の方法

スマホの内線化は、次の3つの方法で実現できます。

1.FMCサービスを利用する
2.IP-PBXを利用する
3.クラウドPBXを導入する

それぞれの方法についてこちらの記事で詳しく解説しています。

スマホ内線化ならクラウドPBXがおすすめ

スマホ内線化をするなら、クラウドPBXの導入がおすすめです。

クラウドPBXは利用するユーザーごとに月額費用が発生する仕組みになっているため、営業部など一部の部署からの試験運用ができます。専用アプリをインストールするだけで利用開始できる手軽さも選ばれている理由です。

最近では、クラウドPBXを利用して社員個人が保有するスマートフォンを業務用端末として利用する(BYOD)も広がっています。普段使い慣れているスマホで会社番号の発着信が可能になり、私用端末と社用端末の2台を持ち歩くことも不要に。

チャットやビデオ会議などのUC機能でコミュニケーションの活性化も期待されます。

まとめ

古くから企業のコミュニケーションを支えてきた内線電話。近年では、基本的な機能はそのまま残りつつ、チャットなどの新しい機能を搭載したクラウドPBXの普及が広がっています。仕組みをしっかりと理解し、業務シーンに合わせて最適なツールを選択していきましょう。

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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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