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SaaSって何?丨代表例と導入時の注意点をわかりやすく解説|トラムシステム

最近、職場で「これからはクラウドの時代だ」「クラウドサービスをわが社でも導入しよう」という言葉を耳にしませんか?パソコンに関するサービスを、コンピューターネットワークから入手できるクラウドサービスは、近年の企業活動になくてはならない存在です。この記事では、クラウドサービスの中でも利用頻度の高いSaaS(サース)について解説します。概要を把握して、IT環境の変化に対応しましょう。

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クラウドサービスとは

クラウドサービスとは、ソフトウェア、インフラ、ハードウェアなどを、インターネットを経由して、利用したい分だけ利用するサービスのことです。サービスをレンタルして、月額料金を支払う形で利用できます。代表的なクラウドサービスが、アマゾンのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)やマイクロソフトのAzure(アジュール)です。

クラウドサービスを分かりやすく理解するため、パソコンで利用するメールサービスの変遷を見てみましょう。

クラウドサービスが流行する以前、メールサービスはOutlookやBecky!などが存在していました。これらはソフトを購入してシステムをインストールする、メール用サーバーを構築する作業が必要で、専門の人員も確保しなければなりません。つまり、メールサービスの導入及び運用に、毎年多くのコストが掛かっていました。

GoogleのGmailやMSNのHotmailのようなクラウド化されたメールサービスなら、導入や運用の際に頭を悩ませる必要がありません。システムやメールを保管するサーバーが、全てネットワーク上のクラウド(ネットワークはしばしば雲、すなわちクラウドのようだと例えられます)に存在するからです。

インストールはすぐに完了する、アカウントさえあればどのパソコンからもログインできる、メールを大量に保管してもパソコン本体の容量は減少しないなど、利便性が向上しています。

クラウドサービスのメリットは、以下の通りです。

・サーバーやソフトウェアの購入、システム開発の必要がなくなり、コスト削減につながる
・IT人材を保守作業から解放し、より生産性の高い事業に従事させられる
・アカウントとパソコンさえあれば、どのような場所からでもサービスを利用できる
・サービス提供者が24時間安全管理を行っており、セキュリティが強力

逆に、デメリットとして以下の点が挙げられます。

・システムそのものをカスタマイズすることは困難
・数千人の社員が在籍する大企業では、コストが高くついてしまう
・トラブルが発生した場合、サービス提供者が復旧するまで待つしかない

クラウドサービスの導入率は6割を超えていますが、IT設備に資金をかけられない中小企業に特に向いているサービスと言えます。

SaaSとは

クラウドサービスと一言で言っても、様々な形態が存在しています。SaaSは「サービスとしてのソフトウェア」という意味があり、これまでDVDのような電子媒体を購入する必要があったソフトウェアサービスを、クラウドで利用可能にしたサービスです。

SaaSの仕組みは、ベンダーがサービスを稼働させ、ユーザーはクラウドを経由してそれを利用するだけという単純なものです。月額料金制となっており、サービスを使いたい分だけ使うことが出来ます。

仮に必要がなくなっても、すぐに利用停止することが可能です。SaaSの登場により、会計ソフトやプロジェクト管理ソフトなど、ソフトウェア形式で販売されていたサービスのクラウド化が進んでいます。

SaaS導入のメリット

SaaSを導入した場合のメリットは、以下の通りです。

・ソフトウェアサービスを安価に導入できる
・オンライン環境で常にアップデートされるので陳腐化が発生しない
・ITスキルのない人間でも簡単に利用できる
・機能拡張や削減といった仕様変更を素早く行える
・複数人でのデータ共有も容易

SaaS以前のソフトウェアサービスと比べ、ユーザーの負担が大幅に減っています。在宅勤務やテレワークといった自由な働き方を認める会社では、特に重要です。パソコンさえあれば、日本全国どこにいてもクラウド経由でサービスを利用できます。

SaaSの代表例

クラウドサービスの流行に伴い、ソフトウェアで提供されていたサービスの多くがSaaS形式で提供されています。ソフトウェアサービスは、購入するものから利用するものへと変化しているのです。SaaSの代表例を紹介しますので、イメージを掴んでいきましょう。

ビジネスチャット

電話やメールよりも気軽なコミュニケーションを実現するビジネスチャットは、SaaS形式での提供にマッチしたサービスといえます。

代表的なのが、機能と拡張性が充実した「Slack」です。外部ツールとの連携も容易で、他のSaaSサービスと組み合わせることもできます。それ以外では、有名なチャットサービス「LINE」のビジネス版「LINEWORKS」や、国産のビジネス特化型チャットサービス「Chatworks」が存在します。

社内SNS

会社内での情報発信に利用する社内SNSにも、SaaS形式が利用されています。日本国内では、機能がシンプルで利用しやすい「Talknote」が人気です。

ユーザーのアクセス時間を計測する「アクションリズム解析」、現場の労働状況を監視する「オーバーワーク検知」など、管理機能も充実しています。人事問題解決に力を発揮する「airy」や、フェイスブック社が提供する「Workplace by Facebook」も人気です。

グループウェア

ネットワークを利用した情報共有やコミュニケーションを行い、業務を効率するグループウェアは、情報共有が容易なクラウドサービスと相性抜群です。

マイクロソフトが提供するオールインワンパッケージ「Office365」にも、グループウェア機能が搭載です。ドキュメント編集やファイル共有が実行可能で、SaaSの利点を生かしています。国内での人気が高い「Desknet’s NEO」、Googleが提供する「G Suite」も有名なツールです。

ERP

ERPとは、企業の資源を統合的に管理し、業務効率向上を達成するためのパッケージです。27ヶ国語に対応している「SAP Business One Cloud」は、世界トップシェアを誇る「SAP Business One」のSaaS版です。

導入支援や監視体制が充実しており、中小企業向けのサービスとなっています。CRMやEコマース機能も搭載した「NetSuite」、Salesforceを導入した企業にオススメの「GLOVIA OM」も人気です。

会計ソフト

日頃仕事で見慣れている会計ソフトも、クラウドおよびSaaS形式での販売に切り替わりつつあります。

日本国内では、会計知識がなくても利用できるクラウド会計ソフト「freee」がトップシェアです。企業だけでなく、個人事業主の経理作業にも対応しています。他には、「MFクラウド会計」や「弥生会計オンライン」が人気です。

CRM/SFA

SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)も、クラウドの登場により利用が容易となったサービスです。

抜群のカスタマイズ性を誇る「Salesforce」が、不動の地位を獲得しています。低価格から導入できるプランがあり、状況に応じた利用が可能です。費用を抑えたい場合は、ユーザーが増えても費用が変わらない「Knowledge Suite」も選択肢に入ります。

プロジェクト管理

プロジェクト管理も、ソフトウェアサービスを利用して行う時代です。「Wrike」は複数の料金プランを備え、カスタムフィールドやリクエストフォームといった機能も充実しており人気です。見た目が美しく操作しやすい「Asana」、カスタマイズ性の高い「JIRA」も存在感を強めています。

名刺管理

名刺に書かれたデータを読み取り、データとして保存し共有する名刺管理ソフトは、クラウドサービスの発展により誕生しました。

代表的なサービスが、99.9%の精度を誇り、6ヶ国語に対応している「Sansan」です。Salesforceのような外部ツールとも連携ができます。他にも、法人ではなく個人向けに提供されている「Eight」、スピーディなデータ化が売りの「CAMCARD BUSINESS」が人気です。

SaaS導入のポイントと注意点

1.目的を明確化する
クラウドサービス及びSaaSは便利なサービスですが、利用する側が目的を明確化した上で導入する必要があります。「著名なツールを用いれば安心だ」と考える方もいますが、業務によってはマッチングしない場合もあり、柔軟な対応が必要です。「なぜ導入するのか?どのような目標を達成したいのか?」は常に考慮しましょう。

2.セキュリティ対策
近年強化されつつあるとはいえ、クラウド上にサービスが存在する限り、油断は禁物です。操作を間違えて発生したセキュリティホールから、悪意を持った人間が侵入するケースも存在します。セキュリティポリシー、バックアップ体制、災害対策はきちんと整備しましょう。

3.業務とのマッチング
SaaSはカスタマイズ性に乏しいサービスもあるので、業務とうまくマッチングしなかった場合は、サービスの乗り換えを行う決断も必要です。ベンダーの説明だけでは概要を把握しにくい場合もあるので、いくつかのサービスを体験して使い心地を確認しましょう。

4.ベンダーの将来性
SaaSは、ベンダーの倒産や事業からの撤退が発生すると、利用が困難になります。クラウドサービス市場は大手企業と新興企業のせめぎあいとなっており、将来を予測することは容易ではありません。「提供するベンダーに将来性があるのか」を。さまざまな角度から慎重に分析しましょう。

5.シングルテナント・マルチテナント
SaaSには、一つのサービスを一つのテナントで利用するシングルナントタイプと、一つのサービスを複数のテナントで共有するマルチテナントタイプが存在します。シングルテナントは安全性やカスタマイズの自由度、マルチテナントはコストの低さが魅力です。どちらの形態が適しているか、企業の現状を鑑みて決定しましょう。

6.コスト
クラウド=安いというイメージがありますが、どれだけコスト削減出来るかは企業の状況によります。「クラウドサービスを導入したが、コスト削減を実現できなかった」という例もあるので注意しましょう。適切なサービスと利用方法が、SaaS導入を成功へと導きます。

7.SLA
SaaSを導入する際、ベンダーとSLA(サービス品質保証制度)という契約を結ぶ必要があります。サービスの内容や提供範囲などが契約で定められるため、注意が必要です。特に稼働率の数字は重要で、99%と設定されていた場合、1年の内4日はサーバーがダウンしていることになります。同意後にトラブルが発生しないよう、契約内容は慎重に確認しましょう。

まとめ

パソコン関連サービスのクラウド化により、企業のIT環境は変化しつつあります。導入する際、サービスに対する知識が不足していると、思った以上の成果を挙げられません。今回解説した内容を意識し、SaaSを始めとするクラウドサービスを使いこなしましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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