直収電話とは?メリット・デメリットをわかりやすく解説|トラムシステム
「固定電話回線を使っているけどもう少し費用を抑えたい…」とお悩みの方におすすめなのが直収電話です。通常の固定電話と比べ基本料金や通話料金が安価になるメリットがあり、固定費の削減につながります。
本記事で直収電話の概要やメリット、デメリットを解説しますので、電話設備刷新をお考えの方は参考としてください。
直収電話とは
直収電話とは、NTT東日本および西日本以外の通信事業者が提供している固定電話サービスです。
大手通信事業者であるソフトバンクが提供している「おとくライン」やNTTコミュニケーションズの 「プラチナライン&世界割」などが知られています。基本料金と通話料金がNTTの固定電話サービスより安価で、料金は各通信事業者に支払うのが特徴です。
直収電話では「ドライカッパー」と呼ばれる電話回線が用いられます。ドライカッパーとはNTTが保有している不使用の電話回線で、通信事業者がNTTから借りて保有しています。通信事業者は自社の通信設備とドライカッパーを利用し、NTTの影響を受けない独自の電話サービスを提供する仕組みです。
直収電話のメリット
直収電話は2つのメリットを持ち、電話設備の低コスト化や効率化に貢献します。日常的に固定電話での通話が発生する企業におすすめのサービスです。
電話加入権が要らない
通常の固定電話は、利用するにあたってNTTの電話加入権を購入する必要があります。購入費用は2005年に一度値下げされたとはいえ36,000円(税抜)ほどとなっており、安価とは言えません。
それに対し、直収電話は電話加入権なしでサービスを利用できるため、導入コストを抑えられます。NTTの通信設備を経由せず、通信事業者独自の設備を利用するためです。品質や機能はNTTのものと変わらず、電話番号も番号ポータビリティで継続利用できるため、品質を犠牲にしないコストダウンを実現します。
基本料金・通話料金が安い
直収電話は簡単な手続きのみで導入が完了するだけでなく、NTT加入電話と比較して基本料金と通話料金が安価となります。
【直収電話のコスト削減効果(税抜)】
・アナログ回線(3級):月額基本料金2,500円 → 2,350円
・アナログ回線(2級):月額基本料金2,350円 → 2,200円
・アナログ回線(1級):月額基本料金2,300円 → 2,050円
・市内および市外の通話料金:8.5円~40円 → 一律7.9円
・県外の通話料金:20~80円 → 0円~48円
特に通話料金のコスト削減効果が高く、市外の顧客や取引先と頻繁に通話を行う企業におすすめのサービスです。
直収電話のデメリット
お得に固定電話を利用できるサービスとして人気を集める直収電話にはデメリットも存在します。導入する際は、デメリットが業務に悪影響を与えないか確認しましょう。
ADSLが使えなくなる
NTTのアナログ回線でADSLによるインターネット接続サービスを利用していると、直収電話に切り替えた際に利用不可となるケースが報告されています。
インターネット回線を提供するISP(インターネットサービスプロバイダー)へ事前に問い合わせを行い、切り替えがインターネットに与える影響を把握しておきましょう。ADSLが2023~2024年にサービス提供を終了するため、新しいインターネットサービスへの乗り換えもおすすめです。
一部の番号に発信できない可能性がある
NTTの加入電話から離脱するため、一部サービスが利用できなくなる可能性があります。110や119といった緊急用電話番号は継続利用できますが、0120からはじまるフリーダイヤルは利用できません。ただし、直収電話を提供する通信事業者によって異なるため、気になる方は一度確認してみましょう。
まとめ
直収電話は固定電話回線を利用している企業におすすめのサービスで、電話設備の品質や機能を保ちながら堅実なコストダウンを実現します。電話加入権に支払う費用も不要となるため、今から固定電話を取得したい方にもおすすめです。どのような変化が発生するかインターネットのプロバイダや通信事業者に確認し、スムーズな導入を実現しましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。