ビジネスフォンが高い理由丨価格の内訳とコストカットの方法を解説|トラムシステム
ビジネスフォンの購入やリースを検討している際、業者からの高額な見積書で驚いたことはないでしょうか?電話設備はオフィスに欠かせないものとは言え、できるだけコストを抑えて導入したいもの。
この記事では、ビジネスフォンの価格が高くなる理由や、より安くビジネスフォンを導入するためのコツを具体的に紹介します。
目次
ビジネスフォンとは
ビジネスフォンとは、顧客や業者などと通話する外線電話と企業内の従業員同士で通話する内線電話を制御し、回線の共有や同時利用ができるように設計されている電話機のことです。
ビジネスフォンは家庭用電話機とは異なり、複数人での同時利用が予め想定されています。そのため、家庭用電話機では提供されていない機能の提供や高い負荷にも耐えられる高い性能が求められます。
ビジネスフォンはビジネスフォンだけで利用することはできず、外線電話と内線電話を制御する主装置と実際に通話を行う電話端末で構成されているのも特徴です。
ビジネスフォンが家庭用電話機と比べて高い理由
オフィスにビジネスフォンを導入しようと、業者からビジネスフォンに関する見積書を取り寄せてみると、想像以上の金額に驚かれているのではないでしょうか。
家庭用電話機の場合であれば、電話回線の契約をした上で電話機を用意し対応するケーブルを電話機に差し込むことで利用できます。かかる費用についても、電話回線の費用に加え、電話機本体とケーブルの費用だけで通話が可能になります。
一方、外線や内線通話に加えて保留や転送などの多彩な機能が搭載されているビジネスフォンは、各フロアに設置する専用の電話機(多機能電話機)に加え、内線・外線の制御を行う主装置(PBX)が必要になります。
ビジネスフォン導入の費用が家庭用電話機と比べて高額であるのは、この主装置の価格が関係しています。
主装置を設置する必要があるため
主装置とは、外線と内線電話の制御を行う装置です。主装置があることで、担当者の数だけ外線が不要になり、必要最小限の外線で効率的に運用を行うことができます。
また、内線電話の制御や電話番号データを記憶するなど、利便性を向上させるための多くの機能が搭載されています。主装置は電話回線を収容できる数、多機能電話機の接続数などで大きく3パターンに分類されています。
・Sタイプ
電話回線の収容可能な数は4チャンネル(ISDN2回線、アナログ回線4回線)であり、接続可能な多機能電話機の数は10台までとなっています。
・Mタイプ
電話回線の収容可能な数は12チャンネル(ISDN6回線、アナログ回線12回線)であり、接続可能な多機能電話機の数は30台までとなっています。
・Lタイプ
電話回線の収容可能な数は24チャンネル(ISDN12回線、アナログ回線24回線)であり、接続可能な多機能電話機の数は80台までとなっています。
どのタイプの主装置を採用するかにもよりますが、一般的には20万円以上〜が主装置の相場となっています。
主装置以外にも多機能電話機を必要台数用意する必要があります。また、主装置と機器と接続するための配線ケーブルは、1mあたり600円程度が相場となっており、どのくらいの長さが必要になるかで費用を算出します。
主装置、電話機などの価格相場は次の通りです。
工事を実施する必要があるため
機器の調達以外にも取り付けや各種設定などの工事が必要になります。工事としては、大きく以下の2種類があります。
・電話回線工事
屋外の電話回線をオフィスに引き込むための工事であり、ISDN回線やアナログ回線など利用する回線によって費用が異なりますが、3〜5万円前後となっています。
・ビジネスフォン設置工事
主装置、電話機の搬入や設置、主装置の設定作業などの工事になります。主装置の搬入、設置は1.5万円程度/台、電話機の搬入、設置は8千円程度/台、設定作業は3千円程度/台が相場となっています。加えて、エンジニア派遣費用が必要になるため、1万円程度が相場になると想定しておきましょう。
これらの費用を積み上げるとかなりの金額になり、想定以上のコストがビジネスフォンを導入する際に必要になることがわかるでしょう。
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なるべく安くビジネスフォンを導入する方法
高額なビジネスフォンの導入をできるだけ安く済ませる方法がないか検討してみましょう。
中古ビジネスフォンを選ぶ
まずは、新品のビジネスフォンではなく中古のビジネスフォンを選択することで、一番高額なビジネスフォン自体の金額を抑える方法を検討します。
・中古のビジネスフォンを選択するメリット
中古のビジネスフォンを導入する最大のメリットは導入コストを大幅に圧縮できることです。工事費用は変わりませんが、新品のビジネスフォンに比べると、中古のビジネスフォンは3分の1〜10分の1程度まで抑えることができます。
ビジネスフォン市場では、品質の良いビジネスフォンが多く出回っていることから、豊富なラインナップの中から選択できることも魅力的な側面です。
中古のビジネスフォンといっても、故障しにくい商品でもあることから、中古で購入しても比較的長い期間利用することが可能となっています。
・中古のビジネスフォンを選択するデメリット
中古のビジネスフォンを導入するデメリットは、前の持ち主の使用状況がわからないため、潜在的な故障リスクを持ってしまうことです。中古のビジネスフォンの場合、メーカーの保証もないことが多いことから故障時のリスクを考慮する必要があります。
中古のビジネスフォンを仲介する業者が保守サービスを提供しているかどうか、どこまでが保証されているか、詳しく確認しておきましょう。
加えて、あまりに古い機種を選択すると、万が一の場合に関連部品が製造されていないことから、修理ができないリスクがあるので注意しておきましょう。
中古のビジネスフォンについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
業者のキャンペーンを利用する
依頼する業者によっては期間限定で特別なキャンペーンを実施していることがあります。例えば、機器の購入とセットで搬入、設置工事を一緒に依頼することで安くなる場合があります。
ただし、費用の圧縮は大事な要素ではあるものの、価格だけで業者を決めてしまうのは危険。技術力やアフターフォローなどを総合的に判断して業者選びは行いましょう。
リース契約をする
新品でも中古でもビジネスフォンを資産として購入するのには、多額の初期費用が必要になります。この初期費用を抑えるための手段の1つがリース契約です。
リース契約とは、業者が電話機などの各機器を購入し、利用者は月額費用を支払って利用する仕組みです。ビジネスフォンやコピー機などの高額なオフィス機器は、リース契約によって利用しているケースも多くあります。
毎月一定の利用料で機器が利用できるというメリットがある一方、リース契約は契約期間中は解約することができないという制約があるため、今後の経営戦略や利用用途に合わせて利用するかどうかを検討する必要があります。
リース契約については以下の記事を参考にしてください。
レンタル契約をする
リース契約では途中解約ができないため、自社のオフィスに本当にその設備が必要か判断できない場合は、レンタル契約を行うケースもあります。
レンタル契約はリース契約のような契約期間中に解約できないといった制約がないため、まずはお試しで使ってみたいといった場合や、期間限定のオフィスなど予め短期利用が想定される場合に利用されています。
いつでも契約・解約できる柔軟性がある反面、リース契約に比べてレンタル料金が割高に設定されているため、長期的な利用を想定する場合には注意しておきましょう。
レンタル契約については、以下の記事を参考にしてください。
価格交渉する
複数業者に相見積もりを行い、最終的な価格交渉を行うことも重要です。
業者ごとの対応や回答までの時間、アフターサービスが充実しているかなど、選定ポイントは多くありますが、気に入った業者を決めたら他社の価格を提示して工事費用など割り引いてくれないか交渉していきます。
業者側も多少の価格交渉に応じるだけの利益幅は確保していますし、金額を減らせない代わりの代替案の提示があるかもしれません。積極的に交渉を行い、自社に有利な条件を引き出していきましょう。
クラウドPBXを導入する
主装置購入などの初期費用を抑えたい場合には、ビジネスフォンの代わりにクラウドPBXの導入もおすすめです。
クラウドPBXとは、ベンダー(業者)がクラウド上に設置したPBXにインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用する仕組みです。企業は自社で高額な主装置を購入する必要がなく、インターネット回線を使うため電話回線の工事も不要です。
それだけではなく、クラウドPBXではスマートフォンの内線化、チャットやビデオ会議などのUC(ユニファイド・コミュニケーション)機能など、業務効率化に繋がる様々なメリットがあります。
クラウドPBXについては、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ合わせて御覧ください。
導入後の通信費にも注意
ビジネスフォンを利用する場合には、これまで説明した各機器の購入などの初期費用に加えて、導入後も保守費用や回線利用料などの月額費用が発生します。リース契約やクラウドPBXを利用した場合には、毎月の利用料が必要になります。
通信料(通話料)は月額費用の大きな割合を占めますが、ソフトバンクやNTTなどどの通信業者と契約するかで利用料金が異なってきます。
例えば、NTT東日本と電話回線の契約(NTT加入電話)をする場合、初期費用として契約料800円、施設設置負担金36,000円、工事費2,000円が必要なります。
月額費用は契約する拠点が所属する級局により金額が多少異なりますが、プッシュ回線を利用する場合、2級局で2,4000円/回線必要となります。
加えて、月々の通話料が発生しますが、通話料は利用する頻度や条件(固定電話にかけるのか、携帯電話にかけるのか)などで異なってきます。
例えば、固定電話への通話の場合、市内の場合は昼/夜間帯で8.5円/3分、深夜帯8.5円/4分となっています。
一方、ソフトバンクと契約をする場合、おとくラインの場合でNTT東日本と同じ2級局で2,200円/回線が必要になります。月々の通話料は、市内、市街、圏外に限らず一律7.9円/3分、携帯電話は15.5円/分となっています。
そもそもビジネスフォンは必要か?
最近ではメールやチャットなどを利用したコミュニケーションも増え、本当に高い費用をかけてビジネスフォンを導入する意味があるのかを考える企業もあるでしょう。
ビジネスフォンは、内線、保留、転送など家庭用電話機にはない便利機能が搭載されているため、離れた場所にいる複数の社員で業務を行う場合には重宝します。
一方で、まだ立ち上げたばかりでマンションの一室で数人の社員で業務をするような場合には、転送などの機能は必要ないため家庭用電話機でも十分と言えます。
ビジネスフォンからクラウドPBXへの乗り換えがおすすめ
主装置や多機能電話機などはオフィス内でも場所を取り、物理的な機器であるために破損や劣化の可能性もあります。それ以外にも、配線の関係でオフィスのレイアウトに制約ができるなどのデメリットから、ビジネスフォンの耐用年数が過ぎたタイミングでクラウドPBXに乗り換える企業も増えています。
ビジネスフォンからクラウドPBXへの乗り換え方法や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
ビジネスフォン自体は高額な商品となるため、導入をする際には慎重に検討を進めることが求められます。必要な機能、台数を見極め、削減できるコストは積極的に削減していきましょう。
場合によっては、ビジネスフォンではなく家庭用電話機やクラウドPBXを導入するという選択肢もあります。電話設備は一度導入するとなかなかすぐに切り替えることが難しいため、納得のいく導入ができるよう、慎重に計画を進めていきましょう。
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WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。