電話工事と回線工事丨ビジネスフォン導入時の工事|トラムシステム
ビジネスフォン導入には、配線工事や電話機の設置工事などいくつかの工事が必要です。この記事では、ビジネスフォンを導入するまでの流れや工事内容について解説します。
電話工事
ビジネスフォンを設置する場合、電話工事は屋外と屋内に分類されます。
屋外の電話工事はNTTが実施します。工事内容としては交換機工事(NTTの局舎内で実施する工事)1,000円(1回線)、屋内配線工事4,800円(新規の場合)、基本工事費(NTTの工事担当者の作業費)4,500円があり、これらを合計した10,300円がNTTに支払う金額となります。
屋内の工事は以下の3種類があり、これらは民間の工事業者に依頼をして行います。
・交換機工事
・電話配線工事
・電話機設置工事
交換機工事
交換機工事は外線電話と内線電話同士の音声データを交換するための交換機をオフィス内に設置する工事です。
この交換機はPBX(構内交換機)と呼ばれており、現在は音声信号をデジタル処理するデジタルPBXが主に利用されており、交換機を通して外線から直接、特定の電話機を呼び出すことができるダイヤルインも可能です。
電話配線工事
ビジネスフォンは主装置と呼ばれる外線と内線を制御する装置と実際に従業員が利用する電話機とがセットで利用されます。家庭用電話機でいう親機と子機の関係に近い主装置と電話機ですが、電話を利用できるようにするためには主装置と電話機を接続する電話線を居室内の床やカーペット、壁などに設置する必要があり、この工事を電話配線工事と呼んでいます。
加えて、オフィスのレイアウトによって配線方法が変わってくるため、見た目にもかなり影響を及ぼすことになります。そのため、電話配線工事を行う前に綿密に計画を立てておく必要があるため注意しておきましょう。
電話機設置工事
電話機設置工事では、ビジネスフォンに各配線を接続して電話機を使える状態に設定します。接続する電話機の数によって作業ボリュームが異なってくるため、事前に設置予定の台数を把握した上で、業者に必要な工期を確認しておくことにしましょう。
回線工事
ビジネスフォンの導入には、上述した電話工事の他に回線工事も必要です。回線工事には以下の4種類があります。
新規設置工事
新規設置工事では、ビジネスフォンやFAXといったOA機器をオフィス内に新たに設置する工事のことであり、ビジネスフォンを導入後の業務効率化を実現させるためにもしっかりと設置レイアウトを整理した上で工事を行っていきます。
ビジネスフォンの本来の能力を十分にかせるようなレイアウトにすることで、1台のビジネスフォンでなんの支障もなく業務を遂行できる環境を構築することができるようになります。
移設・増設工事
移設・増設工事では、従業員の増減やレイアウトによる業務動線がうまく機能していなかったりなど、現在の状況を変更してより業務効率が向上するようなレイアウトに変更していく工事になります。
例えば、新たに会議室を作って打ち合わせ場所を作ろうと考えた時、現在のデスクを一部廃止してレイアウト変更を行う必要が出てきます。それに合わせて配線方法も変わってくるため、場合によってはビジネスフォン自体の配置換えも視野に入ってきます。
簡単なレイアウト変更であればデスクの移動や配線コードのちょっとした移動で実現することは可能ですが、大幅なレイアウト変更などが発生する場合には主装置から電話機への配線自体飲み直しも必要になり、そういった工事が移設・増設工事になり、いかに効率的に回していけるような動線を描けるかが肝になってきます。
配線工事
例えば、当初構築したレイアウト、配線方法で業務を運用していたとしても、利用期間が長くなればなるほど、従業員の増加や配置換えなどで配線を変えていく必要があり、業者に都度依頼すると費用がかさむことから、社員だけで配線変更をする機会が増えてきます。
小さな変更だけで終われば大きな問題にはなりませんが、頻繁に配線変更をし続けていると、次第に配線自体が複雑に入り乱れることになり、どこかで収拾がつかない状態に陥ってしまいます。
そのような収拾がつかなくなった配線を再度整理して本来あるべき正しい配線方法になるように整備していく工事が配線工事になります。
撤去工事
撤去工事では、度重なるレイアウト変更による配線の乱れや新しい技術の導入、例えば現在契約しているアナログ回線から最近主流となっている光回線に回線方法を変更する、固定電話からコストを圧縮するためにIP電話に変更していくといった場合に現在利用しているビジネスフォンの入れ替えやそれに伴う電話機の回収、配線の回収を行っていきます。
まとめ
家庭用電話機と違い、ビジネスフォン導入時の工事には費用と時間がかかります。「早く電話を使えるようにしたい」と焦るあまり、業者選びを疎かにやってしまうと余計なコストがかかってしまう可能性があります。必要な工事内容をしっかりと理解した上で、余裕を持って導入を進めていきましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。