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2024.10.08

コンタクトセンター / コールセンター / CTI /

CTIシステムとは?目的別機能やメリット・デメリット、活用事例を紹介|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターで利用されるCTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話通信を統合するシステムです。
CTIシステムにより、様々なシステムとの連携ができるようになります。例えば、オペレーターは顧客情報や履歴をコンピューター上で閲覧しながら通話ができ、SVは効率的にセンターの稼働状況や顧客とのやり取りの管理ができます。

この記事では、CTIシステムについて、インバウンド・アウトバウンドで利用する主な機能、メリット・デメリット、活用事例などを詳しく解説します。

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CTIとは

CTI(Computer Telephony Integration)とは、コンピューターと電話通信を統合する技術のことです。CTIシステムとは、コールセンターやコンタクトセンター内での通話をコンピューターと連携し、業務をサポートするさまざまな機能を提供するシステムです。
CTIシステムにより、コールセンターの電話端末はコンピューターと融合した状態になり、顧客の情報をパソコン上で表示させながら通話したり、通話音声をコンピューターに録音したりできます

コールセンターシステムとCTIの違い

「コールセンターシステム=CTIシステム」と理解している方もいるかもしれませんが、この2つのシステムは厳密には異なるものです。
CTIシステムは電話通信とコンピューター技術の統合に特化しており、コールセンターの電話対応業務を支援する機能が中心です。

一方、コールセンターシステムは顧客対応業務を支援する総合ソリューションで、電話だけでなくメールやチャットなどを含む複数のコミュニケーションチャネルを一括管理します。
コールセンターシステムには、CTIの他にPBX(構内交換機)やCRM(顧客関係管理)システムなどの他の機能も搭載されていることも多いです。CTIはコールセンターシステムの一部と理解するとよいでしょう。

CTIシステムの種類

CTIシステムはコールセンターの効率と顧客対応の品質向上を実現する重要なツールであり、適切な種類の選択が重要です。オンプレミス型とクラウド型の特徴を理解し、企業のニーズに合ったCTIシステムを選ぶことが成功の鍵となります。

オンプレミス型CTIシステム

オンプレミス型CTIシステムは、企業内のサーバーやネットワークに導入して利用するタイプのシステムです。
自社でシステムやサーバーを構築するため、セキュリティ管理やカスタマイズが容易で、企業の独自の要件に合わせて調整できるメリットがあります。その反面、導入やメンテナンスにコストがかかりやすい点がデメリットです。

クラウド型CTIシステム

クラウド型CTIシステムは、ベンダー(事業者)がクラウド環境上に構築したCTIシステムをインターネット経由で利用するタイプのシステムです。
すでにシステムが出来上がっているため、導入時の費用や業務の負担が低く、ユーザー数や機能の変更などの拡張性にも優れています。インターネットがあればシステムを利用できるため、在宅コールセンターなどにも対応している点もメリットです。

一方で、導入後は契約しているプランやユーザー数などに応じて毎月利用料が発生します。セキュリティやシステムのメンテナンスはベンダーに任せられますが、企業独自の要件にあわせたカスタマイズが難しい点がデメリットとなる可能性があります。

CTIシステムの主な機能

CTIによって電話とコンピューターを連携させることで、電話機だけでは実現できないさまざまな便利機能が利用できるようになります。ここでは、CTIシステムの主な機能について解説しましょう。

インバウンド向け機能

CTIシステムの機能は、お客様からの電話を受ける「インバウンド」向けと、お客様に電話をかける「アウトバンド」向けの2種類があります。まずは、インバウンド向けの機能について解説します。

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顧客情報のポップアップ

顧客情報のポップアップ機能は、オペレーターが電話を受けると同時に、顧客の情報や履歴などがパソコン画面上に表示される機能です。これにより、オペレーターは通話を始める前に顧客の属性や問い合わせ履歴、購買履歴、特記事項などの情報を把握でき、よりきめ細かい対応が可能です。
顧客にとっても、過去の問い合わせでのやり取りや購入した商品などについて再度説明する手間がなく、スムーズに本題に入ることができます。

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着信呼自動分配(ACD)

着信呼自動分配(ACD)は、着信電話を自動的に適切なオペレーターにルーティングする機能です。顧客の問い合わせ内容やオペレーターのスキルに基づいて最適な担当者に着信が配分されることで、効率的な問い合わせ処理が実現します。

PBX機能

PBX機能とは、内線と外線の発着信・転送や保留を行う機能です。インバウンド業務では他の担当者に引き継ぐことが頻繁に行われるため、PBX機能が重要な役割を担います。

自動音声応答(IVR)

自動音声応答(IVR)は、顧客からの問い合わせに対して「◯◯の方は1番、◯◯の方は2番…を押してください」といったように、自動音声で一次対応を行う機能です。顧客はキーパッドを操作して問い合わせ目的により適した番号を選び、その結果に応じてシステムが自動的に回答や情報を提供したり、適切なオペレーターに繋げます。
IVRによって問い合わせ対応の一部をシステム化でき、オペレーターによる対応が必要な場合でも事前に大まかな問い合わせ内容を把握できます。

通話録音機能

通話録音機能は、オペレーターと顧客との通話内容を自動的に録音する機能です。録音された通話はトラブル発生時の確認やオペレーターの教育などに活用できます。

着信履歴機能

着信履歴機能は、顧客からの着信の日時や電話番号、センターからの折り返しの有無などを記録する機能です。コールセンターでは「電話のつながりやすさ」が顧客満足度を左右する重要な要素ですが、ピークの時間帯や繁忙期には人手が足りず、全ての着信に対応できないこともあるでしょう。
着信履歴機能により、営業時間外の着信を含めて全ての着信を把握でき、必要に応じて折り返しやメールでの連絡をすることで、トラブルやクレームへの発展を防止できます。

稼働モニタリング機能

稼働モニタリング機能とは、コールセンター全体の状況を管理画面で一括確認できる機能です。オペレーターの通話内容を聞くことが可能で、ウィスパー(ささやき)機能を使いアドバイスもできます。稼働状況を確認し、オペレーターの増減など適切なマネジメントも可能です。

レポート機能

レポート機能とは、稼働状況や待ち時間を、グラフや数字などで見比べることができる機能です。あらかじめ条件を設定するとレポートが自動的に作成されるので、オペレーターの教育や重要情報の共有が容易となります。業務上のあらゆるデータを収集することで問題点を発見し、業務効率改善につなげることも可能です。

アウトバウンド向け機能

アウトバウンド向け機能は、ほとんどが電話の発信に関するものとなっています。一日で多くの電話を発信することを想定し、発信をより簡単に行えるように工夫されています。

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プレビュー発信機能

プレビュー発信機能とは、パソコンのディスプレイに表示された顧客情報をチェックしながら、お客様に電話できる機能です。「発信」ボタンをワンクリックでお客様に繋がるため、電話番号を入力して行うプッシュコールより、はるかにスピードが速いです。

オートコール機能

オートコール機能とは、発信しても一定時間応答がない場合、自動的に次の発信リストに電話を行う機能です。素早く見込み客と接触できる分、商談の成功確率も向上します。留守電が多い時間帯も工程が短縮できるので、オペレーターの負担を減らすことが可能です。

プレディクティブ発信機能

プレディクティブ発信機能 は、あらかじめ作成した顧客リストに従ってシステムが自動的に架電し、つながった電話のみをオペレーターに接続する機能です。
電話番号を入力する手間や、電話がつながるまでの待ち時間を短縮できるため、アウトバウンド(架電)業務の効率化が期待できます。


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CTIシステム導入のメリット

オペレーターやSVの業務をサポートするさまざまな便利機能が搭載されたCTIシステム。導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。ここからは、CTIシステムの主な導入メリットについて解説します。

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応対品質の向上

CTIシステムは、オペレーターが顧客の質問や疑問に答え、顧客が求めているサービスを提供するために必要な情報をリアルタイムで提供します。
顧客情報のポップアップ機能により、オペレーターは通話を開始する前に顧客の細かい情報を把握し、個別のニーズに合わせた的確な対応が可能となります。迅速で的確なサポートの提供を通して、顧客満足度の向上や長期的な顧客関係の構築に寄与します。

オペレーター業務の効率化

CTIシステムの自動音声応答(IVR)、着信呼自動分配(ACD)、プレビュー発信機能などの機能は、従来オペレーターが行っていた業務プロセスを自動化・効率化します。これにより、オペレーターはより重要である顧客対応に集中できます。業務プロセスの効率化は、顧客の待ち時間の削減やリソースの有効活用にも効果的です。

特定のオペレーターへの業務集中を防止

CTIシステムの着信呼自動分配(ACD)では、オペレーターの待機時間を元に通話の分配が可能です。特定のオペレーターへの通話の集中を防ぎ、オペレーターの業務量の均一化につながります。業務量の均一化は、オペレーター同士の不公平感やストレスの防止にも効果的です。

コスト削減

CTIシステムの導入により、業務プロセスの一部自動化や情報の一括管理が可能になり、効率的な業務運用と効果的な顧客対応が実現されます。これにより、これまでと同じ人的リソースでより高いパフォーマンスを出すことができ、人件費や通信コストの削減が可能となります。

また、サービスの品質向上により顧客ロイヤリティも向上し、リピート率の増加や顧客離れの防止につながることで、企業の利益にもなるでしょう。

CTIシステム導入のデメリット(注意点)

多くのメリットがあるCTIシステムの導入ですが、注意すべき点もいくつかあります。導入前にはこれらを理解した上でコストやリソースの管理に注意を払うことで、デメリットを最小限に抑えながら効果的なCTIシステムの導入を実現できるでしょう。

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導入時のコスト・業務負担

CTIシステムの導入には、ハードウェアの購入やソフトウェアのカスタマイズ、インフラの設定などの初期コストがかかります。
クラウド型のCTIシステムは、簡単な初期設定などで導入完了できることが多いですが、その場合でもシステムの検討フェーズでは要件や必要機能の整理、業務フローの把握などの作業が発生します。

加えて、新しいシステムの導入には社内でのトレーニングやマニュアル整備なども必要でしょう。これらのシステム導入にかかるコストや作業量を適切に見積もり、計画的に進めることが重要です。

継続的なライセンス料

クラウド型CTIシステムの利用には、ソフトウェアのライセンス料やサポート料などが継続的に発生します。これらの費用はシステムを利用している限り支払う必要があるため、長期的な利用ではオンプレミス型CTIシステムよりもコストが高くなる可能性もあります。

オンプレミス型CTIシステムの場合、ベンダーに支払うシステム利用料がない代わりに、サーバーやシステムのアップデートやメンテナンスが定期的に必要です。自社リソースで対応できない場合には、外部への委託や新しい人材の採用なども選択肢に入ってくるでしょう。

クラウド型、オンプレミス型のいずれのCTIシステムにおいても、導入後に発生するコストを事前に確認し、予算に適切に組み込むことが重要です。


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CTIシステムの比較ポイント

CTIシステムは、複数のシステムベンダーからさまざまなシステムが提供されています。一度導入したシステムは、一定期間は使い続けることになるため、あらかじめ社内で要件を整理し、自社にあったシステムを選択することが重要です。
ここからは、CTIシステムを比較する上で特に重点的にチェックすべき4つのポイントについて解説します。

機能

CTIシステムで提供される機能は、ベンダーによって異なります。顧客情報のポップアップ、ACD、IVR、通話録音などの基本的な機能に加えて、AIによるデータ分析や通話音声の文字起こしなどの高度な機能が提供可能なシステムもあります。
機能が豊富なシステムはそれだけ魅力的に見えますが、機能の充実性と価格は比例関係にあることが一般的です。高機能なシステムはそれだけ利用料なども高額になるため、自社のニーズに合った機能を必要十分に備えたCTIシステムを選ぶようにしましょう。

操作性

オペレーターやSVなどが日々利用するCTIシステムは、操作性も考慮すべきポイントです。使い勝手が悪いシステムは、かえって業務効率の低下や操作ミス、オペレーターの負担につながりかねません。
例えば、顧客情報を閲覧するために、あるシステムでは3クリックが必要な一方、別のシステムは1クリックで済むとしましょう。1回あたりの負担の差は小さくても、それが一日何十回、毎日続くとなると大きな差です。

オペレーターなどの現場のスタッフも含めて、トライアルなどで操作性や画面などを確認することがおすすめです。

外部システム連携

CTIシステムは外部システムと連携させて利用することも多いです。顧客データベース、CRM、チケット管理システムなどとの統合が可能かどうかを確認し、顧客情報の一元管理や効率的な業務運用を実現できるかを評価しましょう。

サポート体制

業務に必須のCTIシステムにトラブルがあると、最悪の場合業務を一時的に停止しなければいけないかもしれません。このため、CTIシステムの導入後に問題が発生した際、どのようなサポートが受けられるかどうかも要チェックポイントです。
プロダクトサポートやテクニカルサポートが充実しており、問題解決やトラブルシューティングを迅速に行ってもらえるかどうかを確認します。メールやチャット、電話などの問い合わせ方法、問い合わせの対応時間、現地調査などの訪問対応の有無などが、具体的な検討材料となります。

CTIシステムの活用事例

最後に、実際の企業でのCTIシステムの活用事例を紹介します。

活用事例① 顧客情報の表示で業務改善

新聞配達業A社では、お客様からの配達時間変更などの連絡にスムーズな対応ができず、クレームが起きていました。

対策としてCTIシステムを1台導入したところ、顧客情報がディスプレイにわかりやすく表示され、誤配送や誤発注が激減。生産性と顧客満足度の向上に成功しました。少数の導入でも成果を上げられるのが、CTIシステムのメリットです。

活用事例② CRM連携で予約や注文が簡単に

飲食業F社は、予約やデリバリーの際、CRM(顧客管理システム)から顧客情報を検索するのに時間がかかっていました。

CTIシステムとCRMと連携させることで、顧客情報がディスプレイに表示されて予約や注文が簡単になり、常連客には「いつもありがとうございます」など会話が出来るようになりました。

活用事例③ クラウド型CTIシステムで複数拠点の連携体制構築

情報通信会社H社は複数のコールセンターを運用していますが、地域ごとのコール数の格差が問題となっていました。

クラウド型のCTIシステムを導入することで、手の空いている拠点に通信を割り振ることが可能になり、お客様の待ち時間を大幅に減らしました。複数の拠点を保有する場合は、クラウド型の導入もおすすめです。

導入事例④顧客との接触機会を増やし生産性向上

顧客情報が豊富なメディアサイトI社では、営業担当が電話でフォローできない顧客の満足度が低いという問題がありました。

そこで導入されたのがCTIシステムです。小規模導入でしたが、オートコール機能やプレディクティブ発信機能を利用し、非接触顧客を減らして生産性を1.5倍まで向上しました。CTIシステムを利用することで、多数のお客様と接触しビジネスチャンスを増やせます。

導入事例⑤ 内線通話により海外展開を低コストで実現

大手ECサイトU社は、海外にコールセンターを設置する計画を立てましたが、高額な通信料がネックとなっていました。

解決案として提案されたのが、CTIシステムを利用した通話料の削減策です。海外拠点と国内拠点の通話が内線扱いとなり、海外拠点と国内顧客の通話が国内通話料金で可能になりました。海外進出の際にも、CTIシステムは活躍します。

まとめ

多様化する顧客ニーズに対応しながら、質の高いサービスを効率的に提供するためには、CTIシステムの導入が欠かせません。電話機とコンピューターを統合させることで、業務負担の軽減やより戦略的な営業活動が実現します。
CTIシステムは複数のベンダーから提供されているため、機能や操作性などを比較し、メリットを最大限享受できるシステム導入を目指しましょう。

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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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