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2024.02.13

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コールセンター用語「ACD」とは?メリットや主な機能を解説|トラムシステム

コールセンター・コンタクトセンターの生産性向上や業務効率化、業務コストを削減させる機能、「ACD」はご存じでしょうか。顧客からの電話を効率よく受電でき、業務改善や顧客満足度に大きな効果をもたらします。この記事ではACDの基本機能やメリット、活用方法について詳しく解説します。新たに導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

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コールセンターにおけるACDとは

ACDとは、あらかじめ設定したルールに基づいて、顧客からの電話を適切なオペレーターに振り分けるシステム機能です。Automatic Call Distributorの略で日本語では着信呼自動分配装置と訳します。

ACDの特徴として、オペレーターをグループ化し、その中で空いているオペレーターに着信させる機能です。それによりオペレーターへの入電回数の偏りがなくなり、平均的に着信を振り分けることが可能となります。また、発信者番号や着信番号、オペレーターのスキルといった条件を設定することで、入電ごとに最適なオペレーターを自動判定して接続することができます。他にも、待ち時間の長い電話を優先的にオペレーターに接続したり、待ち時間の間にガイダンスを流す機能などがあります。

ACDの主な機能

ACDと一口にいっても大小様々な機能が含まれています。ここからはACDの代表的な機能と具体的な活用イメージを詳しく解説します。

ACD機能

待ち時間ガイダンス

待ち時間ガイダンスとは、オペレーターにつながるまでの間の待ち時間に「ただいま電話が大変混雑しています、順番にお繋ぎいたします」といったガイダンスを流す機能です。ガイダンス内容は自由に設定可能で、比較的空いている時間のかけ直し案内や、webや郵送での手続きの案内等ができます。

スキルベースルーティング

スキルスベースルーティングは、オペレータースキルに応じて着信先を振り分ける機能です。IVR(Interactive Voice Response:自動応答電話)と組み合わせることで、問い合わせ内容に応じた適切な担当者に入電を振り分けます。多言語対応が必要な窓口や、オペレーターの習熟度ごと対応できる着信先を分けている場合は、この機能を利用します。

スケジュール制御

指定した日時に時間外ガイダンスを流すなど、あらかじめ設定したスケジュールによって入電をコントロールする機能です。コールセンターの受付時間外に時間外ガイダンス設定することで、営業時間内にかけ直すよう促す案内をスムーズに行えます。また、時間によって着信させるオペレーターグループを変えたり、窓口ごとに時間外ガイダンスの時間を変えることも可能です。

オペレータステータス

通話中や離席中、後処理中といったステータスに応じて、待ち時間の長いオペレーターへ優先的に着信を振り分ける機能です。待機中のオペレーターを優先して着信先に設定できるので、待ち時間短縮やオペレーターの負荷分散に効果が期待できます。通話後に落ち着いて後処理ができるため、ミスの軽減も期待できます。

オーバーフロー転送

オーバーフロー転送とは、あらかじめ指定した待ち時間、および待ち人数を超えた場合に、別部署へ転送をかける機能です。センター内の人的リソースの有効活用ができ、顧客の待ち時間を短縮できます。

コールセンターにおけるACDのメリット

コールセンターでACDを利用することにより得られるメリットを3点解説します。

業務効率化・生産性向上

問い合わせの内容に応じて、最初から適切な部署やオペレーターに繋ぐことが可能です。そのため、保留で確認したり、ほかの部署へ繋いだりといった余計な手間がなくなります。

1度の電話での解決率が向上し、通話時間の短縮をすることで、業務効率化・生産性の向上が見込めます。

顧客満足度向上

IVRと連動させることで、顧客の要望に沿った窓口に着信を振り分けることができるため、たらい回しを防ぐことができます。最初に繋がったオペレーターで解決まで至ることで、解決までの時間も短縮できます。また、ACDのルールで空いているオペレータを優先的に着信させることができるので、顧客の待ち時間が短縮されます。

「たらい回し」「解決に時間がかかる」「待ち時間が長い」は、問い合わせ時に顧客が不満を抱く大きな課題です。これらを解決することで、顧客満足度の向上が期待できます。

新人教育への活用

新人オペレーターに振り分ける入電数を調整し、業務に慣れるまで負担を軽減することができますベテランオペレーターと新人オペレーターが同じ量の業務をすることは困難です。顧客にとっても、慣れていないオペレーターの案内に対し不満を抱くこともあります。

最初は易しい内容の問い合わせを優先的に振り分け、習熟度に応じて件数や業務を増やしていくことで、順を追って業務に慣れていくことができます。

コールセンターへACDを導入する際の注意点

ACDは便利な機能ですが、注意点もあります。

システムとの互換性

ACDを導入する際は、ほかのシステムとの互換性を確認する必要があります。ACDと組み合わせる機能(PBX、CTI、IVR 等)と連携させることができるか、あらかじめ確認することが重要です。
また、オンプレミス型とクラウド型でも費用面やカスタマイズ性に違いがあります。自社に適したものを選定しましょう。

振り分け設定の定期的な確認

ACDは導入したら完了ではなく、人員数や稼働率、スキルの習熟度に応じて、振り分けが現状に見合っているかを確認する必要があります。閑散期は新人オペレーターを優先的に着信させ、繁忙期はベテランオペレーターを優先的に着信させるなど、状況に応じて振り分けの見直しをすることも重要です。

まとめ

ACDを活用して、適切なオペレーターへの入電の振り分けや、解決にかかる時間を短縮することで、業務効率を高めることができます。うまく活用することで、オペレーターの負担軽減による生産性の向上も見込めます。応対件数の増加や、一時解決率の向上は顧客満足度の向上にも繋がるでしょう。ぜひコールセンタ運用にお役立てください。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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