【コールセンターシステム用語】ACDとは丨メリット・機能を詳しく解説|トラムシステム
お客様からの電話を効率よく受電するACD(Automatic Call Distributor)。コールセンター・コンタクトセンター内の生産性向上や業務効率化、業務コストの削減に大きな効果をもたらします。この記事ではACDの基本機能やメリット、活用方法について詳しく解説します。
ACDとは
ACDとは、あらかじめ設定したルールに基づいてお客様からの電話を適切なオペレーターに振り分けるシステム機能です。Automatic Call Distributorの略で日本語では着信呼自動分配装置と訳します。
発信者番号や着信番号、オペレーターの空き状況やスキルといった条件を設定することで、入電ごとに最適なオペレーターを自動判定して接続します。また、待ち時間の長い電話を優先的にオペレーターに接続したり、待ち時間の間にガイダンスを流す機能などがあります。
ACDのメリット
ACDを利用することで得られるメリットとして2点解説します。
1.業務効率化・生産性向上
ACDはオペレーターの空き状況やスキルに応じて入電をコントロールします。具体的には、問い合わせ内容に応じた着信先を判断や新人オペレーターの着信抑制などです。限られた人的リソースの有効活用ができます。
2.顧客満足度向上
ACDによる着信先振り分けで、待ち時間短縮や一次解決率の改善が可能です。急いでいるのに電話がつながらない、複数のオペレーターにたらいまわしにされる、といった状況が解決でき、応対品質の向上や顧客満足度の維持向上への効果が期待できます。
ACDの主な機能
ACDと一口にいっても大小様々な機能が含まれています。ここからはACDの代表的な機能と具体的な活用イメージを詳しく解説します。
待ち時間ガイダンス
待ち時間ガイダンスとは、オペレーターにつながるまでの間の待ち時間に「ただいま電話が大変混雑しています、順番にお繋ぎいたします」といったガイダンスを流す機能です。ガイダンス内容は自由に設定可能で、比較的空いている時間でのかけなおしを依頼したり、webや郵送での手続きを依頼したり、といった案内もできます。
スキルベースルーティング
スキルスベースルーティングは、オペレータースキルに応じて着信先を振り分ける機能です。IVR(Interactive Voice Response:自動応答電話)と組み合わせることで、コールリーズンに応じた適切な担当者に入電を振り分けます。多言語対応が必要な窓口や問い合わせ内容ごとにオペレーターを分けている場合は、この機能を利用します。
スケジュール制御
時間外のガイダンスを流すなど、あらかじめ設定したスケジュールによってコールフローをコントロールする機能です。コールセンターの営業時間に合わせて導入・設定することで、お客様をスムーズに案内できます。
オペレータステータス
通話中や離席中、後処理中といった、オペレーターのステータスに応じて入電先を振り分ける機能です。待機中のオペレーターを優先して着信先に設定できるので、お客様の待ち時間短縮やオペレーターの負荷分散に効果が期待できます。
オーバーフロー転送
オーバーフロー転送とは、あらかじめ指定した待ち時間、および待ち人数を超えた場合に、別部署へ転送をかける機能です。センター内の人的リソース有効活用や、お客様の待ち時間を短縮できます。
まとめ
業務効率化や顧客満足度向上につながるACDは、コールセンター運営に欠かせない機能です。ACDには様々な機能があるので、自社の業務特性やセンター運営状況・利用ニーズなどを考慮し、適切なシステム導入を検討してください。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。