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2022.02.08

コールセンター / 通話録音 /

コールセンターが通話録音をする理由とメリット丨開示義務や保存期間は?|トラムシステム

顧客対応業務を担うコールセンター・コンタクトセンターでよく耳にするのが「この通話は録音されています」のアナウンスからはじまる通話録音です。顧客として利用したことはあっても、通話録音のメリットや音声の保存期間、録音することによる法律上問題などについてはよくわからないという方もいるのではないでしょうか。

この記事では、通話録音の概要やよくある疑問について解説します。
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コールセンターが通話録音を行うメリット

多くのコールセンター・コンタクトセンターが導入している通話録音。録音された音声は以下のように活用されており、コールセンターに業務効率化や顧客満足度向上をもたらしています。

トラブル発生時に確認できる

コールセンターは、ささいな言い間違いや取り違えによるトラブルが発生しやすい場所です。通話を録音していれば、トラブル発生時にどのようなやり取りが行われたかをすぐに確認でき、円満な解決を実現します。

逆に、録音データがなければ状況を客観的に分析しにくくなり、解決までの時間が長引いてしまいます。オペレーターがトラブルに対処する時間を減らし、通常業務に集中するためにも通話録音が欠かせません。

オペレーター教育に活用できる

通話録音をSV(スーパーバイザー)や教育担当者が分析すれば、オペレーター教育に役立つ知見を発見可能です。

「もっとスピードを抑えて」「NGワードに注意」「コンプライアンスを意識して」といったフィードバックをオペレーターに与えれば、気づきや成長につながります。成績の良いオペレーターの音声を分析し、好印象を与える話し方やトークを研究することも可能です。

クレーマー対策になる

コールセンターの顧客の中には、オペレーターに落ち度がないにもかかわらず悪意を持って苦情の電話をいれるクレーマーが存在します。通話録音があれば、営業妨害行為に対し「この通話は録音されています」とけん制を入れ自重を促すことが可能です。

コールセンター全体の応対品質向上につながる

通話録音システムにはトラブル対処、オペレーター教育、音声分析機能が備わっており、積極的に活用すればコールセンター全体の応対品質を向上されます。常に自分の音声と向き合うためオペレーターも積極的にスキルを磨くようになるでしょう。

コールセンターが通話録音を行うデメリット

コールセンターにメリットを与える通話録音にも、デメリットが存在します。導入する際はメリットとデメリットを事前に把握し、自社にとって本当に必要なシステムであるかを確認しましょう。

顧客の心理的負担が増える

顧客が通話録音に心理的負担を感じてしまう可能性があります。「自分の音声が録音されている」というストレスによって、言いたいことがうまく伝えられなかったり、「なぜ録音するのか」と不信感を抱いてしまったりする人もいます。

通話録音を行う際は「サービスの品質改善のため通話を録音する必要がある」と事前にアナウンスし、誤解やトラブルを防止しましょう。

コストが発生する

通話録音には専用システムが必要となり、導入コストやランニングコストが必要です。

対象となる電話機が増え、録音時間が伸びるほどコストは増加します。数人程度で運営している小規模コールセンター、コールセンター機能に重きをおいていない事業所では、コスト以上の利益を確保できない可能性があります。

オペレーターが過度に緊張する可能性も

オペレーターは日々の業務内容を録音されるため、常に緊張感をもって対応する必要があります。

通話録音の分析が評価に直結する事業所もあり、過度に緊張してストレスを感じるオペレーターもいるでしょう。システムの導入目的を全オペレーターに説明し、リラックスして業務に臨めるようケアを行いましょう。

コールセンターシステムの通話録音機能とは

コールセンターシステムの通話録音機能とは、コールセンター業務で発生する通話を物理サーバーやクラウドサーバーに自動保存し、音声の保存や分析を可能とする仕組みです。コールセンターへの導入率は90%と言われており、一般オフィスにも導入されています。

近年は「AIによる音声のテキスト化」や「オペレータースキルの可視化」など通話録音以外の機能も充実しており、コールセンター業務のさらなる効率化に期待が寄せられています。クラウドサーバーに保存するタイプが初期費用を抑えやすく、ストレージサイズの設計も柔軟なため人気です。

通話録音機能の選び方

通話録音機能は多種多様なサービスが存在しており、導入時は選び方のポイントを抑える必要があります。システムの選定基準を事前に策定し、効率的に選択できるようにしましょう。

システムの種類

一言で通話録音機能といっても、システムそれぞれに特徴があります。

・オペレーターの管理やカスタマー対応を目的するコールセンター向けシステム
・通話録音機能が搭載されているCRM(顧客管理)システム
・トラブル防止やコンプライアンス強化に主眼が置かれた一般オフィス用システム

どのシステムが最適かは利用目的によって異なるため、事前に「なぜ通話録音機能を導入するのか」を社内で固めなければなりません。

録音対象

固定電話だけでなくスマートフォンやIP電話も録音対象に含める場合、対応していないサービスも存在します。特にiPhoneは多くのサービスが非対応です。別途通話録音ソフトが必要となる可能性があるため、録音可能な端末や対応するOSを事前に確認しましょう。

オプション機能

通話録音機能は、業務効率化や分析に役立つさまざまなオプション機能が付随しています。

音声認識:録音内容をAIが解析し、自動でテキスト化する機能
CTI:電話とパソコンを連携させ、顧客情報をパソコン画面に表示する機能
セキュリティ管理:アクセス制御や操作ログ保存などで、データ流出を防ぐ機能

多くのオプション機能を盛り込めば利便性は向上するものの、コストが高騰し、操作するオペレーターの負担も増加します。はじめは最低限の機能から業務を開始し、必要に応じてオプションを追加していく運用手法がおすすめです。

通話録音に関する疑問

通話内容は個人情報に当たるため、「法律に抵触しないのか?」などの疑問点がいくつか浮かびます。

法律と一般社団法人日本コールセンター協会が発行している「コールセンター業務倫理ガイドライン」の見解を一部紹介します。なお、これらはあくまで一例なので、個別の事例については必ず専門家へ確認してください。

勝手に録音しても良い?

法律:原則違法ではない
コールセンター業務倫理ガイドライン:通話録音の目的を具体的に特定して広く公表するか、本人に通知しなければならない

通話録音そのものを規制する法律は存在しません。ただし通話の冒頭で「この通話は録音されています」と通達する、あるいはホームページで「通話は録音されます」と公表するのがマナーとされています。

また、裁判の場では「無断で録音された音声は証拠として認められない」とされるケースがあるため、その意味でも事前の通達や公表は必須です。

相手が要求した場合は情報を開示するべき?

法律:「個人情報保護に関する法律」により開示義務がある
コールセンター業務倫理ガイドライン:本人より開示を求められた場合は遅滞なく開示する

法律とガイドライン双方で速やかな開示義務があると規定されており、応じない場合は法律違反の可能性があります。録音した音声はいつでも開示要求に応じられるように保存し、厳重に管理しましょう。

録音データはいつまで保管する?

法律:規定なし
コールセンター業務倫理ガイドライン:規定なし

録音データの保存期間については、個人情報保護法にもガイドラインにも記載がありません。コールセンターでなるべく長い保存期間を定め、終了次第順次廃棄しましょう。

ただし、システムによっては古いものから自動的に削除するタイプもあるため、定期的にバックアップを保存する必要があります。

まとめ

コールセンター運用において、通話録音は不可欠な業務となりつつあります。本記事の内容をもとに自社に最適な通話録音機能を導入し、コールセンターの業務効率化や収益改善を成し遂げましょう。一部法律に抵触する部分があることに留意し、顧客にきちんと説明できる体制作りを心がけてください。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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