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2023.03.01

クラウドPBX / スマホ / 内線電話機 / 種類 / 内線化 /

クラウドPBXで使える外線・内線電話機とは?メリットや使い方を比較解説|トラムシステム

クラウドPBXは、インターネット回線を用いて内線、外線通話などの電話網を構築するサービスです。スマートフォンやパソコンを内線端末として利用できるなど、従来のPBXにはない様々な便利機能が備わっています。

本記事ではクラウドPBXの内線、外線機能の仕組み、クラウド化することで得られるメリットについて詳しく解説します。
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クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、ベンダーがクラウド上に設置したPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用するサービスです。

電話回線ではなくインターネット回線を利用するため、回線工事が必要ありません。さらにビジネスフォンの主装置にあたるPBXがクラウド上にあるため、オフィス内に物理的な機器を設置することなく、インターネット環境さえあればすぐに利用開始できます。

【クラウドPBXのメリット】
・PBX(主装置)を購入する必要がないため、初期費用を抑えられる
・インターネット環境があればPBX機能を利用することができる
・スマートフォンを内線端末として利用できる
・複数拠点を持つ企業の場合、海外拠点であっても拠点間の通話をすべて内線で行える
・物理的な機器をオフィスに設置する必要がないため、地震などの自然災害時に破損する危険性がない
・機器のメンテナンスやセキュリティ対策を自社で行う必要がない
・回線の増減や設定などもブラウザから簡単に行うことができる

これらのメリットにより、個人事業主・中小企業から大企業まで様々な企業で普及しています。

クラウドPBXで使える内線・外線電話機とは

クラウドPBXでは従来のような電話機(ビジネスフォン)だけでなく、スマートフォンやタブレットなどの端末を電話機として利用することも可能です。クラウドPBXで利用できる電話機について1つずつ解説していきます。

スマートフォン

クラウドPBXではスマートフォンを内線端末として利用することができます。スマートフォンに専用のアプリをインストールし、そのアプリ経由で通話をする仕組みです。もちろん、内線、外線機能に加えて保留や転送などの基本的な電話機能も利用可能です。

スマートフォンの内線利用で得られるメリットには、次のようなものがあります。

・社外からもスマホを通じて無料で内線電話ができるため、通話料を節約できる
・社外で勤務する社員ともつながりやすくなり、業務を円滑に遂行できる
・専用の端末を用意する必要がなく、社員が個人で所有している端末を活用可能

その他、チャット、ビデオチャット、プレゼンス(在席確認)機能などの様々な機能による業務の効率化が期待されています。

スマートフォンの内線化はクラウドPBXの最大のメリットなので、多くのベンダーで利用できます。ほとんどが端末制限のないキャリアフリーなので、機種を統一する必要もありません。

ソフトフォン

ソフトフォンとは、PCやタブレット端末にアプリをインストールして通話をできるようにしたものです。業務で利用しているPCやタブレットを使って内線通話ができるので、電話機を購入するコストをカットすることができます。

PC・タブレットを活用する現場として、まず挙げられるのがコールセンターです。コールセンターでは顧客からの問い合わせに答えるため、過去のデータや情報を参照する必要があります。クラウドPBXをPCに導入することで、電話対応を行いながらのデータ検索が可能です。

その他には、ホテルへの導入が進められています。客室に客室電話機としてタブレットを配置し、フロントへの連絡に利用するのです。画面にはホテルの最新情報が複数の言語で常に表示され、宿泊客がスマートフォンとして利用することもできます。

SIP電話機

クラウドPBXでも置型タイプの電話機を使いたい場合には、SIP電話機を用意しましょう。SIP電話機のSIPとは Session Initiation Protocol (セッション・イニシエーション・プロトコル)というインターネット上で通信を行うための技術の略語です。

長年ビジネスフォンを使っている現場では、スマートフォンやタブレットよりも電話機の方が使いやすいという従業員も多いこともあります。そのような場合には、SIP電話機を導入することでこれまで通りの使い勝手で業務を行うことができます。

なお、各クラウドPBXベンダーによって対応しているSIP電話機が限定されている可能性があります。どの電話機を購入・レンタルすべきかはベンダーに問い合わせると良いでしょう。
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クラウドPBXの内線・外線の仕組み

クラウドPBXの仕組み

クラウドPBXは、クラウド上にPBXを設置し、インターネット回線を通じてアクセスすることで内線や外線などの電話機能を利用する仕組みです。ここからは、クラウドPBXの内線、外線の詳しい仕組みについて解説していきます。

外線の仕組み

着信・発信ともにインターネット回線を通じてクラウドPBXのサーバーに集約され、相手先の端末と接続します。

インターネット回線を通じて通信することで、IP電話機の他にPCやタブレットなどのソフトフォン、スマートフォンを電話端末として利用できる点が、クラウドPBXの特徴です。

内線の仕組み

内線も外線とほぼ同じ仕組みです。着信・発信共にクラウドPBXのサーバーで制御され、内線番号を元に各電話機に接続されます。

ビジネスフォンと異なり、内線端末同士の接続にインターネット回線を用います。この仕組みにより、インターネット環境さえあれば、オフィスの外にいても内線通話が可能です。

外出中や出張中の社員とも内線通話ができるようになることで、通話料の削減や業務の効率化につながるでしょう。

内線・外線をクラウド化するメリット5つ

クラウドPBXを用いて内線・外線をクラウド化すると、コスト削減や業務効率化などを実現できます。どのようなメリットがもたらされるか、具体的な利用シーンと共に見ていきましょう。

スマホ内線化やBYODができる

クラウド化の最大のメリットはスマホ内線化です。スマホにクラウドPBXアプリをインストールするだけで利用開始できます。インターネット回線さえあれば内線・外線が可能なため、社員同士別々の場所で勤務するテレワークの通信手段としても最適です。

プライベート用のスマホを業務利用するBYOD(Bring Your Own Device)も利用できます。企業が携帯端末を購入するコストを削減できる他、社員にとってはプライベート用と業務用携帯端末の2台持ちや充電などの手間もなくなります。

電話回線がいらない

内線・外線をクラウド化すると、これまで多額の費用をかけて設置していた電話回線が不要となります。保守や点検にかかる費用が削減される他、電話回線の制約を受けないオフィスのレイアウトも実現可能です。

組織改編に伴うレイアウト変更やオフィス移転時にも、スムーズに電話設備を移動させられる点もメリットです。

端末同士の転送料金が0円になる

インターネット回線で端末同士を繋ぐため、社内外を問わず転送を無料で行えます。オンプレミス型PBXでは料金が発生していた次のような通話転送が0円になることで、通信コストの大幅な削減が期待できます。

・会社の電話機への外線を、社外にいる社員のスマホに転送する
・あるスマホで受けた外線を、別のスマホに転送する

スムーズな転送が実現することで、電話口でお客様を待たせたり、社員が後で折り返しをしたりする必要がなくなり、業務効率化につながるでしょう。

外出中や出張中の社員とも内線ができる

内線・外線のクラウド化により、オンプレミス型PBXにあった「内線通話ができるのは社内だけ」という制約がなくなります。インターネット環境がある場所全てが内線網の範囲になるため、外出中や出張中の社員とも内線通話が可能です。

海外出張中であっても、ホテルや空港のWi-Fiを使って国内の社員と内線通話をしたり、国内拠点にかかってきた外線に対応したりすることもできるようになります。

国内外に拠点が多くある企業や、社員が外出することが多い企業にとっては、大きなメリットと言えます。

PBXの物理的な破損・劣化がない

PBXがクラウド上に設置されているため、物理的に破損・劣化することがありません。システムのメンテナンスやセキュリティ対策もベンダーが行うため、メンテナンスにかかる費用もカットできます。

物理的な電話設備が社内にないことは、BCP(事業継続計画)対策としても有効です。災害時にもインターネット環境を復旧すれば電話業務を再開できるため、被害を最小限に抑えられるでしょう。

クラウドPBXならオフィスの固定電話機の廃止・削減も可能

クラウドPBXによってスマホやPC・タブレットを内線化することで、オフィスから固定電話を廃止・削減することも可能です。

固定電話機は購入やレンタルにコストが発生することに加えて、オフィススペースの圧迫や、電話機を中心としたオフィスレイアウトの考案などのデメリットがあります。スマホの扱いに慣れた若い世代が、固定電話機の使い方がわからずに困ってしまうこともあります。

このような固定電話機の不便さを鑑みて、固定電話機を廃止する企業や、受付などの一部を除いて削減する企業が増加しています。

こちらの記事では、固定電話機を廃止するメリットや事例について紹介しています。ぜひあわせて参考にしてください。

クラウドPBXベンダー選びの際のポイント

クラウドPBXを導入する際は、社内で検討を重ね、複数のサービスを見比べながら自社にとって最適なサービスを選択することが大切です。ここからは、ベンダーを選ぶ際のポイントを紹介します。

会社規模・利用人数

会社規模と想定される利用人数を確認しましょう。ベンダーによって、得意とする利用規模が異なったり、契約者数に応じて月額料金が割引になることもあります。自社同じような規模での導入実績があるかなどを確認しましょう。

利用する機能

業務を行うために必要な機能が搭載されているかどうかも、重要なポイントです。必要な機能は会社によって異なるため、予め社内へのヒアリングなどを通して把握しておきます。

利用したい機能が基本プランに含まれていない場合には、オプションとして追加で申し込むが可能かも確認しましょう。導入時点では必要なくても、将来の事業展開や拡大に伴い利用する可能性がある機能についても、オプションなどで利用可能かを確認しておくと安心です。

導入実績

多くのベンダーが様々なサービスを展開しているクラウドPBXですが、全てのベンダーがあらゆる業界・業種への豊富な実績を持っているわけではありません。

導入実績の多さは、そのベンダーの安定性や信頼度を測る基準になります。また、利用実績のあるベンダーほど、機能が充実しサポートが整っている傾向にあります。自社と同じ業界や会社規模での導入実績があるか確認しましょう。

コスト

クラウドPBXのコストで注意するべきなのは、ベンダーによって基本料金体制や通話料金の設定が違うという点です。「実際に導入してみたら想定以上のコストが掛かった」とならないよう、ベンダーの担当者に詳しく確認しましょう。

一般的に、クラウドPBXの基本料金には2つのパターンがあります。

・低めの基本料金から、利用する機能の数に応じて上乗せされていく
・高めの基本料金だが、多くの機能が事前に内包されている

利用する機能を選定していくと、最初に提示されていた金額とは全く違う基本料金となるケースも珍しくありません。複数社で見積もりを取れば、各サービスの料金体制の特徴も見えてきます。価格の相場を把握し、導入を検討しているサービスが本当にお得なのか?を見抜けるようにしましょう。

電話番号が維持できるか

クラウドPBXを導入する際、現在契約している電話会社や回線によっては電話番号の変更が必要なケースがあります。

会社のHPや従業員の名刺、パンフレットなどに掲載している電話番号を変更することはかなりの手間になるため、今の電話番号を継続できるかは大事なチェックポイントです。

まとめ

クラウドPBXを利用した内線・外線は、従来のビジネスフォンよりも費用対効果に優れており、業務効率化も成し遂げるシステムとして注目されています。本記事の内容をもとに最適なサービスを選択し、新たな通信システムを構築しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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