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2022.04.08

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クラウドPBXの構築手順とは?注意点やビジネスフォンからの乗り換え方法も解説|トラムシステム

内線の取次ぎや通話の転送を司るPBX(構内交換機)をPBX化したクラウドPBXは、企業のビジネスフォンを代替する存在として注目を集めています。

どのようにシステムを構築すべきなのか、どのような準備をすべきなのか、既存の設備はどうなるのか、知っておくべき事前知識は少なくありません。

本記事でクラウドPBXの仕組みや構築方法を学び、導入時の参考としましょう。
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クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、これまでオフィスに設置していたPBX(構内交換機)をインターネット上の仮想空間に設置したITサービスです。

クラウドPBXはインターネット回線を通じてIP電話機(インターネット回線を用いる電話機)と接続し、内線、外線、転送、通話録音を機能させます。専用のアプリをインストールすれば、スマートフォンをビジネスフォンに変換することも可能です。

主な導入メリット

クラウドPBXの主な導入メリットは以下の通りです。

・内線通話が無料
・社員個人のスマートフォンを業務で利用可能
・携帯端末でも企業の代表番号で発信
・運用設定や機能が豊富
・導入、運用コストの削減
・オフィス移転による電話番号変更が不要
・災害による破損被害を軽減

企業にとって大きな負担だった通信設備に関するコストを軽減できるだけでなく、物理機器や固定回線を廃止して業務効率化を実現します。

クラウドPBXの仕組み

クラウドPBX仕組み
クラウドPBXは、公衆インターネットおよびVPN(バーチャルプライベートネットワーク)でIP電話機と接続します。携帯端末は公衆インターネットを、固定電話は秘匿性の高いVPNで電話網を構築する仕組みです。

電話回線ではなくインターネット回線で端末同士をつなぐため、離れた場所にある拠点や海外拠点とも内線通話網を構築できます。専用アプリをインストールするだけでスマートフォンを内線化することができ、外出中や出張中の社員も気軽に内線、外線、通話転送が可能です。

クラウドPBXの構築手順

クラウドPBXを構築する手順はやや複雑です。1つずつプロセスを解説しますので、導入時のトラブルや行き違い防止策としてぜひご参考ください。

1.既存設備の確認

まず、既存の電話設備の状態をチェックしましょう。不要となる既存の固定電話回線やPBXは撤去する必要があります。

ポイントは「クラウドPBXに活かせる設備は可能な限り流用する」です。ビジネスフォンとクラウドPBXに必要な設備の多くは共通です。設備を流用することで、導入コストや納期の削減につながるだけでなく、社員が習熟に要する期間を短縮します。

【クラウドPBXに流用できる既存設備】
・インターネット回線
・Wifi(無線LAN)環境
・インターネット回線を利用する電話機(SIP電話機やソフトフォンなど)
・社用(または社員個人の)スマートフォン

固定式のSIP電話機やパソコンを用いたソフトフォンなどのIP電話機は、積極的に流用しましょう。クラウドPBXでも継続利用が可能となっており、端末購入費用をカットできます。

2.要件定義

次に、クラウドPBXに必要な機能などの要件を整理します。現在の電話を使った業務のやり方を把握した上で、理想とする電話業務のあり方を考えてみましょう。

例えば、外線対応のために誰かが出社しなければいけないことが現在の悩みであったとしましょう。この場合、スマートフォンを内線化して、会社番号への着信をスマホへ転送することで、自宅など離れた場所からも会社の電話を受けられるようになります。

クラウドPBXには様々な機能が搭載されていますが、一部の機能は追加料金が発生するオプション機能です。「便利そうだから」とあれこれ追加してしまうと、結果的にコストが増大してしまう可能性もあります。

「なぜ導入するのか?何を期待するのか?」を考えながら、必要最低限の機能をあげましょう。

3.クラウドPBXベンダーの選定

クラウドPBXサービスを販売するベンダーは多数存在するため、信頼できるベンダーの選定が欠かせません。以下のポイントに気を配り、最良のベンダーを選択しましょう。

1.会社規模と利用人数にマッチしているか
数人による小規模利用から1000人以上の大規模利用に至るまで、それぞれのベンダーが得意とする領域は異なります。小規模利用の実績しかないベンダーに大規模利用の案件を依頼するといったミスマッチは避け、自社の会社規模と利用人数にマッチしたベンダーに依頼しましょう。

2.機能とコストのバランスは適切か
クラウドPBXの料金設定には2つのパターンが存在します。「低めの基本料金から利用する機能の数にあわせて上乗せするパターン」と「高めの基本料金で多くの機能が内包されているパターン」です。基本料金の安さのみに着目していると、必要な機能を上乗せしたとき、思わぬ高コスト化を招いてしまいます。機能とコストのバランスは事前に確認しておきましょう。

3.導入実績は豊富か
クラウドPBXはビジネスフォンに比べると歴史が浅く、ここ数年の間に販売を開始したサービスも珍しくありません。口コミや利用実績をベンダーごとに確認し、導入実績が何社あるか、クライアントからどのように評価されているかを確認しましょう。自社と同じ業界や会社規模での導入実績は特に参考となります。

4.既存の電話番号を引き継げるか
ベンダーによっては既存の電話番号の変更が必要となるケースが存在します。会社の名刺、ホームページ、チラシや看板などの変更はコストがかかるため、電話番号を継続利用できるベンダーに依頼するのが無難です。
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4.電話番号の引き継ぎ手続き

電話番号引継ぎが可能なベンダーを選択した場合、番号ポータビリティ(LNP)と呼ばれる引継ぎ作業が必要となります。

【番号ポータビリティの手順】
1.ベンダーが番号ポータビリティの申請書を作成
2.廃止する電話番号が無いかなど内容を利用者が確認
3.ベンダーがNTTに番号ポータビリティ可能かを確認し、手続きを進める
4.予定した日時で自動で回線が切り替わる

ただし、番号ポータビリティ(LNP)はNTTから取得した電話番号、あるいは光コラボで取得した電話番号が対象となります。「050」からはじまるIP電話番号など、番号ポータビリティが不可能な番号も存在するため注意が必要です。

5.内線端末の準備・設定

クラウドPBXで利用できる内線端末は、IP電話機、スマートフォン、PC・タブレットなどのソフトフォンです。

現在利用している電話機を全てそのまま流用する方法もありますが、クラウドPBXの導入は電話機の利用状況を見直すよい機会でもあります。例えば、社員が個人で保有するスマートフォンを業務利用するBYODを導入すれば、オフィスや会議室に固定電話機を設置する必要はありません。

受付にタブレットを設置し、来社した人にはそのタブレット内のクラウドPBXアプリを通じて訪問先に連絡してもらうようにすることもできます。

クラウドPBXの特長やメリットを最大限に活かし、コスト削減や業務効率化を目指しましょう。

ビジネスフォンからクラウドPBXへ移行する時にやるべきこと

ビジネスフォンからクラウドPBXに移行する際「既存PBXと併用する」「クラウドPBXへ完全移行する」の2つの選択肢が存在します。併用する場合にはそのためのシステムを構築、完全移行する場合には古い機器の破棄または返却を行わなければなりません。

既存PBXと併用したい場合

アナログ電話機をIP電話網へ取り次ぐVoIPゲートウェイを導入すれば、固定電話設備を残したままクラウドPBXへ移行することができます。

ビジネスフォンをそのままIP電話にできるだけでなく、距離に関係なく通話料が一定となるため、通話料削減も可能です。比較的安価で購入可能となっており、レンタルであればさらにリーズナブルに利用できます。

クラウドPBXに完全移行する場合

これまで利用していたビジネスフォンやPBXは廃棄となります。購入品の場合は自社で責任をもって処分し、リース品の場合はリース会社に変換しましょう。比較的新品の場合は、下取りに出して資金に変えることもできます。下取り時の査定ポイントは以下の通りです。

【下取り時の査定ポイント】
・ビジネスフォンが正常に作動するか
・ビジネスフォンのメーカーや機種
・破損や汚れの状態

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まとめ

クラウドPBXの構築にはいくつかの手順を経る必要がありますが、特別な知識や技術は不要のため、ベンダーと連携しながら1つずつクリアしていけば問題ありません。既存設備も可能な限り流用し、コストを削減してクラウドPBX構築を成功させましょう。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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