クラウドPBXや電話システムについてIT・通信のプロが解りやすく解説|voice

ビジネスフォンやクラウドPBXを電話・通信のプロがわかりやすく解説!

\ クラウドPBX資料 /

無料ダウンロード

フリーワード検索

2024.02.02

コンタクトセンター / コールセンター / 目標設定 / 品質向上 /

コールセンターの目標設定ポイントは?設定手順と目的別のKPIを解説|トラムシステム

コールセンター・コンタクトセンターにおいて、オペレーターやセンター全体が目標をもって日々業務をすることは、スキルアップやモチベーションの面でとても大切です。ただし、何を目標として、具体的に何に取り組んでいくよう指導すべきか迷われている管理者、マネージャーの方もいるのではないでしょうか。

目標を設定するときのポイントや、目標達成のためにどのようにして「見える化」を図っていくのか、目的別の指標を例に挙げて解説します。

サムネイル画像

コールセンターにおける目標設定が大切な理由

オペレーターやセンター全体で目標を持つことのメリットはどんなものがあるのでしょうか。以下のような理由が挙げられます。

・応対・接続品質の向上
・生産性の向上
・顧客満足度の向上

受注率の改善を目標とすることで、正確な回答や問題解決力など、応対の質が向上します。応答率の改善を目標とすることで、電話繋がりやすくなる、応答までのコールの時間が短縮されるなど、接続の質が向上します。また、1回の対応における通話~後処理時間短縮を目標にすることで、対応件数の増加や後処理の効率化など、生産性の向上が見込めます。
目標設定により、オペレーターはより顧客応対を丁寧かつ効率的に行うよう努めるため、それに合わせて顧客満足度の向上も推し量れます。

コールセンターにおける目標設定の手順

目標設定の手順についてみていきましょう。

サムネイル画像

(1)最終目標(KGI)を設定する
まずは、最終目標(KGI)を設定します。
「新規顧客獲得率〇%アップ」「応答率〇%改善」「商品リピート率前年比〇%アップ」などが例として挙げられます。

(2)KGI達成のために必要な要素を洗い出す
この最終目標から、達成のために必要になる要素を洗い出します。
例えば、「応答率〇%改善」を目標としたとき、達成のために必要な要素は以下のように考えられます。
・受付時間の延長
・オペレータを増員
・電話以外のチャネルを増やす
・1回の応対時間を削減する

(3)洗い出した要素を業務レベルに落とし込み、KPIを設定する
この要素を業務レベルに落とし込み、KPIを設定します。
上記同様、「応答率〇%改善」を目標としたときのKPIは以下のように考えられます。
・応答率
・サービスレベル(SL)
・平均応答速度(ASA)

(4)KPIの数値目標を立てる
これらのKPIを用いて、数値目標を立てます。
設定する数値は、高すぎるとオペレーターのやる気を削ぎかねません。現状と照らし合わせて、現実的に目標とできる数値を設定しましょう。

(5)KPI達成のためのタスクを具体化し、PDCAを回す
最後に、KPI達成に向けてタスクを具体化します。日々の取り組み以外にも、システムの整備や人員配置で解決できるものは対応を検討し、実践した後にはKPIがどう変化したかを調べ、PDCAを回します。
また、センター全体の目標については、センター内に掲げ、全員が数字を意識できるよう「見える化」を図ることも重要です。全員で改善を目指せるような意識づけをしていきましょう。

では、目標設定の肝ともいえるKPIについて詳しく解説していきます。

KPIとは

KPIはKey Performance Indicatorの略で、日本語では重要業績評価指標とも呼ばれます。KPIは、企業が設定した目標の達成過程を評価する中間指標として、最終的な目標達成に向かうためのプロセスが滞りなく実行されたかを計測します。
KPIは、重要目標達成指標(KGI:Key Goal Indicator)と合わせて設定されるのが一般的です。両者の違いは、KPIが「中間目標」、KGIが「最終目標」である点にあります。
例えば、「本年度業績50%アップ」といった最終的な目標がKGIであれば、KGI達成のために「WEBサイトの月売り上げを10%アップ」といった目標達成のための過程がKPIとなります。
つまり、まずはKGIを設定した上で、KGI達成のために必要なプロセスを分解し、KPIを設定する必要があるということです。

KPIの目的

各企業がKPIを設定する目的は、以下の通りです。

・Plan・Do・Check・ActionのPDCAサイクルを確実に回す
・定量的な指標で、成果を明確にする
・目標達成に必要な行動をメンバーに理解させ、足並みを揃えさせる
・単なる業績アップだけでなく、全体的な業務効率改善を図る

コールセンターでは、「応対品質や顧客満足度向上を数値目標で示す」という目的もあります。目標金額を設定して顧客に商品を売り込むアウトバンド業務以外は、オペレーターの勤務態度や能力の評価が難しいからです。
KPIによって筋道が立てづらい目標を具体的に数値化することで、オペレーターは自身の課題を理解し、管理者はオペレーターを的確に評価できるようになります

KPIを用いた目標設定時のポイント

KPI設定をする際は、「SMART」を意識して行う必要があります。「SMART」はSpecific・Measurable・Achievable・Related・Time-boundedlyの略で、各単語の意味は以下のとおりです。

・Specific 具体的な内容を持たせる
・Measurable 第三者が計測できる
・Achievable 達成できる目標である
・Related 部署や業務と密接に関わっている
・Time-bounded 時間を設定する

これらSMARTを念頭においてKPIを設定すれば、「半年後までに成約率を20%アップ」、「新規顧客を月10件から20人に増やす」のように、目標達成に必要な行動がより明確になります。最終目標に繋げることを意識しながら、効果的にKPI設定を行いましょう。

では、目標設定に用いられるKPIの種類について解説します。

コールセンターで特に重要なKPIとは

100種類以上あるとされるKPIですが、その中でも特に重要なのが「応答率」と「稼働率」です。どちらの数値も、低い状態ではコールセンターの経営が困難になってしまいます。それぞれ詳しく解説しますので、KPIを導入する際の参考にしてください。

応答率

応答率とは、コールセンターに掛かってくる電話に、どれだけ対応できているかを示すKPIです。「繋がること」が電話の基本であるため、なかなか繋がらず応答率の低いコールセンターでは、顧客満足度が非常に低いものとなるので注意しましょう。
応答率の算出方法は、以下の通りです。

応答率(%) = 対応数(本) ÷ 入電数(本) × 100

応答率が低いコールセンターでは、多くの場合「対応できるオペレーターが着信数よりも少ない」状態となっています。原因として考えられるのは、以下の要因です。

・着信数が増加した
・スタッフの数が減少した
・スタッフの質が低下し、対応できる件数が減少している

現場の体制を見直し、研修方針の見直しや増員を実行しましょう。

稼働率

稼働率とは、業務時間中に、オペレーターが顧客対応にどれだけ時間を割けているかを示すKPIです。稼働率が高ければ高いほど、 オペレーターは顧客対応に専念できているといえます。
稼働率の算出方法は、以下の通りです。

稼働率(%)=実働時間(拘束時間−休憩時間) ÷ 拘束時間

ただし、ただ稼働率が高ければいいというわけではありません。研修などといった稼働率とは直接関係ない業務を切り捨ててしまうと、オペレーターの質やモチベーションの低下が起きてしまうからです。稼働率の数字だけでなく、内容もしっかり確認しましょう。

その他の代表的なKPIの種類一覧

コールセンターで利用される代表的 KPIの種類を紹介していきます。カテゴリー別に一覧で示しますので、目標に対し適したKPIを選定しましょう。

応対品質関連のKPI

応対品質とは、「オペレーターと顧客が電話で会話を行う際の品質」を表します。この数値が低いと、どんな優れたサービスや商品も売れません。コールセンターでKPIを設定する際は、まず応対品質の改善から始めましょう。
応対品質に関連したKPIは以下の通りです。

・着信に対して、オペレーターが対応できた割合を示す「応答率
・オペレーターが着信に対応できず、放棄してしまった割合を示す「放棄呼率
・事前に設定した制限時間内に対応できた割合を示す「サービスレベル
・着信に対して、オペレーターが応答するまでの時間を示す「平均応答速度

顧客満足度関連のKPI

顧客満足度とは、「企業のサービスやコールセンターに対して、顧客がどれだけ満足しているか」を表します。満足度が低い場合、顧客はリピーターにならず、別の企業へ去ってしまうでしょう。効率性のみを追求すると低下しやすいので、「顧客目線での対応ができているか」は常にチェックしてください。
顧客満足度に関連したKPIは以下の通りです。

・サービスや商品に対する顧客満足を示す「顧客満足度
・企業やブランドに対する愛着・信頼度を数値化した「顧客推奨度

効率性関連のKPI

効率性とは、「オペレーターが顧客対応をどれほど効率的に行っているか」を表します。効率性が低いと、本来必要な人数よりも多い人員が必要となり、人件費が増大して採算性が悪化します。オペレーターの研修はしっかり行い、効率性も少しでも向上させることが重要です。
効率性に関連したKPIは以下の通りです。

・オペレーターが本来の業務を行っている時間を表す「稼働率
・通話開始から後処理終了までに要した時間を表す「平均処理時間
・1コールあたりに要する通話時間を表す「平均通話時間
・1コールあたりに要する後処理時間を表す「平均後処理時間
・1コンタクトに要するコストを表す「CPC

マネジメント関連のKPI

マネジメントとは、「オペレーターのモチベーションをどれだけ維持できているか」を表します。コールセンターは人の入れ替わりが激しく、既存オペレーターに対するマネジメントを怠ると欠勤・離職が相次ぐので注意しましょう。
マネジメントに関連したKPIは以下の通りです。

・就業日数と欠勤日数の割合を表す「欠勤率
・在職者と退職者の割合を表す「離職率

まとめ

評価基準があいまいになりがちなコールセンターにおいて、重要な評価基準となるのがKPIです。KPIを設定し、明確な数値目標を持たせることが、コールセンター改革の第一歩となります。自社の業務内容や業績目標をもとに、最適なKPIを導入し、目標達成に役立てましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

注目記事Recommend Post

  • ビジネスチャットで働き方改革!メリット・活用事例も紹介

    2020.11.16

  • 【PC会議比較】Web会議・TV会議の違いとメリット・デメリット

    2018.12.25

  • コールセンターの当日欠勤はどう減らす?欠勤率改善への対策を解説