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2021.06.28

コールセンター / 組織図 / 設計 / 体制 /

コールセンターの組織図と運営体制丨センター開設の手順と必要な設備も解説|トラムシステム

オペレーターやSV、品質担当と多くの人材が関わるコールセンター・コンタクトセンターでは、組織を円滑に運営するためのツールとして組織図はとても重要です。しかし、「組織図・運営体制はどう設計すべきか?」「そもそも組織図の目的とは?」といった疑問・お悩みを持つ担当者も多いようです。

この記事では、組織図の重要性、メリット、設計手順などについて詳しく解説します。

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コールセンターにとっての組織図の重要性

組織図とは、企業全体や部署などの組織構造を一目で把握できるようにした図です。各担当者の役割や権限、および関連部署・部門同士の相互関係が明確に示せるように構成されています。

コールセンターにおいても組織図の重要性は一般企業と変わらず、センター規模に関わらず必ず作成されるべき組織資料です。

組織図の役割・メリットは大きく以下の2つがあります。

指揮命令系統が明確になる

組織活動において組織の権限構造が不明確であれば責任の所在が曖昧で、誰に指示を仰ぎ、誰に承認を取れば良いのか分かりません。

また、トップダウンで指示や情報共有をしたい場合も連絡遅れやモレが発生し、応対業務に大きな支障をきたす可能性があります。組織図を作成することで、現場の混乱を防ぎスピード感のある意思決定・情報伝達が可能です。

組織戦略の検討に活用できる

組織図を作ることで組織構造を見える化することが可能です。一部の部署に業務が集中しすぎていたり、複数の部署で同じような業務をしていたりと、現状組織の問題が見えてきます。

体制全体を俯瞰できるので、組織のムダ解消や効率的な組織体制を構築するなど、体制図は組織戦略を検討するための重要なツールです。

一般的なコールセンターの組織体制

一般的なコールセンターの組織体制

コールセンターでは規模や業務内容により役職、名称などは異なりますが、以下の役割を持つ関係者で構成されるのが一般的です。ここからはそれぞれの役割を解説します。

センター長(センターマネージャー)

コールセンターを統括する部門長です。センター経営やマネジメントの総責任者として機能する役職で、センター内部だけでなくセンター外部の部門担当者とも連携を密に、センター全体を運営・管理しています。

マネージャー

コールセンターの運営責任者として、複数のSVを指揮・管理する役割です。経営陣やセンター長の掲げる経営目標達成のため、業務効率化やコスト削減、応対品質向上を検討・実行していきます。小規模なコールセンターではSVを兼任することもあります。

SV(スーパーバイザー)

リーダーやオペレーターの管理や指導をします。オペレーター10~20名に対して1名程度のSVを置くのが一般的です。オペレーターの育成やチームのコミュニケーション活性化など、応対業務現場の軸として活躍します。

リーダー

リーダーとは5~10人程度のオペレーターを束ねる現場のリーダーです。各オペレーターの応対での困り事を解消したり、新人教育のトレーナーとして活動します。SVの補佐としてチーム全体を管理する役割で、将来的にはSVになるべくSV候補生として選出・採用されるケースが多いです。

オペレーター

現場で電話応対やメール・SNS応対など、実際の応対業務を行う担当者です。コミュニケーターとよばれることもあります。アルバイトやパート、派遣社員などさまざまなバックボーンを持つ人材が多く集まります。

サポート部門

品質管理担当や教育担当、システム担当、エスカレーション担当など、応対業務ではなく特定の業務を専門に実施する部門です。SVやマネージャーが兼務することもありますが、規模が大きくなるほど業務を細分化し専門チームで運営されています。

コールセンターの設計・構築の手順

コールセンターを新規構築または拡大する場合、どのような手順で設計・構築を進めてけば良いのでしょうか。ここからは、コールセンターをスムーズに立ち上げるためのポイントを順に解説します。

1.目標の設定

コールセンターの新規構築・拡大に至った背景や目的を整理し、センターとしてのゴール・目標を設定します。例えば解約の予兆があるユーザーに対する解約抑止施策の実施を目的とするのか、既存応対業務の効率化を目指すのか、顧客サポートを強化し顧客満足度向上を目指すのかなど、達成すべき目標によってセンターの運営方針は全く異なります。

開設準備の一番初めにセンターの目的や方向性を整理し関係者に共有することで判断軸が明確になるため、以降の準備をスムーズに進めることが可能です。

2.現状把握・課題の洗い出し

コールセンターの開設にあたって、現状の運営方針や課題を洗い出し新しいセンターの構築要件を整理するプロセスです。具体的に以下の項目を確認します。

・運用プロセス
・マネジメント体制
・組織体制、規模
・教育方針、状況
・利用されているシステム

センター内部担当者だけでなく、関連部署担当者も含めてヒアリングを実施し、調査を進めましょう。

3.詳細な組織・体制の設計

現在のセンター状況や課題を元に、新たなコールセンターの詳細要件を詰めていきます。以下のような観点で検討を進めるとスムーズです。

業務プロセス:業務プロセスの洗い出し、業務プロセスごとのフロー図作成など
マネジメント:生産性・品質の管理方法を検討、KPI指標の作成など
組織体制:必要な人材要件や役割、人数、チーム体制などを整理
人材育成:育成方針の明確化、教育研修プラン・マニュアル作成など

4.システムの構築

現代のコールセンターにおいてシステム利用は不可欠です。大きく3種類のシステムがあり、それぞれ目的や予算に合わせて導入を検討します。

電話関連:電話回線やPBX装置などセンター規模や用途に応じて最適な電話設備を検討
ネットワーク関連:自社とコールセンターを繋ぐネットワークの準備。セキュリティポリシーに準じたネットワーク設備の導入が必要
ファシリティ関連:顧客管理システムやCTIといわれる生産性向上や品質向上を目的としたシステムの導入検討

既に利用しているシステムがある場合は、新しいセンターでもシステムを流用できるかどうかを確認しましょう。

5.運用体制の構築

最後は実際に業務をスタートする前に業務運用ルールの策定や、人員手配を行います。以下のようなポイントで体制構築を進めましょう。

・各種マニュアルの作成
・人材採用、育成
・オペレーターなどの勤務シフト作成

オペレーター用・管理者用でそれぞれ作成すべきマニュアルは異なります。応対マニュアルやシステムの操作マニュアル、困ったときのFAQ、クレーム応対マニュアルなど、自社センターで必要となるマニュアルを洗い出し、漏れなく作成出来るように準備を進めます。

マニュアル作成と並行して一緒に働くスタッフの採用を始めます。従来コールセンター業界は人材不足が課題です。優秀な人材を多く確保できるように採用要件を明確にし、応募者へのアピールポイントを決めていきます。また、採用活動が完了し必要な人材が集まり次第、直近の勤務シフトを作成しましょう。

コールセンターに必要な設備とは

コールセンターでは設備・システムを整備することが重要です。設備やシステムは今やコールセンターの業務効率化や応対品質向上には欠かせない存在となっています。

ここからは、コールセンター運営によく利用される設備・システムを解説します。

PBX(Private Branch eXchange)

PBXとは構内交換機のことで、企業の電話回線(内線通話・外線通話)の制御を行う設備です。外部からの電話を社内の内線電話機に繋ぐ、社内の内線同士を繋ぐ、内線から外部に発信を行うといった役割があります。

従来企業内に物理的にPBX装置を設置する「オンプレミス型」が主流でしたが、近年ではクラウド上に配置されたPBXをネットワークごしで利用する「クラウド型」が登場しています。

インターネットに接続できる環境があれば、どこでも、すぐに利用開始出来る手軽さから、クラウド型PBXに切り替える企業が増加しています。

CTI(Computer Telephony Integration)システム

CTI(Computer Telephony Integration)システムとは、電話やPBX、FAXなどの電話システムとコンピューターを相互接続して利用するためのシステムです。

CTIシステムを利用することでオペレーターは電話の受話器を上げ下げすることなく、パソコン画面からワンクリックで受発信ができます。オンプレミス型、クラウド型の大きく2種類があり、近年ではクラウド型のCTIシステムが主流です。

製品によって機能はさまざまですが、主に以下のような機能が搭載されています。センターの開設目的や目標などを踏まえて、どのような機能が必要なのかを洗い出し、導入検討を進めましょう。

ポップアップ:CRMと連携し、発信元電話番号から顧客情報を自動表示
ACD機能:オペレーターの稼働状況やスキルを判断して入電を自動振り分け
IVR(自動音声応答機能):音声ガイダンスによる自動応対
ワンクリック発信:パソコン画面からワンクリックで電話発信

CRM(Customer Relationship Management)システム

CRM(Customer Relationship Management)システムとは、顧客管理システムのことです。

お客様の氏名・住所・年齢などの基本情報をはじめ、購入履歴・応対履歴などお客様に関するさまざまな情報を一元管理します。コールセンターだけでなく、営業やマーケティングなど業界・業種を問わず広く利用されているシステムです。

CRMシステムは単純に顧客情報を管理出来るだけでなく、関係者との共有機能、検索機能、顧客情報の分析機能などさまざまな機能を有します。コールセンターで利用する場合はCTIシステムと連携させる使い方が一般的です。

発信元電話番号から顧客情報を自動的にパソコン画面に表示させることで、オペレーターは購入履歴や応対履歴を参考に応対を進められます。CRMは業務効率化や応対品質向上に効果的なシステムの一つです。

FAQ(Frequently Asked Questions)システム

FAQ(Frequently Asked Questions)システムとは、よくある質問と回答をひとまとめに管理するためのシステムです。

特に新人オペレーターではお客様からの問い合わせに対して回答が見つからない、探し方が分からないと応対に時間がかかってしまうケースがあります。応対の中で適宜FAQを参照できればスムーズに応対ができるので、業務効率化や応対品質向上の効果が期待できるでしょう。

また、社内のオペレーターが利用するだけでなく、お客様にもFAQを公開することでお客様自身で問題を解決させることも可能です。お客様の自己解決率が増加すればコールセンターの入電数は減少するので、センターの応答率や稼働率が改善します。

まとめ

コールセンターを新規開設・拡大させるにあたって準備すべき事項はさまざまです。特にコールセンター設備・システムは仕様検討や導入機器選定から利用開始まで、多くの時間がかかります。開設期日から準備スケジュールを逆算しながら、計画的に開設準備を進めてください。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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