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IaaSって何?丨代表例と導入時の注意点をわかりやすく解説|トラムシステム

クラウドコンピューティングを利用したクラウドサービスは、従来主流であったオンプレミスサービスの代替として普及が進んでいます。職場に導入されたものの、「クラウドサービスが何かわからない」「IaaSやPaaSの違いがわからない」と悩んでいませんか?本記事で知識を学び、対応していきましょう。今回は、クラウドサービスの一つIaaS(イアース)について解説します。

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クラウドサービスとは

クラウドコンピューティングとは、サーバー、ストレージ、ソフトウェアといったコンピューター関連のサービスを、デバイス(パソコン・タブレット・スマートフォン)だけで利用できる仕組みで、クラウドとも呼ばれます。利用したいサービスをネットワークを通じてインストールするだけの単純な仕組みで、現在は様々なサービスが利用可能となっています。

クラウドコンピューティングを利用したクラウドサービスによって、企業はITインフラを安価・短期間に構築できるようになりました。大規模な機器と数百万円に及ぶ費用が必要だったシステムが、デバイスとサービスの月額利用料だけで構築できるからです。

サービスを販売するベンダーが常に管理しているため、保守要員も必要ではありません。システムの拡張や仕様変更も容易で、変化の激しい現代のビジネスシーンにも対応できます。

欠点のないように思えるクラウドサービスですが、あくまで「サービスを借りている」状態であるのに注意が必要です。例えば「自社の特殊な環境に合わせてシステムをカスタマイズしたい」となっても、クラウドサービスでは容易ではありません。サーバーダウンといったトラブルが発生した時も、基本はベンダーが復旧するのを待つ形になります。

IaaSとは

クラウドサービスにはサービスの構成要素であるレイヤー(階層)があり、大きく分類すると以下のようになります。

1.パソコン本体の機能を提供するIaaS
2.windowsのようなOSを提供するPaaS
3.マイクロソフトオフィスのようなソフトウェアを提供するSaaS

IaaSは、ストレージやサーバーといったパソコンの中枢機能を、クラウドコンピューティングによって利用できるサービスです。サービスとしてのインフラ(Infrastructure as a Service)という意味があります。クラウドサービスが登場する以前は、大規模な装置や保守人員が必要だったパソコンインフラも、デバイスさえあればすぐに利用可能です。

とはいえ、パソコンの中枢機能を扱うのに変わりはなく、クラウドサービスの中では比較的専門知識が必要となります。インストールすればすぐ利用できるサービスではない点に留意しましょう。

IaaS導入のメリット

IaaSを導入するメリットは、3つあります。

まずは、クラウド化によるコスト削減効果です。導入にかかるコスト・運用にかかるコストが大幅に削減されます。インフラは多額の費用がかかっていたので、削減効果は特に大きいです。不要になったらすぐに解約できるので、従来のように機器を抱えて途方に暮れることもありません。

次に、ベンダーが常に管理とアップデートを行なってくれる点です。サービスは最新の状態で保たれるため、陳腐化の心配がなく、自社でアップデート作業を行う手間もなくなります。セキュリティシステムも更新されていくので、不正アクセス手段が進化しても対応可能です。インフラはパソコンの中でも特に重要な機能なので、専門家であるベンダーの管理下なら安心して運用できます。

最後に、状況に応じた運用が可能な点です。必要に応じて機能を選択できるため、変化の激しい現代のビジネスシーンでも柔軟に利用できます。インフラの拡張、縮小、オプションの追加を短時間で行えるため、予算に余裕のない中小企業やスタートアップ企業では心強い存在です。

市場規模

IaaS市場規模は年々拡大しており、2016年に182億ドル、2017年に235億ドルを記録しました。Amazon、Google、マイクロソフトといった大企業が製品を提供しているため、ユーザーからの支持も根強いです。導入コスト削減効果を期待して、中小企業での導入が盛んに行われています。

国外だけでなく、国内でもIaaS市場は盛況です。2017年は前年度より30%近くも成長し、2400億円を記録しました。金融機関が採用したことで、普及スピードがさらに増しています。今後はAIやIoT関連のサービスも成長が見込まれ、2021年には市場規模が6500億円に達すると予想されています。

IaaSの代表例

近年人気のクラウドサービスにはさまざまな企業が参入しており、IaaSサービスも例外ではありません。代表例を紹介しますので、導入時の参考にしてください。

1.AWS(Amazon Web Services)
その名の通り、Amazonが提供しているIaaSです。クラウドサービスが定着する前から積極的に商品展開を行なっており、世界トップシェアを誇ります。サーバー 、ストレージ、データベース、セキュリティシステム、管理システムなど、100個以上のサービスを利用できるのが特徴です。多くのサービスが従量課金制となっており、利用した分しか料金がかからない柔軟さが、多くのユーザーから支持されています。

2.GCP(Google Cloud Platform)
こちらはGoogleが運用しているIaaSプラットフォームです。GmailやYouTubeなど、Googleの人気サービスで用いているインフラをそのまま利用できます。Googleという巨大な検索エンジンの運用に必要なデータ解析、機械学習の技術も利用できるので、ビッグデータを保有している企業におすすめです。ただし、日本語化が進んでいない部分があるので注意しましょう。

3.さくらクラウド
クラウドサービスでは珍しい、日本産のIaaSサービスです。もともとサーバーのレンタルサービスである「さくらインターネット」から派生したサービスであり、サーバーに関する機能に専門性があります。後発組なためAWSほど多様なサービスはありませんが、低価格であることと災害に強いデータセンターを選択できるのが強みです。

IaaS導入のポイントと注意点

1.目的を明確化する
クラウドサービス全般に言えることですが、ただ導入するだけではうまく使いこなすことができません。特にIaaSはパソコンの基幹部分を設計することとなるので、どのような用途で利用するのか目的は明確化しましょう。

2.システムの再構築
クラウドサービス導入の際は、データの移行やシステム再構築作業を行う必要があります。現在利用しているサービスの兼ね合いも考慮する必要があるので、システムを再設計し、最適なクラウドコンピューティングを構築しましょう。

3.ベンダーの将来性
クラウドサービスは、ベンダーが事業終了した時点で困難となります。その意味では、新興企業のクラウドサービスを導入するのはリスクが高いです。初めは、AmazonやGoogleといった大企業のサービスを導入しましょう。

4.コスト
コスト削減効果が期待されることが多いクラウドサービスですが、必ず実現できるわけではありません。費用対効果や運用時の負荷を考慮しないと、想定外の出費が発生することも。事前に期待した効果が得られるか、慎重に検証しましょう。

5.移行時の順番と流れ
クラウドに移行する際は、試運転期間を設けて動作確認、性能検証のプロセスが必要です。試運転での得られたデータを踏まえたマニュアルを作り、関係者に配布する必要もあります。このように移行時の流れを整理しておきましょう。

6.SLA
クラウドサービスの導入の際、ベンダーと結ぶSLA(Service Level Agreement)には目を通しておきましょう。ベンダーが提供するサービスの範囲やレベルを明示したもので、これに沿って提供が行われます。SLAを確認しておらずトラブルに発展したケースもあるので、しっかり確認しましょう。

まとめ

クラウドサービスの中でも、 IaaSはパソコンの根幹を設計できる自由度の高いサービスです、専門知識のあるスタッフでチームを組み、コスト削減効果や性能を検証すれば効率よく運用できます。IaaSを自社にも導入し、IT環境を変革しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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