クラウドサービスの正しい選び方6点と法人向けおすすめサービスを紹介|トラムシステム
働き方改革やテレワーク推進に欠かせない、法人向けクラウドサービスの選び方でお悩みではありませんか?ストレージやサーバーなど利用できるサービスの種類は多々あり、複数の企業が似通った機能を提供することも多く、比較するのは容易ではありません。
本記事で後悔しないクラウドサービスの選び方やおすすめ製品を紹介しますので、自社に導入する際の参考としてください。
目次
クラウドサービスとは
クラウドサービスとは、ソフトウェアの購入やアプリケーションのダウンロードが必要だったデジタルサービスを、ネットワーク経由で簡単に利用できるサービスです。ネットワークの状態が利用者からは分かりづらい状態であることを雲(クラウド)と表現したことから、クラウドサービスと呼ばれるようになりました。
これまで多額の費用や時間をかけ自社内で環境を構築していた電子メールや会計ソフトといったサービスが、最低限のネットワーク環境だけで利用可能なのが大きなメリットです。ハードウェア、ソフトウェア、データを自社で管理する必要がなくなり、業務効率化やコストダウンを実現する技術といえます。
クラウドサービスのメリット
クラウドサービスには、以下のようなメリットが存在します。
・設備や施設が不要
多くのサービスがネットワークに繋がった端末さえあればすぐに導入可能となっており、これまで必要だった物理サーバーや回線は不要です。
・コスト削減を見込める
発生するコストはサービス利用料のみとなっており、導入コストや維持コストが大幅に削減されます。
・端末の自由度が高い
パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットといった機器でも、ネットワーク上に存在するサービスにアクセスし利用することが出来ます。
・オプション追加やサービスの変更がスムーズ
ブラウザ上の設定を変更するだけで回線の増減やオプションの追加が可能です。
・セキュリティ面に優れる
クラウドサービスのデータは専門家によって管理された強固なデータセンターで保存されており、災害やサイバー攻撃によるデータ流出を防いでくれます。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスは担当する領域によって以下の3つに分類されます。それぞれサービスの区分を表すアルファベット1文字+aaSと呼称されており、aaSとは「~としてのサービス」という意味です。
1.SaaS
「サービスとしてのソフトウェア」という意味で、電子メール、グループウェア、会計管理といったサービスを、インターネットを通じて利用できます。クラウド上にデータを保存し、複数人で共有しながら利用するのが一般的です。
すでに完成したシステムを利用するため扱いは簡単ですが、その代わりカスタマイズの自由度は低くなります。「土地に建設された、すぐに利用できる家を借りるサービス」というイメージです。
2.PaaS
「サービスとしてのプラットフォーム」という意味があり、サーバーやOSといったシステム構築のためのプラットフォームを提供します。企業の基幹システムを設計できるため自由度は高くなりましたが、プログラミング言語や開発ツールの知識が欠かせません。「家を建てるための土地を借りるサービス」というイメージです。
3.IaaS
「サービスとしてのインフラ」と呼ばれており、従来は物理的な機器が必要だったサーバーやストレージなどのインフラ設備をクラウド上に構築できるサービスです。情報インフラから設計できる非常に自由度の高いサービスですが、その分求められる専門知識は非常に高度なものとなるため、注意が必要です。「家を建てるための土地開発から始めるサービス」と例えられます。
クラウドサービスの選び方
クラウドサービスを導入する際、自社にあったものをどのように選択すべきでしょうか?6つのポイントから解説します。
データ容量
クラウドサービスの業務効率に大きな影響を与えるのがデータ容量です。テキストファイルのみであれば数GBのみで事足りますが、動画や音楽も対象とする場合は数TBと余裕を持った容量が必要となります。
必要なデータ量は企業の成長や業務の変化によって変動しますので、後からデータ容量を増やせるタイプがおすすめです。利用できる容量が少なく、後から変更の自由も効かないサービスは避けましょう。
サポート体制
サポート体制の充実も重要な要素です。導入前の相談からシステム構築に至るまで親身にサポートしてくれるか、エラーやトラブルの際すぐに対応してくれるかといった点を確認しましょう。
運用保守をサービス提供者にゆだねる形となるため、コストが安価でも、サービス体制が整っていないクラウドサービスは避けるのが無難です。
使いやすさ
「導入したはいいが操作が難しくて定着しない…」といったトラブルを防ぐため、初心者でも簡単に扱える機能性を備えておかなければなりません。独自UIを使っているようなサービスではなく、従来のパソコンと変わらないエクスプローラ型の画面を利用したサービスがおすすめです。
コスト
コスト削減効果を期待して導入されることも多いため、事前にランニングコストのチェックを行っておきましょう。
ただし、優先すべきは価格とサービスのバランスです。価格が極端に低いクラウドサービスは必須機能がオプションとして追加費用が必要、容量や利用できるユーザー数が少ないといったデメリットを備えていることが多く、逆に割高となってしまいます。
必要な機能と容量を揃えた場合のコスト、オプション追加など変更点があった場合の追加費用をきちんと算出してくれるサービスがおすすめです。
セキュリティ体制
企業の情報やデータをネットワーク上で保存することになるため、暗号化通信やIPアドレス制限といったセキュリティ対策は万全である必要があります。セキュリティを犠牲にコストダウンしているようなサービスは避け、国際基準に則ったセキュリティを搭載したサービスを選択しましょう。
機能
重要な点は「ブラウザとアプリ両方で利用できるか」「パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットにも対応しているか」の2点となります。
近年はテレワークなど時間と場所を選ばない働き方が増えているため、アクセスしやすいサービスであることが重要です。不特定多数の人間がシステムに出入りするため、権限に応じたアクセス制限も必要となります。アクセスにできる端末に制限がある、厳密なアクセス制限ができないサービスはおすすめできません、
法人向けおすすめクラウドストレージ
クラウドストレージは、ネットワーク上に業務で利用するデータをオンライン上で保存し不特定多数の人間とファイル共有できるサービスです。
法人でもよく利用されているおすすめクラウドストレージを紹介します。
Box
画像出典:https://www.box.com/ja-jp/home
全米売上高上位500社の内6割が利用している法人向けオンラインストレージサービスで、容量無制限かつファイル共有がしやすいのが特徴です。
管理者によって7種類のアクセス制限が設定できるなどセキュリティ対策も充実しています。同じIPとパスワードで社員全員がアクセスできる「シングルサインオン」機能も搭載しており、アプリにアクセスする際の手間を減らすことも可能です。
【おすすめポイント】
・どのプランでもストレージを無制限に利用できる
・セキュリティが充実している
・UIが直感的で操作しやすい
【料金プラン】(2021年7月現在)
・Businessプラン:1ユーザーあたり月額1,710円
・Business Plusプラン:1ユーザーあたり月額2,850円
・Enterpriseプラン:1ユーザーあたり月額4,220円
・Starterプラン:1ユーザーあたり月額5,225円
セキュアSAMBA
画像出典:https://securesamba.com/product/samba/
4種類の基本プランに加え3ユーザー+5GB/月まで無料のフリープランを提供する法人ストレージ向けサービスです。全てのプランがユーザー数無制限のため、社員の出入りが激しい企業や組織で重宝します。
営業担当・カスタマーサクセス担当・サポート担当とサポート体制も整っており、専門知識がなくても安心して導入~運用が可能です。
【おすすめポイント】
・ユーザー数が無制限
・サポート体制が徹底している
・最大450万円の補助が受けられるIT補助金が利用可能
【料金プラン】(2021年7月現在)
・フリープラン:ユーザー数3、データ容量5GBまで無料
・ライトプラン:月額15,000円+初期費用15,000円
・ビジネスプラン:月額35,000円+初期費用35,000円
・カスタマイズプラン:要お問い合わせ
OneDrive
画像出典:https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/onedrive/online-cloud-storage
マイクロソフトが提供している、タブレットやスマートフォンに対応したオンラインストレージサービスです。Ofiice365やWindowsユーザーならいつも使っているフォルダと同じ操作でアクセス可能となっています。
ファイル保存はフォルダにファイルドロップするだけとシンプルで、新たに操作を覚える必要はありません。また、Officeアプリで作成した文書なら、保存時にOneDriveを指定するだけで簡単にアップロードできます。
【おすすめポイント】
・タブレットやスマートフォンからもアクセス可能
・マイクロソフト社製のためエクセルやワードとの連携が容易
・法人向けプランなら容量無制限
【料金プラン】(2021年7月現在)
・OneDrive for Businessプラン1:1ユーザーあたり月額540円
・OneDrive for Businessプラン2:1ユーザーあたり月額1,090円
・Microsoft 365 Business Basicプラン:1ユーザーあたり月額540円
・Microsoft 365 Business Standardプラン:1ユーザーあたり月額1,360円
Dropbox business
画像出典:https://www.dropbox.com/
クラウドサービスの中では珍しくオフラインでも利用できるストレージサービスで、個人向けプランと法人向けプランの両方を備えています。
共有フォルダを使ってファイルを双方向で共有する方法と、共有リンクを使って一方通行でファイル共有する方法の2通りがあります。共有リンクの場合はDropboxのアカウントがなくても使えるため、社外の関係者への資料共有手段としても使えそうです。
消去したデータを一定期間なら復元できるデータも備わっており、情報流出や消去にも強いサービスです。
【おすすめポイント】
・容量2GBまでなら無料
・オフライン下でもデータ共有が可能
・消去したデータを一定期間内なら復元できる
・SlackやGmailといったツールと連携できる
【料金プラン】(2021年7月現在) ※法人向けプランのみ
・Basicプラン:容量2GBまで無料
・Standardプラン:ユーザー1人あたり1,250円
・Professionalプラン:ユーザー1人あたり月額2,000円
・Advancedプラン:ユーザー1人あたり月額2,000円
DirectCloud-BOX
画像出典:https://directcloud.jp/
国産の法人向けクラウドストレージサービスで「管理者の業務負担軽減」に主眼を置いた機能が好評を博しています。
ユーザー管理、ストレージ管理、セキュリティチェックが一画面から可能となっており、全ての権限設定をエクセルで出力して管理することも可能です。月額制でユーザー数無制限、全てのプランに高度なセキュリティが標準搭載されている点も、大企業管理職の利用に適しています。
【おすすめポイント】
・管理者機能が充実
・人数無制限で不特定多数のメンバーと情報共有が可能
・高度なセキュリティで企業の情報を保護できる
【料金プラン】(2021年7月現在)
・ビジネスプラン:月額90,000円
・プレミアムプラン:月額180,000円
・エンタープライズプラン:月額300,000円
まとめ
クラウドサービスを利用したコスト削減や業務効率化はあらゆる企業で行われており、企業の競争力を高める原動力となっております。まだ導入していない、これから導入しようと検討している企業は、データ共有が簡単にできるオンラインストレージから利用してみるのがおすすめです。本記事の内容をもとに、自社の環境にマッチしたサービスを導入しましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。