コールセンター向けCRMシステム6選丨比較ポイントもわかりやすく解説|トラムシステム
コールセンターやコンタクトセンターに電話、メール、チャットなどさまざまなチャネルを通じて日々寄せられる問い合わせ。「顧客情報の一元管理が上手くできていない」「お客様の声をもっと活用したい」といったお悩みを持つセンターは、顧客管理(CRM)システムの導入がおすすめです。
この記事では、CRMシステム導入を検討されている管理者の方向けに、おすすめのCRMシステムを6つ紹介します。
目次
コールセンターの顧客管理(CRM)システムとは
コールセンターにおける顧客管理(CRM)システムとは、顧客の住所・電話番号・年齢といった基本情報や、購入履歴・応対履歴を一元管理するためのシステムです。大量の顧客情報を管理しスピーディーに検索・分析する機能を持ち、業界業種を問わず多くの企業で導入されています。
コールセンターでは応対途中で購入履歴や過去の応対履歴を参照することで、スムーズな応対が可能となり応対品質向上に繋がります。また、応対履歴から「お客様の声」を収集し、新商品開発やマーケティング戦略に活用することも可能です。
CRMシステムの導入メリット
CRMシステムを導入することで得られるメリットは大きく2点です。順番に解説します。
・全社横断的な顧客情報の共有
コールセンターでの利活用はもちろん、営業や企画、開発など多くの部署で顧客情報を活用できます。年齢や性別などの属性情報や、購入履歴などから営業戦略を検討したり、お客様の声や購入傾向から新商品開発に活かしたりと使い道はさまざまです。
多くの部署で共通のCRMシステムを利用し横断的に顧客情報の登録・参照することで、コールセンターだけでなく全社的なサービス向上・顧客満足度向上に繋がります。
・コールセンターの生産性、応対品質の向上
購入履歴から問い合わせ商品の型番を確認したり、過去応対履歴を参照し前回の問い合わせを引き継いだりと、応対途中で顧客情報を参照できればオペレーターの応対はスムーズです。1件あたりの応対時間が短くなり、お客様にストレスを与えることなく応対できるので、生産性や応対品質の向上に繋がります。
コンピューターと電話システムを連携させる「CTIシステム」と接続することによって、発信者番号から顧客情報を自動表示させることも可能です。オペレーターの業務効率化に繋がり、応対品質の均一化や新人オペレーターの早期戦力化などのメリットも期待できるでしょう。
CRMシステムの比較ポイント
CRMシステムを導入するにあたって気を付けるべきポイントは5つです。ここからは具体的なケースを紹介しながら、システム比較ポイントを解説します。
利用可能な機能
CRMシステムと一口にいっても、各社機能はさまざまです。顧客情報や応対履歴の登録検索だけできればいいのか、データ集計を行うレポート機能やデータ分析機能も必要なのか、など利用したい機能を決めましょう。
応対結果から個別対応が必要な際にチケット起票をするための機能や、利用者内でのチャットや掲示板機能といったコミュニケーション機能などもあります。
また、CTIシステムや既存の社内システムとデータ連携ができるかどうかも比較ポイントです。導入目的や予算などを元に、最低限利用したい機能を洗い出すとシステム選定はスムーズに進められます。
導入規模や範囲
クラウド型のシステムを導入する場合、利用アカウントごとにサービス利用料が発生するため、あらかじめ導入規模を明確にしておく必要があります。どの部署に導入するのか、利用者はどれくらいなのかを算出しましょう。
なお、小規模でスタートし、システム利用が軌道にのってから順次部署全体に展開する計画の場合、利用規模を柔軟に変更できるものが便利です。
対応チャネル
コンタクトセンターのように、電話だけでなくメールやチャット、SNSなどさまざまなタッチポイント(顧客接点)を持っている場合は、CRMシステムの対応チャネルに注目しましょう。現在のチャネルはもちろん、将来的に開設予定のあるチャネルにも対応しているかどうかを確認します。
一つでもCRMシステムに接続できないチャネルがあると、一元管理ができず個別の手作業が発生するので非効率です。対応漏れや対応遅延の元凶になるので注意しましょう。
画面の操作性
オペレーターが使いやすいかどうかも重要なポイントです。直観的に操作できるかどうか、ムダのない操作同線であるかなど、実際のオペレーションを想定しながら各社システムを比較しましょう。
とはいえ、実際に使ってみないと画面の操作性は把握し辛いものです。トライアル期間が用意されているシステムもあるので、まずは使ってみて使い勝手を判断するのも良いでしょう。
セキュリティの高さ
情報漏洩やコンピュータウイルスなど日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対向するためには強固なセキュリティ対策が欠かせません。特に、顧客の氏名や住所など個人情報を扱う場合には、セキュリティの高さはシステム比較の重要な観点です。
多くの導入実績をもつベンダーであれば、ログ監視や暗号化、24時間の監視体制有無などは標準的に実施されていることがほとんどです。セキュリティ対策に不安を感じるのであれば、資料請求や営業担当へのヒアリングなどを実施しましょう。
おすすめコールセンターCRMシステム6選
ここからは世の中に数多く存在するCRMシステムの中からおすすめのシステムを厳選し、6つ紹介します。どれも機能や使い勝手にこだわったシステムで、販売実績も豊富です。
特徴やメリット、おすすめしたい企業について詳しく解説しますので、ぜひシステム選定の参考にしてください。
UNIVOICE ACCS(トラムシステム株式会社)
UNIVOICE ACCSは、トラムシステム株式会社が提供するクラウドコンタクトセンターシステムです。トラムシステムは創業以来3,000社以上の豊富な導入実績と92%を超えるリピート率を誇る電話システムのプロフェッショナル企業として知られています。
UNIVOICE ACCSはAWSをベースにした高い信頼性と安定性が特徴のクラウド型サービスです。CRMだけでなく、以下の様なコールセンターの業務改善に役立つ機能を豊富に備えています。
・ACD(着信呼自動分配)機能
・IVR(自動音声応答)機能
・CTI(電話とシステムの連携)機能
・全通話録音やモニタリング機能などSV支援機能
・プレビュー発信やプログレッシブ発信などのアウトバウンド向け機能
・SFA連携やレポート機能など管理者向け機能
ACCSで提供されるのは簡易なCRMですが、SFAなど外部連携が可能です。コールセンター業務を総合的に支える機能を、スピーディーにワンパッケージで揃えたいという企業に向いているでしょう。
・1オペレーターライセンス:12,000円/月
・1SVライセンス:18,000円/月
・AWS利用料1ライセンス:20,000円/月
楽テル(株式会社ラクス)
出典:https://www.rakutel.jp/
楽テルはコールセンターやヘルプデスクなどの電話応対業務に特化したクラウド型のCRMシステムです。中小企業向けに交通費・経費精算、労務・勤務管理、販売管理など業務支援サービスを展開する株式ラクスが提供しています。
コールセンター業務に特化しているため、CTIシステムとのシームレスな連携が特徴です。顧客情報の自動表示やCRM画面からの電話発信など、オペレーターの応対業務を効率化するための機能を豊富に備えています。
また、カスタマイズ性が高く、管理項目の追加や操作画面の変更、ワークフロー変更など自社業務に合わせて柔軟に設定可能です。自社業務に最適なシステム設計が導入後も自由にできるのがメリットでしょう。
・初期費用:150,000円~
・月額費用:70,000円~
Zendesk Support(Zendesk)
出典:https://www.zendesk.co.jp/service/
Zendesk Supportは、アメリカの株式会社Zendeskが提供する統合型業務支援・チケット管理システムです。全世界で20万社以上(日本国内では約2,500社)の導入実績を誇ります。
Zendeskではお客様からの問い合わせを「チケット」として管理し、対応担当者の割り当てや、対応フローの見える化・進捗把握などオペレーターや管理者の業務効率化を支援する機能が充実しています。電話だけでなく、メールやSNS、チャットなどさまざまなチャネルに対応しており、部署を横断する情報共有や管理がしやすいのも特徴です。
無料デモも用意されているので、まずは使い勝手を確認してみると良いでしょう。
・1エージェント:$49/年(最もベーシックなSuite Teamプラン)
・1エージェント:$79/年(機能拡張されたSuite Growthプラン)
・1エージェント:$99/年(高機能モデルであるSuite Professionalプラン)
FastHelp5(テクマトリックス株式会社)
出典:https://fastseries.jp/product/crm/fasthelp5/
FastHelp5はコンタクトセンター向けに開発されたクラウド型のCRMシステムです。テクマトリックス株式会社により提供され、20年以上の歴史と国内トップクラスの導入実績・豊富なノウハウを有します。
電話だけでなく、国内のヘルプデスクで利用されるメールやFAX、web、チャット、LINE、SNSなど幅広いチャネルに対応しており、顧客情報の一元管理やスムーズな参照などコールセンター業務の効率化に特化した機能を備えているのが特徴です。
オンプレミス、クラウドの両方で展開されており、システムの利用想定や導入目的に合わせて柔軟に導入形態を選択できます。クラウド型サービス(FastCloud)では、利用アカウント数ではなく同時接続数で利用料が決まります。出勤するオペレーターは多いが、同時に稼働することは少ないといったセンターでは導入しやすいでしょう。
利用料金はヒアリングした上で見積もり算出されます。
Service Cloud(Salesforce)
出典:https://www.salesforce.com/jp/products/service-cloud/overview/#
Service Cloudは、アメリカのSalesforce社が提供するクラウド型CRMシステムです。全世界で15万社以上の導入実績があり、Salesforceが誇るマーケティング・オートメーションと組み合わせ、お客様対応部門の統合的な支援サービスを提供します。
他のCRMシステムが持つ標準的な機能はもちろん、顧客の基本情報や過去の購買履歴、webでの行動履歴などを元に総合的にお客様を理解し、きめ細やかなフォローを実現するAI機能も搭載されています。高機能なので、どちらかというと大規模に導入する企業に向いているでしょう。各プランで無料トライアルも用意されています。
・1ユーザ:3,000円/月(Essentialsプラン)
・1ユーザ:9,000円/月(Professionalプラン)
・1ユーザ:18,000円/月(Enterpriseプラン)
・1ユーザ:36,000円/月(Unlimitedプラン)
COLLABOS CRM(株式会社コラボス)
出典:https://collabos-service.jp/service/crm/collaboscrm/
COLLABOS CRMはコールセンター業務に特化したクラウド型のCRMシステム。
顧客情報のデータベース機能の使いやすさを重視していて、顧客とのメール・通話・内部処理情報が自動的に顧客情報に紐付きます。PBXとのCTI連携や、webフォームやメーラーとの連携機能、オペレーターの稼働率算出など23種類もの業務支援機能が搭載されているのが特徴です。
クラウド型システムのため、オンプレミス型システムと比較して低初期コスト・短納期で利用開始できます。スピーディーにコールセンターシステムを構築したい企業は導入を検討してみるのが良いでしょう。
・初期費用:80,000円
・1IDあたりの利用料:15,000円/月
まとめ
コールセンターやコンタクトセンターの生産性・品質向上に欠かせない顧客管理(CRM)システム。豊富な機能を持つ製品や使い勝手にこだわった製品など各社様々な製品を展開しています。導入目的や解決したい課題から、利用機能、対応チャネル、操作性などを比較し、自社センターに最適なCRMシステム選定を進めてください。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。