電話のDX化とは?必要な理由とDX化を実現するクラウドPBXを紹介|トラムシステム
デジタル技術を活用してビジネスモデルの変革を目指すDX(デジタルトランスフォーメーション)は、オフィスの必須業務である電話対応の形を変えつつあります。
この記事では、DX化とは?から、電話対応のDX化の重要性やDX化に必要なツールについてまで詳しく解説します。DX化を推進したい企業の方はぜひ参考にしてください。
目次
DX(Digital Transformation)化とは
DX化とは、日々進化するデジタル技術や集積されるデータを用いて、ビジネスに関するあらゆる事象に変革をもたらす取り組みです。経済産業省が2018年に発表した「DX推進ガイドライン」では、以下のように定義されています。
”企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
デジタル技術の進化が進んだ2010年代以降、今までになかった新たなサービス、ビジネスモデルを展開する企業が続々と誕生しました。これらの企業はクラウドサービス、ビッグデータ、AIなどを活用し、新サービスの創出、環境変化への迅速な対応を実現しています。
こうした潮流の中で、従来の企業は権益保持のための競争力の維持、強化を図る必要があり、そのために必要なのがデジタル技術を活用したDX化です。
ただし、従来のビジネスを大きく変えることは難しく、本格的なDX推進に取り組めるのは一部の先進企業にとどまっています。そこでおすすめなのが電話のDX化です。
電話のDX化とは
電話のDX化とは、電話対応を取り巻く諸問題をDX化で解決し、業務効率化やコスト削減を実現する取り組みです。例えば、以下のような取り組みが挙げられます。
・CRM(顧客管理システム)で顧客情報を管理
・単純な電話対応をチャットボットや自動音声応答で代行
・自動録音やテキスト化ツールでメモ作業を削減
・固定電話を従業員のスマートフォンで代替
従来の電話対応は単純な問い合わせや業務と関係ない勧誘が頻発しており、社員の集中力やモチベーションに悪影響を与えていました。また、少子高齢化による労働人口減少で、電話対応に割ける社員は年々減少しており、採用難易度が増す一方です。テレワークやリモートワークなど、オフィスで勤務しない働き方の広がりも状況悪化に拍車をかけています。
このような事情から、DX化の第一歩として電話設備の改革を実行する企業が増加中です。電話対応はあらゆる企業で行われているため汎用性が高く、DX化をサポートするツールやシステムも多数販売されています。
企業の電話のDX化が必要な理由
なぜ電話のDX化が必要なのか、従来のビジネスフォンを利用した電話対応を取り巻く問題と、DX化のメリットを中心に解説します。解説の状況に複数当てはまる場合は、電話のDX化を検討してみましょう。
伝達ミスや顧客管理ミスを防止するため
従来の電話対応は記録が残らないため、伝達ミスや顧客管理ミスの温床となっていました。顧客の話を聞き返して相手を怒らせてしまった、取り次ぎや保留による待ち時間が長時間に及んでしまった、対話内容で見解の相違があったなど、ミスやトラブルは数知れません。
電話をDX化した場合、担当者への自動転送、CRMによる顧客情報参照、自動録音機能による内容保存など、情報を記録しミスや待ち時間の発生を防ぐツールを多数活用できます。ミスやトラブルが未然に防止されるため、対応する側の心理的負担も軽減可能です。
人材をより有効活用するため
電話対応は得られる成果以上の労力が発生するケースが多く、社内リソースを圧迫していました。従来は人員を増やすなどして対応していましたが、労働人口が減少する現代のビジネス環境では非効率的です。
そこで電話をDX化し、自動音声、チャットボット、AIを駆使した自動受付を導入する試みが推進されています。人間が直接回答する必要性が薄い単純な質問や問い合わせを自動化することで、社員が電話に出るケースを半数以上削減可能です。社員はより重要な業務に集中できるようになり、人材の有効活用につながります。
電話対応業務を効率化するため
電話対応業務は設備投資、通話料金、人件費など相応のコストを要し、貴重な時間と労力を消費します。新入社員全員に電話対応の教育を行うコストも無視できない出費です。
CRMやAIによる電話のDX化を実行すると、より少ない人数での電話業務遂行が可能となり、無駄な労力を削減して効率化を実現します。高額な電話対応代行サービスもAIで代替できるようになるため、大規模な顧客窓口が必要な企業でのコスト削減効果は絶大です。新入社員全員に電話教育を施す必要性も減少し、教育コスト削減にもつながります。
また、従業員が保有するスマートフォンを、会社代表番号を利用できる業務用端末に設定することも可能です。固定電話のほとんどを廃止できるため、電話回線の整備や機器のメンテナンスが不要となり、収益性や生産性向上につながります。
ビジネス機会を逃さないため
ビジネスフォンを利用した電話設備は、ビジネス機会の見逃しが多い点がデメリットとされています。オフィスにかかってきた電話は担当者不在のため折り返しとなりやすく、対応まで日をまたぐケースも珍しくありません。結果、貴重なビジネスチャンスを逃してしまう事態が頻発していました。
DX化した電話はスマートフォンの業務利用や担当者への自動転送機能を可能とし、折り返しや不在着信を大幅に削減できます。万が一取り逃がしてもスマートフォンから迅速に対応できるため、ビジネス機会を逃さない業務遂行が可能です。
変化に柔軟に対応するため
従来の電話設備は数十万~数百万の費用と数か月以上の期間をかけて構築されており、継続的なメンテナンスを必要とします。また、設備そのものの移動が困難で、オフィス移転やレイアウト変更に柔軟に対応できません。
一方、DX化された電話は、インターネット回線とスマートフォンを中核としたコンパクトな電話設備をもたらします。初期費用が数万円、納期が数日~1か月と非常に導入しやすく、回線や物理機器も不要です。オフィス移転やレイアウト変更時も迅速に展開できるため、めまぐるしくビジネス環境が変化する現代の企業に適しています。
テレワークなどの多様な働き方に対応するため
テレワークなど多様な働き方を導入する際にも、DX化された電話設備が必要となります。オフィスに固定電話設備を設置するだけでは、テレワークや在宅勤務従事者が利用できないためです。
DX化によって従来のビジネスフォンと同等の機能を獲得したスマートフォンは、連絡や意見交換だけでなく、データ送受信、社内情報の閲覧、業務遂行に活用できます。端末1台で多くの役割を代行できるため、コピー機やFAXといった業務用機器も不要です。
電話対応をDX化するクラウドPBXとは
電話対応のDX化を推進する際にもっともおすすめなのが、電話設備の内線、外線、通話の転送などを制御するPBX(電話交換機)をクラウド化したITサービス「クラウドPBX」です。
クラウドPBXは、固定電話回線で電話機同士を接続する従来のオンプレミス型PBXとは異なり、インターネット回線を活用して電話網を構築します。機能や情報はインターネット上の仮想サーバーに全て保存されているため、物理機器や配線は必要ありません。導入する際に必要なコストや費用は大幅に抑えられ、オフィスのスペースを圧迫することなく運用できます。
クラウドPBXが電話対応のDX化にどのように貢献するか、具体的に見ていきましょう。
スマホ・PCが内線端末になる
クラウドPBXは固定電話しか選択できない従来のPBXとは異なり、スマートフォンやPCを内線端末として選択できます。これらの端末で内線、外線、通話の転送が可能となるため、新規に電話端末を購入する必要はありません。
電話設備に要するコストを抑えるだけでなく、外出先や出張先からなど場所を問わないコミュニケーションが実現されます。
インターネット回線があれば使える
クラウドPBXはインターネット回線で全ての機能が完結するため、固定電話回線が必要ありません。保守点検にコストがかかり移設が困難な固定電話回線を撤廃し、柔軟な運用を可能とします。状況に応じたオフィス移転やレイアウト変更が容易となり、変化するビジネス環境への対応も迅速です。
IVR(自動音声応答)機能が使える
クラウドPBXは、電話対応の一次受付を自動化するIVR(自動音声応答)も導入できます。
クラウドPBXではオプション機能として搭載されており、新規追加や設定変更をブラウザ上から簡単に設定可能です。将来的にはAIを組み合わせたより高度な自動音声応答が可能であるとされており、DX化に欠かせないツールになると期待されています。
外出先からでも代表電話で発着信できる
クラウドPBXで内線化したスマートフォンは、外出先からでも代表電話番号で発着信できます。折り返しや不在着信を減らせるだけでなく、HPなどに記載されている代表番号で発信できることで、相手にも安心感を持って電話に出てもらえます。
電話設備のコストを浮かしつつ営業活動の成功率が高まるため、企業全体の競争力向上を実現可能です。
メンテナンス・セキュリティ対策が不要
クラウドPBXのメンテナンス、セキュリティはサービス提供者のベンダーによって管理されており、利用する企業側で専門人材やセキュリティ設備を用意する必要はありません。メンテナンスに必要なコストは削減され、その他のより重要な業務に人材を投入できるようになります。
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まとめ
DX化を推進したい企業にまずおすすめなのが、電話対応のDX化です。クラウドPBXなど各種ツールで手軽にDX化を実行できる分野であり、コスト削減や業務効率化を実現できます。本記事を参考にして電話のDX化を開始し、競争力強化の第一歩を踏み出しましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。