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2024.03.22

コンタクトセンター / コールセンター / AI / 感情分析 /

AI感情認識とは?コールセンターでの活用メリットについて解説|トラムシステム

様々な業界・企業においてAI技術を業務に活用する動きが出てきています。コールセンター・コンタクトセンター業界も、これまで分析の難しかった感情を可視化する AI感情認識の技術が目覚ましい進歩を遂げています。 これにより、クレームの防止や顧客満足度・成約率の向上などへの活躍が期待されています。
本記事では、 AI感情認識の種類や仕組み、コールセンター・コンタクトセンターで活用するメリットについて解説します。

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AI(人工知能)による感情認識とは

AI感情認識とは、音声や表情、テキストデータから人間の感情を読み取ることを意味します。「喜び」や「好き」といったポジティブな感情から、「怒り」や「悲しみ」などのネガティブな感情まで、様々な感情を読み取ることが可能です。
コールセンター・コンタクトセンターでは、主に音声の感情認識・分析が活用されています。声の大きさや抑揚、スピード、声のトーンといった物理的な特徴から分析を行います。直接顧客と応対するコールセンター・コンタクトセンターの場では、リアルタイムに感情を可視化できることで、即座に最適な応対が判断できるため、オペレーターやSVの助けになるツールとして注目されています。

AI感情認識が注目されている背景

AIによる感情認識が注目されている理由は、2つあります。

・インターネット技術の進歩
消費者がSNS、口コミサイト、動画投稿サイトなどを利用して感情を盛んに発信するようになり、感情認識・分析に必要なデータを幅広く収集できるようになりました。
インターネットのサーバー上に膨大な量のデータを保存し管理できるクラウドサービスが登場したことにより、設備投資に必要な費用も大幅に下がっています。

・AI技術の進歩
オープンリソースやディープラーニングを始めとする新技術によって、より高精度かつコストをかけずにAIを開発できる環境が整っています。これにより、感情認識に要するコストや専門知識の敷居が大幅に下がり、企業単位での利用を可能としました。

AI感情認識の種類・仕組み

現在のAIを利用して行われる感情認識は、大きく分けて3つの種類があります。

1.データ収集や分析が容易な「テキスト」
2.コールセンターで日々収集される「音声」
3.感情認識の最終フェーズである「表情」

それぞれどのような仕組みで感情認識が行われているか解説します。

1.テキスト(文章)の感情認識

テキストによる感情認識はテキストマイニングとも呼ばれており、評価基準を設けて特定の単語を抜き出し、タグを付けて分類します。
例えば「このテキスト群に込められた感情はポジティブかネガティブか」を判別したい場合、ある単語をポジティブ、ある単語をネガティブなものとして規定し、それぞれ集計して判断材料とします。シーンによって単語に込められた意味は変化するので、活用シーンに合わせてカスタマイズするのが重要です。
一見不十分な精度となるように見えますが、「とあるサービスの相談窓口に寄せられたテキストを分析する」といったように、シチュエーションを厳選すれば一定の精度を確保できます。

2.音声の感情認識

テキストによる感情認識をより進化させたのが、音声による感情認識です。
人間が言葉を発するときは非言語による感情表現も行われており、声の抑揚、大きさ、イントネーションが分析対象となります。音声はリアルタイムでテキスト化されているため、言語と非言語両方のデータを比較してより精密な測定も可能です。
電話や接客業務の現場で用いるだけでなく、個人向けに自分の声から調子を教えてくれるアプリなどがリリースされています。

3.表情の感情分析

微細な表情の変化から相手の感情を読み取るAIはすでに存在しており、ライブチャットやビデオ音声が普及している現代ではおおいに活躍が見込めます。テキストや音声と複合的に組み合わせれば、人間が相手の感情を読み取るのと遜色ない精度を獲得可能です。
ただし、コールセンター・コンタクトセンターの現場では、オペレーターの心理的ストレスが増大するという理由で、音声のみでの接客が多いのが現状と言えます。コールセンター以外では、車の運転手の眠気チェックやイベント参加者の反響を確かめるなど個別に利用される事も多い技術です。

コールセンターがAI感情認識を活用するメリット

コールセンター・コンタクトセンターに感情認識を導入すると、オペレーターおよび顧客の感情変化をAIがモニタリングすることになります。この感情認識のデータを活用することで、以下のようなメリットがあります。

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顧客満足度の向上

AI感情認識により、リアルタイムで顧客やオペレーターの感情が可視化できることにより、ネガティブな感情をいち早く察知できます。オペレーター自身がSVに相談やエスカレーションをしたり、SVが通話状況をモニタリングしオペレーターへ適切な指示をしたり、といった対応が可能となります。
例えば、「怒り」や「悲しみ」が一定の数値を超えたときにSVへアラートを表示し、オペレーターへの対応指示や、代わりに対応するなどの対策ができます。感情を数値化することで、顧客の不満が溜まる前に対応することが可能となります。

成約率の増加

顧客が購買を検討している際にもAI感情認識を行い、購買決定時の感情の動きを可視化することが出来ます。特にアウトバンドの場合、ポジティブな感情がみられない顧客は通話を切り上げ、購買に繋がりそうなポジティブな感情の顧客をより手厚く対応することができます。感情分析を販売戦略に反映して、より戦略的なオペレーションを実行できるようになり、成約率の増加が見込めます。
また、成約につながった通話やメール対応などについて、ネガティブからポジティブな感情に変わったきっかけを分析することで、成約に繋がりやすいトークを作成することもできるでしょう。

応対品質の向上

顧客からポジティブな感情を引き出した過去の通話をピックアップし、トークスプリクトに反映させることで、成約率や顧客満足度を向上させるトークをオペレーター全体に共有することができます。新人オペレーターとベテランオペレーターとで応対スキルの標準化を図ることで、応対品質の底上げに繋がります。

VoC(顧客の声)分析

日々、電話やメール、チャットで届く顧客の声に対し、感情が加わることで、より顧客の理解が深まります。例えば、「契約内容を変更したい」という問い合わせがあったとします。そこに「怒り」の感情があった場合、窓口をたらい回しにされていないか、問い合わせに至るまでの導線にわかりづらい部分がないかなど、顧客がストレスを感じている事柄に対して見直し・改善を行う指標となります。
また、ポジティブな感情を持つ意見は、現場のオペレーターにフィードバックすることで、やりがいの向上にも活かすことができます。
顧客体験が重要視されている今、顧客からの意見は企業にとって大きな意味を持ちます。この意見を深いレベルで理解するために、AI感情認識は重要な役割を果たします。

オペレーターのストレス軽減

オペレーターが発している音声から精神状態を把握し、タイムリーなフォローが可能となります。落ち込んだトーンで話してしまっている、顧客に対して怒りの感情をぶつけているといった感情面での問題も把握できるため、オペレーター一人ひとりに合った適切なフォローが可能です。
上述した成約率の増加や応対品質の向上、顧客からのポジティブな意見のフィードバックにより、オペレーターのやりがいを引き出し、ストレス軽減や離職率の低下につながるでしょう。

まとめ

昨今のAI技術の発達や低価格化により、コールセンター・コンタクトセンターへAI感情認識を取り入れることへのハードルは下がってきました。人手不足や業務効率化が叫ばれる中、AI技術は重要な役割を担っています。顧客との関係値を高め、オペレーターの離職率を下げることができるAI感情認識は、今後ますます活用の場が広がっていくでしょう。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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