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2022.10.06

カスタマージャーニー / カスタマージャーニーマップ /

カスタマージャーニーマップの作り方!目的やペルソナの設定方法も解説|トラムシステム

カスタマージャーニーは、ペルソナ(理想の顧客像)の感情や行動を、1枚のマップに落とし込んで可視化するフレームワークです。カスタマージャーニーを活用して作成するマップはカスタマージャーニーマップと呼ばれ、主にマーケティング部門で活用されています。

この記事では、カスタマージャーニーの概要、カスタマージャーニーマップを作成する目的、マップの作り方について解説します。
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カスタマージャーニーとは

カスタマージャーニーとは、顧客が製品と出会い興味をもって購入するまでの感情、思考、行動を可視化するフレームワークです。現在行っているマーケティング施策の目的を整理し、ユーザーにどのようなアクションを促すべきか検討するために作成されます。

カスタマージャーニーで可視化すべき要素は以下の通りです。

・ユーザーはどのような手段で商品を認知するか?(顧客接点)
・ユーザーの心理状態は注意、関心、欲求、記憶、行動のいずれか?(態度変容モデル)
・ユーザーの感情の裏にあるニーズは何か?(インサイト)

発見した情報や知見をメンバー間で共有し、マーケティング施策の抜け漏れを発見して、改善や調整につなげます。

カスタマージャーニーの目的

カスタマージャーニーを作成する目的は以下の通りです。

・複雑化する顧客心理、購買行動の理解
・顧客目線でのサービス、商品提供の実現
・社内の意思決定を迅速化

インターネットの登場により顧客接点が増加する一方、顧客心理や購買行動は複雑化し、観測するのが困難な事態となりました。顧客の行動パターンや心理を分析し、サービス改善やマーケティング施策見直しにつなげるカスタマージャーニーは、現代のビジネス環境に欠かせないフレームワークです。

カスタマージャーニーマップとは

カスタマージャーニーマップとは、カスタマージャーニーによって整理された顧客の心情や行動を見える化した1枚のマップです。目的別にマーケティング戦略立案フェーズ向け、マーケティング施策実行フェーズ向けの2タイプが存在します。

戦略立案フェーズ:マクロ型ジャーニーマップ、ミクロ型ジャーニーマップ
施策実行フェーズ:シナリオ型ジャーニーマップ

それぞれの特徴を理解し、状況に応じたカスタマージャーニーマップを選択しましょう。

マクロ型ジャーニーマップ

戦略立案フェーズで作成するカスタマージャーニーマップです。マクロの名の通り、顧客の購買行動やマーケティング施策の全体を鳥の目で俯瞰し、優先課題がどのあたりに存在しているか確認するために作成されます。

マクロ型ジャーニーマップ作成のポイントは「木を見て森を見ず」の状況に陥らないことです。横軸にはマーケティングファネル(顧客が認知~購買に至る過程で徐々に少数になっていく様をモデル化したもの)を、縦軸には顧客接点やKPIを配置し、課題や問題点を探っていきます。

ミクロ型ジャーニーマップ

こちらも戦略立案フェーズで作成するジャーニーマップです。顧客体験1つ1つを虫の目で細かく俯瞰し、顧客満足度を引き下げる要因を意味するボトルネックを探っていきます。サービスの体験価値を細かい粒度で捉えるのが目的です。

横軸にはサービスの認知、購入、今後のステージに至るまでの流れ、縦軸にはサービスの利用状況や顧客接点を配置します。マクロ型ジャーニーマップと同じタイミングで作成し、ターゲットユーザーを絞ってマーケティング施策を考案するのがおすすめです。

シナリオ型ジャーニーマップ

シナリオ型ジャーニーマップは施策実行フェーズで作成するジャーニーマップです。マーケティングツールに登録するためのユーザー育成シナリオ作成に主眼が置かれています。AIDMAやAISASなどの顧客態度変容プロセスを意識し、どのような顧客接点があるか考えるのが重要です。

横軸には顧客心理が変容するプロセスを示した時系列、縦軸には顧客接点や接点ごとのマーケティング施策を記載し、仮説を立ててPDCAサイクルを回していきます。

カスタマージャーニーマップの基本の作り方

カスタマージャーニーマップは複数パターンが存在するものの、基本的な作成方法は共通しています。一度だけでなく何度も作成を繰り返してブラッシュアップし、精度を高めていきましょう。

1.ペルソナの作成

まずは理想の顧客像であるペルソナを作成します。既存のマーケティング戦略や顧客情報をもとに、名前、家族構成、職業、趣味趣向にいたるまで細かく設定するのがポイントです。カスタマージャーニーはペルソナを軸として組み立てていくため、時間をかけて作りこみましょう。

2.顧客接点の洗い出し

顧客接点は、テレアポは店舗販売といった直接的な接点はもちろん、コーポレートサイトやSNSなどの間接的な接点も含まれます。「自社情報を発信する人やモノ」は全て顧客接点です。全て列挙し、マップを作成する際に漏れがないようにしましょう。

3.縦軸と横軸の設定

ここからカスタマージャーニーマップの作成に入ります。縦軸にはサービス認知~購買に至るまでの時系列、縦軸には顧客の感情、思考、行動や顧客接点を配置し、時系列ごとの顧客心理を分析できるよう設定しましょう。

4.フェーズごとの書き込み

縦軸と横軸が定まれば、ペルソナの感情、思考、行動、インサイト(行動に隠れた心理)などを、時系列および顧客接点ごとに書き込んでいきます。重要なのは、設定したペルソナの視点に立って書き込むことです。1人では偏りが生じるため、可能な限り多くのメンバーと実行しましょう。

5.施策の考案

マップが完成すれば、ペルソナの感情や行動をもとにマーケティング施策を考案します。この段階では実現性などを考慮せず、可能な限り案を出しましょう。一通り案が出たら、各施策の実現性分析や優先度設定を行い、1つずつ実行していきます。

カスタマージャーニーマップで重要な「ペルソナ」とは

ペルソナとは「人間の外的側面」を定義した心理学用語です。マーケティングでは「サービスの対象となる架空のユーザー」を意味します。ターゲットと混同されることもありますが、以下の項目を含むより詳細なユーザー像を作り上げるのが特徴です。

・名前
・年齢
・性別
・住んでいる地域
・仕事
・役職
・出身大学
・よく使うSNS

カスタマージャーニーマップは顧客心理や購買行動を細かく分析する必要があるため、ペルソナを通じて理想の顧客像を設定し、よりリアルなユーザー心理を分析します。

ペルソナ作成の方法

ペルソナを作成する際は、とにかく細かく設定するのがポイントです。ユーザー本人の特性(年齢、仕事、趣味嗜好)はもちろん、よく閲覧するWebサイトやデバイスといった顧客接点に繋がる行動も想像しましょう。以下の媒体からペルソナ設定に繋がる情報を収集してください。

・Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツール
・競合サイト
・SNSの書き込み

可能であれば、1人だけでなく複数人のペルソナを設定し、施策の方針に幅を持たせましょう。ただし、多すぎると逆に混乱するため、まずは最も主と考えられる2人に絞って設定するのがおすすめです。

カスタマージャーニーマップの作成時のポイント

カスタマージャーニーマップ作成を成功させるには、いくつかのポイントに留意する必要があります。マップ作成の成否に関わるため、必ず押さえておきましょう。

作成のゴールを設定する

何のためにカスタマージャーニーマップを作成するのか、ゴールを明確に設定しましょう。できるだけシンプルなゴールを設定するのがおすすめです。ゴールが複雑な場合、カスタマージャーニーマップまで複雑化してしまい、マーケティング施策考案まで時間がかかってしまいます。

多角的な視点を取り入れる

カスタマージャーニーマップの精度をあげるため、できるだけ多くのメンバーで取り組むのがポイントです。多角的な視点を取り入れることで、個人のバイアスや願望が取り除かれたより精度の高いマップになります。マーケティング部門だけではなく、営業部や開発部など部署を横断した幅広いメンバーで考えてみましょう。

商品・サービスの全関係者に共有する

作成したカスタマージャーニーマップは、作成に関与していないメンバー含むサービスの全関係者に共有しましょう。関係者の顧客心理に関するイメージが共有され、意思決定の統一やPDCAサイクルの迅速化に繋がります。

企業側の理想や願望で作成しない

カスタマージャーニーマップは、事前に設定したペルソナの視点に立って作成しなければなりません。企業側の願望や希望的観測が含まれると、顧客の心理や行動を理解できず、施策が的外れなものとなってしまいます。顧客情報の分析やアンケートを行い、確度の高い施策を考案しましょう。

作成後は効果検証を行う

作成後に効果検証やブラッシュアップを行わず放置するのはよくある失敗です。以下の効果検証を行い、ブラッシュアップすることで効果的な課題解決となります。

・カスタマージャーニーの正確性
・売り上げやKGI(重要目標達成指標)に与えた影響
・効果の高かった施策や顧客接点
・カスタマージャーニーからの離脱者や機会損失

施策の価値を明らかにし、新たなカスタマージャーニーマップの作成へと繋げましょう。

まとめ

顧客の心理や動きを把握するのが難しい現在では、カスタマージャーニーマップ作成による顧客心理分析が求められています。ペルソナ設定~効果検証までのサイクルを効果的に回し、サービス強化や収益改善につなげましょう。


プロフィール写真

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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