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2023.08.14

コンタクトセンター / コールセンター /

コールセンター業界の6つの課題とは?対応策や未来の展望も解説|トラムシステム

オペレーターのスキルアップや業務効率化など、コールセンター・コンタクトセンターには様々な課題があるもの。これらにどのように対処していくべきか、そもそもこの業界は今後どうなるのか、などの悩みを抱えている経営者や管理者も多いのではないでしょうか。

この記事ではコールセンター業界によくある6つの課題とその対策、そして将来像について解説します。

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コールセンター(コンタクトセンター)業界によくある課題

企業の顔として顧客対応の最前線を担うコールセンター・コンタクトセンター。質の高いセンターが顧客満足度や利益を向上させる一方、オペレーター育成や高い離職率などの問題を抱えているセンターもあります。

まずは、コールセンター業界によくある課題について解説していきます。

優れたオペレーターの育成が難しい

コールセンターではオペレーターのサービス品質レベルにバラつきがあります。お客様に安心感を与える話し方や商品知識など、優秀とされるオペレーターには共通点があります。

優秀なオペレーターを育成しようと研修を充実させる会社もありますが、それでもまだサービス品質にムラがあるのが現状です。また、離職率が高いことも優れたオペレーターの育成を妨げる要因となっています。

離職率が高い

コールセンターは離職率が高い仕事といわれています。理由は様々ですが、主に下記の理由から従業員は退職を決意します。

・クレーム対応によるストレス
・商品知識の理解が不十分で、うまく対応できない
・部署内でコミュニケーションを行う機会が少ない
・評価基準があいまい
・仕事内容と報酬が見合っていないと感じている

このような理由からオペレーターが退職するため優秀な人材を育成できず、結果的にオペレーターのストレスが増加する、センター全体の対応品質が低下するといった悪循環が発生します。

お客様を待たせてしまう

オペレーターのスキル不足や人手不足の影響から、コールセンターへの問い合わせに対応しきれず、お客様を待たせてしまいがちな企業は少なくありません。「電話をかけても繋がらず、問題が解決しない」とお客様に思われてしまうと、企業イメージが悪化し、ビジネスへ悪影響を与えてしまいます。

繁閑差が激しい

人手不足を解消しようと採用活動を強化するのも良いですが、コールセンターは繁閑の差が激しい業界です。問い合わせに十分対応できるよう人員を補充しても、閑散期になると余剰人員が発生するリスクが高まります。

余剰人員は人件費の増加を招き、企業の利益を圧迫します。必要な人数を必要な時期に揃えられるよう調整することが大切ですが、正確に人員調整や繁閑期の把握を行えていない企業も多いのが現状です。

応対できる時間が限られている

電話など有人での顧客対応の場合、対応時間が一般的に8時から17時までと限られていることも、コールセンター業界の課題です。

対応時間が限られているため昼間に働く人は平日に問い合わせしにくいです。一方で休日は平日に問い合わせできない人からの入電が多く、電話が繋がりにくいという実態もあります。

他部門との連携ができていない

他部門との連携がうまくできていないことで業務に支障がでるケースも見られます。

たとえばコールセンターとセールス部門のシステムを連携させることで、顧客情報の共有や適切なアフターフォロー、次回の営業のきっかけ作りといったチャンスを作り出せるでしょう。しかし部署間でのシステム連携がうまくできておらず、ビジネスチャンスを逃している企業もあります。

コールセンターの課題を解消するための5つの施策

コールセンターが抱えるあらゆる課題を一気に解決する画期的な方法は、残念ながらありません。このため、システム導入や業務フローの見直しなどで課題に一つずつ対処していくことが重要です。

ここからは、課題の改善や解消に有効な5つの施策を紹介します。

CTIなどコールセンターシステムの活用

コールセンターの業務をサポートする様々な機能が搭載されたコールセンターシステムを導入することで、業務効率化や顧客満足度、オペレーターの負担軽減などにつながります。

コールセンターシステムは、CRMやFAQなどの種類がありますが、その中でも特に便利なのがCTI(Computer Telephony Integration)システムです。

CTIとは、電話とコンピューターを統合するシステムや技術のことです。コンピューターと電話を連携させることで、次のような機能を実現します。

ポップアップ

顧客情報システムと連携し、着信相手の名前や購入履歴、過去のやり取りなどをパソコンの画面に表示する。基本的な情報を聞き直す必要がないため、通話時間の短縮や顧客満足度の向上が期待される。

着信履歴

着信履歴の照会や検索が行える。過去にどのような問い合わせがあったのかを知ることで、よりきめ細かいサービスが可能になる。

通話録音

オペレーターと顧客との通話を自動録音する機能。トラブル防止になる他、録音した音声をチェック・分析することでオペレーターの教育や応対品質の向上に役立てられる。

ACD(着信呼自動分配)

オペレーターの待機時間やスキル、担当などに応じて自動的に着信を割り振る機能。特定のオペレーターに業務が集中することを防ぐ他、問い合わせ内容に応じて適切な担当者を割り当てることで、スムーズな対応が可能になる。

IVR(自動音声応答)

着信があった場合に「○○の方は1番を、○○の方は2番を押してください」といった音声ガイダンスで一次対応を行う機能。問い合わせ内容に応じて適切なオペレーター・部署に接続することで応対時間の短縮に繋がる。

CTIについてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

業務の自動化

業務の一部を自動化することで、オペレーターやSVの負担を軽減し、コールセンター全体の業務効率や生産性の向上や、電話のつながりやすさの改善を目指しましょう。

コールセンターの自動化の例としては、次のようなものがあります。

・IVR(自動音声応答)による電話の一次対応
・チャットボットによる問い合わせ回答
・RPAによる定型的な事務作業の自動化
・音声認識による通話の文字起こしや履歴作成の自動化

レポートや報告書の作成、簡単な照会などの対応など、ルーチンワークや高いスキルや判断力が必要ない業務で、自動化できるものがないかを検討してみましょう。自動化するためのコストや手間は発生しますが、自動化が完了すれば大幅に工数を削減できるはずです。

コールセンターの自動化についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

SNSの利用促進

LINEやTwitter、FacebookなどのSNSの活用は「応対できる時間が限られる」「お客様を待たせてしまう」といった問題の解決に有効です。SNSをコールセンターで導入するメリットは、下記の通りです。

・一般になじみ深いツールなので、顧客は気軽に問い合わせを行える
・24時間いつでも質問できる
・過去の質問や問い合わせを参照しやすい

SNSなら24時間好きなタイミングで問い合わせを行えるので、問い合わせ件数の分散や顧客満足度の向上が期待できます。

BPO(アウトソーシング)の活用

BPO(Business Process Outsourcing)とは、自社業務の一部を外部の専門業者に委託することです。最近はインバウンド業務、アウトバウンド業務どちらについても、多くの委託業者が存在しており、様々な業界・業種のコールセンター業務を請け負っています。

BPOによって実現するのは、コールセンター業務のスリム化です。自社で設備や人材を抱える必要がなく、繁忙期や閑散期といった需要の変動にも柔軟に対応できるようになります。

一方で、BPOは自社でノウハウの蓄積ができない、リアルタイムの情報共有が難しい、コストがかかる、といったデメリットもあります。詳しくはこちらの記事で解説しているので、ぜひあわせて参考にしてください。

よりよい職場環境の整備

オペレーターの離職率を改善するためには、より多くの人が「働き続けたい」と感じる職場作りが欠かせません。次のような項目を実行し、よりよい職場環境の整備に努めましょう。

・研修制度とフォロー体制を充実させ、安心して業務に取り組めるようにする
・評価制度を見直し、頑張りや成果が評価されるようにする
・個人面談などを実施、適切なメンタルケアを実施する
・在宅勤務や柔軟な勤務時間など、よりワークライフバランスを保って働けるようにする

具体的な施策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

コールセンター業界の現状と将来の展望

「お客様窓口」としてのコールセンターは古くから多くの企業にありますが、その実態は時代とともに変化しています。近年のコールセンター業界の現状や将来の展望について解説しましょう。

進むオムニチャネル化

オムニチャネルとは、企業が持っているチャネルを連携し、ワンストップでのサービスを提供する概念です。コールセンターにおいては、電話、メール、チャット、SNSなどのあらゆるチャネルのデータを統合・連携することで、顧客に一貫したサービスを提供することです。

例えば、チャット上で問い合わせをしていたが、文字だけのやり取りでは解決せず電話をかけることになった場合について考えてみましょう。電話をかけた際、チャット上ですでに行われた問い合わせの目的や利用している商品・サービスなどの確認のやり取りをもう一度口頭で行うのは非常に手間がかかります。

顧客にとっては、チャットや電話などの問い合わせ手段に関わらず、問い合わせをしているのは1つの企業です。企業はチャネルや部署の枠を超えた情報の一括管理を実施し、オムニチャネル化に対応する必要があるのです。

在宅コールセンターの普及

働き方改革、ワークライフバランスといった言葉が広く普及した今、コールセンターにおいても従来の働き方を見直し、よりライフスタイルにあわせた柔軟な働き方を提供しようとする動きが高まっています。

その中で普及しているのが、オペレーターが自宅から顧客対応を行う「在宅コールセンター」です。オペレーターは自宅のパソコンを使ってクラウド型コールセンターシステムにアクセスし、ヘッドセットとマイクやチャットシステムなどを使って問い合わせ対応を行います。

オペレーターにとっては、通勤の必要がない、私生活の予定にあわせて働けるといったメリットがあります。企業にとっても、全国から人材を募集できる、オフィススペースや設備が必要ないといった点がメリットです。

AIに仕事を奪われる?

音声認識や文字起こしなど、コールセンター業界においてもAI(人工知能)の活用が進んでいます。様々なサービスや業務が機械化・自動化されていく中で「自分の仕事がいずれAIに代替されるのではないか」と不安になる人もいるでしょう。

AIや機械は、確かに人間にはできない正確さで素早い作業遂行が可能です。人間のように睡眠や休息も必要ありません。しかし、すべての仕事がAIで代替可能というわけではなく、以下のような業務については今後も人間が行う必要があると見られています。

・お客様と心を通わせた接客や応対が必要な業務
・人にしかできない共感、親身さや臨機応変な応対が必要な業務
・クリエイティビティを発揮して問題解決するような業務
・マネジメントや経営に関する業務

一方で、以下のような業務は今後自動化が進むでしょう。

・注文や予約の受付、情報照会などの簡単な問い合わせ
・レポート作成やデータ出力などの定型業務
・不特定多数の顧客をターゲットとして電話でのアウトバウンド営業

自動化やシステム化は何も悪いことではなく、簡単な作業を自動化することで、人間はより難易度の高い業務に従事できるようになります。生産性向上による人件費削減や業務効率化による顧客満足度向上などにも効果があるため、できる範囲で進めていくとよいでしょう。

まとめ

コールセンターの課題や問題には、それぞれの原因を突き止めた上で一つずつ対処していくことが求められます。システムやツール、アウトソーシングなどを活用しつつ、業務フローや社内の体制などの見直しも進めましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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