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2023.06.16

コンタクトセンター / コールセンター /

プレディクティブコールとは?メリットデメリット・オートコールとの違い|トラムシステム

顧客リストに従ってシステムが自動で一斉発信を行うプレディクティブコールは、コールセンターやコンタクトセンターのアウトバウンド業務を始め、多くの企業で活用されています。多くのメリットがある一方、注意しておくべきデメリットもあるため、導入を検討している方は注意が必要です。

この記事は、プレディクティブコールとは?について、機能やメリット・デメリット、オートコールやプログレッシブコールとの違いなどを詳しく解説します。
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プレディクティブコールとは

プレディクティブコールとは、予め作成した架電リストに掲載されている連絡先に一斉架電を行うシステム(機能)です。一斉に複数件に架電し、つながったコールのみがオペレーターに接続されます。

プレディクティブコールは、自社システムに機能を組み込むか、プレディクティブコール機能が搭載されているCTIシステムなどを導入することで利用可能です。

従来のように、オペレーターリストの連絡先に順番に電話をかける必要はありません。また、発信してから電話がつながるかどうか一定時間を待ったり、相手が出なかった場合に履歴を残したりする必要もないため、オペレーターの負担軽減と業務効率化が実現します。

プレディクティブコールと似た機能は他にもありますが、この機能の特徴は発信倍率を待機しているオペレーターの人数よりも多く設定できる点です。

発信倍率とは、何件の連絡先に一斉発信するかを制御する設定するものです。例えば、発信倍率が2倍で、待機中(対応可能)のオペレーターが10人いる場合、システムは20の連絡先に同時発信します。

プレディクティブコールの利用シーン

プレディクティブコールは、オペレーターから顧客などに電話をかけるコールセンターやコンタクトセンターのアウトバウンド業務で主に使われています。

例えば、顧客リストに登録されているお客様に対して新商品やキャンペーンのご案内やアンケートのお願いなどをする場合、プレディクティブコールによって短時間でより多くのお客様に連絡ができます。

他には、家賃や光熱費などの支払催促やマンションの契約更新連絡など、一定数の相手に効率的に電話をかけたいシーンで幅広く利用されています。

オートコールとの違い

プレディクティブコールと似たような機能に「オートコール」があります。

オートコールも、事前に設定した連絡先に自動発信する点ではプレディクティブコールと同じです。しかし、同時発信ができる件数に違いがあり、プレディクティブコールが複数件に一斉発信できるのに対して、オートコールでは1件ずつ発信します。

オートコールでは、待機しているオペレーターの数以上の電話がつながってしまうリスクがない一方で、電話がつながるまでの待ち時間が発生します。

プログレッシブコールとの違い

「プログレッシブコール」は、プレディクティブコールと同じく、事前登録した顧客リストに一斉発信ができる機能です。

プログレッシブコールとプレディクティブコールの違いは、一斉発信ができる上限数です。

具体的には、プレディクティブコールが待機オペレーターの人数以上の数を一斉発信できるのに対して、プログレッシブコールで一斉発信できる上限はオペレーター数です。

待機している以上の発信がされないため、オートコールと同様に対応しきれない数の電話が接続されることがない一方、タイミングによってはオペレーターの待機が発生します。

プレディクティブコールの主な機能

プレディクティブコールには、電話を一斉発信するだけではなく、コールセンターの業務をサポートする便利な機能が搭載されています。具体的に解説していきましょう。

通話分配機能

通話分配機能とは、一斉架電の後につながった電話を、待機時間が長いオペレーターに優先的に振り分ける機能です。

通話中や待機中といった各オペレーターのステータスはシステムによって記録されているため、それを元にシステムが自動判断して分配する仕組みです。

これにより、特定のオペレーターのみに通話が集中することを防ぎ、オペレーター間の業務量を均一にできるというメリットがあります。

発信禁止機能

発信禁止機能とは、特定の顧客を架電リストから除外し、一斉架電の対象外にできる機能です。

具体的には、主に過去にプレディクティブコールによる度重なる電話に苦情があった顧客や、営業電話への明確なお断りがあった顧客などをリストから外すことで、さらなるトラブルへの発展や企業やブランドのイメージの損失を防止します。

さらに、クレーマーも発信禁止リストに登録しておくことで、オペレーターの負担を軽減できる点もメリットです。

絞り込み機能

絞り込み機能とは、顧客リストを「見込み客」「再コール対象」といったグループ分けし、成約率が高いと思われるグループから順番に架電する機能です。

短時間でより多くの成果を出すことが求められる企業の営業活動においては、ただ闇雲に電話をかけるよりも、確度の高いグループにターゲットを絞って行うほうが効率的です。

成約率はオペレーターのモチベーションや報酬にも関係してくるため、絞り込み機能はぜひ活用したい機能です。

自動録音機能

自動録音機能とは、オペレーターと電話口の相手の会話を録音する機能です。録音された通話は、応対品質チェックや新人研修、トークスクリプト作成などに活用できます。

また、やり取りが文字として残らない電話においては、「言った言わない」のトラブルが起きることもあります。通話録音機能は、そのようなトラブル発生時の事実確認や証拠としても利用可能です。

プレディクティブコールの導入メリット

プレディクティブコールをコールセンターに導入することで、架電業務をより効率的に行える他、オペレーターの負担軽減や蓄積された情報の有効活用など、多くのメリットがあります。

ここからは、プレディクティブコールの導入メリットについて詳しく解説していきます。

架電作業の効率化

プレディクティブコールの最大のメリットは、架電業務をより効率的に、無駄なく行える点です。

顧客リストの連絡先を見て、電話番号を1つ1つダイヤルする作業は、時間がかかる上に集中力も必要です。電話番号を打ち間違えたり、リストを飛ばして架電したりすることもあるでしょう。

相手が電話に出るまでの数十秒程度の待ち時間も、多くのオペレーターが一日に何十件と電話をかけるコールセンターにとっては大きな業務の無駄です。

プレディクティブコールであれば、電話番号を手入力して発信する手間を削減できるだけではなく、人為的なミスや待ち時間の発生も防止できます。

オペレーターの負担軽減

架電作業をシステム化することで、オペレーターの負担が軽減し、顧客との会話に集中できるようになります。また、絞り込み機能で成約する可能性が高いグループに優先的に架電することで、成約率が高まり、仕事へのやる気も向上するはずです。

オペレーターの負担軽減は、離職防止の観点からも重要です。コールセンターやコンタクトセンターは、一般的に離職率が高いと言われていますが、働きやすく、かつ仕事の結果が出やすい職場なら「続けたい」と考える人も増えるでしょう。

発信情報の蓄積

架電作業をシステム化することで、誰にどの時間につながった(つながらなかった)のかという情報が日々蓄積されていきます。

このデータを分析することで、過去につながった曜日・時間と同じ時間帯に電話をかけたり、よりつながりやすい曜日や時間を割り出したりすることも可能です。

通話録音で録音されたデータは、クレーム発生時の確認や新人研修やマニュアル作成に活用すれば、よりスムーズな業務遂行が実現します。

各オペレーターの業務量の調整

電話番号入力や履歴入力などの発信作業を手作業する場合、オペレーターの経験やスキル、さらに集中力などで作業スピードに差が出がちです。

また、一般的にコールセンターは1つの部屋でオペレーター同士が机を並べて電話業務にあたります。このため「隣に座っている同僚よりも私のほうが働いている」「◯◯さんは全然電話対応をしていない」といったオペレーター間の不満も生まれやすいのです。

プレディクティブコールの通話分配機能なら、このような不公平感や業務量の偏りを解消することが可能です。待機時間という客観的なデータを元に通話を分配することで、全てのオペレーターにより均一に業務を振り分けられます。

プレディクティブコールのデメリット(注意点)

様々なメリットのあるプレディクティブコールですが、利用時にはいくつか注意すべき点もあります。ここからは、プレディクティブコールのデメリット(注意点)を2つ解説します。

許容量を超える電話がつながるリスク

プレディクティブコールでは、待機中、つまり電話がつながった際に対応できるオペレーターの人数以上の連絡先に一斉架電ができます。このため、一斉架電の結果、電話がつながったにも関わらずオペレーターの人数が足りず、電話が自動切断される「放棄呼」が起きる可能性があるのです。

着信を受けた相手にとっては、かかってきた(つながった)電話が突然切れた状態となり、表示される電話番号から発信者がわかれば、企業へのイメージが低下する恐れもあります。

放棄呼が発生しないためには、発信倍率を適切に設定し、許容量を超える通話が発生しないようにすることが重要です。

オペレーターの心理的負担が増えるリスク

システムが自動的に次々と通話を割り当てるプレディクティブコールは、より無駄なく架電業務を行えるメリットがある一方、オペレーターが通話と通話の間に一息つく時間を奪ってしまう危険性があります。

手作業で架電する場合には、1回の通話が終わった後に水を一口飲んだり、直前の会話の改善点を振り返ったりできます。オペレーターも人間ですので、このようなちょっとした時間が、集中力を保ち、高いパフォーマンスを出すために重要です。

業務効率化を意識するばかりに、オペレーターの負担が増えてしまわないよう、発信倍率の設定やシフトの組み方に配慮するようにしましょう。

まとめ

プレディクティブコールをコールセンターやコンタクトセンターにおけるアウトバウンド業務に活用することで、より効率的に業務を行え、さらに成約率を上げることが期待できます。

一方で、放棄呼の発生などのデメリットもある他、コールセンターの規模や業務の行い方などによっては、プログレッシブコールやオートコールのほうが適切な場合もあります。

プレディクティブ機能の特徴やメリットを十分に理解し、効果を最大限発揮できる機能の導入を進めましょう。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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