【コールセンターシステム用語】WFMとは丨メリット・機能を詳しく解説|トラムシステム
タスク量に応じた人員構成を最適化するワークフォースマネジメント(WFM)。コールセンターやコンタクトセンターにおいては、生産性向上やコスト削減のために重要な役割を持っています。この記事では、WFMの特徴やメリット、機能を詳しく解説します。
WFMとは
WFMとは、Work Force Management(ワークフォースマネジメント)の略です。コールセンター・コンタクトセンターにおいて、業務量に応じて必要最低限の人員を適切に配置することで、応対品質を下げることなく人件費を抑制するマネジメントの考え方です。
WFMが求められる理由
WFMが求められている背景には、コールセンター・コンタクトセンターで業務効率化の必要性の高まりがあります。
コールセンターにおいて、人件費は最も大きなコストです。その日の入電数に応じて人員を過不足なく配置することが求められる一方、季節やトレンドに左右される入電予測を正確に行うのは非常に困難でした。
配置した人員の許容範囲を超える入電があった場合には、お客様を待たせてしまうことがあり、また必要以上の人員配置はコストを膨大させます。そこで過去の実績やトレンドに基づいた正確なWFMが必要となるのです。
なお、最低限の入電予測や人員管理は、excelなどの簡易ツールでも行うことができます。しかし、ファイル管理が煩雑であったりメンテナンスにITスキルが必要であったりと、適切なWFM管理には多くの労力を必要とします。
そのため、近年ではWFMツール(システム)を導入し、過去の入電実績を元にした入電トレンドの分析や、オペレーターのシフト作成などを行う企業が増えています。
WFMによるメリット
1.応答率や稼働率の向上
入電予測に合わせてオペレーターを配置できるので、応答率や稼働率が向上します。また、オペレーターが入電に追われることなく落ち着いて対応できるので、AHT(平均処理時間)やATT(平均通話時間)など生産性指標の改善にも効果があるでしょう。
2.コスト削減
入電予測を元にして、オペレーターのシフトを最適化できるので、人件費やセンター管理費などのコストを削減できます。
3.品質・CS向上
WFMを導入することで創出できる余剰時間は、オペレーターの研修などスキルアップの時間に活用できます。応対品質の向上や顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
WFMシステムの主な機能
WFMシステムは、WFMに必要な機能を盛り込んだパッケージシステムで、さまざまな企業から発売されています。この記事では、代表的な4機能を紹介します。
入電数予測・必要人員予測
過去の入電実績から将来の入電数をシミュレーションする機能。曜日や時間帯、季節などの切り口で、どのような入電傾向があるのかを明らかにします。また、入電予測の結果を元に必要なスキルやオペレーター数を求めます。
オペレーターのスキル管理
オペレーターごとのスキルを管理する機能。顧客対応において必要となる業務知識やコミュニケーション能力など、各スキルの習得状況が明らかになるので、不足スキルを強化するための教育計画策定にも活用できます。また、センター全体の「スキルのばらつき」が見ることで、全体研修のテーマ企画や採用時の募集条件設定などに活用が可能です。
オペレーター手配管理
入電予測や必要スキルに応じたオペレーターの手配進捗を管理する機能。スキルやシフト条件などより具体的な採用計画を立てることで、マッチングミスを防ぐ効果もあります。
シフト作成
入電予測結果やオペレーターのスキル、シフト希望、公平性を考慮して、シフトを自動作成する機能。従来、センター管理者が手作業で行っていた調整作業を大幅に削減できます。空いた時間をオペレーター教育や二次対応などに活用することで、品質向上も期待できるでしょう。
まとめ
WFMは、コールセンターやコンタクトセンターの生産性向上とコスト削減を両面からの支援が可能です。近年はクラウド型サービスの登場により、初期導入コストや運用コストが大幅に抑えられたことで、導入を検討する企業が増加しました。自社のセンター規模や、予算に応じて、WFMの導入を検討してみてください。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。