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コールセンターオペレーターのモチベーションを向上させる方法と効果的な褒め方|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターでは、オペレーターの離職防止とモチベーション維持が課題となっています。一説には1年以内に7割のオペレーターが退職するといわれており、コンタクトセンターを運用する企業にとって頭の痛い問題です。

そこで今回は、オペレーターのモチベーションを向上させ、離職を防止する手法やコミュニケーションの取り方について解説します。コンタクトセンター運用に関わっている方は是非ご覧ください。
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コンタクトセンターで離職が多い理由

コンタクトセンターのオペレーターが離職する理由はさまざまです。ですが、オペレーター1人1人に事情を伺うと、コンタクトセンターを取り巻く労働環境の課題が見えてきます。オペレーター全員が長期間働ける環境を実現するには、コンタクトセンターの構造改革が不可欠です。

業務のストレス

離職率が改善されない最大の理由は、業務で発生するストレスです。現場ごとの状況にもよりますが、他の職種と比べストレス要因が多い傾向にあります。

1.クレーム対応が辛い

理不尽な要求や長時間に渡るクレームを行う「モンスター顧客」の存在が、オペレーターを苦しめています。お詫びをする、顧客の感情をなだめる、会話内容を記録するなど、複数の業務を並行して行わなければなりません。特に受電対応を行うインバウンド業務で多発し、疲弊して退職に至るケースが多数報告されています。

2.ノルマがきつい

アウトバンド業務でも安心はできません。基本的にアポを取っていない顧客に営業を掛ける形となるため、歓迎されない、冷たい言葉を投げかけられることも日常茶飯事です。そのような状況下で達成すべきノルマを課されるため、成績が上がらないオペレーターは早期離職してしまいます。

3.研修やサポートが不十分

研修やサポートが不十分なままオペレーターを現場に送り出すコンタクトセンターも存在しており、離職率改善を妨げています。

1.研修が不十分なオペレーターが業務に携わる
2.うまく対応できずクレームが発生する
3.心身が疲弊し退職する
4.その穴を埋めるために研修が不十分な新人オペレーターが配置される

このような悪循環を繰り返しており、顧客満足度や売り上げ低迷の要因です。

覚えることが多すぎる

電話応対に関するマナー、機器の操作方法、トラブル発生時の対処法など、短期間で多くの知識を身につけなければなりません。インバウンドの業務ではそれらに加え、商品やサービスに対する理解も必要です。一度覚えた知識も、新商品の発売や法律の変更などがあれば、更新が必要となります。常に研修や勉強が求められる環境に疲れ、離職してしまうオペレーターも珍しくありません。

スキルが身につかない

未経験での就職が可能な反面、同じ作業の繰り返しでスキルが身につかないと感じるオペレーターも多数存在します。正社員やスーパーバイザーにキャリアップすることも不可能ではありませんが、狭き門です。よりやりがいやスキルを得られる仕事を求める他、目標となる収入を得たことで離職するケースも。

モチベーションが維持できない

ストレス要因の多さやフォローの不十分さにより、モチベーションを維持できていないオペレーターが多数存在しています。評価システムが曖昧な現場も多く「頑張っても報われない」という空気が蔓延しがちです。コンタクトセンターではKPI(重要業績評価指標)やKGI(重要目標達成指標)といった数値化された指標を設定し、モチベーションを保つのが一般的となっています。

オペレーターのモチベーションを向上させる方法

上記の問題を解決するため、オペレーターのモチベーションを向上させる方法を解説します。モチベーションは、短期間の対策で向上させるのは困難です。長期的な視野に立って対策を打ち出し、日常業務の中で実践していく姿勢が求められます。また、実施した対策の効果をチェックし、問題点や課題をブラッシュアップできるようにしましょう。

オペレーター同士のコミュニケーション機会を促進する

職場内の連帯感を高めるため、オペレーター同士がコミュニケーションを通じて関係を深める機会を設けましょう。オペレーター同士で教えあう勉強会や部門の壁を超えた交流会など、多くの企業がコミュニケーション促進イベントを企画しています。

管理者が率先してあいさつ、誉め言葉、ねぎらいの言葉をかけ、オペレーターに手本を示すとより効果的です。オペレーターが疑問や悩みを相談しやすくなり、離職する前に対策を講じることが可能となります。

適正な評価基準を設定する

適正な評価基準を設定し、成果を挙げたオペレーターの努力を評価することも重要です。評価基準が曖昧でモチベーションが上がりにくい問題が解決し、オペレーターが業務に対して前向きになります。

この時重要なのが、評価基準の徹底的な数値化です。コール数や応対時間といった表面的な指標だけでは、客観的な評価につながりません。顧客満足度、売り上げ高、成約率など、複数の指標からオペレーターのスキルを評価しましょう。

定期的にフィードバックを実施する

オペレーターとは定期的に面談し、フィードバックを実施しましょう。ダメ出しだけではなく、前回よりも進歩した点、現状維持だった点、改善すべき点の3つを丁寧に伝え、オペレーターが今後取るべき行動を示す必要があります。

現場の忙しさに負け、フィードバックをおろそかにするような事態は避けてください。週に1度、それが難しければ月に1度など、定期的な開催を心がけましょう。定期的なフィードバックが、オペレーターのスキルやモチベーションを高めます。

社内表彰を実施する

優秀な成績を挙げた社員に対しては、社内表彰で顕彰するのもおすすめです。人は誰もが承認欲求を持っているため、表彰されたオペレーターのモチベーションアップは大いに向上するでしょう。

会社に対する愛着であるエンゲージメントも高められるため、離職率の改善にも繋がります。表彰されなかったオペレーターも「次は自分も」と業務に励むため、活気ある職場環境を構築可能です。

コールセンターシステムを活用する

コストはかかりますが、コンタクトセンターの運用を支援するコンタクトセンターシステムを導入し、業務における負担やストレス軽減を図る手法も存在します。

ACD(着信呼自動分配装置):着信をオペレーターの状況に応じて振り分ける
CRM(顧客関係管理システム):通話している顧客の情報が表示される
IVR(自動応答電話):音声ガイダンスによって受付や取次業務を自動化する

これらの機能を利用することで、オペレーターは応対業務に集中できるようになります。結果、業務に対するストレスが軽減され、モチベーションの向上が可能です。

オペレーターの内発的動機付けを育てる

内発的動機付けとは、興味や関心といった人間の内部的要因による動機付けです。インセンティブなどの外的報酬に左右されず、継続する意欲を持続できます。

機会があればオペレーターと対話を重ね、どのような場面でコールセンター業務にやりがいを感じるか探りましょう。「お客様を喜ばせたい」「応対品質を向上させたい」といった内発的動機付けを発見し、それを刺激すればオペレーターのモチベーション向上の助けとなります。

モチベーションアップに効果的な褒め方

最後に、オペレーターのモチベーションアップに効果的な褒め方について解説します。

1.意見の共感
「なるほど!」「いいね!」など共感が伝わる言葉を積極的に伝えます。共感から相手の心を開き、積極的なコミュニケーションに繋げましょう。

2.変化の指摘
「応対品質が向上しているね」「クレーム対応が正確になっているよ」など、ささいな変化を見逃さずに褒めましょう。オペレーターが自分の成長を実感し、モチベーションの向上につながります。

3.第3者を通じて褒める
「○○さんが褒めていたよ」という風に第3者の評価を通じて褒める行為は、直接褒めるよりも高い効果が見込めます。オペレーター間の仲を取り持つことも可能です。

4.定型文の多用に注意
「すごい」「さすがだね」といった定型ワードを多用していると、本意ではないと受け取られ、効果が薄れます。「○○の業務対応が良かったよ」など褒める内容は具体的にしましょう。

5.結果だけでなく過程も褒める
「結果は未達だったけど皆に頑張りが見られた」のように、時には過程を褒める事も必要です。結果ばかりを求めていると、息苦しい職場となってしまいます。

6.タイミングを逃さない
1月前に挙げた成果を褒めても、効果が薄れます。オペレーターが褒めるに値する行動を行ったと感じた時は、即座に褒めましょう。

7.大勢の前で褒める
多数の同僚が存在する場所で褒められるのは、嬉しいものです。承認欲求と自尊心を効果的に高められます。

まとめ

オペレーターのモチベーション低下や離職率増加は、コンタクトセンターの状況を色濃く反映しています。改善したい場合は長期的な視野に立ち、コンタクトセンターの体制そのものを変革するつもりで実行しましょう。システムによる自動化や業務負担軽減が効果的ですが、日頃のコミュニケーションや声かけなど、コストのかからない対策も重要です。さまざまな手段を通して、オペレーターが長期間働ける環境を整備しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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