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2021.04.14

クラウドPBX / 番号 / 料金 / 電話機 / 回線 /

クラウドPBXで使う電話機と電話番号は?回線や番号の引き継ぎも解説|トラムシステム

従来のPBXを代替として注目されているクラウドPBXですが「電話機、電話番号、電話回線はどうなるのか?どう変わるのか?」と疑問に感じる方は少なくありません。

本記事で詳しく解説しますので、導入する際の参考としてください。特に「電話番号は引き継げるのか?」は重要なテーマとなりますので、重点的に解説します。

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クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、今までオフィスに設置していたPBX(ビジネスフォンの内線や外線を司る装置)をクラウド化し、インターネット回線を通じて利用するシステムです。

近年は技術の発展によって音声品質が向上し、ビジネスフォンとほぼ同等かそれ以上の品質となっています。コスト面や運用時の柔軟性に優れており、通常のPBXよりも市場シェアが急速に伸びています。
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クラウドPBXで利用可能な内線・外線電話機

前述した通り、クラウドPBXではビジネスフォンの他に複数のデバイスを電話機として利用可能です。代表的な機種を3つ紹介しますので、企業の形態にマッチしたものを選択しましょう。

IP電話機(固定電話機)

「固定電話機を継続利用したい」という方にはIP電話機がおすすめです。IP電話機はインターネット回線を利用した電話機で、基本的な使い方や機能は通常のビジネスフォンと変わりません。

この場合必要となるコストは、月額利用料金と電話機のレンタル料金です。弊社が提供しているクラウドPBXサービス「TramOneCloud」とシステムを簡素にした「TramOneCloud Essential」では、以下のような構成となります。

・月額利用料金

TramOneCloudでは1ユーザー当たり1,200円、TramOneCloud Essentialでは1ユーザー当たり700円です。

スマートフォン

「BYODを導入してみたい」という方にはスマートフォンが端末としておすすめです。内線通話や外線通話はもちろん、保留や転送も行えます。専用端末を購入するコストが不要となり、無料の内線通話で通信費用も抑えられるなど費用対効果に優れている機種です。UC機能を導入すれば、チャットやビデオ会議機能を通じて業務効率化も行えます。

ソフトフォン

「コールセンター業務でクラウドPBXを利用したい」場合はソフトフォンを導入しましょう。画面を通じて顧客情報閲覧やデータ検索が可能で、顧客対応をスムーズに進められます。他にも、ホテルの客室用端末としての採用がおすすめです。タブレットを客室に設置し、多言語による案内表示やスタッフへの問い合わせを可能とします。

クラウドPBX導入で電話番号は変わる?

便利なメリットを多数保有するクラウドPBX導入ですが、電話番号はどうなるのでしょうか?「従来利用していた番号を引き継げるか否か」がポイントのため、導入する際はサービスを提供するベンダーに問い合わせましょう。

クラウドPBXの電話番号

クラウドPBXで電話番号を取得する方法は2つです。

・ベンダーが提供する新しい電話番号を利用する
・従来利用していた電話番号を引き継ぐ

新しい電話番号に変更すると、取引先や顧客への周知、看板やホームページのデザイン変更など無駄なコストや作業が発生するため、引き継ぐ方が無難です。ただし、状況によっては引き継げない番号も存在しています。

今使っている電話番号を引き継ぐ方法

利用していた電話番号をクラウドPBXに引き継ぐ方法は、以下の2通りです。

・LNP(番号ポータビリティ)

LNPとは、取得した固定電話の電話番号を、新たに変更した電話会社やサービスに引き継ぐ制度です。携帯電話の番号を引き継ぐ際はMNPと呼ばれます。引き継いだ電話番号はスマートフォンやソフトフォンでも利用可能です。ただし、条件によっては引き継げない番号も存在しています。

・ゲートウェイの設置

ゲートウェイとは、アナログ回線とインターネット回線の橋渡しを担う機器です。オフィスに設置することで、アナログ回線を残したままクラウドPBXの利用が可能となります。アナログ回線はそのままのため、電話番号も変わりません。ただし、オフィスに機器を設置するので追加費用が必要となるだけでなく、オフィス移転時には電話番号が変わってしまいます。

適用できるのであれば、コストや手間のかからない、LNPを利用した電話番号引継ぎがおすすめです。LNPが不可能な電話番号の場合はゲートウェイを検討しましょう。

引き継ぎの条件

ここではLNPによる引継ぎを行う際の条件について解説します。次のような電話番号であれば、固定電話番号のLNPが可能です。

・NTTで取得した固定電話番号である
・NTT東日本、NTT西日本のひかり電話で取得した固定電話番号である
・NTTで取得した固定電話番号だが、LNPで他の通信キャリアに移行している

逆に、以下のような場合はLNPの対象外となります。

・NTT以外で取得した固定電話番号である
・固定電話番号がIP電話機に対応していない

LNP自体は可能でも、契約しているキャリアとクラウドPBXの相性が悪く、不具合を発生させるケースも存在します。まずはNTTおよび契約しているキャリアに問い合わせを行い、現在利用している電話番号がLNP可能か確認しましょう。

クラウドPBX利用時の注意点とは

最後に、クラウドPBXを利用する際の注意点について解説します。事前に知っていれば対策を講じることも可能なため、導入する際に意識しておきましょう。

利用できない番号がある

クラウドPBXには、緊急通報や時報など一部発信できない電話番号が存在しています。ベンダーやサービスによって提供できない番号は異なるため、導入前に確認するのがおすすめです。一例を紹介します。

・110:警察への緊急通報
・119:消防・救急への緊急通報
・118:海上事件・事故の緊急通報
・177:天気予報
・115:電報の申し込み
・117:時報
・113:設定・トラブルサポート
・144:迷惑電話お断り
・0570:ナビダイヤル

警察や消防への通報ができない点には特に注意です。社員に対しては、緊急時は会社の電話ではなく個人のスマートフォンなどから通報するように周知しておくと良いでしょう。

音質がインターネット環境に依存する

サービスの品質自体は向上していますが、インターネット環境によっては、音質や通信の安定性がダウンする可能性も存在します。

繁忙期でアクセスが集中して品質が低下する、オフィスにインターネット通信を阻害する機器が設置しており通信が不安定化するといった事例が報告されているので注意が必要です。まずは無料トライアルを行い、実際に利用した際の品質をチェックしましょう。

クラウドPBXの電話回線

クラウドPBXは、従来の電話回線ではなくインターネット回線を利用して通話や通信を行います。どのような違いがあるのか、インターネット回線にどのようなメリットがあるのか確認しましょう。

電話回線とインターネット回線の違い

電話回線とインターネット回線には、以下のような違いが存在します。

・回線の種類

電話回線は物理的な回線が用いられており、電話機に直接接続して内線、外線を利用していました。インターネット回線は物理的な配線が存在しておらず、インターネット通信で電話機同士を接続し制御します。物理的な制約がないため、離れた社員や拠点同士も接続可能です。

・接続の方法

電話回線は物理的な有線が用いられており、電話機に直接接続して内線、外線を制御してきました。インターネット回線はネットワークを利用する接続のため、無線での運用も可能です(品質安定のため有線接続するケースもあります)。

インターネット回線のメリットは、離れた拠点同士をインターネット回線で繋ぐことで、複数の事業所の内線・外線の制御を1つのPBXで運用できる点です。電話回線では拠点ごとに構築する必要のあったPBX(主装置)を集約できるので、運用コストの削減が可能です。

・導入期間の長さ

電話回線は物理回線を用いるため、工事業者による工事が必要となり、導入期間が数週間~数か月の長期に及びます。インターネット回線はそれらの作業が不要なため、短ければ数日~1週間まで導入期間を短縮可能です。また、メンテナンス作業もほとんど不要となります。

・利用できる機能

電話回線は内線、外線、転送、FAXなど限定した機能しか利用できません。クラウドPBXはCTI(コンピューターの画面上に顧客情報を表示する機能)、UC(メール、チャット、電話会議システムなど幅広いコミュニケーション手段を一元管理する機能)といったインターネット回線が必要な機能を多数利用できます。

インターネット回線を利用するメリット

インターネット回線を利用するメリットは、以下の通りです。

・コストが安い

インターネット環境があれば導入できるため、これまで必要だった機器設置や回線工事の費用が必要ありません。そのため、数十万円~数百万円必要だった初期費用を大幅にカットできます。これまで外線通話をする必要のあった外出中や出張中の社員ともネットワーク通信による内線通話が可能なため、通話料の削減も可能です。

・導入期間が短い

従来のPBXやビジネスフォンは利用開始まで最低1ヵ月は必要でしたが、インターネット回線を利用したクラウドPBXなら1~2週間での導入が可能です。急な支社設置やイベント開催など臨時の電話環境構築にも対応できます。

・端末を柔軟に選択できる

インターネット回線を利用するスマートフォンやソフトフォン(パソコンやタブレットを利用した電話機、コールセンターで多用される)を端末として選択できます。アプリをダウンロードするだけで利用できるサービスも多く、社員のプライベート用端末を業務用端末とするBYODを導入可能です。

・災害対策としても有効

災害発生時の対応や復旧手順をあらかじめ設定するBCP(事業継続計画)でも、インターネット回線が役立ちます。データはクラウド上で保存されるため、本社オフィスに被害が及ぶような災害でもデータ流失は発生しません。スタッフが自宅待機を強いられても、BYODを利用して業務を継続できます。

まとめ

ビジネスフォンからクラウドPBXに移行すると、回線、電話番号、電話機も変わります。導入を進める際は、環境の変化でトラブルが生じないよう注意が必要です。特に、電話機の変更やLNPは慎重に進める必要があります。ベンダーの協力を得ながら、初期トラブルや不具合のない運用を目指しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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