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リモートワークで生産性が下がる?丨生産性を低下させる原因とその対処法とは|トラムシステム

2020年に発生したコロナウィルスの流行により、社員がオフィスに出社することなく業務を行うリモートワークが注目されています。非常時においても事業活動が停滞しない、育児や介護といった事情を抱える社員の離脱を防止できるなど、メリットはさまざまです。

ただし、「リモートワークを導入すると生産性が下がるケースが報告されており、廃止や縮小を行う企業も存在します。リモートワークによって、生産性はどのように変化するのでしょうか?詳しく解説しますので、職場への導入を検討している方はぜひご覧ください。

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リモートワークが生産性を低下させる4つの理由

リモートワークとは、社員が会社のオフィスに出社せず、自宅やレンタルオフィスといった遠隔(リモート)地で勤務する形態のことです。在宅勤務・テレワークと呼ばれることもあります。チャットやメールを始めとするコミュニケーションツールの発展、パソコン一台で完結できる業務の増加により、「オフィスに出社して仕事をする必要性」が減少することで誕生しました。

リモートワークを導入した場合、従業員にもたらされると考えられているメリットは、以下の3点です。

・通勤や出社に必要な時間とストレスが削減できる
・介護、育児などの家庭の事情がある場合でも業務を継続できる
・ワークライフバランスが改善される

従業員だけでなく、会社側にも、以下のメリットがもたらされます。

・社員のモチベーションを向上させ、離職や転職を防ぐ
・交通費やオフィスの備品など、社員をオフィスで勤務させるためのコストが削減できる
・災害や疫病など非常事態発生時でも事業継続が可能

元々はアメリカを始めとする海外企業で採用されていましたが、近年はIT企業を中心に日本でも導入するケースも増加しています。民間だけでなく政府機関でも推進されており、総務省主導の下、企業にリモートワークを呼びかけて実施する「テレワーク・デイズ」も開催されました。場所や時間に囚われず、フレキシブルに働けるとして注目を集める形態です。

しかし、全ての会社がリモートワーク導入に成功したわけではありません。むしろ、アメリカでは縮小・廃止する企業も現れています。国際的大企業であるIBM社でも、一時期利用率が4割を超えていたリモートワークを廃止しました。「導入するとかえって生産性や収益が悪化した」、「アイディアが生まれにくい環境になる」といったケースも報告されています。なぜ、このような事態に陥るのでしょうか。

気軽なコミュニケーションが出来ない

リモートワークで勤務すると、社員同士のコミュニケーションが大幅に減少します。オフィスで自然と行われてる「どう?大丈夫?」「大変そうだね、手伝おうか」のような気軽な会話が困難となるからです。

このような状況下では、社員のEQが低下し、生産性に悪影響を及ぼすことが懸念されます。EQとは「心の知能指数」と呼ばれ、自分や他人の感情を認識し、協力しあう能力です。このEQが高いほど、仕事や人間関係にプラスの影響を及ぼすと言われています。

会社の風土に合わない人材を採用してしまう

リモートワークが増加すると、社員の何気ない言動や行動から個人の性格や特性を見極める機会が減少します。その結果、本来なら会社の理念や風土にマッチングしない社員も多数採用・勤務することとなり、不協和音が発生しがちです。

近年は、オフィスに一切出社しないフルリモートワークの勤務体系も登場しており、社員と会社の相互理解の機会はさらに減少すると見られています。ささいなすれ違いが離職や休職へと発展し、生産性が低下してしまうのです。

エネルギーが共有できない

オフィスだからこそ得られるエネルギーも、リモートワークでは共有できません。例えば、理想に燃えるベンチャー企業やスタートアップでは、オフィスにいる社員同士で情熱や理想を共有し、士気を高めています。しかし、リモートワークでは、そのような目に見えないエネルギーを感じることができません。

情報をコミュニケーションツールで共有することはできますが、それは業務報告に過ぎません。エネルギーを感じられないまま疎外感を感じ、やがて意欲が失われます。

サボろうとする社員と社員を信頼しない会社

リモートワークの最悪のシナリオは、「リモートなので業務をさぼっている可能性もある」と会社が社員を疑い、社員が「少しぐらい大丈夫だろう」と実際にさぼってしまうことです。人間関係は悪化し、生産性も下がり、やがてはリモートワークそのものが廃止されてしまうでしょう。

規模の大きい企業ほど、この問題は深刻です。リモートワーカーに割り振る業務がルーティンの単純作業になりがちで、社員のモチベーションが低下し、怠慢な行動へと繋がってしまいます。

リモートワークで生産性を上げるには

それでは、リモートワークによるトラブルを防止し、生産性を上げるためには、どのような施策が必要なのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。

ーテレワーカーとオフィスで勤務する人とのコミュニケーション手段の確立

遠隔による孤立感や疎外感をなくすため、コミュニケーション手段は複数確保する必要があります。

まず、社員同士気軽な対話を実現するビジネスチャットツールは、必ず必要です。「チャットワーク」や「Slack」など、企業での利用を前提としたツールが複数リリースされているので、自社の環境に適したものを導入しましょう。チャットによる「おはようございます!」「プロジェクト終わりました?」「話したいことがあります」といった気軽な会話が、コミュニケーションを活性化させ、EQを高めます。

アメリカでは、スマートフォンで操作できる遠隔ロボットも注目されています。カメラとマイクを通じてオフィスの状況を確認できるようになっており、その場にいるかのような臨場感で会話が可能です。

ー適切な勤怠管理と評価制度

勤怠管理と評価制度も、リモートワークに適した形に改変しましょう。

必要なのは、社員に一定の自由を許す勤怠管理、挙げた成果に応じた評価制度です。勤怠管理システムは、厳しく社員を管理しようとせず、ある程度自由な行動を許すよう設計します。評価制度は、事前に設定した成果が挙げられていれば、昇進や昇給を実行しましょう。

優秀な社員は短時間で業務を終了できます。業務スピードに関わらず一日◯時間勤務する、という考え方は、IT企業を筆頭に変化してしつつあります。職種・業務の多様化が進み、単純な労働時間で評価できないケースも増加しています。適切な制度を導入し、生産性とモチベーションを高められるようにしましょう。

ー会社の理念を理解した人材の採用

リモートワークによる社員同士のすれ違いやミスマッチを防止するためには、会社の理念や方針をしっかり理解した人材を採用する必要があります。

まず、企業のミッションとビジョンを形にし、採用人材に求める基準を明確化しましょう。応募者の経歴や能力だけでなく、人となりや性格もしっかり把握する必要があります。面接では自分の夢や目標を語ってもらい、会社が求める基準に合致しているか確認してください。このような採用活動を行えば、リモートワーク下でも、安心して社員に仕事を任せられます。

結局は社員個人の自己管理力による

様々な対策を施しても、会社の制度のみでリモートワーク中の社員を管理することは出来ません。生産性が上がるかどうかは、自己管理力にかかっています。そのためにも、社員一人一人が工夫を行いましょう。

ー仕事に集中できる環境を作る

生産性を高めるためには、集中力を持続できる環境を作る必要があります。自宅を利用する場合は、私物をなるべく撤去し、業務に専念できるにしましょう。特に明確なルールはないので、「自分にとって集中できる環境は何か?」を考えることが求められます。

ー業務の複雑な話はチャットやメールでは行わず、電話・ビデオ会議にする

複雑で込み入った話を行いたいときは、チャットやメールの利用は控えましょう。伝えたい内容が相手に伝わらず、思わぬトラブルが発生する場合もあります。声や表情を伝える電話・ビデオ会議の利用が望ましいです。

ーコワーキングスペース、カフェなどを活用する

自宅での作業が難しい場合は、利用料金を支払えば誰でも利用できるビジネス空間であるコワーキングスペース、静かに過ごせるカフェなどが候補に上がります。ただし、セキュリティ面でリスクがあるので、機密情報を扱う場合は注意してください。

ー朝一番のミーティングで生活リズムを作る

勤務時間が明確に定められていない場合、生活リズムを作ることが重要です。時間帯が不規則なままのリモートワークが続くと、ストレスが溜まってしまいます。朝一番のミーティングは必ず参加する、必要以上の残業はしないなど、リズムを定めて労働時間をコントロールしましょう。

ーイベントには積極的に参加する

リモートワークを実施している企業は、交流やコミュニケーションの機会として、食事会やパーティーなどのイベントを定期的に開催しています。可能な限り参加し、同じ会社で働く社員との親睦を深め、EQを高めましょう。

リモートワーク成功の秘訣は会社と社員の良好な関係

リモートワークで効率よく仕事をする上で大事なことは、会社と社員の良好な関係です。オフィス内部で人間関係や労働環境に問題がある場合、リモートワークでもトラブルが発生する可能性が高まります。これらの問題を解決した後、リモートワークを導入して生産性の向上を実現しましょう。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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