LAN配線工事を自分でやる時の注意事項|トラムシステム
LAN配線工事を自分たちでやりたい場合、どのような点に注意をすると良いでしょうか。また、どのような作業であれば業者に頼むのが正解なのでしょうか。この記事では、自分で配線する時の注意点と、業者に頼むべき部分の切り分けについて解説します。
注意1:スイッチングハブを多段で接続するのは極力避ける
ハブというのは接続すればするだけ減衰が起こります。ポート数の多いハブを元に設置し、そこからPCへ接続できるように配線を行うことでネットワークの正常運用、管理、トラブル防止などに繋がります。
最近の業務においてLANに異常が出るというのは致命的です。LANは初心者であってもネットなどでやり方を検索すれば、意外と簡単に繋がってしまいます。しかし、なんとなくの知識でやってしまうことはトラブルの元です。業務を止めない為にも、物理的な配線にはしっかりとした知識を持った上で慎重に行いましょう。
注意2:LAN配線は必ず行き先表示を行う
LAN配線は本数が多くなると、より一層管理が大切になってきます。誰が見ても分かるように先端に行き先表示をしておくと、トラブル時や増設時に非常に役に立ちます。これらは至極当たり前の事ではありますが、こういった小さなことこそつい忘れがちになってしまうのが現状です。もしご自分で配線されるのあれば、これらを含む最低限の注意事項はしっかりと守ることが安定した運用には必須です。
なお、当社ではこういった配線に関する相談だけでも承っておりますのでお気軽にご連絡下さい。
注意3:距離が10mを超える場合・・・
LANケーブルにとって距離は非常に重要な要素です。10m前後くらいであれば使用感に違いはほとんどありませんが、それ以上になると顕著に表われてきます。
距離が10mを超えている状況で安定・確実な運用を希望する場合は、業者へ依頼した方が賢明です。業者は専門的な知識と技術力を持っているだけでなく、業者の行う工事では品質のよいケーブルを使用します。(業者によっては例外もあります)一方、家電量販店で購入するものは大体が中国製の粗悪品で、これらの品質の差は距離が長くなるほど大きくなります。
業者に依頼すべきもう一つの理由が、配線の方法と管理です。業者は大体の場合、配線設計を行います。まず元に何ポートのハブを設置して、各島には必要台数分持っていくのか、ハブを設置して冗長性を持たすのか、など図に起こしそれをユーザの方と共有します。これら設計図は完成図書として提出したり、業者で管理を行います。
また、各フロアごとの状況に応じて適切な配線を行うことが出来るのも業者ならではです。
OAフロアの場合、プラスチック製の足付きのものなどはかなりの確率でケーブルを踏み断線又は通信障害を起こします。配線のプロである業者は当然こういった特性を把握しているため、配線経路を考慮しながら出来るだけ障害の起きづらいように配線することが可能です。
OAフロア以外の場合についても、モールなどの処理が必要になってきます。モールの曲がり部分は見た目には90度で曲げなければ景観上良くありません。しかし、そこでケーブルも直角に曲げてしまうと一気にデータの伝送速度は落ちてしまいます。こういった小さな違いで使用感に差がでて、業務に支障が出ることを考えると、コストを削減しようと自力でやるよりも業者に依頼するのが理想と言えます。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。