テレワークにクラウドを活用するには?メリットや導入ポイントを解説|トラムシステム
テレワークの推進に欠かせないのが、クラウドを利用したクラウドサービスです。業務のペーパーレス化、電話業務の効率化、コミュニケーションの活性化をもたらし、さらにセキュリティをより強固にします。
本記事ではクラウドの特徴、クラウドサービスのメリット、導入時のポイントについて解説します。テレワーク導入を検討中の方はぜひご覧ください。
目次
クラウドとは
クラウドとはインターネットを通じてITサービスを入手し、必要な分だけ利用する技術を指します。従来のITサービスとは違い、ハードウェアやソフトウェアを必要としないのが特徴です。
クラウド技術を適用したITサービスは、サービス提供者であるベンダーが設置したクラウドサーバー(インターネットの仮想空間上に存在するサーバー)に機能と情報が保存されています。
ユーザーは割り当てられたクラウドサーバーの領域にアクセスし、サービスを利用する仕組みです。オンプレミス(社内にサーバーを設置して自社で管理する形式)型より導入・運用コストが安価で、メンテナンスも不要となっています。
クラウドサービスの登場により、会計ソフトやメールサービスをはじめとするITサービスは、オンプレミス型からクラウド型へと置き換えられました。場所や時間に左右されずに利用できるため、社員が別々の空間で勤務するテレワークにも欠かせないツールです。
テレワークにクラウドツールが必要な理由
テレワークにクラウドツールが必要な理由は多岐にわたります。状況によって必要なツールも異なるため、複数のツールを導入して運用するのが基本です。
コミュニケーションを活性化するため
テレワークは社員同士の距離が遠くなり、オフィスでのやり取りを含む対面コミュニケーションが減少します。このような状況下でコミュニケーションを活性化させるのが、クラウドを利用したビジネスチャットやWeb会議システムです。
ビジネスチャットは文字、顔文字、画像などを利用し、メールよりも素早く気軽なコミュニケーションを実現します。電話で生じるクローズなやり取りもオープン化できるため、社員全員での情報共有を円滑に行えます。
「Zoom」に代表されるWeb会議システムは、それぞれの表情をパソコンやスマートフォンに投影し、表情を確認しながらの対面コミュニケーションが可能なツールです。資料の共有も容易なため、テレワークでは必須のツールとされています。
資料・情報を円滑に共有するため
テレワークでは資料や情報の共有が重要となりますが、従来のメールではスピードが遅く、誤送信などのセキュリティリスクが発生してしまいます。このような状況で役に立つのが、クラウド情報共有ツールであるオンラインストレージやプロジェクト管理システムです。
オンラインストレージは文字通りオンライン上に設置されたファイルの保管庫(ストレージ)です。インターネットに接続された状態で、ストレージに保存したいファイルをアップロードするとクラウド上に保管されます。保管された資料はインターネットがあればどこからでも閲覧や編集が可能です。
プロジェクト管理システムは、プロジェクトの進捗状況や情報をメンバー全員に分かりやすく示し、共有できます。オンライン上の資料、情報共有は秘匿性が高く、セキュリティ強化にも有効です。
適正な労務・人事管理のため
テレワークはその特性上、勤務時間をはじめとする労務、人事管理が難しい形態です。機密性の高い人事情報をオフィスの外に持ち出す必要があるため、クラウドによる勤怠管理や人事管理システムが欠かせません。
勤怠管理システムとはテレワーク中の社員が自らの勤務状況を記録し管理するためのシステムで、正確な労働状況の把握に繋がります。
人事管理システムは労務、人事、採用にいたるあらゆる情報をクラウドに保存するシステムで、個人端末にファイルを残す必要がありません。そのため、万が一個人のPC端末を紛失しても、システムのパスワードを変更すれば情報は保護されます。
業務効率化のため
テレワークが業務効率低下を招く場合もあるため、クラウドを利用した業務効率化ツールの導入が欠かせません。SFA(営業支援システム)やクラウドPBXが該当します。
SFAは顧客情報や商談の進捗度合いをオンライン化し、一元管理するツールです。営業部門の効率化やテレワーク時の顧客管理に利用します。業務の属人化を防ぎ、チーム一丸となっての目標達成が可能です。
クラウドPBXは、電話網の構築に欠かせないPBX(電話交換機)をクラウド化したサービスです。携帯電話でも会社の代表番号で発信できるほか、社員の保有するスマートフォンを内線化して活用できます。従来のPBXよりも安価かつ短期間で導入可能で、利用料金も安価となっており、電話業務全体のコスト削減と効率化に貢献します。
クラウドサービスのメリット
クラウドサービスを活用すれば、テレワークの実現や維持に関わる複数のメリットを得られます。どのようなメリットがあるか見ていきましょう。
場所を問わず利用可能
クラウドはインターネット環境さえあればいつでも、どこでも利用可能です。在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスなど、さまざまな形態が存在するテレワークでの利用に適しています。
副業や業務委託をはじめとする、社外の人間とのやり取りや情報共有にもクラウドが欠かせません。それぞれ離れた場所にいてもオンラインストレージで容易に情報共有できるだけでなく、秘匿性の高いやり取りをオンライン上で行えます。
メンテナンス・セキュリティ対策が不要
ITサービスは定期的なアップデートを必要としますが、クラウドのアップデートは常に自動で行われます。アップデートやメンテナンスを全てベンダーが代行しているからです。セキュリティの脆弱性も即座に修正され、安全に運用できます。
これにより、社内で大規模な運用管理体制を敷く必要がなくなり、社内システム運用者の負担が軽減されます。遅延などのトラブルもベンダーが対処するため、テレワークで社員同士が離れた場所で勤務していても、安定したオンライン環境を構築可能です。
他システムとの連係も可能
クラウドシステムはシステム同士の連係に必要な情報であるAPI(Application Programming Interface)を公開しているケースが多く、他システムとの連係が可能です。複数システムを組み合わせての機能拡張や、すでに導入しているシステムとの連動を行い、テレワーク業務の効率性を向上できます。
コスト試算が容易
従来採用されてきたオンプレミスサービスは、機器設置や配線工事など膨大な初期投資が発生していました。回線数増減やレイアウト変更で追加費用も発生するため、トータルコストの試算は容易ではありません。
それに対しクラウドサービスは機器や配線が不要なため、安価な初期投資で導入できます。利用した分だけ請求される従量課金制となっており、維持費も利用時間やユーザー数で決められているため、トータルコストの試算も容易です。
これらの特徴により、テレワーク導入時に発生するコストを抑えつつ、月々の費用を念頭に置いた業務計画を編成できます。
クラウドを活用したテレワーク導入のポイント
クラウドを活用したテレワーク導入を成功させるには、いくつかのステップを経る必要があります。はじめてテレワークを導入するときは失敗のないよう、導入後にトラブルが起きないよう、ステップを1つずつクリアしていきましょう。
導入目的を明確にする
クラウドシステムは多岐にわたるため、全てを導入してテレワークを開始するとコストが高騰してしまいます。まずは導入目的を明確にし、不要なツールを導入しないようにしましょう。
【クラウドシステムの導入目的別分類】
・コミュニケーション活性化:ビジネスチャット、Web会議システム
・情報共有:オンラインストレージ、プロジェクト管理システム
・労務管理とマネジメント:勤怠管理、人事管理システム
・業務効率化:SFA、クラウドPBX
人件費削減など社員に一方的に押し付けるような目的では浸透しないため、経営陣と社員双方がメリットを得られる導入目的が理想です。
ベンダーは複数比較してから選ぶ
導入目的が明確化した後は、クラウドサービスを提供するベンダーを選択します。その際は次のようなポイントを意識しながらベンダーを複数比較しましょう。
1.見積書の分かりやすさ、正確さ
「器具一式」といった分かりにくい記述は問い合わせを行いましょう
2.打ち合わせや下見の入念さ
トラブル防ぐため事前準備は入念に行ってください
3.アフターフォローの有無
問い合わせが可能な時間帯や連絡方法(電話・チャットなど)を確認してください
4.料金体系
従量課金制以外の料金体系を設定するベンダーも存在します
5.クラウドの形態
複数のユーザーが同じシステムを共有する中小企業向けのマルチテナント、1社向けの専用サービスを提供する大企業や機密情報を扱う企業向けのシングルテナントなどが存在します
6.セキュリティ対策
セキュリティに力を入れるベンダーではデータセンターの物理的なセキュリティ対策、ソフトウェアの脆弱性の判定と対策、ハードウェアの障害対策、不正アクセスの防止対策などが実行されています
7.電気工事やITに関する知見
クラウドPBXを導入する際は重要です(格安ベンダーの中には知見を持ち合わせていない業者も)
これらのポイントをもとに比較することで、自社にとって最適なサービスが可視化されるだけでなく、価格競争によるコスト削減効果も期待できます。
無料トライアルを利用する
多くのクラウドサービスは無料トライアルが可能となっており、本格導入前にサービスの品質をチェックできます。確認すべきポイントは以下の通りです。
【無料トライアルでのチェックポイント】
・音声や映像の品質
・サービスの使いやすさ
・機能の充実度
・トラブル対応の正確さ
トライアル終了後自動的に本契約となるサービスも存在するため、実施前に条件や規約を確認しておきましょう。
社内説明会の実施・マニュアルを用意する
クラウドサービスは順応する社員がいる一方、どうしても苦手意識を持つ社員のために事前の説明会やマニュアルの準備は必要です。
説明会は複数回開催し「操作方法が分からない」「使いづらい」といった不満が出ないようにしましょう。導入前から根回しを行い、事前に了解を得ておくことも重要です。
テレワーク用のコミュニケーションルールを決める
テレワークでは、チャットやWeb会議システムを気軽に対話できるコミュニケーションツールとして用います。ただしマナーの存在しない無法状態は危険です。テレワーク用のコミュニケーションルールを制定し、互いが気持ちよくコミュニケーションできる環境を整えましょう。
例えば、下記のようなルールが考えられます。
1.業務連絡であると意識する
5W1Hを意識し、伝えるべき情報だけを伝えましょう
2.クイックレスポンスを心がける
チャットはすぐ埋もれるので、できるだけ早く返信しましょう
3.相手からのクイックレスポンスは求めない
返信がない=忙しい状況と解釈するのが無難です
4.感情を表現する
顔文字や絵文字を活用し「ありがとうございました」など感謝の言葉を添えましょう
5.メールとの使い分けをする
社外の人間とのやり取りや重要事項の連絡にはメールを用いましょう
6.業務時間のみ利用する
社員全員のプライベートを保護するため、業務時間外の連絡は極力控えましょう
チャットが苦手な年配の社員には訓練を施し、日々の業務に少しずつチャットを利用していくよう指導してください。
まとめ
テレワークへのクラウドツール導入は、コミュニケーションや情報共有をはじめとする業務効率を高め、より快適なテレワーク環境を実現します。ただし、やみくもにツールを導入するのではなく、導入目的に沿ったものでなくてはなりません。
本記事の内容をもとに、自社の目的に適したクラウドツールを選択し、テレワーク導入を成功させましょう。
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WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。