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コールセンターの働き方改革丨ワークライフバランス実現への取り組みを紹介|トラムシステム

離職率が他業界と比べて高いと言われているコールセンター・コンタクトセンター。そこで求められているのが、働き方改革によるワークライフバランス実現です。オペレーターの定着率を改善するだけでなく、応対品質の改善やセンターの生産性向上にも繋がります。現場に抜本的な働き方改革をもたらす方法について解説します。

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働き方改革とは

働き方改革とは、働くの人の事情に応じた柔軟な働き方や、雇用形態に関わらない公正な待遇を目指す取り組みです。政府が2019年から順次適用している「働き方改革関連法案」によって推進されています。労働人口の減少や労働者のニーズの多様化といった課題に対応し、生産性向上や就業機会拡大を実現するのが目的です。

働き方改革は、以下の3本柱を中核としています。

同一労働同一賃金:仕事内容に応じた給与を支払うことで、正規雇用と非正規雇用の格差をなくす
残業時間上限規制:残業時間に月100時間、年間80時間の上限を設ける
脱時間給制度(高度プロフェッショナル制度):1,000万円以上の対価をもらっているプロフェッショナルには、時間ではなく成果物で給与を決定する

これらを着実に実施し、魅力ある職場や定着率の改善を実現します。

ワークライフバランスとは

働き方改革を成し遂げる上で欠かせない要素が、ワークライフバランスです。「仕事と家庭のバランス」という意味があり、内閣府が発表した仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章では以下のように定義されています。

誰もがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たす一方で、子育て・介護の時間や、家庭、地域、自己啓発等にかかる個人の時間を持てる健康で豊かな生活ができるよう、今こそ、社会全体で仕事と生活の双方の調和の実現を希求していかなければならない。

参考:「仕事と生活の調和」推進サイト

何故、今の日本社会でワークライフバランスの重要性が叫ばれているのでしょうか。主な理由は以下のとおりです。

・労働者不足
少子高齢化により労働者が減少し、企業(特に中小企業)で人員確保が難しくなった

・人材の流動化
新卒社員の3割が早期離職するなど、複数の企業を渡り歩く社員が珍しくない時代に

・働き方の多様化
介護、育児などライフスタイルの変化に応じた働き方を社員が求めるようになった

このような状況下で労働力を確保し、競争力を維持するには、ワークライフバランスの改善が欠かせません。ワークライフバランスが整っていれば、社員のモチベーションや定着率が向上し、採用市場に置いても有利な交渉が実現します。

コールセンター(コンタクトセンター)にワークライフバランスが必要な理由

コールセンター運用においても、ワークライフバランスが重要なキーワードとなります。ただ従業員が働きやすくなるというだけでなく、企業にも多数のメリットがもたらされるのです。コールセンターの働き方改革は、まずワークライフバランスから着手しましょう。

優秀な人材の定着

ワークライフバランスを実現することで、優秀な人材が離職せず、企業に定着するようになります。特に、仕事と家庭の両立が求められる女性社員の定着が可能です。定着率が向上すると教育コストも削減されるため、長期的なコスト削減にも有効です。

従業員満足度の向上

ワークライフバランスは従業員満足度を高めます。残業時間の削減や勤務形態の選択肢増加により、社員1人1人の状況に応じた働き方が可能だからです。「働きやすいコールセンター」として有名になれば、優秀な従業員の確保にもつながります。

業務効率化

社員の満足度が高まり、やる気が向上することで業務効率化に繋がります。残業時間の削減が求められるため、IT機器導入による自動化や企業風土の整備も推進されやすいです。ただし、持ち帰り残業といった数値上の効率化のみを実現する行為は防がねばなりません。

応対品質の向上

働きやすい環境は仕事に対する前向きな姿勢を生み、オペレーターが業務に対してより真摯に取り組みます。結果、応対品質が高まり顧客満足度の向上が可能です。売上や生産性も向上し、競争を勝ち抜ける企業に成長できます。

オペレーターの心身の健康を保てる

コールセンターのオペレーターという仕事には、長時間労働、クレーム対応やノルマなど業務ストレスが大きい、いつも同じ業務の繰り返しといったイメージを抱いている人も少なくありません。実際、これらが原因で心身に不調をきたすケースも起きています。

ワークライフバランスは、こういったストレスによる離職を防ぐだけでなく、体調不良による急な欠勤も防止可能です。欠勤防止は応対品質や労働環境を維持する上でも重要な要素なので、ワークライフバランスを通じた対策が求められます。

ワークライフバランス実現への取り組み

最後に、コールセンターでワークライフバランスを実現する取り組みの一例を紹介します。短期間の準備で実行できる取り組みも存在するため、自社の環境に適したものから順次導入していきましょう。

多様な働き方の提供

コールセンターには、シフト制や時短勤務など、多様な働き方に繋がる文化が醸成されています。それらの文化を生かし、従業員が選択できる働き方のバリエーションを増やしていきましょう。状況に応じて時短勤務とフルタイム勤務を使い分ける、フレックスタイム制や在宅勤務に移行する、希望の職種に異動するといった選択を可能にすれば、働きやすい職場となります。

休みやすい環境作り

コールセンターは長時間 労働が発生しやすいため、休みやすい環境づくりが何より求められます。その際に重要なのが、特定の社員のみしか担当できない「属人的な業務」を無くす取り組みです。業務内容を全社員で共有し、勤務中のオペレーターがあらゆる事態に対処できる体制を構築しましょう。ベテラン社員が勤務時間以外で職場に留まる必要がなくなり、休みやすい環境となります。

突発的な業務の削減

やむを得ない休日出勤や残業など、突発的な業務を削減する取り組みも重要です。1つ1つはささいな出来事でも、積み重なればコールセンター業務全体を圧迫します。突発的な業務が発生した際は必ず記録し、複数人で議論して対策を練りましょう。

キャリア教育

得られるスキルやキャリアパスが乏しいというイメージを払拭するため、キャリア教育にも力を入れましょう。オペレーター、リーダー、SVなど、キャリアパスを提示し、目標を持って業務に取り組めるようにすれば、社員のモチベーションや集中力も高まります。
研修制度やフォロー体制にも力も入れ、社員がモチベーションを維持できるよう支援しましょう。

教育体制の充実:よくある質問やトラブルをまとめた、課題解決型のカリキュラムを用意する
ストレス軽減:福利厚生やリフレッシュルームを充実させる
定期的な研修:フォローアップ研修やメンタルフォローなど、状況に応じて様々な研修を実施する

これらのポイントをもとに、研修制度の改良を行うのがおすすめです。

職場環境の改善

女性社員が多いコールセンターでは、職場環境や雰囲気の改善も効果的です。例えば、次のような点を改善するだけで職場の環境は大きく改善するでしょう。

水回り:トイレやキッチンを清潔にする、メイクスペースを作る
備品、フロア:古い椅子や机などを入れ替える、カーペットを新調する
休憩場所:1人1人が十分なスペースを確保できる広さにする、軽食や飲み物を購入できるようにする、観葉植物やソファなどでおしゃれな雰囲気作りをする
明るさ:十分な明るさを確保して活発に働けるようにする

実際に勤務している女性社員の意見を取り入れながら、1つずつ改善していきましょう。

まとめ

ワークライフバランスは、働きやすい職場環境だけでなくコールセンター・コンタクトセンター全体の生産性向上をもたらします。小規模な案件からのスモールスタートも容易なため、社員と協議しながら1つ1つ実行していくのがおすすめです。ワークライフバランスからセンターの働き方改革を成し遂げましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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