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2019.06.12

Web会議システムはオンプレミスかクラウドか丨特長・メリットを比較|トラムシステム

Web会議システムにはオンプレミス型とクラウド型があり、どちらもメリットとデメリットがあります。自社にとって最適なのはどちらの利用形態なのか?それぞれの利用形態の特徴やコスト、注意点などを詳しく解説しています。

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オンプレミス型Web会議システムとは

オンプレミス型Web会議システムとは、自社サーバ内に設置するWeb会議システムのことです。

オンプレミス型Web会議システムでは、自社サーバ内にWeb会議システムに関連する各設備を設置することになるため、社内の要望に合わせて自由にカスタマイズすることができます。
また、自社のセキュリティポリシーに準拠した堅牢なWeb会議システムを構築することも可能です。

一方で、自社ですべての機器を調達し、社内の要望を満たすために要件定義から設計、構築、試験といったシステム開発に必要な工程をすべてこなす必要があるため、初期コストが高くなり、構築後も定期的なメンテナンスや監視体制なども必要になることから維持コストもかかります。

このようなオンプレミス型Web会議システムを導入した場合のメリットやデメリットを以下で詳しく解説していきます。

メリット

オンプレミス型Web会議システムのメリットは3つあります。

(1)自社の利用用途にあったカスタマイズができる
オンプレミス型でWeb会議システムを構築する場合、カスタマイズに高い柔軟性があり、利用する部門の要望に合わせた環境を構築することができます。

例えば、多数の拠点を本社ですべてモニタリングできる環境を構築したり、Web会議システム上で拠点ごとにアンケートが取れる仕組み、発言や端末の共有状況に応じて自動的に画面が切り替わるなど、自社の業務にあったWeb会議システムを構築することで業務効率を向上させることが可能です。

導入するサービスの種類によっては、導入時に自社の要望に合わせて適切な状態に仕上げてから納品してくれるため、オンプレミス型で導入を進める場合には事前に関係者からヒアリングを行い、導入要件を整理しておきましょう。

(2)自社のセキュリティポリシーに準拠した堅牢なセキュリティを維持できる
オンプレミス型は自社のネットワーク内に専用サーバを調達して構築していくため、非常にセキュリティレベルの高いWeb会議システムを構築することも可能です。

例えば、VPN回線経由でWeb会議システムのサーバ群と接続させることができれば、一般的なインターネット経由のWeb会議システムに比べて非常に高いセキュリティレベルを保つことができます。

セキュリティレベルは導入する企業によって大きくことなることから、特に高いセキュリティレベルを要求されるような業界、部署では大切な検討項目の一つになります。

(3)通信の安定性を確保できる
クラウド型のWeb会議システムの場合、不特定多数の顧客を同じサーバ内で管理しています。

例えばある特定の企業が大量のトラフィックを発生させてしまった場合、同じサーバ内の顧客はその大量のトラフィックの影響でデータ通信が細くなり、なかなかつながらなかったり、途中で回線が切れてしまうと行ったことが発生します。

オンプレミス型のWeb会議システムは、導入する企業のみが利用できる環境となるため、外的要因の影響を受けずにWeb会議システムを使うことが可能です。

デメリット

オンプレミス型Web会議システムのデメリットは3つあります。

(1)自社でサーバ調達からネットワークの契約、要件整理や詳細設計など、多額の初期費用が必要
オンプレミス型のWeb会議システムでは、機器を購入してもリースしても多額の初期費用が必要になります。

一つのシステムを動かすことになるため、サーバ群を設置するデータセンターや各サーバ調達、関連するデータ設定などの機器に関連する費用に加えて、利用者の要望を吸い上げる要件整理や詳細設計、そこから構築して試験をしてリリースするといった一連の作業が必要になり、相応の人件費がかかります。

長期的な利用の場合、クラウド型に比べてオンプレミス型の方が安くなることはありますが、いずれにせよ多額の初期費用を準備しておく必要があることは認識しておきましょう。

(2)Web会議システム利用開始までに非常に長い時間がかかる
オンプレミス型でWeb会議システムを構築すると、少なく見積もったとしても3ヶ月以上構築に時間がかかります。

各機器の調達や設定作業などもありますが、要件定義などは利用者が増えれば増えるほど複雑になってしまい、関連部署の調整に時間を取られてしまう可能性もあります。

Web会議システムをすぐに利用して業務効率化を図りたいと考えている場合には大きな足枷となってしまいます。

(3)メンテナンスはすべて自社で対応しなければならない
クラウド型とは異なり、オンプレミス型で構築した場合にはサービス利用開始後の保守メンテナンス、監視作業はすべて自社で対応しなければなりません。

技術力のある社員を一定数確保して体制を維持し続ける、もしくは保守業務を外注するなどして維持できる体制を構築しておかないと、なんらかのトラブルが発生した場合に対処ができなくなります。

例えば、Web会議システムを起動しても立ち上がらず利用できない場合、ソフトウェア/ハードウェアのどちらの問題なのかを切り分ける必要があります。
ソフトウェアであればWeb会議システムを提供しているベンダーへ調査を依頼、ハードウェアであれば更にネットワークの問題なのか、回線の問題なのか、他の問題なのかを切り分けて対処しなければなりません。

対処が遅れた場合にはWeb会議システムは継続的に利用できない状況に陥ってしまい、業務に支障ができることが避けられません。

企業によっては技術者がいなかったり、体制が不十分で柔軟な対応ができないケースも散見されるため、導入後の体制を維持できるかどうかは導入前に予め確認しておくと良いでしょう。

クラウド型Web会議システムとは

クラウド型Web会議システムとは、クラウドサービスベンダーが提供するWeb会議システムをインターネット回線経由で利用するWeb会議システムのことです。

オンプレミス型とは異なり、自社でWeb会議システム専用機器を調達したり、利用するための専用回線を手配するなどが不要で、インターネット回線さえあればどこにいても利用することができます。

そのため、オンプレミス型に比べると導入ハードルも低く、まずは手軽に試してみたいと考えている方にとっては最適な利用形態です。

クラウド型のWeb会議システムを導入した場合のメリット、デメリットを以下で詳しく解説していきます。

メリット

クラウド型のWeb会議システムを利用するメリットは3つあります。

(1)常に最新状態でサービスを利用できる
クラウド型では、クラウドベンダーがWeb会議システムに関連する設備を保有しており、利用者はサービス契約をしてさえいれば簡単に利用することができます。

Web会議システムを構成している各種サーバ、ネットワークなどは購入後に経年劣化してくるため、老朽化と共に機器のリプレイスを行う必要があり、また最新バージョンのサービスを利用するためには自社でバージョンアップの対応を行う必要があります。

クラウド型ではこのような機器の管理が不要であり、定期的な製品のバージョンアップもクラウドベンダーが実施しますので手間がかかりません。

その結果、利用者はサービス利用料を支払うだけで常に最新状態でサービスを利用することができ、ますます便利にWeb会議システムを利用できるようになります。

(2)サーバや関連する機器の管理が不要になる
オンプレミス型ではサーバや関連する機器は自社で管理、メンテナンスする必要がありましたが、クラウド型では、クラウドベンダーがすべて対応します。

不具合があった際の復旧や、故障があったサーバのリプレイス、24時間監視による障害時の即座対応などもすべてクラウドベンダーが実施するため、自社に技術者が少なかったとしてもWeb会議システムを安定的に利用することが可能です。

(3)安価なコストでスタートできる
クラウド型のWeb会議システムでは、自社で専用の設備を保つ必要がないことから、初期費用は非常に安く抑えることができます。

また、運用や管理も自社で行う必要がないため、維持管理に関する人件費も不要になり、サービス利用料自体もユーザー課金となっていることが多く、1ユーザー数千円程度で開始することが可能です。

デメリット

クラウド型のWeb会議システムを利用する際のデメリットは以下の2点です。

(1)セキュリティ対策はサービスベンダー次第
クラウドベンダーにおんぶに抱っこ状態でWeb会議システムを利用することになることから、セキュリティ対策もすべてクラウドベンダー次第となり、いつどのような対策を実施すると行ったことも勝手に決めることができません。

例えば、自社でセキュリティポリシーが変更になって対応しなくてはならなくなったとしても、クラウドベンダーの都合や特別料金の支払い、もしくはそもそも対応できないといった状況になる可能性があります。

特にセキュリティに関する意識が高い金融機関では、高いセキュリティポリシーを掲げていることが多いため、注意しておく必要があります。

また、多くの企業が同じサーバで管理されていることから、例えば他の企業で設定された内容に不備があり、セキュリティが脆弱となってしまった場合、その脆弱な部分に対して攻撃を受けてしまうと自社にも影響が出てしまいます。

(2)SaaS利用になるため、接続不良や繋がりにくい状況が起こる可能性がある
クラウド型では、クラウドベンダーが提供するサービスを多数の企業が使用しています。

中小企業から大企業まで多くの企業が利用することになるわけですが、多数の企業を同じサーバ内で管理していることから、特定の企業が大量にアクセスしてサーバ負荷が増大すると同じサーバ内で管理している他の企業の利用が不安定になることがあります。

このような状況はすぐに解決することもあれば、サーバダウンなどにより復旧までにかなりの時間を要することもあり、重要な会議を行う予定でメンバーを招集したのに開催できなかったということが発生する可能性があります。

一般的にはクラウドベンダーもそのような状況にならないよう、常に監視をしてすぐに対策を施せるようにしていますが、たくさんの利用者が利用するサービスを利用するということから、発生しうるということを念頭に置いておきましょう。

オンプレミス型かクラウド型か

オンプレミス型のWeb会議システム、クラウド型のWeb会議システムはどちらもメリットとデメリットがあるため、自社で重視するポイントを確認してどちらの利用形態を採用すべきか検討します。

特に一度導入してしまったシステムは長期間利用する可能性が高いため、初期費用だけではなく運用費用にも注目してトータルコストに注意しておきましょう。

それでは、検討ポイントごとにどちらの利用形態を使用したほうがいいのかをまとめておきます。

・低コストでスタートしたい場合は、クラウド型
低コストでまずはスタートしたい、はじめての利用なので使い勝手を見ながら判断していきたいという場合にはクラウド型をおすすめします。

クラウド型は初期費用を抑えて導入することができ、また最低利用期間を過ぎれば解約して違うサービスに乗り換えたり、オンプレミス型で構築したりと選択肢が広がります。

・ネットワークの安定性を重視したい場合は、オンプレミス型
いつでも安定した接続環境で利用したいという場合にはオンプレミス型がおすすめです。

オンプレミス型では自社の都合に合わせた自由なカスタマイズが可能であり、安定した接続環境を設けるためにサーバを増強したり、ネットワークを最適化したりと自由に調整ができます。

クラウド型のように他社の利用用途によってサービスが不安定になることもありません。

・メンテンナンスフリーを実現したい場合は、クラウド型
Web会議システムを導入後のメンテナンスをできる技術者がいない、資産管理をしたくないという場合はクラウド型をおすすめします。

クラウド型ではクラウドベンダーがWeb会議システムに関連するサーバや各機器の監視、運用保守を行っているため、利用者はサービス利用料を支払うだけでメンテンナンス作業が不要になります。

特に中小企業で避ける人員が少ない場合は本業に集中したいため人的リソースを使いたくない場合に有効です。

・セキュリティに不安がある場合は、オンプレミス型
オンプレミス型は自社のセキュリティポリシーに準拠した堅牢なシステム構築が可能です。

サーバを設置しているデータセンターをより強固なものにしていく、様々なウイルスチェックや監視で不正な処理が行われていないかを確認する、または最新のセキュリティホールに即座に対応するといった自社の都合で様々な対策を施せます。

セキュリティ意識が高い金融機関や官公庁、また個人情報を多く扱っている企業などはセキュリティを自由に強固にできるオンプレミス型がおすすめです。

まとめ

Web会議システムはオンプレミス型とクラウド型があり、自社の都合に合わせて選択することで快適にWeb会議システムを利用することが可能です。まずは自社の要件を整理してどちらの利用形態が自社に適しているかを確認して導入検討を進めてみてはいかがでしょうか。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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