クラウドPBXや電話システムについてIT・通信のプロが解りやすく解説|voice

ビジネスフォンやクラウドPBXを電話・通信のプロがわかりやすく解説!

\ クラウドPBX資料 /

無料ダウンロード

フリーワード検索

電話が故障した!修理前に確認したい5つのポイントと対応方法|トラムシステム

日々の業務で利用しているビジネスフォンが故障すると、業務への影響もあり一刻も早く復旧したいと考えると思います。ビジネスフォンが動かなくなった、調子がおかしい、という場合のよくある症例と対応方法を紹介します。

サムネイル画像

ビジネスフォンの仕組み

故障時の原因究明のためには、ビジネスフォンの仕組みについて理解しておくことが重要です。

ビジネスフォンは家庭用電話機とは異なり、電話回線の引き込み口と本体を接続するだけで動くものではありません。まず、電話回線の引込口と主装置を接続します。(主装置の役割についてはこの後で解説しています)その後主装置とローゼットと呼ばれる小型の機器を接続し、モジュラーケーブルを介して各内線電話機と接続します。ローゼットには主装置からの配線を各内線電話機に分岐する役割があります。

つまり、ビジネスフォンは「電話回線の引込口 → 主装置 → ローゼット → モジュラーケーブル → ビジネスフォン」といくつかの機器やケーブルを通して設置する必要があります。

ビジネスフォンが故障する原因箇所

それでは、ビジネスフォンを使用する際に発生する故障原因箇所について、外部から音声データが届くところ(上流)から実際の端末(下流)に届くまでの流れで解説していきます。

電話回線

最初に外部から音声データが届いた場合(例えばお客様から架電があった場合)、電話回線を通じて社内に音声データが伝達されます。最初に故障原因箇所として挙げられるのがこの電話回線であり、電話回線は物理的なケーブルを使用していることから、経年劣化や煩雑な取り扱い、初期動作不良といった原因から断線やショートが起こる可能性があります。

主装置

次に故障原因箇所として挙げられるのがこの主装置です。

電話回線に問題がなければ社内の該当端末に音声データが伝達され、複数の電話回線を制御する主装置(PBX)に音声データが一度集約されます。主装置はビジネスフォンを利用する上で最も重要な機器と言え、そこには常に多くのデータが集約されます。そのため、経年劣化などによる故障も多く発生します。

配線コード

主装置で問題なく処理された後は、配線コードに音声データが渡され、各担当者が保有する端末へ音声データを伝達します。次の故障原因箇所として挙げられるこの配線コードは、電話回線と同じく断線するリスクがありますので注意が必要です。

端末

回線、主装置、配線に問題がない場合、端末に問題がある可能性があります。日々の業務で利用する端末は、コールセンターなどの場合は特に利用頻度が高く、使い方によっては強い衝撃(地面に落とすなど)、埃や塵などの細かいゴミが端末に入って電子信号を妨げられる、といったことが発生します。

ビジネスフォンが動かない時に確認すべき5つのポイント

端末が故障していないか

端末は社員の使い方や利用頻度、年数で消耗具合が異なり、経年劣化や埃や塵が端末内に蓄積して電流を阻害することで故障することがあります。特定の端末だけで通話ができないケースが発生した場合には、最初に端末不良を疑いましょう。

特定の電話機端末が使えない場合は、まずは電話機端末に接続されている配線を確認します。主装置から接続された配線ケーブルが電話機端末にしっかりと接続されているか、接続されている場合には一度抜いてから再度差し込んでみて接続ができているかランプの表示を確認します。また、予備の配線ケーブルがある場合には、予備の配線ケーブルに変更して接続確認をしてみましょう。エラー表示のまま変わらなければ他に問題があると想定します。

配線ケーブルに問題がなければ、電話機端末自体を交換します。電話機端末を新しいものに交換するのではなく、正常に動作している別の電話機端末を設置した上で動作確認をします。そうすることで、接続できれば電話機端末自体の問題、接続できなければ電話機端末以外に問題があると問題の切り分けが可能になります。

主装置(PBX)の電源が抜けているまたは、OFFになっている

ありえないようで意外とあるのがそもそも電源が入っていないというケースです。ビジネスフォンに限らず私生活でもよくあるパターンではないでしょうか。以下の内容を確認してみましょう。

・主装置の電源コードがコンセントに差し込まれている
・コンセント側の電源は電力が供給されているか(違う装置、機械で接続してみて試す)
・主装置に電気を通しているブレーカーに問題はないか
・主装置の電源がそもそもオフになっていないか

主装置(PBX)に問題がないか

主装置の電源をオンオフ切り替えた後、しばらく様子を見ても電源が入らないようであれば主装置自体に問題があると考えられます。この場合は自分で対応するのが困難なため、ビジネスフォンを購入もしくはリース契約した業者、代理店に問い合わせをして修理を依頼します。

ケーブル配線に不良がないか

ケーブル自体の問題は大きく”ショート”と”断線”があります。ショートとは電気は流れるが電源から流れてきた電気がビジネスフォンを通らずに近道をして電源に戻ってしまう状態です。断線は電線が切れてしまい電気がビジネスフォンまで流れなくなった状態です。

このショートや断線でよくあるパターンとしては、

・何か重たい装置や機械などの下敷きになっている
・湿気や清掃時などで水浸しになっている、なっていた
・経年劣化や熱により劣化している

が挙げられます。

重たい物の下敷きになってしまっている場合、それらを取り除いたあとで問題が解消しているかを確認しましょう。電線などに問題がある場合、外見からは判断ができないため、配線コードの差し替えや業者に問い合わせをしてみましょう。

主装置(PBX)の基板は問題ないか

ビジネスフォンは主装置内に設置されている各種基板の設定によって、外線から内線に接続したり、転送しています。かなりのアクセス集中と様々な業務をこなすことから、この基板が故障してしまうことがあります。

基板は主に以下のような種類で構成されています。

・内線用途の基板(多機能内線、ISDN回線、など)
・外線用途の基板(アナログ回線、専用回線、など)
・制御用途の基板(CPU、PB信号、など)
・機能用途の基盤(ボイスメール、会議通話、など)
・電源用途の基板(主装置内の電流や電圧の交換、など)

故障の段階であらかじめどの基板が故障しているか判断が付けば、購入した業者や代理店に伝えて交換を依頼することができますが、難易度が高いため主装置の基盤に関する障害が発生したら、すぐに担当窓口に問い合わせを行い対応してもらいましょう。

端末や部品の交換・修理について

調査や問い合わせの結果、故障と判明した場合は修理・または買い替えが必要です。主装置のユニットが故障した場合、部品交換によって修理ができることもありますが、購入から長期間過ぎている機種の場合、修理用の取替パーツがメーカーから販売されていないことがあります。ビジネスフォンの販売メーカーが部品を保有する期間は、製造打切り後7年間であるため、それ以降はパーツをメーカーから取り寄せることができません。

世に多く出回っているメジャーなモデルの場合はメーカー以外の修理業者等で対応している場合もありますが、パーツがなくて修理ができない可能性もあるため、まずは販売店やメーカーに問い合わせしましょう。

日々の業務で利用する事務機器のため一日も早く修理を行いたいところですが、修理にかかる時間については

  • 部品交換が不要な対処で解決できる軽微な問題であれば1〜2営業日程度
  • 部品の交換や端末本体の交換が必要な場合は、10営業日以上(在庫の有無による)

新品のビジネスフォンを購入している場合には、ほとんどの場合で保守契約が締結されていることから交換などに関わる費用は期間内に限れば無償になります。

また、配線コードの接続不良や故障の場合も電話機端末の故障と同じく代替の配線コードに切り替えるだけで対処ができるため対処までの期間も短く、費用もそれほどかからないと考えて良いでしょう。

いずれの場合にしても、購入時やリース契約などの契約前に保守契約があるかどうか、保証範囲がどこまでで、保証期間はいつまであるのか事前に確認しておきましょう。加えて、万が一に備えて代替機の確保や故障時の対応手順なども並行して確認しておくことも重要です。

まとめ

ビジネスフォンはビジネスで業務を遂行していくためにはなくてはならない装置、機器であり、万が一故障してしまうと業務自体が全てストップしてしまうため、被害は甚大になると想定されます。

いざという時に焦らないよう、対処方法を事前に準備していくとともに、普段からオフィスフロアでケーブルに物を乗せるなどして圧迫させない、定期的に主装置のメンテナンスを行う、充電池などの消耗品の使用期間を記録しておく、などなるべく障害が発生しないような取り組みが重要です。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

注目記事Recommend Post

  • コールセンターのインバウンド・アウトバウンドとは?オペレーター向きの人も紹介

  • コンタクトセンターシステムとは丨機能・仕組み・選び方を解説

  • クラウドPBXはここが違う!仕組み・メリット/デメリット・セキュリティ

    2020.12.20