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2021.01.06

コンタクトセンター / KPI / CES / 顧客満足 / スコア /

コールセンターの評価基準「CES」とは丨重要性や改善のポイントを解説|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターの運用状況は、評価指標をもとに評価しなければなりません。評価指標の数値をもとに業務フロー改善やクレーム対策を行えば、コールセンターの持続的な成長が実現します。

近年注目されている評価指標が「顧客が課題解決にどれだけの労力を要したか」を計測するCES(顧客努力指標)です。本記事で詳しく解説するので、コールセンター業務に携わる方はぜひご覧ください。

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CESとは

CESとは、コールセンターの顧客が課題解決の際に感じた労力やストレス、総じて不満足度を計測するために開発された評価指標です。

顧客の満足度を計測する一般的な評価指標とは違い、不満足度を計測して改善すべきポイントを洗い出します。「より商品やサービスを簡単に利用してもらうためにはどうすれば良いか」「品質を底上げするにはどうすれば良いか」を探るのに適した指標です。

CESの役割・重要性

CESを算出することで、顧客がコールセンターで苦労せず情報やサービスといった価値を得られているか?を計測できます。

例えば、CESが低い場合、顧客が苦労せずに製品の価値を得られているということになります。顧客に余計なストレスや不満を与えていないということを意味するので、コールセンターとして望ましい状況です。

反対にCESが高いということは、製品を理解し有効活用するまでに障害が多いということになります。期待する価値を得るまでに時間がかかっている = 成功までが遠いという状況なので、コールセンターとして早急に対策が必要です。

「なぜそのようなスコア付けましたか?」という設問を追加すれば、顧客がどの場面でストレスを感じているか、負担がかかったかを詳しく調べることができます。

NPS(顧客ロイヤリティ)との関係

コールセンターの評価指標の1つであるNPSとCESは、正反対の関係にあります。

NPSとはNet Promoter Score(ネットプロモータースコア)と呼ばれ、企業やブランドに対する愛着、信頼を表す顧客ロイヤルティを測る指標となります。

「サービスや商品に満足しましたか?」ではなく「サービスや商品を他人に勧めたいですか?」と尋ねるのが特徴です。他人に商品やサービスを紹介したいという想いが強いほど、売上や継続利用率も高まることが判明してきたため、コールセンターの現場で積極的に用いられています。

このように「愛着」を示すNPSに対し、正反対の「不満」を示すのがCESの特徴です。

CESは顧客を維持できる割合であるリテンション率との相関性が高いと言われており、NPSと合わせて重視することで顧客離れを阻止できます。顧客のサービスに対する「不満」を減らしつつ、いかに「愛着」を高めていくのかが今後のコールセンターの課題です。

CESの計測方法

CESでは「サービスを利用するにあたってどれほどの負担がありましたか?」「抱えていた課題を解決するお手伝いができましたか?」などの設問を投げかけ、0~5の6段階または1~7の7段階で評価します。

数字が低いほど好意的な意見、高いほど批判的な意見となっており、好意的な意見の割合から批判的な意見の数値を引いてスコアを出すのが一般的です。

例えば、好意的な意見の割合が50%、批判的な意見の割合が20%だった場合、50-20=30でCESスコアは30となります。

CES(顧客努力指標)を上げる原因

CESスコアが上がってしまう、すなわち顧客の不満度が上がる要因は、ケースによって様々です。原因が掴めない場合はアンケートの設問をアップデートし、顧客自身も気づいていない不満を突き止めて対策を講じましょう。

よくある原因5つを紹介しますので、アンケートを作成する際の参考としてください。

サービス・商品の使い方がわからない

「コールセンターに問い合わせたいが電話番号が分からない」「オペレーターに相談したくて公式ホームページにアクセスしたがチャットボットしか見つからない」といった不満は、顧客応対手段が増加した現代ならではの不満です。

FAQサイトやチャットボットによる解決を推奨されることが多く、コールセンターへなかなかたどり着けない状況にイライラしてしまいます。不満が相次ぐ場合は、サイトの構成やコールセンターへのアクセス手段を見直してみましょう。

専門用語が多い

コールセンターに繋がって一安心と思いきや、専門用語が多く問題解決プロセスがよくわからないまま通話が終了したという不満も報告されています。

電話を使った対話は声のみで全ての情報を伝達する必要があるため、顧客がなるべく理解しやすい平易な用語を利用しなければなりません。対話の中で専門用語を多用していないか、現場で確認してみましょう

電話に繋がらない・待たされる

そもそも電話につながらない、待たされるというのも大きなストレス要因です。

特に年配の方は、IVR(自動音声システム)を利用した対応や番号入力に慣れていないことも多いです。オペレーターと話すのに時間がかかる状況にイライラしてしまい、不満を口にするケースが多発しています。

そのような顧客の心情に寄り添い、オペレーターが「お待たせして申し訳ありませんでした」と一言添えられる対応が理想です。

オペレーターの対応が不十分

現場に不慣れなオペレーターが多いと、顧客が「きちんと対応されていない」と感じる割合が高まります。

特に注意すべきなのが、通話のたらいまわしです。問題が解決しないままオペレーターが次々と交代し、引継ぎも不十分なので顧客が同じ説明を何度も強いられるような状況に陥れば、クレームの要因となります。

業務に精通したオペレーターをいかに増やせるかが問題解決のカギです。

手続きに時間がかかる

オペレーターの対応がスムーズでも、課題解決のための手続きに時間がかかってしまうと、顧客の心中には不満が残ってしまいます。

「即座に対応してほしかったのに土日を挟んで来週の対応といわれた」というケースを体験した方も多いのではないでしょうか。クレームが相次ぐ場合は、手続きの簡素化や迅速化を行ってみましょう。

CES(顧客努力指標)改善のポイント

最後に、CESスコアを下げる、すなわち顧客の不満度を下げる方法を、3つのポイントに絞って解説します。自社のコールセンターで行っていない場合は、ぜひ実行を検討してみましょう。

スピーディーな顧客対応

株式会社PR TIMESは2018年5月に「お問い合わせフォーム対応時間と顧客満足度の関係性」をテーマに調査を行いました。(15歳~84歳の男女853名へのインターネット調査)

それによると、70.5%の人間が、問い合わせフォームを利用した問い合わせで返答を我慢できる時間の限界は24時間であると回答しました。つまり、あらゆる問い合わせに対し24時間以内に返答できなければ、CECスコアが上昇してしまうのです。

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参照:PR TIMES

できるだけ迅速に対応できるよう、コールセンターの連絡先や電話番号を分かりやすく明記する、問い合わせページを分かりやすく設定することが求められます。

オンボーディング・チュートリアルの活用

「サービスや商品の使い方が分からない」といった不満を防止するため、Webサイトにオンボーディングやチュートリアルを組み込み、顧客が使い方に迷わないようにしましょう。

チュートリアルは、初めてサービスにログインした顧客向けに、各ボタンや機能を実際に使ってもらいながら使い方を説明する仕組みです。

オンボーディングは新規顧客がサービスに慣れてもらうための施策全般を指し、ヘルプセンターの充実やUIの改修などを行います。商品そのものを分かりやすく説明したい場合は、動画を活用するのもおすすめです。

顧客が自己解決できる仕組みを作る

顧客が問題発生のたびにコールセンターに問い合わせていては、CESスコアの低下が実現できません。課題を自力解決できる仕組みもあわせて作成しましょう。

課題解決のためのナレッジをよくある質問、FAQ、マニュアルとしてまとめ、顧客に開示しましょう。カテゴリごとの分類やキーワード検索など、求めている情報にたどり着きやすくする工夫も求められます。

VOCの分析

コールセンターに集まる顧客の声であるVOC(Voice Of Customer)の分析も、CESの改善に効果的です。顧客に不快な体験をさせないことを「エフォートレス体験」と呼びますが、このエフォートレス体験を実現するためのヒントをVOCから探れます。

VOCを測定する際は、顧客向けのアンケート、コールセンターの録音、SNSの書き込みなどを活用しましょう。特に顧客向けのアンケートは、匿名性が高いこともあって、ネガティブなコメントも書かかれやすく効果的です。

顧客との接点は電話、メール、チャットと増加傾向にあるため、どの接点から接触があったかも調査すれば、効果的な対策を絞り込めます。

CESだけでなく、マーケティング戦略の立案や業務フロー改善による社員満足度向上も期待できるのがVOC分析の特徴です。以下リンクの内容をもとに、VOC分析を現場に取り入れましょう。

まとめ

CESは今まで見えてこなかった顧客の不満やストレスを計測する指標です。CES改善によりエフォートレス体験をもたらすことで、顧客の商品やサービスに対する支持率は高まります。「満足度を重視してもサービス継続率が上がらない…」「サービスの利用方法が分かりにくいとクレームを受ける…」と悩んている方は、ぜひCES改善に取り組みましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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