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【コールセンター開設】システム構築・運用設計・人材育成のポイントを解説|トラムシステム

効率の良いコールセンター・コンタクトセンターを構築するためにはシステム構築、運用設計、人材育成の3つのポイントを押さえておく必要があります。この記事ではそれぞれのポイントについて具体的に解説します。

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コールセンターの立ち上げ方法とは

顧客対応の最前線に立つコールセンター・コンタクトセンター。その役割は、ただ単に日々の問い合わせやクレームに対応することだけではなく、その中からお客様の隠れた要望やニーズを拾い上げ、商品やサービスにフィードバックすることも含まれます。

コールセンターの構築は、一般的に以下の手順で行われます。

1.ゴールと目的の設定
2.現状調査
3.詳細設計
4.システム構築
5.運用体制構築(業務フロー・ルールの設定、人材育成)

これらのプロセスの中で、特に重要になるのが、システム構築、運用体制構築、人材育成の3つです。この記事では、この3点について、具体的にやるべきことやその際の注意点を解説していきます。

なお、コールセンターの立ち上げの全体の手順はこちらの記事で解説しています。

システム構築

システム構築では、コールセンターの業務を支えるインフラ面の整備を行います。以下の手順に従って、準備を進めていきましょう。

1.要件定義

要件定義とは、目的を達成するためにすべきことを明文化すること。つまり「コールセンターシステムを構築する」という目的を達成するためにはどのような要素が必要かを洗い出していきます。

要件定義に際して必要となる項目としては以下のようなものがあります。

業務種別の形態の決定

顧客応答のみを行うインバウンド、顧客に向けて営業や提案を行うアウトバウンド、もしくは両方を行うコールブレンディングからいずれかを選択します。

規模の確定

業務の規模や予算などから必要となる回線数やオペレーターとスーパーバイザーの座席数を算出し、確定します。

所要機能の選定

実際に行う業務に基づいて、システムにどのような機能を持たせるか割り出します。

予算の算出

業務に必要とされる規模や設備費、人件費、ランニングコストなどから多角的に検討し、予算がどのくらいかかるか見極めます。

要件定義はシステム構築の成功を左右するといっても過言ではない重要な工程です。内容は要件定義書にまとめ、構築に関わる人員が共有できるようにしておきましょう。

2.システムの設計

要件定義が完了したら、具体的なシステムの設計に入ります。オペレーターが使用するハードウェアの選定や顧客の情報を管理するデータベースの設計、ネットワーク設計や画面設計といった作業が行われます。

これらの作業のうち、ハードウェアの選定とデータベース設計は、快適なコールセンター運用のためのレスポンスタイムに影響を与える重要項目であるため、特に慎重に検討しなければなりません。

また、画面設計においても、実際に操作するオペレーターの使い勝手を考慮して、操作性の高いものを設計・改良することが必要となります。

3.インフラ(設備)の整備

要件定義や各種設計が完了したら、コールセンターの環境を整備します。主に必要とされるインフラは以下の3つです。

電話(PBX)

回線の導入、PBXの設置またはクラウドPBXの導入、アナウンス、通話録音の設定など電話を利用するための準備を整えます。

ネットワーク

ネットワーク設計に従い、自社ネットワークセキュリティキーのポリシーに照らしながらネットワークを構築します。

ファシリティ(設備)

協議・策定されたレイアウトに従ってファシリティの準備を進めます。レイアウトは、機能性や快適性などを考慮して決めるのが一般的です。以下のようなチェックポイントを参考にすると良いでしょう。

・窓があり開放感があるか
・空調設備が充実しているか
・スーパーバイザーが自分が担当するチームを掌握できる座席に位置しているか
・研修ルームに研修用の機材が完備されているか(DVDなどのAV機器)
・資料が分かりやすいところに保管されているか
・打ち合わせのスペースがあるか
・休憩室が快適に利用できる環境か

4.ツールの導入

コールセンターの目的は顧客との応対を日々記録し、得た情報を商品やサービスの改善に役立てることです。顧客情報の管理に便利なツールとして、CRM(Customer Relationship Management)ツールの導入がおすすめです。

CRMツールを利用することで、集約された顧客情報から各顧客の嗜好や行動を分析できます。また、分析結果から各顧客を「見込顧客」「既存顧客」「優良顧客」などにそれぞれ分類することが可能です。

そして、見込顧客を新規顧客として獲得し、既存顧客を利益価値が高い優良顧客へと育てるよう促します。CRMを導入することで、こうした施策を効果的に実施することが可能となります。

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運用設計

インフラ面を整備すると同時に進めなければいけないのが、運用設計です。日々の業務をどのように進めるか、応対品質をどのように担保するかを決める重要なフェーズとなります。

1.マニュアルの用意

コールセンターを効率よく運用するためには、マニュアルが欠かせません。用意された業務プロセスを的確に遂行するために、必要となるマニュアルやシフトパターンを作成しておきましょう。

マニュアルは大きく分けて「業務マニュアル」と「管理マニュアル」の2種類が存在します。

業務マニュアル

・オペレーター用マニュアル(手順書・FAQ・スクリプト)
・管理者エスカレーション対応(手順書・FAQ)
・オペレーター用オペレーションシステム操作手順
・管理者用オペレーションシステム操作
・オペレーター用電話機操作手順
・管理者用電話(PBX)操作手順

管理マニュアル

・オペレーター用シフト確定、変更、勤怠管理手順
・管理者シフトマネジメント手順
・管理項目別運用手順(KPI管理、オペレーター人材マネジメント、品質管理)

2.品質管理方法の決定

マニュアルに従って業務を遂行することで、一定の品質は保つことができます。しかし、オペレーターは人間であるため、人によって応対の品質にバラつきが出てしまうものです。顧客満足度を維持・向上するためには、マニュアルだけでなく入念な品質管理も欠かせません。

品質管理において最も重要視されるのは、オペレーターの士気です。やる気を出させるためにも定期的にヒアリングを行い、不満や要望を聞き出し、改善するよう努力しましょう。また、新しいサービスの展開やキャンペーンなどによって業務が変更された場合は、業務マニュアルも直ちに最新の状態に変更しておきましょう。

良いコールセンターを目指すには、品質管理によって職場環境と従業員の両方をケアする必要があることを覚えておきましょう。

3.評価項目の設定

適切な品質管理を行うには、評価項目を設定しておくことが重要です。具体的な評価項目例としては、以下のようなものがあります。

生産性を測る項目

・通話に関する数値(応答率、ブース(座席)の稼働率、処理時間など)
・教育に関する数値(一人当たりの教育に充てた時間など)

品質を測る項目

・モニタリングスコア
・通話に関する数値(一時解決率、ミス発生率など)
・就業状況に関する数値(離職率、従業員満足度など)

収益性を測る項目

・コストや売り上げに関する数値(運営コスト、売り上げ、従業員一人当たりの収益性など)

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人材育成

どれだけ高性能なシステムや設備を整備し、完璧なマニュアルを準備しても、それを使いこなせる人材がいなければコールセンターは成り立ちません。

コールセンター構築の最後の重要ポイントとなる人材について、確保や育成の方法について解説していきます。

1.人材募集時の注意点

コールセンターは離職率が高く、人材が定着しづらいことが有名です。そのため、どのセンターでも常に人材確保が課題に上がります。

しかし、いくら人手が足りないからと言って誰でもかまわず採用してしまうと、入社後すぐに辞められる、サービスの品質が低下するといった問題が生じかねません。

そのため、人材を募集する上では、あらかじめ一定の採用基準を決めておくことが必要となります。具体的な基準としては、以下のような能力が最低限求められます。

・人とのコミュニケーションがとれること
・声質や声量、話し方が良いこと
・マナーが備わっていること
・論理的な会話ができること
・無断欠勤しないこと

加えて、アウトバウンドの業務であれば、営業の経験の有無なども採用基準に加えられます。

これらの基準を満たしているか判断するには、面接で自己紹介をさせる、面接の件を電話で伝える際、面接者との会話をチェックするなど、応募者に話をしてもらう機会を設けましょう。

2.オペレーター育成を促進する研修とは

人材育成のための研修は様々ありますが、重要なのは自社の商品やサービスを説明できるよう理解させることと、応対品質を向上させることの2点です。この2点を中心とした教育カリキュラムを組むように心がけましょう。

実施する研修の一例としては以下のようなものがあります。

・応対品質研修
・業務研修
・OJT
・座学(商品やサービスの理解を深める)
・見極めテスト
・管理者向け研修
・情報セキュリティ、コンプライアンス教育

3.インセンティブの有無

顧客獲得を主としたアウトバウンドのコールセンターにおいては、評価基準における定期的な評価の他に、営業実績に対するインセンティブ(報奨金制度)を設けているところがあります。

毎月の給与にプラスして、成果に対する報酬が得られることは、オペレーターのやる気を向上させる起爆剤になり得ます。

一方で、インセンティブを得たいという気持ちが暴走し、無理やりにでも契約を結ばせようと強引な勧誘を行うになる恐れもあります。インセンティブ目当ての強引な勧誘ばかりでは顧客満足度は低下し、企業イメージのダウンにも繋がりかねません。

インセンティブはオペレーターにやる気を出させる魅力的な要素ではありますが、それを前面に押し出すのではなく、あくまで評価基準の一部として留めておく方が無難と言えるでしょう。

4.人材の正しい育成方法

人材を正しく育成できたかどうかは、前述した評価基準に基づいて判断することができます。

業務に対してやる気があるか、明るく聞き取りやすい声で丁寧に対応しているかなどをチェックし、直すべき箇所が見つかった場合は、再度研修を行うなどして基準に達するまで教育を受けさせるようにしましょう。

こうした課題の発見と解決を繰り返すことで情報も蓄積され、次の人材の育成にも役立てることができるのです。

まとめ

コールセンターの構築は、規模の大小あれどとても手間のかかる作業です。業務に使用する設備、ツール、人材育成のための研修においても入念な設計無くしてはうまく進めることはできません。

この記事を参考に、関係部署と協力しながら一つずつ丁寧に準備を進めていきましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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