クラウドPBXや電話システムについてIT・通信のプロが解りやすく解説|voice

ビジネスフォンやクラウドPBXを電話・通信のプロがわかりやすく解説!

\ クラウドPBX資料 /

無料ダウンロード

フリーワード検索

2023.05.19

大企業がクラウドPBXを導入するメリットとシステムの選び方|トラムシステム

国内外に複数の事業所を持つ大企業は、クラウドPBXによって通信コストの削減や業務の効率化、電話設備のスリム化が実現できます。大企業がクラウドPBXを導入するメリットやシステムの比較ポイントを紹介します。
サムネイル画像

クラウドPBXとは

クラウドPBXの仕組み

クラウドPBXとは、従来はオフィス構内に設置していたPBX(構内交換機)をクラウド環境に設置し、インターネットでアクセスすることで内線や外線などの電話機能を利用するITサービスです。

各拠点(事業所)や電話端末同士を、電話回線ではなくインターネット回線でつなぐ点が、従来のオンプレミス型PBX(ビジネスフォン)との大きな違いです。

この仕組みにより、インターネット環境がある全ての場所でクラウドPBXの利用が可能となり、場所を問わず内線、転送、保留などの各種機能を利用できます。

大企業がクラウドPBXを導入すべき理由

国内外に事業所があり、多くの社員が様々な場所で働く大企業にとって、クラウドPBXはどのようなメリットをもたらしてくれるのでしょうか。

ここからは、大企業がクラウドPBXを導入すべき理由について解説します。

複数の拠点間をインターネットで繋げられる

電話回線を用いていた従来のオンプレミス型PBX(ビジネスフォン)では、拠点同士を内線電話でつなぐためには、特別な機器の設置や内線サービスの利用が必要でした。

一方、クラウドPBXなら拠点間をインターネット回線でつなぐため、低コストで容易に拠点間の内線通話網を構築できます。

内線電話が世界中どこからでもできる

世界中どこからでも、インターネットさえあれば内線電話をかけられます。クラウドPBXでは、IP電話機の他にスマートフォン、タブレット、PCも内線端末として利用できます。

専用アプリをダウンロードするだけで、スマホやタブレットを内線端末として利用できるため、社員個人が保有するスマホを業務用端末として使うことも可能です。

社員個人のスマホを業務利用することをBYOD(Bring Your Own Device)と呼び、BYODはクラウドPBXの大きなメリットの1つです。

スマホの内線化により、外出中や出張中などオフィス外にいる社員ともいつでも連絡を取ることでき、コミュニケーションの活性化や業務効率化が期待できます。
資料請求バナー

テレワークに対応している

インターネット環境さえあれば内線電話が利用できることは、テレワークの推進にもつながります。テレワーク中の社員は、個人のスマホまたは業務用のパソコンにクラウドPBXのアプリをインストールするだけで、会社の電話が使えるようになります。

テレワーク中の電話対応については、「取り次ぎに時間がかかる」「電話対応のために出社しなければいけない」といった問題が多くの企業で発生しています。

クラウドPBXなら、これらの問題を解消し、テレワーク中でもオフィスで勤務していたことろ遜色ないコミュニケーションが可能です。

テレワーク推進にクラウドPBXが欠かせない理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

オフィスの電話回線や固定電話機が不要になる

従来のオンプレミス型PBX(ビジネスフォン)では、オフィスにある電話端末同士を電話回線でつなぐ必要がありましたが、クラウドPBXで必要なのはインターネット回線だけです。

インターネットを無線にすれば、オフィス内の配線をなくし、配線の制約を受けない自由なオフィスレイアウトが実現します。

スマートフォンやタブレットなどを内線端末にすれば、固定電話機を廃止することも可能です。固定電話機は場所を取る上に、20代や30代といったスマホ世代にとっては、使い方がわからない扱いにくい機器です。

もちろん「使い慣れた固定電話機のほうが業務がしやすい」という社員がいる場合は、固定電話機を残す方がよいでしょう。しかし、オフィススペースの有効活用や電話機のレンタルやリースにかかるコストの削減をしたいなら、固定電話機の廃止を検討してみましょう。

固定電話機を廃止するメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。

ブラウザから設定変更ができる

大企業では、毎月のように入社や退職、異動などの人の動きがあり、これらの人の動きに伴い、クラウドPBXのユーザー数の増減をする必要があります。

社員数の増加や、業務フローの見直しによって、クラウドPBXの契約プランや利用機能を変更する必要も出てくるでしょう。

クラウドPBXなら、ユーザー数や利用プラン、機能などをブラウザの設定画面から柔軟に変更できます。設定は基本的に即時反映されるため、事業や業務の邪魔をしません。

ITやPBXに関する専門知識がなくても設定変更ができる点は、多種多様な業務をこなす大企業の担当者にとって嬉しいポイントです。
資料請求バナー

【大企業向け】クラウドPBXの選び方

従業員数や事業の規模が大きい企業では、特にサービスの拡張性やサポート体制が重要になります。「電話が止まって業務ができない」「欲しい機能が使えない」といったことが起きると、ビジネスへ大きな影響を与えることになるためです。

大企業でのクラウドPBX導入時に特に気をつけるべきポイントは次の4つです。

システムの構成

クラウドPBXを大企業で導入する際、まず気をつけるべきなのはシステムの構成です。中小規模企業を想定した構成と、大規模企業を想定した2つの構成があります。

システムの構成がユーザー数や回線数のキャパシティを決定するので、利用規模や用途に応じて適切な構成を選択することが重要です。

小~中規模企業向けと大企業向けクラウドPBXのサービスや構成には、具体的には以下のような違いがあります。

中小企業向けサービスの特徴

・回線数は最大5〜100程度
・初期費用5,000円〜50,000円
・サーバーは、ベンダーが保有するものを利用する
・海外での利用は、トラブルがあっても保障外となるサービスも

大企業向けサービスの特徴

・回線数は無制限(1,000台〜数万台まで)
・初期費用数十万円〜数百万円
・費用を払えば、自社専用のサーバーを開発してくれる
・海外利用対応で、実績も豊富

見落としがちなのが、海外での利用実績です。

クラウドPBXは、基本的には多拠点や海外拠点での運用に対応していますが、利用しているインスタンスのボリュームや海外実績によって差は出ます。中小企業向けのサービスの場合、大規模・多拠点に利用すると、思わぬ不具合やトラブルが発生することもあります。

国内で活動している大企業でも、「海外に出張中の社員からwifiで本社に内線で状況を報告する」といった状況は常に発生し得ます。大企業でクラウドPBXを選定する際は、大規模運営に適した構成を持ち、多拠点や海外拠点での運用実績が豊富なサービスを選びましょう。

拡張性

大企業でクラウドPBXを運用するときは、拡張性も重要です。ここで言う拡張性とは、他システムとの連携を指します。

クラウドPBXをただの通信手段として使うだけでなく、CTI(コンピューター電話統合)、CRM(顧客情報管理システム)、SFA(営業支援システム)などと連携し総合的なコミュニケーションツールとして使うことの多い大企業であるからこそ、システム構成を考えるうえで拡張性は検討すべき重要なポイントです。

クラウドPBXと外部システムとの連携により、以下のようなことが可能になります。

CTIで電話、メール、FAX、チャットを一元的に管理できる
・着信時に、CRMに保存されていた発着信履歴や顧客情報を、パソコン画面上にポップアップで表示する
SFAと連携して、アウトバウンド業務を行う見込み顧客を確認できる

外部システムの連携のためには、クラウドPBX側に外部とのデータ連携をする機能(データのInput/Output)が必要です。この機能の有無はベンダーによって差が出る部分であり、外部データ連携が出来ないクラウドPBXの場合は、追加開発が必要になります。

サポート体制

充実したサポート体制は、クラウドPBXを大企業で運営する場合に必須です。システムの不具合やダウンがあったとき、迅速に復旧できなければ莫大な損害が発生します。

サポート体制を確認したい場合のチェックポイントは、以下の通りです。

オンサイト対応(出張修理サービス)ができるか。会社の近くにサービスセンターがあれば、迅速な対応が可能で出張費も抑えられる
窓口の種類が複数あるか。電話対応のみでは、夜間にトラブル発生時に不安が残る。電話、メール、チャットなど、様々なチャネルがあるサービスが望ましい
即応性があるか。修理対応を求めても、対応に数日かかるようでは業務に支障がでてしまう。トラブルがあった場合の対応スピードをベンダーにヒアリングする

社内のシステム部門がサービスを自分たちで設定変更・カスタマイズができるかどうかも確認ポイントです。システムが完全にブラックボックスになっていて、ベンダー側でしか触れない仕組みになっている場合もあります。その場合、ベンダーがいないと何もできず、いざというときの対応に時間がかかるので要注意です。

導入実績

「大企業での導入が豊富で、多拠点・海外拠点運用の実績もあるかどうか」は念入りに確認してください。口コミの検索はもちろん、資料請求やベンダーとのヒアリングを行い、導入したいシステムが自社の環境にあっているかチェックしましょう。

「さまざまな企業で導入実績3,000社!」など、数字を示している実績にも注意が必要です。内訳を見てみると、大半が中小企業で大企業はたったの数社という可能性もあります。総数だけでなく、自社と同じ規模や業界での実績があるかについても確認しましょう。

まとめ

複数の事業所があり、利用者の人数が多い大企業においては、クラウドPBXの選定時には、自社の事業規模への適合性や拡張性などが重要となります。自社にあったクラウドPBXを導入することで、コミュニケーションの活性化やテレワークの推進などを実現しましょう。


プロフィール写真

WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

注目記事Recommend Post

  • 【コールセンターシステム用語】レポート機能とは丨機能や分析ポイントを解説

  • コールセンターマネジメントとは?SVの重要性と管理ポイントを解説

  • コールセンターSVに向いている人の性格・特徴5つ丨やりがい・きついことも解説