コールセンターの話し方のコツ7つ!クレームへの基本の対応方法も解説|トラムシステム
コールセンターやコンタクトセンターでは、オペレーターの電話対応の質や話し方が、会社に対する印象や満足度を大きく左右します。たとえクレームの電話でも、適切に対応できれば悪い印象が緩和され、うまくいけば逆に高い評価を得られる場合もあるでしょう。
対応が上手なオペレーターには共通点があります。彼らが実践している話し方のコツや基本的な敬語の使い方、ふさわしくない言葉遣いなどを意識することで、電話対応の質の向上が期待できます。
この記事では、コールセンターの話し方のコツやクレーム対応について解説しますので、オペレーターや管理者の方はぜひ参考にしてください。
目次
コールセンター業務の話し方のコツ7つ
コールセンターやコンタクトセンターでは、普段の会話と比べて話し方にワンランク上の気遣いが求められます。ここでは、コールセンター業務の話し方のコツ7つについて詳しく解説します。
第一声は明るくやわらかい声を意識する
オペレーターの第一声は、お客様の印象を大きく左右します。電話に出るときの第一声は、明るくやわらかい声を意識するようにしましょう。
電話ではお互いの顔が見えないため、電話をかけるお客様も緊張している場合があります。オペレーターの声が明るくやわらかであれば、お客様も安心して話しやすくなるでしょう。また、内容がクレームだった場合は、不満や怒りを緩和する効果もあります。
声色をコントロールする
声色も、お客様の印象を左右する重要なポイントです。
オペレーターの中には、声が高い人もいれば低い人もいるでしょう。声質が違うと注意するべき点が違ってくるため、自分の声の特徴を考えながらチェックしてみてください。
声が高い人
声が高い人は、意識してゆっくり話すようにしましょう。
高い声は相手に明るく元気な印象を与える一方、場合によっては軽く聞こえ、聞き手を不安にさせてしまいます。声が高い人が早口になってしまうと、より軽薄に聞こえる傾向があるため、話すスピードに注意することが大切です。
声が低い人
声が低い人は、言葉のトーンやメリハリを意識して話すと好印象につながります。
低い声は落ち着いて聞こえるため、相手が安心感を持ってくれるのが長所です。しかし、声から抑揚などを感じにくく、愛想がなく素っ気ない印象を持たれやすい面もあります。
お客様への説明や相槌が平坦になってしまうと、不快に感じさせてしまうこともあるため、普段の会話よりトーンを上げ、メリハリのある話し方をするよう心がけましょう。
滑舌を意識しながら話す
自分の滑舌を意識して話すことも大切なポイントです。滑舌が悪いと相手は聞き取りづらさがストレスになる上、聞き返す手間もかかってしまいます。
滑舌よく話すためには、普段からのトレーニングや、話すときに口を大きく動かして発声することが大切です。滑舌を改善したい場合は、先輩や同僚に聞いてもらって、聞き取りにくい音や言葉などを指摘してもらうとよいでしょう。
1秒間5〜6文字のスピードで話す
話すスピードは、1秒間に5~6文字程度を目安にするとよいでしょう。これは年齢を問わず聞き取りやすいと感じられる速度であり、テレビのアナウンサーなども、1秒間に5~6文字、1分間に300文字程度のスピードで話すようにトレーニングしています。
電話対応では、緊張して無意識のうちに早口になってしまうことも多いものです。早口になってしまうと、一生懸命に説明しても、お客様からは理解が難しく感じられてしまいます。
文字数がはっきりとわかる原稿を用意して、時間を計りながら練習することで、スピードに対する感覚が養われていきます。
結論から話す
お客様へ説明するときの話し方のコツは、結論から先に伝えることです。
例えば「合計金額はいくらです。内訳は~」といったように、結論を先にした順序で話すと、お客様も内容を理解しやすくなります。お客様の中には、結論が後回しになることでじれったく感じる人もいるため、結論から話すことを習慣づけておくとよいでしょう。
最初は結論がすぐに言葉にならないときも多くありますが、次第に慣れていきます。普段からマニュアルに沿ってイメージトレーニングをしておくと、本番でもスムーズに言葉が出てくるようになるでしょう。
クッション言葉を使う
コールセンター業務では、適宜クッション言葉を使いましょう。
クッション言葉とは、相手へお願いやお断りを伝えるときに、会話の頭に加える言葉です。お客様へ配慮を示し、丁寧な印象を与えられます。よく使われるものとしては、次のようなクッション言葉があります。
<依頼するとき>
・誠に恐れ入りますが
・お手数をおかけいたしますが
<お断りをするとき>
・誠に申し上げにくいのですが
・ご期待に添えず申し訳ございませんが
<申し出・提案をするとき>
・差し支えなければ
・ご迷惑でなければ
正しい敬語を使う
コールセンターでは、正しい敬語を使った話し方が求められます。誤った敬語表現は、相手に対して失礼となってしまう場合もあるため注意しましょう。
敬語には次の3つがあります。
・丁寧語:「~です」「~ます」「~ございます」などの丁寧な話し方
・尊敬語:「お尋ねになる」「ご利用になる」など相手を敬う話し方
・謙譲語:「拝見する」「うかがう」など自分や身内をへりくだる話し方
なお、誤用の多い次の言葉には注意しましょう。
・了解しました
→同僚や目下の人に対して使う言葉で、お客様へ了承の旨を伝える際は「承知しました」「かしこまりました」を使います。
・とんでもございません
→「とんでもないことでございます」が正しい表現です。
コールセンターのクレーム対応のコツ
コールセンターでは、お客様からクレームを受ける場合もあります。クレーム対応はオペレーターにとって重要な仕事でもありますが、「怖い」と感じる方も多いのではないでしょうか。
気持ちの持ち方や話し方などのコツを理解しているだけでも、クレーム対応時の余裕が変わってきます。ここからは、コールセンターのクレーム対応のコツについて解説します。
相手の話を要約する
お客様からクレームを受けたときは、相手の話をよく聞き、要約して返すようにしましょう。
クレームの電話は、相手の感情が高ぶっているケースが多く見られます。お客様の話をよく聞いて、要約して返すことで、相手が落ち着いて話ができるようになることも多いです。また、話を聞いてもらえているという安心感を与えるためにも効果的です。
相手の話を要約するときは、次のようなフレーズがよく使われています。
・つまり、~ということでよろしいでしょうか
・~でお間違いないでしょうか
企業へ直接クレームを伝えずに、SNSなどへ商品やサービスに対する不満を書き込む人も多いです。電話でクレームを伝えるお客様は「自分の気持ちを伝えたい」「理解してほしい」と考えている場合も多く、対応次第ではロイヤリティが向上する場合もあります。
クレームの内容に応じたフレーズを使う
クレームの内容によっては、回答で使うフレーズが決まっている場合もあります。例えば、次のようなケースです。ベテランオペレーターの応対方法などを参考にしながら、想定されるクレームごとにフレームを整理しておくと安心です。
・「電話がなかなかつながらない」というクレーム
→「大変お待たせし申し訳ございませんでした」
・「どうして説明できないのか」というクレーム
→「私の勉強不足でございます。ご迷惑をおかけし申し訳ございません」
お客様に一方的にまくしたてられると、焦ってしまってすぐに言葉が出てこないこともあります。定番のフレーズを覚えておき、落ち着いて対応しましょう。
相手を否定しない
クレーム対応では、相手を否定しないように慎重に言葉を選びましょう。否定されたとお客様が感じてしまった場合、さらなる不満や怒りを買ってしまう可能性があるからです。
特に、次の言葉はNGです。つい使ってしまうことがないよう注意してください。
・そう言われましても
・先ほども申し上げましたが
・でも、だって
お詫びと感謝の言葉を伝える
電話での対話の中で、お詫びや感謝の言葉を伝えることを忘れないようにしましょう。
お客様は、わざわざ時間をさいて電話をかけてくれています。たとえクレームであっても、貴重な意見として受けとめる姿勢が大切です。
お詫びと感謝の言葉は、電話対応の最初と最後に伝えるのが適切です。とりわけ会話の最後の一言は、お客様に気持ちよく電話を切ってもらうために重要ですので、忘れないよう強く意識しましょう。
クレーム対応にしっかり対応した後で、「この度はご不便をおかけし誠に申し訳ございませんでした」といった丁寧なお詫びの言葉があると、お客様の印象がずっと良くなります。
コールセンターのクレーム対応の基本とコツについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
コールセンターで特に気をつけたいNGな話し方
コールセンターでは、オペレーターの話し方によって会社への印象が決まってしまうこともあります。そのため、話し方にも注意を払うことが大切です。
ここでは、コールセンターで特に気をつけるべきNGな話し方について解説します。
相手の話を遮る
基本的なマナーではありますが、相手の話を途中で遮らないように注意しましょう。
お客様の話を遮ってしまうのは大変失礼なことなので、電話では特に気をつけましょう。会話の間が空いて迷ったときは「他にはございませんか」と一言確認するのがコツです。確認なしに話し始めてしまうと失敗しやすいので注意してください。
また、話すタイミングが重なってしまった場合には、一呼吸おいて相手が再度話し出すのを待つか、「どうぞお話しください」と声をかけるとよいでしょう。
語尾を伸ばす
話すときに語尾が伸びてしまうと、相手に不愉快を与えてしまうことも多いため、普段の話し方でクセになっている人は十分に注意してください。
「ですー」「ましたー」と会話の語尾を伸ばす話し方は、相手に幼稚、不真面目な印象を与えてしまいかねず、ビジネスシーンで使うには不適切です。
自分では気付かないことも多いため、録音した声を聞いたり上司や同僚に客観的に聞いてもらったりしてチェックしましょう。
馴れ馴れしく話す
馴れ馴れしい話し方にならないようにも注意しましょう。
自分では親しく話しているだけのつもりでも、お客様からは「馴れ馴れしい」と思われてしまう場合もあります。人によって感じ方に個人差がありますが、基本的には丁寧に話すことを意識していれば馴れ馴れしい印象を回避できます。
特に、以下の言葉は「馴れ馴れしい」と感じさせやすいため、注意して言い換えましょう。
・そっち→そちら
・ちょっと→少々
・どんなことですか→どのようなことでしょうか
・うん→はい
まとめ
コールセンターの電話対応では、明るくやわらかい第一声を意識する、声色をコントロールする、結論から話す、正しい敬語を使う、といった話し方のコツがあります。
クレーム対応では、相手の話を要約して返す、相手を否定しない、お詫びと感謝の言葉を伝える、などのポイントに注意しましょう。その他にも相手の話を遮る、馴れ馴れしい話す、などはNGです。
本記事を参考に、オペレーターのスキルの向上や、センター全体の応対品質の向上に努めましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。