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2021.01.04

コンタクトセンター / クレーム / コツ / 苦情 / ストレス /

コールセンターのクレーム対応の基本とコツ丨オペレーター・SV必見|トラムシステム

コールセンターやコンタクトセンターの業務改善を成し遂げる際に重要となるのが、クレームに対する対応です。クレームの増加は顧客満足度の低下やオペレーターのストレス増加に繋がるため、早急に対策を講じる必要があります。

本記事を参考に、クレームの要因や基本的な対処方法を学びましょう。

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苦情・クレームとは

混同されがちな苦情とクレームですが、それぞれ細かな違いがあります。

1.苦情の意味
対応のまずさや不備により感じた不満や憤りを相手に伝えること。感情が多分に含まれていることが特徴です。苦情を素直に受け止めて改善策を講じれば、品質改善や顧客満足度向上につながります。

2.クレームの意味
クレームには「主張する」という意味があり、商取引での違法に対し損害賠償請求を行うことを現しています。つまり、感情は含まれておらず、相手に対し正当な権利があるものを請求しているのが特徴です。

クレームに対しても真摯に対応する必要がありますが、理不尽な要求を行うモンスタークレーマーの存在には注意しましょう。

本記事では、クレームに文言を統一して解説を行います。

不満があってもクレームを言う人はごく一部

クレームに対処する際は、そもそもクレームをはっきり主張する顧客は多くない点を意識する必要があります。

顧客ロイヤルティ協会が行った調査によると、商品やサービスの不安に対して苦情申し立てを行う顧客の割合は僅か4%ほどです。残り96%の顧客は、いわゆるサイレントクレーマーということになります。

サイレントクレーマーとは

表に出てくるクレーマーよりはるかに多いサイレントクレーマーですが、放置すると企業にって大きなダメージになりかねません。主に2つの問題点が発生します。

インターネット上で悪評を書かれてしまう

サイレントクレーマーを放置すると、SNSや口コミにクレームを書き込まれてしまう危険性があります。

たとえ1つ2つの書き込みであっても、レビューサイトなど書き込みが残り続ける媒体である場合や、フォロワーが多数存在するインフルエンサーである場合、多くの消費者の目に止まる可能性が高いです。

サービスや商品の問題に気付けない

サイレントクレーマーは企業が目に見えないところで不満や悪評を発信するため、企業側がサービスや商品の問題に気付きにくいという問題も発生します。

迅速な問題解決が遅れるだけでなく、不満を持つ顧客が常に増加し続けてしまうことになるのです。さらに放置し続けると「クレームに対する改善意識がない」というレッテルも貼られてしまいます。

「グッドマンの法則」からわかるクレーム対応の重要性

顧客ロイヤルティ協会が発表した「グッドマンの法則」では、クレーマーが企業に与える影響を3つにまとめています。

1.不満を持った顧客のうち、苦情を申し立て、その解決に満足した顧客の当該商品サービスの再入決定率は、不満を持ちながら苦情を申し立てない顧客のそれに比べて高い

2.苦情処理(対応)に不満を抱いた顧客の非好意的な口コミは、満足した顧客の好意的な口コミに比較して、2倍も強く影響を与える

3.企業の行う消費者教育によって、その企業に対する消費者の信頼度が高まり好意的な口コミの波及効果が期待されるばかりか、商品購入意図が高まり、かつ市場拡大に貢献する

1つ目の法則は、クレームを直接言ってくれる顧客は、言わない顧客よりもリピーターになりやすいありがたい存在であることを示しています。

2つ目の法則は、クレームに対する真摯な対応がロイヤリティや顧客満足度向上に繋がること、3つ目の法則はクレーム対応はコールセンター、商品、サービスの質を向上させるチャンスであることを示しています。

参照:顧客ロイヤルティ協会

クレームの主な3つの要因

良くも悪くも企業にとって重要となるクレームですが、発生要因は大きく分けて3つ存在します。発生要因によって対応の仕方を調整する必要があるため、きちんと分類できるようにしましょう。

企業側の問題

サービスや商品の品質が悪い、接客態度が悪い、お客様の都合ではなく社内のルールを押し付けてしまうといった要因により、クレームが発生するパターンです。

企業としては全力で向き合い、顧客の不満や怒りが解決されるよう尽力しなければなりません。対処に成功した後も振り返りをきちんと行い、同じクレームが発生しないようにしましょう。

顧客側の問題

顧客に問題がある場合でもクレームは発生します。サイズや納期の勘違い、説明書の未読によるミス、顧客自身の聞き間違えなどです。

企業側にも落ち度があったと反省する必要はありますが、対応の際には負担がかかりすぎないよう割り切りも必要となります。言葉を慎重に選んで対応しましょう。

企業と顧客の認識違い

企業の価値観と顧客の価値観が食い違い、トラブルとなるケースも存在します。「企業にとっては短時間待たせたつもりが顧客にとっては長時間に感じられクレームが来た」という経験は誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。企業側の問題の次に優先して対処しましょう。

クレーム対応の基本

それでは、顧客満足度を向上させるクレーム対処方法の基本について解説します。聞いてみれば基本的なことであっても、実際の現場で対応できていないというケースは珍しくありません。クレーム応対の基本が現場で実践できているか確認してみましょう。

相手の話を要約して返す

クレームを行っている顧客との距離を縮めるためには、話を要約して返すのが有効な手段です。要約を行うことで、3つの効果が期待できます。

1.こちらが理解していることを相手に伝えられる
2.オペレーターと顧客に認識の齟齬が発生するのを防げる
3.相手の主張を要約することで応対時間を短縮できる

強い怒りの感情をあらわにしている顧客でも、要約して返す作業を繰り返すことで、冷静にさせることが可能です。

例えば、始めは「損害賠償しろ!」と一見対応し難い要求を主張する顧客でも、辛抱強く主張の要約を行うことで「イベントで機器が破損し多大な損害が出た、補償してほしい」と納得感のある主張理由を引き出せます。

相手の求めていることに応える

クレームに慌てふためいてしまい、言い訳や的外れな対応をしてしまうと、さらに大きなクレームへと発展する危険があります。

クレームをする顧客は感情を害している場合がほとんどなので、まずは「申し訳ありません」「お困りだったと思います」などの言葉で顧客の心情に寄り添いましょう。その後、顧客が抱えている困りごとや不都合を聞き出し、求められている最適解を提示してください。

新人オペレーターは「顧客の求めていることは何か」を意識していない場合が多く、即応的な対応を取ってしまいがちです。

「冷蔵庫が壊れた」というクレームに対し「それではすぐに交換いたします」というちぐはぐな対応を行い、さらなる怒りを買ってしまいます。求めていることを聞き出そうと意識することで「温度が下がらなくなったので修理をお願いしたい」という相手の要求にたどり着けます。

オペレーターがストレスを抱える必要はない

クレームに対して冷静に対処するには、オペレーター自身がクレームを受けているわけではないという意識が必要となります。

クレームが行われているのは、企業の商品やサービスに対してです。プロのオペレーターはそのことを良く熟知しており、たとえ怒鳴られても顧客の主張に辛抱強く耳を傾けます。

クレームを言う相手の心理を読み取ることも重要です。問題や困りごとの解決のため感情的になっている顧客がほとんどですが、中には日々の不満をぶつけたい、特別扱いしてほしいという理由で何度も電話をしてくるケースも存在するのです。

日々の対応の中で顧客のパターンを読み取り、いわゆるクレーマーと呼ばれる存在に心を動かされないようにしましょう。

センターが取り組むべきクレーム対応チェックリスト

最後に、コールセンターが取り組むべきクレーム対応チェックリストを紹介します。クレームを減らすため、またクレーム発生時スムーズに対応するため、チェックリストは常日頃から確認しましょう。

1.組織的な問題
・オペレーター教育の質と量は問題なかったか
・教育担当者のスキルと資質は充分であったか
・新人オペレーターはデビュー後も継続して教育を行っているか
・SVは応対を随時モニタリングし、困っているオペレーターのフォローを行っているか

2.オペレーターの問題
・企業の目的な責任をきちんと理解できているか
・話し方、聞き方は適切なのか
・サービスマインドや自分の感情をコントロールできているか
・疑問点をそのつど解決しているか

まとめ

コールセンター・コンタクトセンター運営で避けては通れないクレーマー問題ですが、オペレーターと組織が協力し合い、真摯に解決を目指すことで改善されていきます。なかなか改善されない場合は、最後に紹介したチェックリストを基に現場の状況を見直してみましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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