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2021.04.21

ディープラーニング / 機械学習 / AI / チャットボット /

ディープラーニングをわかりやすく丨機械学習・AIとの違い、できることを解説|トラムシステム

「ディープラーニング」は、既存の機械学習を超えるAIとして注目されています。これまでデータ化が難しかった複雑なデータ、すなわち音声、画像、言語の特徴を学習させることで可能だからです。

ディープラーニングを搭載した技術としてはチャットボットや自動運転が存在しており、人手不足解消や業務効率化が求められる現代社会にとって欠かせない存在となるでしょう。本記事では、ディープラーニングの歴史やできることについて分かりやすく説明します。

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ディープラーニング(深層学習)とは

ディープラーニングとは、人の脳神経を模倣したニューラルネットワークを多層に結合した機械学習で、現在のAIアルゴリズム技術の中核を占める技術です。

今までのAIには簡単な問題しか解けない、データを覚えさせるのに時間がかかるといった難点がありましたが、ディープラーニングなら複雑な特徴を持つデータを短期間で大量に学習することができます。

その理由は、AIがデータのどの部分を参考にして学習を行うか判断するのに必要な要素である「特徴量」を、ディープラーニングは自ら判断することができるからです。

人が学習のたびAIに特徴量を指定する必要がなくなり、学習効率と精度が飛躍的に向上するだけでなく、音声や画像といった複雑なデータを学習できるようになりました。

ディープラーニングの歴史

ディープラーニングが注目されるきっかけは、AIの画像認識精度を競うコンペティション「ILSVRC」です。

2012年にトロント大学が開発したディープラーニング搭載の画像認識システム「Super Vision」が、名だたる研究機関をおさえ圧倒的精度で優勝を果たし、急速に研究が進みました。

2015年にはGoogleが開発した囲碁プログラム「AlphaGo」がプロ囲碁棋士に勝利するなど、一部分野で人間を上回る性能を発揮しています。

AI・機械学習との違い

AI・機械学習との違い

ディープラーニングと類似する概念として語られることが多い機械学習ですが、正確には「ディープラーニングが機械学習の一種である」と言えます。古くからAI技術のジャンルとして機械学習が存在しており、機械学習をより進化させた存在としてディープラーニングが開発されました。詳しく見ていきましょう。

AI(人工知能)とは

AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」の略です。定義は研究者や媒体によって異なりますが、多くの場合「人間のように作られた知能あるいはそれを作る技術」と呼称されます。

機械学習やディープラーニングもAIの一種です。研究の歴史は古く、1956年アメリカで開催されたダートマス会議で早くも「人工知能」という言葉が誕生しています。

現在研究が進んでいるAIには、2つの種類が存在しています。

・汎用型AI
人間と同等あるいはそれを上回る知識を持つAIです。与えられた情報を元に自ら思考し、人間とそん色ない判断を下すことができます。別名として強いAIとも呼ばれます。ただし、2021年時点で汎用型AIはほぼ存在しておらず、機械学習やディープラーニングも該当しません。

・特化型AI
限られたタスクのみ人間並みの思考及び判断力を有するAIです。囲碁に特化したプログラム「AlphaGo」はその典型と言えるでしょう。他にもチャットボット、人工知能など現在研究が進んでいる技術はほとんどが特化型AIです。

機械学習とは

機械学習は「Machine Learning」とも呼ばれ、AIが明確な指示なく自律的にデータを学習していくAIの一分野です。分析を通じてデータのパターンやルールを発見し、判断や予測を行います。

ただし、データの中で特徴量(どの要素が結果に影響に及ぼしているか判断するための要素)がどこかは人間が判断し、その都度AIを調整しなければなりません。

例えば、リンゴの特徴を画像データから学習させる場合、色や形といった重点的に学習すべき特徴量を事前に指定する必要があります。

機械学習の学習方法には、以下の3種類が存在しています。

・教師あり学習
事前に用意した膨大な正解データを学習させた後、正解を明示していないデータをインプットし、正解データをもとに認識や予測を行います。代表的な手法は、データが属するカテゴリーを判定する「分類」や1年後の売り上げなど数値を予測する「回帰」です。

・教師なし学習
正解データは用意せず、データの構造を分析して特徴やルールを見つけ出し、グループ分けを行う「クラスタリング」やデータを簡略化する「次元削減」を行います。

・強化学習
AIの選択や行動に報酬を設定し、報酬が最大化するよう改善させていく学習方法です。初めて自転車に乗った子供が、失敗を繰り返しながら徐々に習熟していくようなイメージとなります。

ニューラルネットワークとは

ニューラルネットワークとは、人間の脳神経の仕組みを模倣した、機械学習の一種です。ディープラーニングのベースにもなっています。階層化された3つの層、すなわち入力層、中間層(隠れ層)、出力層から構成されているのが特徴です。

これら3つの層の働きを分かりやすく説明します。例えばワインに関する情報をいくつか分析して、それが赤ワインか白ワインか判別する問題が存在すると仮定した場合、それぞれの層の働きは以下の通りです。

1.入力層
ニューラルネットワークの最初の層です。ワインの色合い、アルコール度数、製造年度といった判別に必要な情報を入力します。

2.中間層(隠れ層)
入力層から引き継いだ情報を元に計算を行う層です。今回の場合、ワインに関する情報を元にワインが赤か白どちらかを計算します。中間層の数に決まりはなく、扱う情報に合わせて増やすことが可能です。

3.出力層
中間層の情報を元に結果を文字通り出力する層です。中間層の計算で白ワインと判別された場合、出力も白ワインとなります。

ディープラーニングの仕組み

ニューラルネットワークの層を多層化し、特徴量を自動で判別できるよう改良を施したのがディープラーニングです。

先ほど紹介したシンプルなニューラルネットワークでは色合いやアルコール度数といった単純な要素しか計算できませんでしたが、層を多層化することで、より多様な要素を盛り込んだ計算が可能となります。

先述の通り特徴量も自ら発見することが可能で、より人間の脳に近いネットワークを実現しました。

ディープラーニングでできること

最後に、ディープラーニングがどのような分野で導入されているか見ていきましょう。

まだまだ発展途上の技術であり、市場も急速なスピードで成長しているため、本記事で書いている事例のみを参考にせず、日頃からディープラーニングの情報に触れておくのがおすすめです。

画像認識

画像に映っているものの特徴から、何が映っているか識別する技術です。2012年の「Super Vision」の時点で高精度を記録しており、ディープラーニングを利用した技術の代表例と言えます。

製造現場の不良品発見や監視カメラでの不審者発見などに利用されており、人手不足解消や業務効率化に貢献しています。また、道路上の標識や歩行者を識別する必要がある自動運転にも必須です。

音声認識

これまで分析が難しかった音声データも、ディープラーニングならテキスト化や話者特定が可能です。手間がかかった録音データの書き起こしや会議議事録の作成といった事務作業を代行し、人材をさらに重要な業務へと転換可能です。

コールセンターでの顧客分析やスマートスピーカーで用いられています。

自然言語処理

人間の使う言語の意味をAIが認識し、適切なアクションを起こすシステムです。機械翻訳、テキストマイニング、対話システムの実装で重要となる分野で、スマートスピーカーには音声認識と併せて搭載されています。文脈の読み取りなど、人間の感情が絡むより複雑な処理も可能です。

システムの最適化

人間のキャパシティを超える膨大なデータと計算力を活用し、生産、物流、災害対策の最適化を行います。一人一人の生活様式にあった都市づくりを目指す「スマートシティ構想」でも重要視されており、今まで人間が発見できなかった改善ポイントや課題の発見が可能です。

異常・異変の探知

他のデータと比べて異常な動きをする状況を検知し、予防や対策を行う分野です。これまでクレジットカードの不正利用や金融システムの異常は人間が認識するのは困難でしたが、ディープラーニングであれば過去のデータをもとにすばやく発見可能です。ただし、大量のデータと高精度システムが必要となります。

ディープラーニングでできないこと

このように進化が続いているディープラーニングですが、現在の技術では実現が難しい分野も存在します。

・複数話者の分離
一人で話すスピーチの場合は高い精度をもって認識できますが、複数になると途端に精度が低下します。「複数の声の中でどうやって分析対象を見分けるか」はディープラーニングにとっても難しい問題です。

・データがない、あるいは不足している課題への対処
ディープラーニングを最適化するには大量のデータが必要で、正しくないデータが混じっている、そもそもデータの絶対量が少ない場合は効果を発揮しません。情報量が少ない状態から新しいものを生み出す、あるいは課題を解決するといった行動は人間を上回るのは困難です。

まとめ

今度ビジネスを展開する企業にとってディープラーニング を始めとするAIは欠かせない存在となるでしょう。基礎知識を速やかに吸収し、事業にどのように活用するか考慮することが求められます。本記事の内容を元に、ディープラーニング活用の第一歩を踏み出しましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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