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2018.11.26

ペーパーレスFAX|FAXをペーパーレスで使う方法を紹介します|トラムシステム

電話と同じく古くから使われている通信手段としてFAXがあります。

FAXは、口頭でうまく説明できない内容や、図や表といった目で見た方が理解が進ような内容を伝えたい場合に役に立つ通信手段ですが、最近は従来のように複合機の前に立って相手先のFAX番号を打ち込んで資料を送るという方法ではなく、PCから直接送る方法やインターネット回線を使ったやり方へと進化しています。

そのため、従来のFAX方法から新しい方法への検討をされる方が増えていますが、一方で

「FAXってそもそもどんな仕組みだったっけ?」
「PCFAXとインターネットFAXがあるけど何が違うの?」
「PCFAXとインターネットFAXのメリット、デメリットって何?」

といったお話をよく聞きます。

そこでこの記事では、これからFAXの導入を検討する方や、今あるFAXの仕組みを切り替えたいと考えている方向けにFAXの仕組み、PCFAXとインターネットFAXの違いについて詳しく解説していきます。この記事を読むことで、FAXについて理解できるため、今後のFAX活用の役に立つことでしょう。

サムネイル画像

FAXとは

それでは、はじめにFAXについて理解を深めていきます。

FAX(facsimile)は、遠方にいる相手に特定の通信手段を用いて画像などのドキュメントを送る仕組みのことで、1843年にイギリスのアレクサンダー・ベインによって発明されました。有名なベルの電話機発明よりも、実に33年も前に発明されていることが驚きです。

古くから利用されているFAXですが、その仕組みは以下のとおりです。

まず、FAXは書類に記載されている文字や画像などをすべて点の集まりと捉え、光の反射があるかどうかでその存在を認識しています。光を照射した際、反射するところは「白色」、反射しないところは「黒色」として識別しています。

識別された「白色」「黒色」については、「白色 = 0」「黒色 = 1」と数字を割り当てて、2進数に変換して電気信号として認識させ、電話回線を通じて相手側に電気信号を伝達します。相手側は受け取った電気信号を同じ要領で2進数から「白色」「黒色」へ変換させます。換した内容を印刷することで相手側は内容を確認できるようになります。

ちなみに、カラー画像を相手側に送る場合は、対象とするドキュメントに特殊なフィルターを通して光を照射し、光の3原色である赤色、青色、緑色に分割します。その際、各色の反射光の強弱を電気信号に変換することで実現しています。

相手側に文字や画像を送れるFAXは使い方によっては大変便利であり、利用シーンによっては業務効率を大きく向上させられますが、一方で従来のFAXにはいくつか課題があります。

環境面の課題

従来のFAXは発信元が文字や画像を相手側に送信すると、相手側のFAX機がその情報を受け取り、自動的に紙に印刷されます。環境面から見ても、資源の無駄使いになってしまっています。

必要な分だけ印刷するなど最小限の運用ができれば多少は環境面を配慮した運用ができますが、FAX側で必要か不必要かの判断ができないため、従来のFAXではこの問題を解決することが難しいと言えます。

通信費の問題

従来のFAXは、文字や画像を電気信号に変換し、電話回線を通じて相手側に送られるため、1通送るたびに通信費が発生します。1日あたりの利用量は電話ほど多くなかったとしても、1通あたりの送信単価は電話に比べ高いため、使用頻度が多い場合には特に通信費がかさみます。

経費の問題

最後は経費の問題です。印刷されるたびに必要な用紙代金、インクやトナーなどの消耗品費、保守費用など積み重なるとかなりの金額になります。時には、キャンペーンのお知らせや宣伝広告といった情報についても自動的に印刷されてしまうため、多額の無駄な費用がかかってしまうかもしれません。
これらの問題を解決する手段として登場してきたのが、次に紹介するPCFAX、インターネットFAXです。

PCFAXとインターネットFAX

それでは、ここからはPCFAXとインターネットFAXについて解説していきます。

PCFAXとは、パソコンに専用のFAXソフトをインストールして利用する形態のFAXであり、パソコンとFAXのやり取りをする複合機を接続することでパソコン上の操作でFAXの送受信ができます。

例えば、いままのでFAXであれば書類をFAXで相手側に送りたいと考えた場合、複合機で直接書類をスキャンし、相手先のFAX番号を入力して送信する必要があります。そのため設置場所まで移動する必要があり、相手先のFAX番号を記録して持ち歩くなどの手間が必要になります。

PCFAXを利用すれば、こういった複合機までの移動やFAX番号の記録が不要になり、すべて自席のパソコン上の操作でFAX送信が可能になります。もちろん、パソコン上に保存されているデータをFAXとして送るのであれば、スキャンの手間が不要になりますので、書類の品質はいままでのFAXよりも良い状態を維持できます。
いままでのFAXと同じく電話回線を使用していますが、送られてきたFAXが自動的に印刷されることがないため、先程の環境面及び無駄な経費の問題は解決できると言えるでしょう。

しかし、電話回線を使用していることから、通信費に関する問題を解決できず、それを解決する手段として登場したのがインターネットFAXです。
インターネットFAXは、FAXで行われるデータ通信を電話回線ではなく、インターネット回線を使用することでFAXを実現する形態となります。インターネット回線を使用することから、FAXを1通送るたびに費用が課金されなくなるため、通信費の問題を解決できるようになります。

最近はインターネットFAXが主流になっていますので、これから検討される場合にはインターネットFAXの利用を想定することになるでしょう。

PCFAXとインターネットFAXを比較

PCFAXとインターネットFAXの違いを理解したところで、それぞれのメリットとデメリットを整理します。

PCFAXのメリット/デメリット

PCFAXのメリットは、いままでのFAXに比べて自動的に印刷されることがないため、紙やインク代などの経費が削減できます。利便性という観点からも複合機まで移動しなくても自席のパソコン操作のみでFAX送信ができ、またパソコンで、受信したFAXの内容確認ができるため、業務効率が良くなります。また、機密性という観点からも、自動的に印刷されて第三者に見られてしまうリスクもなくなるため、いままでのFAXよりもセキュリティに配慮されていると言えます。

一方、デメリットはいままでのFAXと同じく電話回線を使用することから、FAXを1通送るたびに通信費が発生します。特に古くから受発注をFAXで行っている企業やアンケートなどをFAXで依頼している企業などでは、FAXを利用する頻度も多いため通信費が多くなる傾向にあります。また、PCFAXを利用するには専用のFAXソフトをインストールする必要があるため、FAXソフトの購入費用、及びフリーソフトなどを利用した際にはそのソフトによるパソコンへの影響(例えば、ウイルスが入っていてパソコンが感染するなど)のリスクが出てきます。

インターネットFAXのメリット/デメリット

インターネットFAXのメリットは、なんといっても通信費の大幅削減ができるというところでしょう。いままでのFAXやPCFAXのように電話回線は使用せず、インターネット回線を使用するため、FAXの送受信に関する費用は発生しません。厳密にはインターネット回線の利用料がかかるため、通信費がゼロになるということはありませんが、それでもかなり圧縮できることに加え、月額費用が固定化されることで、月々どのくらいの費用が必要になるのか試算しやすくなるところもメリットと言えます。
利便性という観点では、PCFAXと同じく移動しないで自席での利用ができますし、機密性という観点では同じく受信したデータが自動的に印刷されることがないため、強制的に印刷されて第三者に見られてしまうというリスクも低くなります。

一方、デメリットとしては電話回線ではなくインターネット回線を利用することで、悪意のある第三者に情報を取られてしまうリスクがあります。これはインターネット回線を利用することで第三者からの攻撃を受けやすくなってしまい、昨今のデータ漏洩やセキュリティインシデントに繋がるようなリスクを抱えてしまう可能性があります。
そのため、重要な書類や機密性の高い書類に関しては電話回線を使って送ったり、そもそもFAXを使わないで郵送するといったやり方が一般的です。

まとめ

これまで使われていたFAXから、PCFAX、インターネットFAXとFAXも進化を遂げてきており、以前よりもだいぶ使い勝手が良くなってきています。FAXは特にマスコミ業界ではいまでも多く使われており、利用シーンによってはまだまだ利用価値がある通信手段の一つと考えられています。
それぞれのFAXにはメリット、デメリットがあるため、導入を進める場合にはどういった業務で利用するかを想定してうまく使い分けをすることで、機密性を担保しつつ通信費を極限まで減らした運用ができるようになるでしょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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