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ビジネスフォンはどこのメーカーも同じ?丨タイプ別おすすめメーカーを紹介|トラムシステム

ビジネスフォンは国内外で多くのメーカーが製造しており、メーカーごとに特徴が異なります。市場シェアや人気に左右されず、自社の状況にあった最適なメーカーを選ぶために、各メーカーの特徴と導入規模や利用用途に適したおすすめのメーカーを紹介します。

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ビジネスフォンのメーカー・シェアについて

顧客からの問い合わせや業者への依頼、担当者同士の情報交換など、様々な場面で電話が使われるようになってきており、電話を制御するビジネスフォンはもはやビジネスを円滑に進めるためにはなくてはならないものになってきています。

ビジネスフォンは多くのメーカーがしのぎを削っており、またメーカーによって特徴が大きく異なることから、自社にあった最適なビジネスフォンを選択するにはメーカーごとの特徴を正しく理解しておくことが必要です。

Tracktypeによると国内のビジネスフォン市場シェアは、

・NTT:50%
・NEC:20%
・SAXA:20%
・その他:10%

を占めています。
ただし、NTTのシェア率が高いのは電話回線契約と絡んでいることが原因であったり、シェア率が低くても高性能なビジネスフォンを提供しているメーカーも複数社あります。そのため、人気やシェアに左右されずに選ぶことも失敗しないビジネスフォン選びには重要な項目です。

メーカーによる主な違い

ビジネスフォンは主に機能、デザイン、拡張性で違いが出てきます。各メーカーの特徴を簡単に把握しておきましょう。

(1)NTT
高い拡張性を誇り、小規模から大規模まで幅広く対応しており、基本機能である転送や保留や業務効率化、コスト削減などの用途に合わせたバリエーションが豊富なメーカーです。

(2)NEC
コールセンターで利用することを想定した機能(音声ガイダンスによる振り分け機能、着信をオペレーターに均等分配する機能など)を備えた機種を始め、増設が可能な豊富なラインナップが特徴のメーカーです。

(3)IWATSU
機能性、操作性に優れており、小規模〜中規模まで対応しています。
会社規模や利用用途に合わせたラインナップや省エネ設計やエコモードなどによる電力消費を抑える機能も提供しているメーカーです。

(4)Panasonic
携帯電話の通話料が定額になるサービスや外出先から会社経由で通話できる機能、ビジネスフォンを操作するだけでドアの施錠管理ができるなど、コスト削減や業務効率化、セキュリティに対応した機能を搭載しているメーカーです。

(5)saxa(サクサ)
どのようなオフィスにも対応しやすいデザインと使い勝手の良さから、小規模〜中規模企業に人気の高いメーカーです。

(6)NAKAYO
シンプルでモダンなデザインとナースコールとしての役割を担える機能を搭載しており、介護施設や宿泊施設で特に人気の高いメーカーです。

(7)HITACHI
視認性やデザインの良さ、またビジネスフォンとスマートフォンを連動させたシステムなど、豊富な機能を搭載。
高い拡張性を有しており、大規模企業の導入が多いメーカーです。

(8)OKI
インターネットやIP電話など幅広く対応したメーカーであり、不審者の侵入を防ぐ機能や緊急地震速報に対応したセキュリティを搭載しています。

ケース別おすすめビジネスフォンメーカー

ビジネスフォンを提供しているメーカーの特徴は違いがわかりにくいため、導入規模や利用用途でおすすめするメーカーを整理しました。

大企業向け

大企業向けのビジネスフォンでおすすめなメーカーはNTT、HITACHI、NECです。

NTTはビジネスフォンの市場シェアを約50%取得しており、電話回線に強く、会社規模を利用したスケーラビリティは圧巻です。黒電話の時代から電話に関するビジネスを展開していることから数多くの大企業への導入事例や強固なサポート体制が期待できます。
αA1シリーズでは、スマートフォン連携や従業員の活動状況を把握できるプレゼンス機能、電話ができなくても社内に連絡できるトーク機能など、大企業ならでは様々な利用シーンに対応ができる豊富な機能を搭載しています。

HITACHIは幅広い事業展開を行う総合電機メーカーであり、各部門から分離独立した系列会社も多数あり、大企業を中心に数多くの製品を導入してきました。ビジネスフォンも大企業での導入実績が豊富にあり、NTTと同じく高いスケーラビリティに対応できています。
NETTOWER CX9000IP シリーズでは、最大502〜16,384台まで接続ができ、圧倒的なスケーラビリティを提供しており、大企業のような多くの従業員を抱える環境でも問題なく利用ができる仕組みになっています。

NECは古くからエレクトロニクス製品を製造・販売しており、PCやOA機器としての供給量も多く、それに関連してビジネスフォンの導入も大企業に多く導入しています。
NECの製品にはメインユニットがあり、これを増設することで電話回線とビジネスフォンの増設ができることから、多数の社員の異動がある大企業に適した製品を提供しています。

UNIVERGE Aspireでは、最大688台の多機能電話機の接続や数百回線への電話接続が可能です。

中小企業向け

中小企業向けのビジネスフォンでおすすめなメーカーはIWATSU、SAXAです。

IWATSUは情報通信機器を扱っている電機メーカーです。IWATSUのビジネスフォンは高い技術力と操作性、オペレーション性能に定評があり、中小企業向けの製品ラインナップも充実しています。

Frespec(フレスペック)では、従来機に比べて大幅な小型化を実現しており、中小企業の比較的狭いオフィスにも設置がしやすい設計となっています。

SAXAはビジネスフォンを80年以上も製造販売していた実績があり、NTTやOKIのビジネスフォンの一部を作っているのもSAXAです。その高い技術力に裏付けされた中小規模の会社に特化したビジネスフォンが展開されています。
Agrea HM700Ⅱでは、従業員のスマートフォンに専用アプリをインストールすることで内線電話として扱うことができ、初期コストを抑えたい中小企業に適した機能を有しています。

コールセンター向け

コールセンター向けのビジネスフォン導入を検討しているのであれば、NECのビジネスフォンがおすすめです。NECはコールセンターへのシステム導入事例も多く、コールセンターの拡張にも対応しています。

例えばNECのビジネスフォンでは、通話の待ち時間から優先的にルーティングする機能を活用することで、待ち時間の長い方から優先的にオペレーターが対応することが可能です。オペレーターのスキルレベルに合わせた割り振りにも対応しており、円滑なコールセンター運営に必要な機能を提供してくれます。

UNIVERGE Aspire Xでは、通常のオフィスからコールセンターまで幅広い利用用途に対応しており、コールセンターならではのルーティング機能を搭載し、オペレーターに適切に着信を振り分けることが可能です。

コスト重視

コスト重視であれば、NAKAYO、IWATSUがおすすめです。

NAKAYOは高機能なのに低コストで利用できることから人気があります。SOHOや小規模オフィスで特に人気があるNYC-2F Ⅱでは、多機能電話機6台まで対応しており、10件までの着信履歴、コールバック機能などを搭載しており、新品で約30万円、中古で10万円前半で販売されています。

IWATSUは2000年以降に中大規模向けと小規模向けに製品ラインナップを整理しています。特に小規模向けのビジネスフォンは格安であり、PRECOT(プレコット)と呼ばれるブランドでは不在時の転送や大型ディスプレイ、携帯電話への転送などにも対応しているのにかかわらず、中古価格ですが3台セットで数万円前半で販売されています。

デザイン重視

デザイン重視であれば、SAXA、NAKAYOがおすすめです。

SAXAはユーザビリティを考慮したどんなオフィスにも相性が良いデザインが特徴です。NECやOKIのビジネスフォンの製造を担っていることもあり、小規模〜大規模まで幅広いオフィス環境にも違和感なく対応ができています。

PLATIAⅡでは、シンプルかつ薄さが際立つようなフラットで高級感を感じられるデザインとなっています。

NAKAYOは高い操作性とデザイン性で人気があり、HITACHIのOEMも行っていることから、SAXAと同じく小規模〜大規模までの多様なオフィス環境にも合致するデザインが特徴です。

NYC-2Sでは、シンプルな設計とデザインで花屋やパン屋、修理工場などで幅広く利用されています。

セキュリティ重視

セキュリティを重視するのであれば、Panasonic、OKIがおすすめです。

Panasonicはビジネスフォンの本来の電話機能に加えて、ドアの施錠管理や人感センサーによる第三者の感知、警報機と連携させることで警告音を発するなど、総合電機メーカーで培ったセキュリティ技術がビジネスフォンにも応用されています。
例えば、IP OFFICE Mllでは、システム連動させることでネットワークカメラに接続させたり、機内放送システムと連動させたり、電気錠連動、ドアホン連動させることが可能です。

OKIもPanasonicと同じく電機メーカーとして培ったセキュリティ技術をビジネスフォンに適用しています。

不審者の侵入検知や侵入防止、緊急地震速報と連携した災害時の緊急対応などにも対応しています。

CrosCore2シリーズでは、多機能電話機の人感センサーで不審者の侵入検知をしつつ、大音量の警告音やランプの点滅などで威嚇し、最大5ヶ所に同時通知することが可能です。

機能性・拡張性重視

機能性や拡張性を重視するのであれば、NTTがおすすめです。

大企業ならではのスケーラビリティに特色があり、NTTは電話回線などのインフラ、ネットワーク周りに強く、大企業への導入実績も豊富です。

NTTのαA1シリーズでは、従業員間の名刺情報の共有やスマートフォンへの電話転送ができる機能など、効率的な業務運営を実現できる機能を搭載しています。また、NTTには576台まで電話を同時接続できる機種も提供されています。また、先端技術への豊富な資金投資で新しい機能提供や機能改善が期待できます。

まとめ

ビジネスフォンは国内外に多数のメーカーがあり、またメーカーごとに特色が異なっています。ビジネスフォンに何を求めるか、どのような目的、利用用途でビジネスフォンを導入する予定なのか改めて整理して、適切なビジネスフォンを選んでいきましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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