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2022.09.06

コールセンター / 業務効率化 / RPA / 自動化 /

RPAでコールセンターは自動化できる?メリット・注意点も解説|トラムシステム

今後の労働人口の減少が確実視される中、コールセンターやコンタクトセンターでは離職率を抑えるとともに、業務の効率化が重要な課題となっています。コールセンターのDXで注目されているのがRPAによる業務の自動化です。

この記事では、RPAで自動化できるコールセンターの業務について、メリットや注意点と合わせて解説します。

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RPAとは

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、従来人がパソコンで行なってきた定型的な業務を、ソフトウェアを使い自動化する技術です。

RPAは「ロボットを使って作業を効率化する」というイメージで考えられがちですが、実際にはソフトウェアによって業務を自動的に実行していきます。

企業の総務部門や管理部門、管理職には定型業務が多く見られます。これらを自動的に処理することで「考える」「判断する」といった、人間にしかできない仕事に集中しやすくなり、業務が効率化されます。

RPAで自動化できる業務は「データ入力」「Webサイトからの情報収集」「メールの送信」「リマインドやアラームの送信」など業界や職種によりさまざまです。

また、RPAはシステムの構造により3つのクラスに分類されます。CLASS1が最も単純なRPAで、まずはこのレベルのRPAから始めるのが一般的です。

CLASS1:決められたルーティーンに従い、単純な反復作業を行うRPA(Robotic Process Automation)とも呼ばれる。
CLASS2:AIと組み合わせ、自らデータを分析し、結果を出力する。EPA(Enhanced Process Automation)とも呼ばれる。
CLASS3:高度なAIを搭載し、分析したデータから行動指針や選択肢を提供する。CA(Cognitive Automation)とも呼ばれる。

RPAの仕組み

業務を自動化するRPAは、どのような仕組みになっているのでしょうか。

RPAでは、ソフトウェアに作業手順(シナリオ)を読み込ませ、シナリオに沿って自動的に業務を実行させます。

ソフトウェアにシナリオを認識させる方法は次の2通りです。

・プログラミングコードを直接書き込む方法
・人間が行なった動作を覚えさせる方法

近年のRPAツールは簡略化が進み、プログラミングの知識がなくてもシナリオを作成可能です。そのため、社内SEや外部のエンジニアに頼らずとも、現場の従業員が担当するケースも見られます。

RPAとAIの違い

自動化・省力化を行なう手段としてRPAはAIとよく混同されます。自動化におけるRPAとAIの違いを簡単に表現すると、RPAが「手足」、AIが「頭脳」の役割だと言えるでしょう。

RPAは単純作業を自動実行するためのツールであり、単体ではデータを解析したり効率化のための提案を行ったりはできません。AIはデータの解析や判断などは可能ですが、AI自体は業務を実行する機能を持っていません。

互いに補い合う関係のため、より高度な業務や広い範囲の業務に対してRPAを使いたい場合、AIと組み合わせて使うケースが多くなるでしょう。

RPAの活用例についてはこちらの記事で詳しく説明しています。合わせてご覧ください。

コールセンター・コンタクトセンターがRPAを導入するメリット

コールセンターやコンタクトセンターでは、人手不足の解消や早期戦力化、オペレーターやスーパーバイザー(SV)への過度の負担といった課題が見られます。現場における課題の解決に、RPAの導入は効果的です。

ここでは、コールセンター、コンタクトセンターにおける、RPAの導入メリットについて説明します。

人的リソースの有効活用

RPAによってデータ入力やチェックなどの単純作業が自動化されることで、オペレーター、SVともに本来の業務に集中することができます。

オペレーターのメイン業務は顧客からの電話対応です。しかし、電話対応以外の事務作業に、オペレーターが多くの時間を割かれている企業は多いでしょう。RPAの導入により事務業務の負担が減ることで、電話対応業務に集中しやすくなります。

また、コールセンター全体を統括し管理するSVは、連絡や調整、決裁などの事務作業に時間をとられがちです。RPAを導入することで、定型業務によるSVの負担を減らし、現場の改善や教育などの重要な業務に時間を充てることが可能になります。

業務の精度・効率の向上

RPAでは機械が業務を実行することで、入力ミスや手順の抜け漏れといったヒューマンエラーを無くし、業務の精度や効率の向上を実現します。

人間が作業をする以上、どうしてもヒューマンエラーは避けられません。データ入力における誤字や、入力内容の抜け漏れなどが積もると、現場全体の業務効率や雰囲気などにも悪い影響が出ることがありますが、RPA導入によりこうした事態を回避できます。

RPAは人間が作業する場合よりも速く・確実に作業することが可能です。また、機械は24時間同じ品質で仕事ができるため、退社後や出勤前の時間にも仕事を任せることができ、現場の負担軽減に役立ちます。

コスト削減

コールセンター、コンタクトセンターでは人件費がコストの大半を占めます。RPAで業務の自動化が進めば、少ない人数での顧客対応が可能となり、コストダウンができるでしょう。

RPAの活用によりオペレーターやSVの負担が軽減して離職率が低下すれば、採用や教育にかかるコストの削減にもつながります。
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RPA化できるコールセンターの業務

コールセンターで発生する事務作業や管理業務などはRPAによって自動化・効率化できる場合が多いです。コールセンターの業務でRPA化が可能なものについて見てみましょう。

応対履歴の転記

従来、録音された対話内容やメール対応の内容は、オペレーターが手で報告書に転記していました。RPAを使えば対応内容が自動的に転記されるようになり、オペレーターは入力作業に時間を使わずに電話対応に集中できます。

自動化されることで転記漏れなども生じにくくなり、現場の情報共有も進むでしょう。

顧客情報の登録・収集

例えば、ホームページの申し込みフォームから送信された顧客の名前や住所を、CRMや顧客管理ソフトウェアなどに自動で登録することも可能です。入力作業が苦手なオペレーターの負担やストレスの軽減にも効果を期待できます。

RPAは手入力よりも作業が速く、ミスも少ないため、データの利活用も進むようになるでしょう。質の高いデータがあれば、業務改善のためのデータを分析したり、顧客リストをまとめたりといったSVの業務もはるかに楽になります。

日々の作業内容の集計

オペレーターごとの業務工数の集計を自動化し、スピーディーな業務改善やコスト削減につなげることもできるでしょう。また、予定の工数を超過しそうな人がいる場合には自動的にアラームを発信するようにするなど、集計結果をトリガーにしたアクションを設定することも可能です。

各種レポート作成・ダウンロード

レポートの作成や音声データのダウンロードといった作業も自動化できます。オペレーター評価のための月次レポートの作成では、業務データなどから情報を取得して入力する場合も多いです。RPAを使えば、データの集計や取得、入力といった定型業務を自動的に行い、SVが手入力する部分を大幅に減らすことができるでしょう。

対話履歴の音声データを自動でサーバーへダウンロードするといった業務も自動化できます。音声ファイルや動画ファイルの転送はネットワークへの負荷が大きく業務を妨げることもありますが、営業時間外の自動実行なら業務への影響はありません。

データの突合作業

RPAを使えばデータの突合作業も自動的に行えるので便利です。例えばオペレーターの勤怠管理なら、パソコンに記録された勤務開始・終了時間と、入退室管理システムの記録が一致しているかをRPAで自動チェックできます。

SVはスピーディーかつ見落としなくオペレーターの勤怠管理ができるようになり、適時に指導が可能となります。会社の労務管理の面でも喜ばれるでしょう。

コールセンターでRPAを導入する際の注意点

RPAは業務効率化に有効ですが、万能というわけではなく、あくまで手段の1つです。「何となく便利そう」「流行しているから」ということで導入しても、思ったような成果を出せずに終わるケースも散見されます。

ここでは、コールセンターでRPAを導入する際の注意点について説明します。

RPA化に適した業務を見極める

RPAを導入する際は、RPA化に適したコールセンターの業務をよく見極めましょう。RPAは単純業務の自動化は得意ですが、判断が必要となる複雑な業務には不向きです。

自社のコールセンターの業務を細かく洗い出して、RPA化が可能か、RPA化すべきかどうかをよく検討しましょう。RPA化しても、目的とした効果を実感できない部分が多ければあまり意味がありません。

RPA化によって業務の効率化や、業務品質の向上、従業員の負担軽減などに大きく成果が見込めるところから始めることが大切です。

ブラックボックス化しないようにする

ブラックボックス化とは、RPAが自動で行なっている業務について把握している人がいない状態を指します。

RPAシステムを構築した担当者が異動・退職してしまい、RPAのメンテナンスができなくなったり、RPAにトラブルがあった場合に手動で業務を実行できなくなったりすることは避けなくてはなりません。

RPAの導入時に業務プロセスやメンテナンスの方法について資料をまとめておき、引継ぎがしっかり行える体制を整えましょう。

システムトラブルを想定する

RPAを導入する際は、システムトラブルを想定して小規模な業務内容から始めることが大切です。運用経験が乏しいまま大規模なRPAシステムを導入してしまうと、トラブルへの対応ができなかったり、SVやオペレーターの負担が増えたりすることがあるためです。

RPAは導入時にトラブルが生じやすいですが、業務システムやソフトウェアのアップデートなどの理由により、導入後のトラブルも多いことに留意する必要があります。

トラブルが生じることを想定して相談窓口や担当者、トラブルシューティングのノウハウなどを整理しておくようにしましょう。

まとめ

RPAは人力で行っていた業務のうち、定型的な業務を自動化できるシステムです。コールセンターにおいては、応対履歴の転記や、顧客情報の登録・収集、レポート作成、データの突合作業などへの適用により、現場の業務効率化や負担の軽減などを見込めます。

一方、RPAは人の判断を必要とする複雑な業務には不向きです。RPAを導入する際は、RPA化すべき業務をよく検討して、少しずつ導入を進めましょう。


WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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