コンタクトセンターのアウトバウンド業務を成功させるポイントとは?|トラムシステム
コンタクトセンター、コールセンターのアウトバウンド業務は、しっかり事前準備を整え、改善を図ることで成功へ導くことができます。
本記事では、アウトバンド業務における重要なKPIや、トークスプリクトの重要性、オペレーターの心ケアまで、アウトバンド業務を成功させるためのポイントを解説します。
目次
アウトバウンド業務で重要な2つのKPI
コンタクトセンターではさまざまなKPIが設定されていますが、アウトバウンド業務において重要なのは「コンタクト率」と「成約率」の2つです。これらを改善することで、確実に成果を上げることができます。
コンタクト率
コンタクト率とは、オペレーターが架電をし、実際に顧客に繋がった割合です。そもそも電話が繋がらなければ成約は取れません。コンタクト率が低い場合は、架電リストの分析を行い、架電すべき日時や曜日はいつか、正しく予測しましょう。
成約率
成約率(承諾率)とは、架電した件数のうち、成約(承諾)を得られた割合です。単にセールスポイントを羅列しても、成約率は向上しません。成約率の改善には、トークスクリプトを見直したり、オペレーターが質問の回答を確認しやすいようにFAQの内容を見直したり、オペレーターの応対力を高めることが重要です。応対品質の改善が成約率を高めることに繋がります。
アウトバンド業務はトークスクリプトが何より重要
アウトバンド業務を成功させるのに最も必要なのは、顧客と電話をどのように行うかを記したトークスクリプト(台本)です。アウトバンド業務成功の50%はスクリプトの出来で決まると言われています。顧客目線でのトークスクリプト作成が必要であり、専門用語を避け、分かりやすい構成にすることが大切です。
加えて、拒否されることも多いアウトバンド業務の特徴を考慮し、その際のフォローや次回につなげる話法も作成すれば、オペレーターのストレスも軽減されます。
トークスプリクトの構成
トークスクリプトは、以下の3つの内容で構成されています。
実際の現場で利用し、オペレーター全員が使いこなせるようにしましょう。トーク内容を録音し、改善点を探っていくのも重要です。
定期的な見直し・改善を
作成したトークスクリプトは、場合によっては使いづらい、顧客のニーズに沿っていないなど改善が必要な場合もあります。必要だと思った部分は定期的に見直しを進めると、トークスクリプトを洗練させられます。
アウトバウンド業務を成功させるには
アウトバンド業務を成功させるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。成功には、トークスクリプト・オペレーターの応対力の改善・業務の効率化が鍵を握っています。
トークスプリクトの作成・改善
アウトバンド業務では、トークスプリクトは最重要といっても過言ではありません。また、システムの使い方に慣れていない新人のペレーターのために、現場で使用するトークスプリクトは、紙で準備することをお勧めします。紙であれば困った時にすぐ確認ができるからです。
トークスプリクトの作成・改善には、現場をよく知るベテランオペレーターの意見も大変貴重です。積極的に意見を取り入れ、よりよいトークスプリクトを目指しましょう。
声のトーン・話し方
聞き直しがないよう、電話越しの応対に適したトーンや話し方も必要です。大きな声、高めのトーンを意識しましょう。オペレーターは言い慣れていても、相手にとっては初めて聞く話です。結論を急ぎすぎず、早口にならないよう注意が必要です。電話相手がメモを取る時間も考え、ゆっくり丁寧に話しましょう。
オペレーター教育・サポート
アウトバンド業務に向いているオペレーターは、2つの特徴を備えています。
・お客様の事情を察して素早く応対を変えられる「気配り力」
・理不尽なことを言われてもすぐに立ち直れる「気持ちの切り替え力」
特別なスキルではなく、あとから身に着けることもできます。オペレーター全員がこれらの気持ちを持てるよう、教育やサポートを欠かさないようにしましょう。
コンタクトセンターシステムの導入
アウトバウンド業務に特化したコールセンターシステムの導入は、効率的な業務の実現に役立ちます。
例えば、以下の様な機能がアウトバンド業務でよく利用される機能です。
・オートコール:あらかじめ登録した架電リストに対して自動で架電
・クリックトゥコール:PC画面に表示される電話番号などをクリックして電話をかける
・プレディクティブダイヤリング:登録済みの架電リストに対して同時に架電を行い、接続できたものだけをオペレーターに繋ぐ
・プログレッシブダイヤリング:待機オペレーターの数に応じ、システムが架電リストに対して一斉自動架電を行う
コールセンターシステムを導入することで、架電数を増やし、コンタクト率ひいては成約率の向上が見込めます。
オペレーターの心のケアも忘れずに
受注に失敗することも多いアウトバンド業務では、努力が報われずにオペレーターが自信を失うときもあります。アウトバウンドは「きつい」「つらい」というイメージも強いので、オペレーターを束ねる立場の人は、オペレーターのケアも忘れずに行いましょう。
話を聞いてもらえない
アウトバンド業務では話を始める前から切られてしまい、会話にすら持ち込めないというケースが多々あります。心無い言葉で電話を切られることが続くと「自分自身を否定されているようで辛い…」と思ってしまうオペレーターもいるでしょう。
しかし、会話に持ち込むことができなかったとしても、それはサービスや商品が拒否されただけであって、オペレーターの人間性が否定されたわけではありません。最初の声のテンションを高く保ち、自信をもって話すことが重要です。SVの方は、オペレーターが素早く次のコールに移れるよう支援しましょう。
クレームが怖い
電話口で怒られ続けられることになるクレームもストレスの元です。確かに理不尽なクレームの対応をするのはオペレーターにとって大きなストレスでしょう。しかし、ある程度は「仕事」と割り切ってしまうのがストレス対策としても大切です。
感情的になっている相手ほど、冷静に、真摯な対応で接しましょう。それでも治まらない場合、SVはオペレーターと交代して対応するのがおすすめです。きついことを言われたオペレーターには、深呼吸をして落ち着くよう促しましょう。
受注が取れない
ベテランオペレーターであれば状況にあったトーク展開により成約率は高くなる一方で、新人オペレーターはなかなか成約に繋がらないことあります。そのため、それぞれのレベルに合わせて課題や改善点を分析することが重要です。例えば、受注率のいいオペレーターの応対を参考にすることも効果的でしょう。自分に合ったやり方を見つけられるようにサポートをしていきましょう。
まとめ
アウトバンド業務はインバウンド業務より難易度が高めですが、ポイントを抑えることで確実に成果に繋げられます。オペレーターの状態に気を配りながら、コンタクト率と成約率の改善を進めましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。