レンタルオフィス・シェアオフィスの固定電話は高い?お得に電話番号を使う方法とは|トラムシステム
レンタルオフィスやシェアオフィスで事業を行う際でも、営業活動や問い合わせへの対応などに電話番号は必要です。レンタルオフィス側で提供される固定電話設備を利用する方法もありますが、固定電話番号を独自に取得し、利用することも可能です。
この記事ではレンタルオフィスやシェアオフィスで固定電話番号をお得に利用する方法、おすすめのツールであるクラウドPBXについて詳しく解説します。
目次
レンタル・シェアオフィスの固定電話設備がおすすめできない理由
レンタルオフィスやシェアオフィスでは、固定電話設備や電話番号の貸し出しがオプションとして提供されています。一見便利なサービスですが、これらの利用はおすすめできません。
通話料やレンタル料が高い
レンタルオフィスやシェアオフィスの固定電話設備は発着信が可能な半面、通常の固定電話よりも通話料が割高です。NTTが提供する固定電話の通話料が3分8円なのに対し3分20円が相場と言われており、通信コストが肥大化してしまいます。サービス利用料や機器レンタル料が別途発生する場合もあり、事業を立ち上げたばかりの事業者にとって苦しい出費です。
FAXを利用できない
レンタルオフィスやシェアオフィスが提供する固定電話設備の多くはFAX利用が制限されています。完全に対象外、もしくは受信のみとなっており、FAXを利用する機会の多い事業では大きなマイナスポイントです。一部送信に対応するサービスも存在しますが、追加料金が発生するなどコストがかさみます。
転送や取次ぎが制限されやすい
レンタルオフィスやシェアオフィスの固定電話設備は割高なため、電話機を1台だけレンタルするケースがよく見られます。この場合、通話の転送や取次ぎに支障が出てしまい、円滑に事業を展開するのが困難です。外部システムとの連携もオフィスによっては制限がかかってしまいます。
移転時に電話番号がリセットされる
レンタルオフィスやシェアオフィスから移転する場合、これまで利用してきた電話番号や固定電話設備は返却しなければなりません。当然電話番号はリセットされてしまい、新たに電話番号を取得する手間がかかります。ホームページや名刺の更新が必要となるなどその他作業も発生するため得策とは言えません。
レンタル・シェアオフィスで独自の固定電話番号を利用する方法
レンタルオフィス、シェアオフィスで独自の固定電話番号を利用する方法はいくつかあります。それぞれメリットやデメリットがあるので、貴重なリソースを浪費しないよう、自社にとって最適な方法を選択してください。
1.自分でNTTと契約する
自分でNTTと契約し、固定電話と電話回線を取得する方法です。取得するのにお金と時間が必要となるものの、運用コストはレンタルより安価となります。自社の資産として電話回線と業務用電話機を保有したい場合にも効果的です。
ただし、レンタルオフィスやシェアオフィスでは「固定電話回線は引けない」「光回線はオフィス側が用意したものしか利用不可」など制限がかけられている場合があります。また、オフィスの移転時には設備の移設に多額の費用がかかる点にも注意が必要です。
2.クラウドPBXを使う
クラウドPBXとは、ベンダーがクラウド上に設置したPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用するサービスです。
電話回線ではなくインターネット回線を利用するため、回線工事が必要ありません。さらにビジネスフォンの主装置にあたるPBXがクラウド上にあるため、オフィス内に物理的な機器を設置することなく、インターネット環境さえあればすぐに利用開始できます。
【クラウドPBXのメリット】
・PBX(主装置)を購入する必要がないため、初期費用を抑えられる
・インターネット環境があればPBX機能を利用できる
・スマートフォンを内線端末として利用できる
・機器のメンテナンスやセキュリティ対策を自社で行う必要がない
・回線の増減や設定などもブラウザから簡単に行うことができる
初期費用や運用にかかるコストを抑えられる他、スマホ内線化などの便利機能により、個人事業主・中小企業から大企業まで様々な企業で普及しています。固定電話番号も取得できるため、レンタルオフィスやシェアオフィスでの利用に最も適したサービスと言えます。
3.電話番号をレンタルする
固定電話で用いられる「03」や「06」番号の回線をレンタルし、スマートフォンや携帯電話に転送して利用する手法です。信頼感が高い番号を安価で利用できるため、電話でのやり取りが重要な企業が積極的に導入しています。面倒な工事も不要となっており、短期間で導入可能です。
ただし、このサービスを利用した悪質な勧誘や詐欺行為が横行したため、総務省が対策に乗り出すなど、イメージの悪化が懸念されています。利用状況にかかわらず毎月一定の利用料が発生するサービスがある点にも注意しましょう。
4.電話代行サービスを使う
受電がメインで発信をほとんど行わない場合は、電話代行サービスの利用がおすすめです。利用料を支払えば代行スタッフが電話対応を行ってくれるので、業務に集中することが出来ます。
また、電話対応を行うスタッフがいる=社員を複数雇用している企業と判断されるため、信頼感の獲得にも繋がります。ただし、発信業務は不可能なため、クレームや急な問い合わせといった突発的状況への対応は困難です。
クラウドPBXがレンタルオフィス・シェアオフィスでおすすめな理由
さまざまなサービスを紹介してきましたが、レンタルオフィス、シェアオフィスで固定電話番号を取得する場合、クラウドPBXの利用が最もおすすめです。その理由を解説します。
導入、運用コストが安い
インターネット環境さえあれば電話回線やPBX機器なしで利用できるので、導入コストを抑えやすいのが魅力です。機能を利用した分だけ課金される従量課金制を採用しているサービスが多く、ランニングコストも抑えられます。
通話料金も全国一律3分8円となっており、通常の電話サービスよりも通話料も割安です。初期資金を抑えたいレンタルオフィスやシェアオフィス利用者が利用しやすい低コストなサービスとなっています。
固定電話番号をすぐに利用できる
クラウドPBXは機器や回線の設置工事が不要なため、1週間〜の短期間で導入が完了し、固定電話番号をすぐに利用できます。番号ポータビリティ(LNP)を利用すれば、これまで利用してきた固定電話番号の引継ぎも行えます。事業開始までの期間が短縮されるため、手軽に事業を開始したいレンタルオフィスやシェアオフィスユーザーにおすすめです。
取次ぎや転送など高度な機能が利用できる
クラウド上に存在するPBXにより、物理機器無しで内線、外線、取次ぎ、保留、転送などの業務機能を利用できます。スマートフォンの内線化も可能で、着信を転送するよう設定すれば、オフィスに社員が不在なことも多い企業でも顧客からの着信を逃しません。信頼性も高まり、事業を安定して運用できます。
また、以下のような外部システムの連携も容易で、必要に応じて機能やシステムを拡張可能です。
・CRM(顧客管理システム)
・SFA(営業支援システム)
・CTI(コンピューター電話統合)
保有しているスマートフォンを業務用として転用できる
スマートフォンにアプリを導入するだけで導入できるクラウドPBXサービスもあり、固定電話の購入コストを浮かすことができます。従業員の携帯電話を業務に利用するBYOD (Bring your own device)も、クラウドPBXを利用すれば容易に導入可能です。
スマートフォンでも固定電話番号による発着信が可能なため、プライベート用電話番号が流出する心配もありません。従業員が少なく、レンタルオフィスやシェアオフィスを空ける機会も多い小規模事業者での運用に適しています。また、タブレットやパソコンなど、スマートフォン以外の機器も端末として導入可能です。
オフィスを移転しても電話番号が変わらない
従来の固定電話番号は、NTTの基地局をまたいだオフィス移転の際、変更手続きを余儀なくされていました。それに対し、クラウドPBXで一度取得した電話番号は、日本全国どこに移転しても変わりません。電話番号変更に伴う手続きが不要となるので、人的資源を重要な業務に集中可能です。事業の拡大や業種変更に伴い、レンタルオフィスやシェアオフィスから移転する場合も電話番号を継続利用できます。
電話番号は長く使うものである意識を
業務で利用する電話番号は、一度設定すれば長く使う必要があります。短時間で変更すると、会社情報の更新や顧客への周知など、面倒な業務が増えてしまうからです。会社規模がある程度大きくなってからだと、混乱はさらに大きくなります。
そのため、オフィスの移転や従業員の増加など、会社の成長を見据えて電話番号を設定しましょう。レンタルオフィスやシェアオフィスから事業を開始し、変化の激しいビジネスシーンに対応したい場合は、クラウドPBXの導入がおすすめです。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。