ビジネスフォンの回線・設置工事とは?費用相場や工事不要の電話機も紹介|トラムシステム
ビジネスフォンの導入時には、回線工事や電話機の設置工事が必要となります。この記事では、ビジネスホンの導入工事の詳細と費用の目安、業者への見積依頼時のポイント、さらに工事不要で導入する方法について解説します。
目次
ビジネスフォンの導入工事とは
ビジネスフォンの工事には屋外で行う工事と屋内で行う工事の2種類があります。
屋外工事とは、外にある電線(電話回線)をオフィスに引き入れるための工事のことを指します。これはNTTが実施する工事であるため、局番なしの「116」に電話をして申し込みします。
屋内工事とは、外から引いてきた電話線を利用してオフィス内で配線し、各電話機を利用できる状態にする工事のことです。通常、NTTによる屋外工事の同日または後日行います。
屋内工事は「回線工事」と「電話工事」に分かれ、それぞれ次のような作業を行います。
回線工事
回線工事では、現場の状況によって以下のいずれかの作業を実施します。
1.新規設置工事:ビジネスフォンの新規設置に伴う工事
2.移設・増設工事:オフィスのレイアウト変更や電話機の増設に伴う工事
3.配線整備工事:複数回のレイアウト変更や増設によって入り乱れた状態となった配線を整備するための工事
4.撤去工事:電話機の撤去に伴う工事
電話工事
回線工事の実施後、電話工事で次の工程を順番に実施することで、オフィスでビジネスフォンが利用できる状態になります。
1.交換機工事:PBX(構内交換機:内線・外線の制御を行う装置)の設置を行う
2.電話配線工事:各フロアに設置する電話機と主装置を繋ぐ。オフィスの床(OAフロア)、カーペット、壁などをモールというカバーを使って這わせる
3.電話機設置工事:各フロアの電話機一台ずつの接続・設定を行う
ビジネスフォンの工事費用の内訳と相場
ビジネスフォンの導入工事にかかる費用は、各作業で発生する金額を合算したものになります。
実際の金額はオフィスの広さや現場の状況、さらに工事を実施する業者によって異なるので、今回は相場価格を紹介しましょう。
NTTが担当する屋外工事
外にある電話線をオフィス内に引き込む屋外工事の費用は、以下の項目に分かれています。
・交換機工事:1,000円/1回線(新設の場合)
・屋内配線工事:2,400円(既にある屋内配線を利用した場合)、4,800円(新しく屋内配線を設置する場合)
・基本工事費:4,500円(一工事における工事員の派遣費用)
各工事業者が担当する屋内工事
屋内工事の工事費用の内訳は、新規設置工事の場合を紹介します。
・作業員派遣費 10,000円/1人
・主装置設置費 13,000円/1台
・電話機設置費 9,000円/1台
・データ設定費 3,000円/1台
・FAX接続費 8,000円/1台
・屋内配線費 15,000円/30m
合計58,000円~
上記の費用の他に、モールやフラットケーブルなど当日の工事の現場で利用する材料費が発生することがあります。また、主装置設置費やデータ設定費は主装置の大きさによっても変動する可能性があります。
オフィスの配置換えなどに伴う移転増設工事や、配線整備、撤去工事の場合はまた相場は異なります。
例えば配線整備工事の場合、新たに主装置などを設置する必要はないため、かかる費用は作業員派遣費(10,000円/1人)と配線整備費(20,000円~/1式)のみで30,000円~程度です。
業者によってはキャンペーンなどによって工事費用を割引していることがあり、それらを上手く活用することで工事費用を抑えることが出来るでしょう。
クラウドPBXなら、内線、外線、転送などのビジネスフォンの機能はそのまま、インターネット電話回線があればすぐにご利用可能です。スマートフォンの内線化による業務効率化やコスト削減効果はもちろん、テレワークなどの柔軟な働き方の促進をサポートします。
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工事費用の見積依頼時のポイント
工事業者を選定する上で、工事価格は最も重要なポイントです。業者への見積依頼時、どのような点に気をつけるとよいのか、ポイントを整理しましょう。
相見積もりを依頼する
価格の適正さを計るため、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。各業者の見積書が出揃ったら、以下の4つの項目に分けて料金比較を行います。
・主装置設置
・電話機設置
・配線工事費用
・その他
料金体制や見積書の項目などは各社によって異なりますが、それぞれがどの費用にあてはまるのかを整理することで、金額や内容の比較が行いやすくなります。
また、A社にはない費用項目がB社にはある、詳細がわからない項目がある、という場合は業者に問い合わせをして説明を求めることも重要です。
費用に含まれる内容を確認する
見積書に書いている内容を比較することはもちろん重要ですが、書いていない内容についても確認が必要です。
例えば材料費などが含まれていない場合、当日別途費用として請求される可能性があります。他には、設置後にトラブルが発生した場合のアフターサポート(修理費用の負担)などについても見積りの段階で確認しておきましょう。
業者によって多少の金額の違いはあっても、工事にかかるコストは本来的にはさほど違いはありません。他社と比べてとりわけ費用が安い・高い業者は、なぜそのような価格設定になっているのかを考えるようにしましょう。
ビジネスフォンの設置工事費用を抑える方法
確かにビジネスフォンは業務に欠かせないものですが、できるだけ費用は抑えて導入したいもの。ビジネスフォンの導入にかかる費用を抑える方法をいくつか紹介します。
パック販売を利用する
小規模なオフィスに限定にはなりますが、工事が不要な「配線パック」というものがあります。取扱説明書を元にコードを繋いでいくだけでビジネスフォンの準備が出来るため、業者が入っての大規模な工事は行う必要がありません。
工事業者とのやり取りが面倒、工事費用を抑えて導入したい、という方におすすめです。
IP電話を導入する
IP電話とは、通常の電話回線ではなくインターネット回線を利用した通話サービスです。音声をデジタルデータに変換し、それをパケットに分割した上でネットワークを通じて音声を届けます。
IP電話では、電話回線を利用するよりも安く電話サービスを利用できるのがメリット。光ファイバー回線などの普及によって、通話品質も電話回線を利用したものと殆ど変わらないレベルです。
ただし、IP電話には停電時に使えない、110番などの緊急番号に発信できないなどの注意点もあります。詳細はこちらの記事で詳しく解説しているので、合わせてご参考ください。
クラウドPBXを導入する
クラウドPBXとは、ベンダーがクラウド上に設置したPBX(構内交換機)にインターネットを通じてアクセスすることで内線・外線などの電話機能を利用するサービスです。
電話回線ではなくインターネット回線を利用する点においてはIP電話と同じです。しかし、ビジネスフォンの主装置にあたるPBXがクラウド上にあるため、オフィス内に物理的な機器を設置する必要がない点で異なります。
主装置の購入やオフィス内の電話工事・回線工事が不要になるため、初期費用を抑えられる点が大きなメリット。数万円の初期登録料と、利用するユーザー数に応じた月額料金で利用できるため、ベンチャー・スタートアップ企業、個人事業主などの間でも普及しています。
専用アプリを使えば、手持ちのスマートフォンを内線端末として利用できるのも、クラウドPBXが選ばれている理由です。スマホ内線化(BYOD)によって会社番号での着信・発信ができれば、固定電話がないオフィスを実現することも可能。
クラウドPBXについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。
工事不要・初期費用を抑えて導入するならクラウドPBXがおすすめ
IT技術の発達により、最近では多くのサービスがクラウドベースで提供されるようになってきました。
オフィスの電話についても、PBX(主装置)をクラウド上に設置したクラウドPBXの普及が広がり、その流れは今後さらに強まると見られています。
クラウドPBXは工事不要で初期費用を抑えて導入できるだけでなく、オフィスの移転時でも電話番号が変わりません。インターネット環境があれば電話機能を利用できるという特性を活かせば、自宅やサテライトオフィスから業務をすることが可能に。
出張や営業で外にいる社員と内線電話で話したり、自宅から会社番号で顧客に電話したり、国内外の事業所とチャットやビデオ会議を行ったりと、クラウドPBXによって時間や場所にとらわれない自由なコミュニケーションが実現します。
現代の働き方に合わせた最新のクラウド電話については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。