クラウドPBXで電話代は安くなる!費用内訳とコストカットの注意点も解説|トラムシステム
工事不要で導入できるクラウドPBXは、初期費用はもちろん、通話料などのランニングコストも従来のオンプレミス型よりも安くすることが可能です。この記事では、クラウドPBXの利用にかかる各料金やコスト削減効果について解説します。
目次
クラウドPBX導入・運用コストの内訳
クラウドPBXの導入・運用には、主に以下の5つのコストが発生します。実際にどれくらいのコストがかかるかは、導入規模や利用機能によって異なるため、導入時には自社の業務にあわせたコスト試算が重要です。
【導入】初期費用
クラウドPBXは、オンプレミス型ビジネスフォンと異なり、物理的なPBXの購入・設置や電話回線工事などが必要ない点が大きな特徴の1つです。
インターネットがあればすぐに利用開始できるため、初期費用をビジネスフォンと比較してかなり抑えることができます。その一方で、ベンダーに事務手数料などの名目で初期費用を支払うケースが多いです。
初期費用は1万円~数万円程度であることが多く、ベンダーによっては初期費用が無料であることもあります。
【運用】月額利用料
クラウドPBXは、ベンダーがクラウド上に設置したPBXを毎月利用料を支払って使用する仕組みです。月額利用料はユーザー数に応じて設定されており、一人当たり1,000円~が目安です。
なお、ベンダーによっては、10ユーザー単位などのまとまった数で契約をするケースや、大人数での契約には割引が適用されるケースもあります。実際にどれくらいの料金になるかは、個別に問い合わせるようにしましょう。
【運用】通話料
クラウドPBX(クラウド電話)は、電話回線を利用するビジネスフォンよりも外線通話料が安価であることもメリットの1つです。ビジネスフォンとクラウドPBXの通話料金の違いは、次の通りです。
なお、内線通話は従来のビジネスフォンと同様に無料です。
【運用】オプション利用料
業務に必要な機能が基本プランに入っていない場合は、オプション機能として追加する必要があります。オプション料金はベンダーによって異なりますが、相場は以下の通りです。
・自動録音機能:2,000円
・IVR機能:5,000円
・電話会議機能:5,000円
・電話番号追加:100円
・ウィスパリング:5,000円
・モニタリング:3,000円
一点注意としては、オプションを追加すればするほど、月々のコストも上昇することです。「便利そうだから」といった曖昧な理由ではなく、本当に業務で必要な機能のみを導入するようにしましょう。
また、ベンダーによっては使いたい機能がオプションとしても提供されていないケースもあります。契約後に「使いたい機能がない」という事態にならないよう、必要な機能は予め洗い出しておくことが重要です。
【運用】電話機の購入・レンタル費用
クラウドPBXでは固定電話機の他にスマートフォンやソフトフォン(PC、タブレット)も内線電話機として利用できます。
これらを利用すれば電話機のないオフィスを実現することも可能ですが、受付や会議室などに固定電話を設置したいケースもあるでしょう。
クラウドPBX導入後も固定電話機を利用したい場合は、IP電話機を用意します。導入するクラウドPBXでも利用できるIP電話機があればそのまま転用できますが、ない場合には購入またはレンタルが必要です。
クラウドPBXにすると電話代が安くなる理由
外線通話料や固定電話機のレンタル代などの通信コストを全体的に見直したい企業には、クラウドPBXがおすすめです。ここからは、クラウドPBXが電話代節約に有効な理由を解説します。
内線通話が国内外で無料になる
クラウドPBXでは、インターネットがつながる場所であれば、どれだけ距離が離れていても内線端末同士の通話は無料内線電話になります。
例えばオフィスで働く社員とテレワークで自宅から働く社員の内線通話や、海外出張中の社員がホテルのWi-Fiを使って国内の社員と話す内線通話も無料です。
このように、従来のビジネスフォンであれば有料の外線通話をするしかなかったオフィス外にいる社員とのやり取りも、無料の内線でつなぐことができるのです。
従業員用の端末が不要になる
クラウドPBXでは、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールし、与えられたIDでログインするだけでその端末を内線端末として設定できます。
この仕組みを利用し、社員個人が保有するスマートフォンを業務用端末としても利用することを、BYOD(Bring your own device)と呼びます。BYODをすることで、会社は社員用の業務専用端末を購入する必要がなくなり、大幅なコストカットが可能です。
社員にとっても、個人用と会社用の2つの端末を持ち歩く必要がない、普段から使い慣れた端末を業務で利用できるなどのメリットがあります。
使った分だけ支払えば良い
事業の拡大や縮小にあわせて、利用機能やユーザー数を柔軟に変えられるのもクラウドPBXの特徴です。
例えば繁忙期には回線数やユーザー数を増やして顧客からの問い合わせに対応したり、反対に閑散期には減らしたりすることも。
このように、その時々の状況によって利用規模を調整することで「契約しているのに使っていない」といった無駄をなくすことができます。
クラウドPBX導入を機にさらにコストダウンをする方法
クラウドPBXの導入は、さらなるコストダウンのチャンスでもあります。ここではお得に電話環境を構築できるクラウドPBX導入を機会に、さらにコストダウンする方法を解説します。
回線契約数を見直す
契約している電話回線数が10年以上変わっていない、という企業は、全ての回線が本当に必要であるか確認しましょう。
ここ数年で、人々のコミュニケーションの方法は大きく変化しました。ビジネスシーンにおいても、メールや社内チャットの普及により、電話が業務に利用される機会はだんだんと減ってきています。
電話回線は契約しているだけで月々の料金が発生します。現在の利用状況を確認し、不必要な電話回線や固定電話機は廃止してしまいましょう。
プロバイダ・プランを見直す
インターネットのプロバイダや料金プランの見直しもコストダウンに効果的です。プロバイダの料金プランは定期的に更新されるため、見直しや乗り換えによって以前契約したプランよりも料金が下がるケースも少なくありません。
電話回線と同様、不必要なオプション機能に対して費用を払い続けていることもあるため、クラウドPBX導入を機会に見直しすることをおすすめします。
インターネットFAXを導入する
インターネットFAXとは、インターネットを通じてデータの送受信を行うFAXです。PDFデータをやり取りするため、パソコンやスマホからでも送受信ができる点が大きな特徴です。必ずしもデータを紙で印刷する必要がないため、インク代などの印刷費用も削減できます。
クラウドPBX導入時の注意点
契約中のプロバイダやプランの見直しはコストダウンに効果的ですが、乗り換えの際のコストにも注意が必要です。ここではクラウドPBX導入時の注意点を解説します。
コストカットをするためのコスト
これまでのプランと比較し、安い料金を打ち出しているサービスは魅力的に見えます。しかし、乗り換えるためのコストがどれほどかかるかも調べましょう。サービスの契約金や機器の導入費用が高ければ、これまで以上にコストがかかってしまう恐れもあります。
また、新しいサービスを社員に理解してもらうために、マニュアルを作成するなどの手間や時間がかかる可能性も考えられます。それらのトータルコストを計算した上で、それでもコストを抑えられると判断した場合に乗り換えを検討しましょう。
使い方によっては逆にコスト増になる可能性も
サービスを利用する際は、使い方によってコストが増える可能性もあることも覚えておいてください。
クラウドPBXは利用機能やユーザー数によって利用料金が発生します。このため、大人数で利用する場合にはオンプレミス型よりも費用がかかるケースもあります。加えて、使用しない機能をオプションでいくつも追加するのもコスト増の原因です。
自社の業務目的と合っているのか、生産性は上がるのかなどを検討した上で、それでもコストを抑えられると判断した場合に利用しましょう。
まとめ
クラウドPBXの導入によって、初期費用だけでなく通話料などのランニングコストの削減も期待されます。しかし、不必要なオプション機能の利用などによってコストがかかってしまう可能性もある点には注意が必要です。
自社の業務で必要なシステムの要件をしっかりと整理した上で、検討を進めていきましょう。

WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木 康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。