コールセンターシステムのオンプレ型とクラウド型の違い5つ|トラムシステム
コールセンターやコンタクトセンターで利用されるコールセンターシステムには、オンプレミス型とクラウド型の大きく2種類があります。それぞれ導入期間やコスト、カスタマイズ性などに違いがあるため、自社にあった導入形態を選ぶことが重要です。
この記事では、コールセンターシステムのオンプレミス型とクラウド型の5つの違いについて解説します。それぞれどのような企業に適しているのかについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
コールセンターシステムは2種類
コールセンターシステムは、導入形態によってオンプレミス型とクラウド型の2つがあります。それぞれの仕組みや特徴について解説しましょう。
オンプレミス型システム
オンプレミス型システムは、自社で用意したサーバーなどの環境にシステムをインストールし、自社で管理・運用しながら利用するタイプのシステムです。システムそのものが物理的に自社内に存在し、セキュリティ管理も内部で行われます。
オペレーターは社内ネットワークからシステムにアクセスし、コールセンター業務を行います。
クラウド型システム
クラウド型システムは、外部のベンダー(事業者)が構築した環境にインターネットを通じてアクセスして、システムに搭載されている各種機能を利用するタイプのシステムです。システムそのものは自社内にはなく、セキュリティやメンテナンスなどもベンダーが行います。
オペレーターはインターネット経由でシステムにアクセスし、業務を行います。社内ネットワークに接続する必要がないため、自宅や貸しオフィスなどインターネット環境があればどこからでもシステムを利用可能です。
オンプレミス型とクラウド型の5つの違い
オンプレミス型とクラウド型のコールセンターシステムは構築方法が異なるため、導入時にはそれらを理解した上で検討を進める必要があります。ここからは、オンプレミス型とクラウド型の主な違いを5つ解説します。
導入コスト・期間
導入にかかるコストと期間は、オンプレミス型は高コスト・長期間、クラウド型は低コスト・短期間であることが一般的です。
オンプレミス型
オンプレミス型システムは、自社で環境を構築・保有する仕組みのため、ハードウェアの購入、設置、ライセンスの取得など、初期コストが高い傾向があります。また、これらの設備の調達や設定などに時間がかかるため、検討開始から本稼働までの期間が比較的長く、数年かかるケースもあります。
クラウド型
クラウド型は、ベンダーが用意した環境を利用する仕組み上、初期コストは事務手数料などが主となります。また、簡単な初期設定や動作検証などを行えば利用開始ができるため、オンプレミス型と比較して導入期間が短く、ベンダーによっては最短1週間で利用開始できるケースもあります。
それぞれのコストの詳細については、こちらの記事で解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。
運用コスト
運用にかかるコストについては、オンプレミス型はメンテナンスコスト、クラウド型は月額利用料が中心です。
オンプレミス型
オンプレミス型システムの運用に際して発生するコストは、システムやサーバーのアップデートやメンテナンス、セキュリティ対策などです。メンテナンス作業によっては半年に一度など一定期間ごとに行えばよいため、毎月固定で発生するものではありません。
なお、メンテナンスには専門知識が求められるため、専門の人材を雇用するか、外部委託する必要があります。
クラウド型
クラウド型システムでは、利用する機能やオプション、座席数(アカウント数)などに応じた月額利用料が発生します。利用料はシステムを使い続ける限り支払う必要がありますが、物理的なインフラの管理やメンテナンスはベンダーが行ってくれます。
不要な機能や必要以上のアカウント数を契約すると利用料金が膨らむ要因となるため、業務に本当に必要な機能やアカウント数を見極めることが重要です。
カスタマイズ性
オンプレミス型とクラウド型システムで、よりカスタマイズ性に優れているのはオンプレミス型です。
オンプレミス型は自社でシステムを構築するため、自社独自のニーズや業務フロー、セキュリティ要件に合わせて設計できる点がメリットです。一方、クラウド型はベンダーが環境を構築するため、利用できる機能や設定などもシステムの制約を受けます。
とはいえ、クラウド型にも一般的なコールセンター業務を遂行するための基本機能は搭載されています。自社の要件を整理した上で、クラウド型で対応できるかを確認してみるとよいでしょう。
外部システム連携
外部システム連携においても、より柔軟性が高いのはオンプレミス型システムです。
オンプレミス型は、自社で設計・構築することに加えてシステムが社内環境にあるため、社内の他の業務システムとの連携が比較的容易に行えます。対して、 クラウド型では外部システムとの連携はAPIなどを使用して行うのが一般的で、連携ができるシステムや連携方法はベンダーによって異なります。
セキュリティ体制
オンプレミス型、クラウド型どちらも強固なセキュリティ体制の確立が可能です。
オンプレミス型は、セキュリティ体制を自社で構築・維持するため、自社独自の高度なセキュリティ要件にも対応できます。一方、クラウド型はセキュリティ体制がベンダーに依存します。最近では多くのベンダーも強固なセキュリティ対策を実施していますが、具体的な体制については個別に確認することが重要です。
オンプレミス型コールセンターシステムがおすすめな企業
自社の要件にあわせて構築できるオンプレミス型コールセンターシステムは、次のような企業におすすめです。
・企業独自の業務フローや高いセキュリティ基準があるなど、システムに求める要件が複雑である
・社内の他の業務システムとの高度なデータ連携をしたい
・企業やコールセンターの規模が大きい
このように、オンプレミス型コールセンターシステムはクラウド型では対応しきれない要件がある企業や、初期コストを吸収しやすく、自社で管理するリソースを持っていることが多い大規模企業などに適しています。
クラウド型コールセンターシステムがおすすめな企業
自社で設備やシステムを保有する必要がないため、気軽に利用可能なクラウド型コールセンターシステムは、次のような企業におすすめです。
・機能やセキュリティの要件が特殊ではない
・予算を節約しながら、迅速に導入がしたい
・将来の事業拡大や需要変動に、柔軟に対応したい
・メンテナンスやアップデートなどの運用コストを抑えたい
このように、クラウド型コールセンターシステムは初期コストや運用コストを抑えて、コールセンターの業務に必要な一般的な機能が搭載されたシステムを導入したい企業などに適しています。
まとめ
どのコールセンターシステムが自社にあっているかどうかは、企業のニーズと要件によって異なります。知名度や価格で判断するのではなく、システムの導入目的によって選びましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。