社用携帯は休日も対応するもの?ルールや自分の時間を守る方法を解説|トラムシステム
休日に社用携帯に電話やメールの連絡が入ると、「正直出たくない」と思う一方で「出ないとまずいのでは?」と不安になってしまう人も多いでしょう。
休日に社用携帯に連絡が入った場合、どのように対応するべきなのでしょうか。また、休日にできるだけ社用携帯に連絡が入るのを防ぐ方法はないのでしょうか。
この記事では、休日に社用携帯に連絡が入ったときの対応や、休日などのプライベートの時間を社用携帯に邪魔されないための対策などについて紹介します。
目次
社用携帯には休日にも対応すべき?
社用携帯や社用スマホは、社内外の関係者といつでも連絡が取れるというメリットがある一方、休日などの業務時間外にも連絡が来る可能性があるというデメリットもあります。
結論から言うと、労働者に休日に仕事の電話やメールの対応をする義務はありません。
休日とは、労働契約において労働義務がないとされている日です。このため、たとえ5分間の電話対応であっても、休日に対応する必要はありません。
参考:厚生労働省徳島労働局
会社や上司の命令で対応する場合の扱い
「連絡があったらいつでも出られるようにしておいて」と休日や休憩時間中に会社や上司の命令で電話待機などを求められるシーンもあります。
このような場合に、その待機が労働に該当するかどうかは、具体的な状況や法律によって異なります。
一般的には、電話やメールの待機のために労働者の行動や自由な時間が制限される場合には、待機時間も労働時間に含まれる可能性があります。
ただし、具体的な状況によって判断が異なるため、企業の就業規則や労働法の規定を確認し、必要に応じて労働弁護士等の専門家に相談すると良いでしょう。
電源をオフにしてもよい
休日に社用携帯に入るメールや電話への対応に迷うことがないよう、そもそも休日は電源をオフにしておくのも方法の一つです。
冒頭で解説した通り、休日は労働の義務がない日であり、たとえ電話1本、メール1通であっても対応する義務はありません。
しかし、緊急時に連絡がつかなかったことでトラブルに発展したり、その人の職場での立場が悪くなったりしてしまうことは避けたいものです。
休日や業務時間外に電源をオフにする場合には、上司や関係者にあらかじめ連絡しておくと良いでしょう。
休日に社用携帯に連絡が入ったときの対応
休日に仕事の電話対応をする義務はないと理解していても、仕事上の立場や状況によってはなかなか無視をすることが難しいこともあるでしょう。
ここからは、やむを得ず電源をオンにしていて、連絡が入ったときの対応方法を解説します。
緊急性を確認する
まず、連絡の緊急性を確認しましょう。緊急性がない場合には、後日対応することを相手に伝えます。
緊急の用件であるかどうかは一度電話に出てみないとわからないですが、緊急性を確認するために「1回目の着信にはあえて出ない」というのも方法の一つです。
これまで何度も休日に例外的に電話に出ていた場合、相手が「もしかしたら出てくれるかもしれない」と緊急ではない用件で連絡している可能性もあります。
緊急性が高い用件であれば何度も電話がかかってくるので、一度無視してみることもできるでしょう。
メールで折り返し連絡する
着信に後から気づいた場合は、電話を掛け直す他に、メールで折り返し連絡をする方法もあります。
電話で折り返してしまうと、その場で対応せざるを得なくなる可能性もあります。プライベートの時間を守るため、以下のようなメールで後日対応することを伝えると良いでしょう。
件名: 【折り返しのご連絡】携帯電話への連絡について
先ほどは携帯電話にご連絡いただき、ありがとうございます。申し訳ございませんが、本日は対応ができないため、用件をメールに返信いただけますでしょうか。確認し、後日対応させていただきます。
ご迷惑をおかけして、申し訳ございません。何卒よろしくお願い申し上げます。
休日に電話への連絡が入ったときのためにメーラーにテンプレート登録しておくと、必要なタイミングでさっと送信することができて便利です。
そもそも休日に連絡が入らないようにすることが大切
プライベートの時間を過ごしているときに、会社の電話がなったりメールの通知が来たりすることで、せっかくの気分が台無しになってしまうこともあります。
また「休日は連絡に出なくてもよい」とわかっていても、無視をすることで不安になったり申し訳ない気分になったりする人もいるでしょう。
プライベートの時間を仕事の連絡で邪魔されないために、そもそも休日に連絡が来ないように、日頃から工夫することが大切です。ここからは、そのためにやっておくべきことを紹介します。
社用携帯の対応時間を通知しておく
平日の夜や休日などの業務時間外は、電話やメールには応じられないことを、あらかじめ関係者に知らせておきましょう。
「業務時間外の連絡には対応しません」といった否定表現ではなく、「ご連絡は営業日の9時~18時にお願いいたします」といった依頼する表現を使うと、印象が柔らかくなります。連絡する相手も、緊急時以外はこの時間に連絡してくれるはずです。
休暇を取得する際も、同じように「◯月◯日から◯日まで休暇をいただくので、ご連絡は◯日の◯時までにお願いします」と、休暇中は対応できないことを伝えておきましょう。
急用以外はメール連絡をお願いする
電話を緊急時のみの連絡手段として、基本はメールでの連絡をお願いするのも方法の一つです。
電話は口頭で用件を速やかに伝えられる点が便利ですが、連絡をする側と受ける側の双方が同じタイミングで通話する時間を確保する必要があります。
一方、メールであれば連絡を受け取った人は自分の都合がよいときに確認することができます。スピードという面では電話には劣りますが、緊急性がない用件であれば問題ないでしょう。
仕事を計画的に進める
仕事を計画的に進め、できるだけ休日に連絡が入らないようにしましょう。
業務時間中はクイックレスポンスを心がけ、仕事の進捗は随時共有することで、休日に「あの件どうなった?」「締切が昨日だったんだけど」といった連絡が来るのを回避できます。
仕事が順調なら、休日に仕事のことを思い出して気分が下がることもありません。休日前に仕事を片付けることができなかった場合も、休日明けに対応することを一報入れておくことが大切です。
「休日は出ない」と一貫する
休日は何があっても電話に出ない姿勢を貫くこともできます。この場合は、業務時間外は電源をオフにする、または社用携帯をオフィスに置いたまま退社するなどの方法があります。
この姿勢を貫くことで、仕事の関係者も「◯◯さんは休日は連絡がつかない」と認識してくれます。一方で、緊急時にも連絡がつかないことで周囲とトラブルになる危険性がある点には、注意が必要です。
上司や部署でルールを決める
上司や部署で業務時間外の連絡についてルールを決めておくことも有効です。例えば、次のようなルールを決めることができます。
・休日の連絡は基本的にしない
・休日の連絡に対して、クイックレスポンスは期待しない
・どうしても連絡する必要がある場合はメールで行う
社内外の関係者とこのような取り決めをしておくことで、休日の連絡に関するストレスを軽減できます。
「つながらない権利」は自分で守ろう
つながらない権利とは、休日や業務時間外に、業務に関わる電話やメールを拒否できる権利です。インターネットや携帯・スマホの普及により、いつでも・どこでも連絡ができるようになった現代に注目が集まっています。
ヨーロッパ諸国を中心に従業員のつながらない権利を守るための仕組みづくりが進み、日本でも認知度と重要性が高まる一方で、特に日本では従業員が権利を主張して完全に業務時間外の連絡を拒否することは難しいのが現状です。
このため、つながらない権利は働く個人が自分で守ることが重要なのです。
つながらない権利の詳細や、権利を守るために従業員が行うべきことについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。
まとめ
対応する・しないにかかわらず、プライベートの時間を邪魔する休日の電話やメールの連絡には、それなりのストレスを感じるものです。「休日は対応しない」と決めたとしても、実際に電話がなると気になって出ずにはいられなかったり、無視をしたことに罪悪感を感じてしまったりすることもあります。
休日を仕事に邪魔されずに楽しめるように、あらかじめ対応が可能な時間を周知する、社内でルールを決めるなどの対策を取りましょう。
WRITER
トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人
広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。