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2023.02.22

コンタクトセンター / コールセンター /

コールセンターの歴史丨発祥~AI・音声認識など最新まで詳しく解説|トラムシステム

コールセンターとは、電話を用いてお客様の問い合わせ、苦情、注文に対応する施設の総称です。その発祥は約40年前と長い歴史を持ち、電話事業の変遷に合わせて発展を続けています。

本記事では、コールセンターが歩んできた歴史やコールセンターからコンタクトセンターへの変遷、今後の展望について解説します。
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コールセンターの歴史

1890年に日本で開始された電話サービスは瞬く間に広まり、1970年には一般家庭への導入が50%を超えています。企業もビジネスにおけるコミュニケーション手段として電話を活用し、コールセンターの原型となる仕組みが誕生しました。

1970年代:コールセンターの発祥

1970年代、電話を通じたお客様からの問い合わせやクレームが寄せられるようになり、企業の業務負担が増加しました。問題解決のために注目されたのが、1975年頃に登場した電話転送装置です。

電話転送装置は、ある場所にかかってきた電話を別の場所に転送する装置です。対応できなかった通話を留守番電話に録音するしかなかった当時は画期的な装置で、日本全国に普及しました。

その過程で、1つの代行業者が複数企業の電話対応をまとめて引き受ける電話秘書サービスが誕生します。「電話番引き受けます」のチラシをマンションや雑居ビルのポストに投函し、顧客を開拓していくスタイルです。電話転送装置ごとサービスを販売し、電話対応スタッフを雇用できない企業の受け皿となりました。

ただし、技術的な限界により、現代のコールセンターのような洗練された業務状況ではありませんでした。黒電話を10台ほど設置して運用する小規模スタイルで、電話が鳴り次第オペレーターが対応する状態です。オペレーター1人が複数企業の対応を掛け持ちするため、業務の精度にも問題がありました。

1980年代:CTIによって業務効率が大幅に向上

混沌とした環境で運用されてきたコールセンターに技術革新が相次いだのは、1980年代に入ってからです。1982年にはデジタル交換機が誕生し、音声品質が格段に向上しています。

特に影響が大きかったのは、電話とコンピューターを連動させて業務を処理するCTI(Computer Telephony Integration)の登場です。内線を制御する構内交換機(PBX)をデジタル化し、コンピューターとの融合が可能となりました。

CTIは電話機ではなく、ヘッドセットとコンピューターを利用して電話対応を行います。コンピューターに通話記録を保存できるため、これまでのようにメモを取って電話対応を行う必要がなくなりました。現在のコールセンターに欠かせない以下の機能も利用可能になりました。

ACD(Automatic Call Distributor):待機中オペレーターに着信配分を行う
ポップアップ機能:画面に発信者情報を表示する
IVR(Interactive Voice Response):自動音声による対応を行う

現在イメージされるような形式のコールセンターは、この時代になって誕生しました。1985年にはNTTが電話案内の総合窓口を設置しており、これがコールセンターと呼ばれる施設の元祖と呼ばれています。

1990~2000年代:CRMによってコールセンターに新しい使命ができる

CTI登場後もコールセンターは進化を続け、1990年代後半から2000年代前半にかけて、CRMが取り入れられました。

CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、お客様のニーズに沿ったビジネスを展開し利益を最大化する手法です。これにより、問い合わせやクレーム対応だけでなく、お客様を理解し良好な関係を築き上げるための以下のような業務が追加されるようになりました。

・お客様情報と応対履歴の管理
・データ集計および分析
・質問と回答をまとめたFAQの作成
・プロモーションやアフターケア

CTIと連携してこれらを代行するCRMシステムも登場し、コールセンターは企業戦略に欠かせない存在となりました。

2010年代:クラウドPBXによって多様な働き方・サービス提供が可能に

2010年代には、インターネット回線で内線および外線通話を行うクラウドPBXが登場しています。2000年代に登場したIP電話(インターネット回線を用いた電話システム)の性能向上により、音声とデータをまとめて送信できるようになったことで誕生しました。

クラウドPBXは、物理機器や回線なしで設置できるため、PBXの導入コストを大幅に削減可能です。遠く離れた拠点と無料で内線通話できるため、地方オフィスや海外支社を抱える企業での運用に適しています。CTIやCRMシステムとの連携も容易で、多くの企業で採用されました。

クラウドPBX最大の特徴は、コールセンターに時間と場所を選ばない働き方をもたらす点です。これまでのコールセンターは、通信機器とPBXを集約したオフィスでしか勤務できないと言われてきました。大規模な施設を必要としないクラウドPBXの登場により、在宅コールセンターの導入や電話対応業務のテレワーク化が可能となっています。

また、クラウドPBXは電話機だけでなく、スマートフォンを内線端末として利用できます。電話だけでなくメールやチャットにも対応しており、あらゆる連絡手段をサービスに組み込むことが可能となりました。
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コールセンターの今後は?

今後もコールセンターは新しい概念や技術を取り入れ、発展することが予想されています。どのような変化が予想されているか見ていきましょう。

コールセンターはコンタクトセンターに

技術発展やビジネス環境変化により、コールセンターはコンタクトセンターと呼ばれるようになりました。コールセンターとの違いは以下の通りです。

使用する端末

コールセンターはその名通り電話対応をメイン業務としてきました。一方、コンタクトセンターでは、電話、メール、FAX、チャット、SNSなどあらゆるチャネルを用いてお客様に対応します。これらはコンタクトセンターシステムによって一元管理されており、どのチャネルで用いても一定のサービスレベルを維持するオムニチャネル化を実現しています。

プロフィットの有無

コールセンターは、利益を生み出さないコストセンターと位置づけられてきました。一方、コンタクトセンターにはCRMの概念が導入され、売上増加やマーケティングに繋がる施策が求められています。すなわち、積極的に利益(プロフィット)を生み出すのがコンタクトセンターの役割です。

コミュニケーション手段の多様化、価値観の変化が起きるビジネス環境で良質なサービスを提供するには、コールセンターをコンタクトセンターへと変化させる必要があります。企業の利益となる情報を収拾し、顧客ロイヤリティを積極的に獲得する体制が求められているのです。

音声認識技術の活用

音声認識は、人の話す声をAIに認識させて文章化する技術です。これまで人力で行っていた文字入力や文字起こしを自動で行ってくれるため、コンタクトセンターの業務効率化に貢献するシステムとして注目を集めています。具体的なメリットは以下の通りです。

・通話履歴確認の効率化
・書類作成時間の短縮
・コンプライアンスの強化
・ノウハウの共有

すでにいくつかの音声認識システムが市場に登場し、オペレーター業務の効率化や管理業務の削減に貢献しています。オペレーターの経験年数に関わらず高品質の対応が可能となるため、離職率の高さに悩むコンタクトセンターの競争力強化に欠かせないツールです。

AI技術の活用

コンタクトセンターでは、音声認識以外にも以下のAI技術が多数活用されています。代表的なツールは以下の通りです。

チャットボット:顧客本人による問題の自己解決を支援する
テキストマイニング:ノウハウを効率的に蓄積する
AI感情分析:言葉などから顧客の感情を分析し、よりよりサービス提供に役立てる

人間が担っていた業務の多くをAIが担うようになっています。ただし、これは「10年後にはコンタクトセンターから人間がいなくなること」を意味しているわけではありません。人間にしかできない心を通わせたコミュニケーションや臨機応変な対応は、今後も求められ続けられるでしょう。

まとめ

コールセンターは黎明期から現在まで、様々なテクノロジーの恩恵を受けて進化を続けています。現在ではコンタクトセンターと呼ばれるようになっており、多種多様なチャネルとAIを活用するプロフィットセンターとして生まれ変わりました。

コンタクトセンターで働く場合は、今後も発展を続けるAIやテクノロジーを上手く使いこなし、時代の変化に対応できる人材を目指しましょう。


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WRITER

トラムシステム(株)メディア編集担当 鈴木康人

広告代理店にて、雑誌の編集、広告の営業、TV番組の制作、イベントの企画/運営と多岐に携わり、2017年よりトラムシステムに加わる。現在は、通信/音声は一からとなるが、だからこそ「よくわからない」の気持ちを理解して記事執筆を行う。


UNIVOICEが東京MXの「ええじゃないか」という番組に取り上げられました。

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